『007 カジノ・ロワイヤル』 [ぼくのシネマノート]
DVDで『カジノ・ロワイヤル』を見た。
『ダイ・アナザー・デイ』のピアース・ブロスナンが個人的にはとても気に入っていたので、最初に主役交代のニュースを聞いたときは戸惑ったが、多くの人と同じように、ぼくもダニエル・クレイグのボンドはとてもいいと思う。
『フラガール』 [ぼくのシネマノート]
『フラガール』をDVDで見た。
ふだん、通勤するくるまのなかではCDしか聴かないのだが、たまたまある日の朝FMを聞いていると、「オススメの映画」みたいなコーナーで、番組のナヴィゲーターの男性と映画館の支配人が「もう、ほんとうにいい映画ですね!」、「映画の悦びにあふれてますよね」みたいなことを口をそろえて褒めている。
そのうち次第に映画が評判になりだし、あれよあれよという間に主要な映画賞を総なめしたのはみなさんもご存知のとおりだ。
(見よ! 「映画賞独占!!…計44冠」の金ラベル(笑 )
主要なところを挙げると、第30回日本アカデミー賞の「最優秀作品賞」、「最優秀監督賞」、「最優秀助演女優賞(蒼井優)」を初めとして、キネマ旬報ベスト・テンの「日本映画」第1位、「助演女優賞(蒼井優)」、毎日映画コンクールの「日本映画優秀賞」、「助演女優賞(蒼井優)」、第49回ブルーリボン賞では「作品賞」、「主演女優賞(蒼井優)」、「助演女優賞(富司純子)」、第44回ゴールデンアロー賞の「映画賞(松雪泰子)」といったところだ。
劇場ではとうとう見れなかったのでDVDになるのをすごく楽しみにしていた。
『16ブロック』 [ぼくのシネマノート]
久しぶりにブルース・ウィリスの映画を見た。
ブルースといえば今夏公開予定の『ダイ・ハード4』が楽しみだが、今回のかれの役どころはニューヨーク市警のダメダメ刑事ジャック・モーズリー。
現場で捜査中だろうがオフィスであろうがアルコールを欠かせない依存症で署内でも鼻つまみ者のかれが、夜勤明けに仕事を命じられる。
朝の10時までに留置場の男を16ブロック離れた裁判所まで護送するという、楽な仕事だったはずなのに、とんでもないトラブルに巻き込まれてしまう。
クリスマス・ムーヴィーズ―その3 [ぼくのシネマノート]
うちの息子は小学生のころニコラス・ケイジが好きだった。
変でしょ?(笑。
でもじつをいうとぼくも好き^^
最初に彼のことを意識したのは1987年の『月の輝く夜に』。
灰色のバサバサの髪のシェールがとつぜん美しいレディに変身するこの映画、ぼくは大好きだったけれど、そのときのニコラスはそれまでの映画とちょっと違って、フランシス・コッポラの甥という立場から一歩抜け出した印象だった。
次に見た同じ87年作の『赤ちゃん泥棒』でさらに「おお!」という感じになり、それからは『ワイルド・アット・ハート』、『あなたに降る夢』、『リーヴィング・ラスベガス』、『ザ・ロック』、『フェイス・オフ』、『コン・エアー』、『スネーク・アイズ』、『シティ・オヴ・エンジェル』、『60セカンズ』、『コレリ大尉のマンドリン』…とヒット作、話題作が目白押しでいつの間にか押しも押されもせぬ大スターになってしまった。
さて、今日ご紹介する3本目のクリスマス・ムーヴィーは2000年に公開された『天使のくれた時間』だ。
ブレット・ラトナー(最近作は『X-MEN:ファイナル・ディシジョン』)が監督したこの作品、原題を『THE FAMILY MAN』という。
最初は「へ? なんでファミリー・マンが天使のくれた時間になんの?」という感じだったが、見終ってみると、なるほど原題もよくわかるし、邦題もよくわかる。
第一『家族的な男』じゃ絶対ヒットしないだろうから、配給会社の担当者もあれこれ悩んだんだろうなあ(笑。
クリスマス・ムーヴィーズ―その2 [ぼくのシネマノート]
今日ご紹介するのは『ラヴ・アクチュアリー』、2003年の英・米合作映画だ。
過去のヒット曲のクリスマス・ヴァージョンで起死回生を狙う往年のロック歌手から、合衆国の言いなりになることに忸怩たる思いを抱いている英国首相まで、幾人もの登場人物のクリスマスを巡る思いや恋を描いたよくある群像劇だが、登場人物がやたら豪華なのと、混線しないように鮮やか描き分けられたストーリーで、見終わった後がすっきりさわやかなクリスマス映画である。
クリスマス・ムーヴィーズ―その1 [ぼくのシネマノート]
今日から25日までの1週間で、クリスマスにちなんだ映画を3本ほど紹介したいと思う(←できるかな^^;)
クリスマスを舞台にした映画でまず思い出すのは、84年のパラマウント映画『恋におちて』だ。
『クラッシュ』 [ぼくのシネマノート]
2006年第78回アカデミー賞作品賞、脚本賞など3部門を受賞した『クラッシュ』をDVDで見た。
これは見事な群像劇だ。
登場人物はみんなそれぞれ心に何かを抱えている。
苛立ち、怒り、憎しみ、痛み、孤独、鬱屈、野心…。
(そしてそれはぼくたちも同様なのだが)
そんな登場人物たち、黒人の刑事とその母親、ヒスパニックの女性刑事、白人の検事とその妻、かっぱらいや窃盗を繰り返している黒人の2人組、差別主義者の白人警官とその若い相棒、黒人のTV演出家とその妻、中東出身の商店主親娘、黒人の鍵屋とその娘、中国人の夫婦…、かれらはいくつかの交通事故(クラッシュ)や人としての衝突(クラッシュ)で線として繋がっていく。
チェケラッチョ!! [ぼくのシネマノート]
じつはゴールデン・ウィークに映画館で見て、とてもおもしろかったのがこの作品だ。
連休の昼下がり、映画館は満員というわけでもなかったが、90%以上が10代から20代前半の女性。
そして50代の観客はまちがいなくぼく独りだった^^;
ほとんどが主演の市原隼人(『ウォーターボーイズ2』)目当てだったんだろうな。
映画は透(=市原隼人)、暁(=平岡祐太(『スイング・ガールズ』))、哲雄(=柄本佑)という3人の高校生が、アイデンティティや将来の不安に揺れ動きながらhip-hopのバンド を通して成長してゆくという、青春映画の王道を行くようなストーリーだ。
沖縄の美しい自然を背景に、唯(=井上真央)と梓(=伊藤歩)というふたりの女性が少年たちの季節にまぶしい彩りを添えていく。
(透がお魚みたいな梓ちゃんに初めて出逢う水族館の幻想的なシーン…)
(それがどうしてこんなことに…^^)
V フォー・ヴェンデッタ [ぼくのシネマノート]
久しぶりにテーマは映画ですが、中身はちょっと外れます。
よしなに…。
あのウォシャウスキ兄弟が制作と脚本にかかわったという話題の作品だが、例によってそういうことは知らないままDVDを見た(笑)。
舞台は第3次世界大戦後の英国。
そこは極端な情報操作と世論統制、そして秘密警察による超管理国家だった。
その国家に敢然と立ち向かう鉄仮面 + 超人ハルクのような主人公…というよくありそうなお話である。
原作が英国のコミックだからか肩の凝らないアクション映画といった仕上がりで、『マトリクス』の世界を期待するとちょっと肩透かしを喰うかも知れない。
しかしゴシック芸術を思わせる映像はなかなか見ごたえがある。
個人的にはかなり楽しめたのだが、映画のストーリーとは関係ないところで反応してしまった(笑)。
そのあたりのことをいくつか書いておきたい。
まず1年ぶりに見るナタリー・ポートマン。
ぼくは彼女の声が本当に好きだ。
じつは彼女を見たのは99年の『スター・ウォーズ・エピソードⅠ』が最初で(『レオン』を見たのはずいぶんあとだった)、そのときにまず心惹かれたのがナタリーの声だったのだ。
彼女の魅力的な声は今回も健在で、強固に見える自身の意思を彼女の柔らかな声がそっと包んで、うまく表現している。
『フライトプラン』でサスペンスのお勉強 [ぼくのシネマノート]
DVDで『フライトプラン』を見た。
旅客機という一種の密室のなかで少女が姿を消す、というのはアルフレッド・ヒチコックの『バルカン超特急』(1938年英 原題はTHE LADY VANISHES―「貴婦人消失」)以来くり返されているおなじみのテーマだ。
乗務員も乗客も「そんな娘は知らない、見たことがない」というところまで『バルカン超特急』にそっくりだが、母親であるカイル(ジョディ・フォスター)が夫のデイヴィッドを亡くしたばかりで精神状態が不安定だということもあって、「空の上だもの、すぐに見つかりますよ」と言っていた乗務員や乗客たちも、しだいに半狂乱になっていくカイルをだんだん突き放して冷ややかに眺めるようになる。
ウェブ上では前半に比べて後半の展開に批判的な意見も多いが、そんなに悪い出来ではないと思う。
こういう映画はリアリティ、リアリティと声高にあげつらうのではなく、キャストやスタッフと一緒になって物語の世界を楽しめばいいのだ。
わが敬愛する植草甚一さんの著書に『雨降りだからミステリーでも勉強しよう』という名著があるが、今回は映画の序盤をなぞりながら、サスペンスを盛り上げる手法の復習でもしてみませんか。
(ネタバレはありませんが、画像は20枚です。みんな見てくれるかなあ^^;)