V フォー・ヴェンデッタ [ぼくのシネマノート]
久しぶりにテーマは映画ですが、中身はちょっと外れます。
よしなに…。
あのウォシャウスキ兄弟が制作と脚本にかかわったという話題の作品だが、例によってそういうことは知らないままDVDを見た(笑)。
舞台は第3次世界大戦後の英国。
そこは極端な情報操作と世論統制、そして秘密警察による超管理国家だった。
その国家に敢然と立ち向かう鉄仮面 + 超人ハルクのような主人公…というよくありそうなお話である。
原作が英国のコミックだからか肩の凝らないアクション映画といった仕上がりで、『マトリクス』の世界を期待するとちょっと肩透かしを喰うかも知れない。
しかしゴシック芸術を思わせる映像はなかなか見ごたえがある。
個人的にはかなり楽しめたのだが、映画のストーリーとは関係ないところで反応してしまった(笑)。
そのあたりのことをいくつか書いておきたい。
まず1年ぶりに見るナタリー・ポートマン。
ぼくは彼女の声が本当に好きだ。
じつは彼女を見たのは99年の『スター・ウォーズ・エピソードⅠ』が最初で(『レオン』を見たのはずいぶんあとだった)、そのときにまず心惹かれたのがナタリーの声だったのだ。
彼女の魅力的な声は今回も健在で、強固に見える自身の意思を彼女の柔らかな声がそっと包んで、うまく表現している。
まったく関係ないが、今のパートナーに初めて会ったときも、まず魅力的な声の人だなあ…と思ったものだ(笑)。
ふたつめが主人公V(ヴィー)の仮面だ。
能の面が芝居のストーリーに連れて笑ったり泣いたり、怒ったり悲しんでいるように見えたりするのはよく知られているが、Vの仮面もとても表情が豊かだった。
日本の文化にも関心の深いウォシャウスキ兄弟のことだ、おそらく能面をかなり研究したのだろう。
そして最後のシーンが余韻を残して消えた直後、エンディングのロールとともに立ち上がるアコギの素晴らしいカッティング……
おお、「ストリート・ファイティング・マン」!!
いやあ~、これには久しぶりに胸が轟きました!
リアル・タイムにストーンズを聴いていたころの感動がまざまざと甦った。
「ジャンピング・ジャック・フラッシュ」の大ヒットの直後だったから、当時は「二番煎じじゃねーか」なんていうヤツもいたのだが、「いやいや、歌詞を聴いてみろよ! ストーンズは相変わらずロックだぜ!」なんて熱くなったものだった。
わはは、そういう意味では『V フォー・ヴェンデッタ』にじつに似つかわしいエンディング・テーマではないか。
もちろんエンドロールが終わると『ベガーズ・バンケット』をターンテーブルに載せたのはいうまでもない…。
この映画、私も観たいんですよねえ。ナタリー・ポートマンはやっぱり「レオン」の時の少女時代の方が存在感が強かったですが、だんだん大人になるにつれて演技派女優になってきたみたいですね。遼さんがおっしゃるほど声に印象はないなあ(笑)。それを言うなら私はニコール・キットマンの声というか、ちょっとブリッコっぽいしゃべり方が好きです。萌えます(笑)。
エンドロールに「ストリート・ファイティング・マン」ですか。なんかカッコよさそう!札幌に戻ったらDVD買います(^ω^)
by MASA (2006-09-19 10:34)
ストーンズの曲でアコギイントロ、映画に使われた、というと思い出すのはスコセッジのMean Streetsです。
バーにハーヴィー・カイテルが入っていくとこで、急にスローモーションになって、そこで「ジャカジャカジャーン・・・」とTell Meが始まるのでした。
この映画、オープニングは確かロネッツのBe My Babyという泣かせる選曲です。
駆け出しの頃のデ・ニーロのチンピラ演技が見られる作品です。
もしまだでしたら、是非!
by MORE (2006-09-19 12:16)
MASAさん、お疲れさまです。
>ニコール・キットマンの声というか、ちょっとブリッコっぽいしゃべり方が好きです
ああ、逆にぼくはニコールの声が思い出せません。
ついこの前も『コールド・マウンテン』見たばかりなのに…^^;
でも今いちばん美しいハリウッド女優は間違いなくニコールだと思いますね。
とくに『ムーラン・ルージュ』と『アザーズ』。
1940年代末から50年代半ばにかけて、アルフレッド・ヒチコックが愛したクール・ビューティ(イングリット・バーグマンからグレース・ケリーへ)の系譜を受け継いだ正統派の美女ですよね~。
トム・クルーズと結婚したときはマジ切れた…(笑。
そういえばMASAさんオススメの『奥様は魔女』まだ見てないなあ…。
by parlophone (2006-09-19 22:22)
MOREさん、どうもです。
>ストーンズの曲でアコギイントロ、映画に使われた、というと思い出すのは
>スコセッジのMean Streetsです
おお、この映画、評価高いですよね。
まだ見てません。
>オープニングは確かロネッツのBe My Babyという泣かせる選曲
いいなあ。
スコセッシ(濁るのが正式ですか?)の趣味が現れた選曲ですね。
さっそくウォッチ・リスト(ちょっと意味が違う?)に入れときます^^
by parlophone (2006-09-19 22:26)
ニコール・キッドマンは「ダンサー・イン・ザ・ダーク」のラース・フォン・トリアー監督の「ドッグヴィル」もオススメです。これは異色作です。ドッグヴィルという小さな村が舞台なのですが、これがスタジオの床に白線を引いただけで、セットがほとんどない!ニコールはじめ役者さんたちはみんなそこにドアや壁があるつもりで演技しています。前代未聞の作品です。内容もかなり変(笑)。ニコールはこのドッグヴィルにやって来た謎の女を演じています。
よろしければ是非どうぞ。
by MASA (2006-09-19 23:00)
キドマンの「ドッグヴィル」は実験的映画ですので最後まで観るのは
根性が要りますが、ハマると目が離せなくなります。
ほとんど彼女が監督及び他の出演者からイジメを受けているような作品です。
キドマンでお奨めはThe Hoursです。
最初ずーっとキドマンがどこに出ているのか判りませんでした。(爆)
DVDで繰り返して鑑賞するに値する作品です。
by MORE (2006-09-19 23:17)
な~るほど~。
DVDの告知のころには「話題作!」みたいな扱いだったのに、一般の評価があまり芳しくはなかったのは、そういうことだったんですね~。
なんだか見たいような見るのがこわいような…。
でもハマってみたいような気もします^^
「The Hours」ですか。
あ、ひょっとしたら『めぐりあう時間たち』のことですか?
それだったら ここ ↓ にインプレッション載せてます。
http://parlophone.at.webry.info/200501/article_2.html
お暇なときに覗いてみてくださいね~。
by parlophone (2006-09-20 00:27)
ナタリー・ポートマンの話でしたよね…
彼女を知ったのはAnywhere But Hereでスーザン・サランドンの娘役を演じた時でした。
スーザンからは色々演技の勉強をしたと推測されます。
で、もちろんStar Warsもありましたが、まああの役は彼女じゃなきゃあ成立しないか?って言われても…
私のお気に入りはGarden Stateですね。
この映画みたいな従来のハリウッドっぽくないコメディーって好きですね。
チャーリー・カウフマンの作品がお好きなら気に入ると思います。
by MORE (2006-09-20 14:47)
こんばんは。 久しぶりに書き込みさせていただきます。 昔はただの54ダッタかもしれませんが・・
この映画、僕も面白く観ました。 仰るとおり、ナタリーが、かわゆい(笑)
最初にVのアジトで目覚めたナタリーがかすかに聴こえる音楽に導かれてVのもとに行くのですがジュークボックス(なぜか、ジュークボックスがある・笑)から流れる曲はジュリー・ロンドンのクライミーアリバー、僕はこれが印象的でした。 ラストシーンの後の「ストリート・ファイティング・マン」僕もこれはきましたねー!(笑) ベガーズを聴いたのは言うまでもありません!
by M54 (2006-09-20 21:17)
MOREさん、どうもです。
浅学非才なワタクシ、原題で書かれても何の映画なのかさっぱりわかりません^^;
ぜひぜひ、日本公開時あるいはヴィデオ化の際の邦題を書いてくださいませ。
よろしくお願いいたします。
>チャーリー・カウフマンの作品がお好きなら
う~ん、フィリップ・カウフマンなら何本か見ましたが、チャーリーのほうはまったく知りません。
すみません…。
by parlophone (2006-09-20 21:43)
M54さん、お久しぶりです!
>昔はただの54ダッタかもしれませんが・・
はい、以前お見えのときは54さんでした^^
>ジュークボックス(なぜか、ジュークボックスがある・笑)から流れる曲は
>ジュリー・ロンドンのクライミーアリバー
そうでした、そうでした!
すっかり忘れておりました(笑。
「クライ・ミー・ア・リヴァー」もとても効果的な使われ方をしてますよね。
しかもジュリーの大人の女を感じさせるアンニュイな声!
「クライ・ミー~」はやっぱり彼女だと深く納得させるようなシーンですよね~。
by parlophone (2006-09-20 22:26)