ストーンズのSACD をもうちょっと [STONES]
ストーンズの紙ジャケのときは「農林娘。騒ぎ」(笑)もあったので、ブログをご覧のみなさんもご記憶に新しいと思うが、02年にSACD とCD のハイブリッド盤が出たときもけっこうたくさんのタイトルを買ったので、最近はそれをよく聴いている。
ところがほとんどモノラル録音で占められた『ディッセンバーズ・チルドレン』('65)あたりだとCD とSACD の差があまり感じられない。
モノラルのM-1「She Said Yaeh」などを聴くとSACD のほうがたしかに刺激的な音が少なくなっているのだが、とにかく音が悪いのでそちらのほうが気になってしまう。
65年のロンドン・オリンピック・スタジオというのはこんなにプアな録音しかできなかったのだろうか。
(左がハイブリッド盤)
逆にリアル・ステレオのM-4「Look What You've Done」なんかはほとんどCD とSACD の差が感じられない。
これはぼくの耳のせいかもしれないし、機器のせいかもしれないのだが、SACD プレイヤーをお持ちのかたはどう感じていらっしゃるのだろう。
そんなことを考えているうちに、旧盤のCD ももっている『ベガーズ・バンケット』('68)で3種類の聴き比べをしてみようと思い立った。
(左下のハイブリッド盤にはもともとなかった「Beggars Banquet」の文字がシールで加えられている)
まず旧CD は国内盤のリリースが95年のものだ。
音が流れ出したとたんに感じるのは"軽さ"だ。
低域が絶対的に不足していて、パーカッションはシャリシャリと耳障りな音が聞こえるし、ベースの音などもペナペナしている。
スピーカー・ユニットが「紙でできている」ことをあらためて思い出させるような音だ。
2006年の紙ジャケ(2002年ボブ・ラディックによるDSD マスタリング)になると、重心がぐっと下がって、音にも厚みが出てくる。
パーカッション、ドラムス、ピアノ、ヴォーカル、ベースがそれぞれ存在感をもって迫ってきて、まるで68年のスタジオにいるみたいだ。
中間部のキースのギター・ソロは95年盤に比べると倍音が豊かで空間的な広がりを感じさせる。
M-2「No Expectations」でもブライアンのスライド・ギターがじつにリアルだ。
さて02年のハイブリッド盤。
音が出た瞬間、「あれ? 音圧がちょっと低めかな?」と思う。
でもしばらく耳を傾けていると、CD と同じ音圧のレベルだ。
前の記事でも書いたように、やっぱり音の肌理が細やかでなめらかなので、同じレベルの音でも「静か」に聞えるのだ。
M-1「悪魔を哀れむ歌」のパーカッション、ドラムス、ピアノ、ヴォーカル、ベースはCD よりも渾然となって聞える。
M-2のブライアンのスライドは、刺激的な音が消えている。
たぶん(推測だけれど)スライド・バーが弦をこするときに出るノイズによけいな音が付随して、CD ではその音が耳障りに鳴っていたのだ。
SACD になるとその雑音が消えてすっきりした音になる。
人によってはもの足りなく感じるかも知れないが、SACD を聴いてみて初めてわかるなめらかな音だ。
やっぱり録音が新しいほうがSACD のよさがわかるようだ。
もうちょっといろいろなSACD が聴いてみたくなってきた。
ところがほとんどモノラル録音で占められた『ディッセンバーズ・チルドレン』('65)あたりだとCD とSACD の差があまり感じられない。
モノラルのM-1「She Said Yaeh」などを聴くとSACD のほうがたしかに刺激的な音が少なくなっているのだが、とにかく音が悪いのでそちらのほうが気になってしまう。
65年のロンドン・オリンピック・スタジオというのはこんなにプアな録音しかできなかったのだろうか。
(左がハイブリッド盤)
逆にリアル・ステレオのM-4「Look What You've Done」なんかはほとんどCD とSACD の差が感じられない。
これはぼくの耳のせいかもしれないし、機器のせいかもしれないのだが、SACD プレイヤーをお持ちのかたはどう感じていらっしゃるのだろう。
そんなことを考えているうちに、旧盤のCD ももっている『ベガーズ・バンケット』('68)で3種類の聴き比べをしてみようと思い立った。
(左下のハイブリッド盤にはもともとなかった「Beggars Banquet」の文字がシールで加えられている)
まず旧CD は国内盤のリリースが95年のものだ。
音が流れ出したとたんに感じるのは"軽さ"だ。
低域が絶対的に不足していて、パーカッションはシャリシャリと耳障りな音が聞こえるし、ベースの音などもペナペナしている。
スピーカー・ユニットが「紙でできている」ことをあらためて思い出させるような音だ。
2006年の紙ジャケ(2002年ボブ・ラディックによるDSD マスタリング)になると、重心がぐっと下がって、音にも厚みが出てくる。
パーカッション、ドラムス、ピアノ、ヴォーカル、ベースがそれぞれ存在感をもって迫ってきて、まるで68年のスタジオにいるみたいだ。
中間部のキースのギター・ソロは95年盤に比べると倍音が豊かで空間的な広がりを感じさせる。
M-2「No Expectations」でもブライアンのスライド・ギターがじつにリアルだ。
さて02年のハイブリッド盤。
音が出た瞬間、「あれ? 音圧がちょっと低めかな?」と思う。
でもしばらく耳を傾けていると、CD と同じ音圧のレベルだ。
前の記事でも書いたように、やっぱり音の肌理が細やかでなめらかなので、同じレベルの音でも「静か」に聞えるのだ。
M-1「悪魔を哀れむ歌」のパーカッション、ドラムス、ピアノ、ヴォーカル、ベースはCD よりも渾然となって聞える。
M-2のブライアンのスライドは、刺激的な音が消えている。
たぶん(推測だけれど)スライド・バーが弦をこするときに出るノイズによけいな音が付随して、CD ではその音が耳障りに鳴っていたのだ。
SACD になるとその雑音が消えてすっきりした音になる。
人によってはもの足りなく感じるかも知れないが、SACD を聴いてみて初めてわかるなめらかな音だ。
やっぱり録音が新しいほうがSACD のよさがわかるようだ。
もうちょっといろいろなSACD が聴いてみたくなってきた。
情報量が多いSACDは、悪い音は悪いまま、いい音はいいまま、それ以上でもそれ以下でもなくマスターの音を等身大に再現するということですかね。
やはりSACDの音は絶対的にいい!ということではないんですねー。
最近紙ジャケでも出ましたが、ビョークのアルバムのSACDあたりはなんかすごそうな予感がします。
今度是非お試しを^^。
by MASA (2008-04-25 00:42)
MASAさん、こんばんは~。
>情報量が多いSACDは、悪い音は悪いまま、いい音はいいまま、それ以上でも
>それ以下でもなくマスターの音を等身大に再現するということですかね
そういうことなのかもしれませんね。
でも情報量が増えるとなぜなめらかな音になるのかが、ぼくにはちょっと理解できません(笑。
>ビョークのアルバムのSACDあたりはなんかすごそう
ああ! そうかもしれませんね。
ビョークは紙ジャケを買う予定がないので、SACD、ちょっと行ってみようかなあ~^^
by parlophone (2008-04-25 01:00)
ビョークのSACD5.1はマルチ仲間ではやたら評価が高いです。
これこそ21世紀のマルチだ!というヒトjもいるくらいで
わたしも釣られて買ってみました(まだ聴いてません(笑
by ノイ (2008-04-25 12:38)
以前、Beggars BanquetはアナログとCDの比較試聴をしたことがありまして――
<アナログ>
(1)UK DECCA原盤 初期プレス モノ(マト4A/3A)
(2)UK DECCA原盤 初期プレス ステレオ(マト2K/3K)
(3)国内キング盤 78年プレス
(4)US ABKCO旧リマスター
(5)EU ABKCO新DSDリマスター
<CD>
(6)国内ポリドール盤80年代末期プレス
(モービル・フィディリティ社リマスタリングを使用)
(7)EU ABKCO新DSDリマスター
ボブ・ラディッグのDSDリマスターの優秀さを思い知らされるものの、あらためてUK DECCA原盤の凄さ(圧倒的な鮮度と鋭い刃物を思わせるその切れ味たるや!)をも再認識させられました。そのときに起こしたテキストが出てきたのですが(拙ブログでは未発表です)、よくもまぁと思えるほど、あのときの拙は夢中でした。
ところでDSDリマスターは上記(5)のアナログ盤もなかなかの音で、実はこれで新たな発見もあって、「Jigsaw Puzzle」の鮮度がまた飛び抜けていて、このトラックだけ原盤をも凌ぐのではないかというほどの音。その謎を解き明かそうといろいろ想像を巡らせてみましたが・・・。今となっては勘違いだったのかもしれないので、もはや深く追求する気もないんですが(笑)。
しかし、音もいいけどBeggarsはやっぱり名盤ですね。なんせ、拙にとっては最も多く愛聴するストーンズの1枚なのです。
by 路傍の石 (2008-04-25 23:04)
遼さん、こんばんは。
遼さんの聴き比べコーナーは楽しいですね。
SACDプレイヤーがあるから更に比べるアイテムが
増えましたね。
SACDは憧れです。でも音に鈍感な僕には、
たまにCD屋で試聴しますが違いが判りません。
SACDって言われてるから、よく聴こえるって感じです(笑)
聴き比べれば僕でも
違いが判るのかもしれませんね(苦笑)
by ouichi (2008-04-26 00:19)
>ビョークのSACD5.1はマルチ仲間ではやたら評価が高いです
>これこそ21世紀のマルチだ!というヒトもいるくらいで
おお、やっぱりそうなんですね。
うん、これはやっぱりいつかは5.1ch で聴いてみなくちゃいけませんね。
>わたしも釣られて買ってみました(まだ聴いてません(笑
わはは、よくある話ですね~。
ぼくも先ほど、2003年に買ったマイルズのxrcd の封を切りました(笑。
by parlophone (2008-04-26 13:21)
路傍さん、どうもです^^
>Beggars BanquetはアナログとCDの比較試聴をしたことがありまして
>拙ブログでは未発表です
ああ、それぜひ読ませていただきたいですね。
じつはぼくにとって『Beggars Banquet』はリアル・タイムで買ったストーンズの3枚目のアルバムで、それはそれはよく聴きました。
例のキング・レコードの直輸入盤で、UK プレスなのにLONDON レーベルというヤツです。
音もよかったし、ジャケットもヴィニール・コーティングでなんて綺麗なレコードなんだと思いましたね。
ただ田舎の中学生の哀しさでUK 盤を見たのは初めてだったので、コーティングの美しさも音のよさも『Beggars Banquet』の素晴らしさだと思ってしまったんですね。
それがUK 盤共通の美点だと知っていたら、ぼくのコレクター人生も少しは充実したものになっていたかも知れないんだけどなあ(爆。
>DSDリマスターはアナログ盤もなかなかの音で、…「Jigsaw Puzzle」の鮮度が
>また飛び抜けていて、このトラックだけ原盤をも凌ぐのではないかというほどの音
ひょええ! おもしろいですね~。
デジリマのアナログ盤とはいえ、侮れませんね。
ぼくはCD でもDSD リマスタリングの音が好きなんですが、今回比較して見て、95年盤のあまりの音のショボさにびっくりしてしまいました。
>音もいいけどBeggarsはやっぱり名盤ですね
ぼくも今回の記事を書くのに、最初の1、2分でいいのに、ついつい最後まで聴いてしまって、トータルで5回ぐらい聴いたんじゃないでしょうか。
ほんとにすごいアルバムですね~。
by parlophone (2008-04-26 13:36)
ouichiさん、こんにちは!
>遼さんの聴き比べコーナーは楽しいですね
>SACDプレイヤーがあるから更に比べるアイテムが増えましたね
ありがとうございます。
まだSACD じたいをあまりもっていないので、たいした記事は書けないんですけどね…^^;
>聴き比べれば僕でも違いが判るのかもしれませんね(苦笑)
それはお分かりになると思いますよ~。
さすがにSHM-CD と比べるとその差ははっきりしてます(笑。
SHM-CD はだれが聞いても、ラジカセでもその違いが分かるなんていってますけど、そこまでの違いはないと思うんですよね。
同じ音源のCD と比べたことはないからはっきりは言えないんですけど。
by parlophone (2008-04-26 13:51)
初めまして。最近このブログを拝見させて頂くようになりました。宜しくお願い致します。
少し話題がずれますが、beggars banquetのレコードについて質問をさせて頂いても構いませんでしょうか?
2008年頃に日本で発売されたdsdリマスター音源の200gのレコード、それと2010年にアメリカで発売された同じくdsd音源の180gのクリア・ヴァイナル盤、どちらの方が音質が良いでしょうか?
初対面の身の上で不躾なお願いをさせて頂いてすみません・・・。
by consomentama (2016-05-31 13:58)