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風速40メートル? その 2 [にぎやかな夜、その他の夜]

いま九州は台風13号の暴風雨圏に入っている。
福岡も風と雨がかなり激しくなってきた。

こんなときに不謹慎なのはじゅうぶんわかっているのだが、子どものころから台風が好きだった。

ぼくが生まれ育った熊本は台風の進路になることも多いのだが、熊本市はあまり甚大な被害を受けたことがないような気がする。
そういうこともあってか、子どものころから台風が近づいてくるとなんとなくワクワクしたものだ。

ひと言でいえば、非日常的なものへの憧憬ということなのだろう。
    

そのころ住んでいた家は、前に川が流れていて、その向こうに道があり、さらにその向こうには田んぼが広がっているという長閑なところにあった。
台風が近づいてくると雨戸をきっちり閉めて、激しい雨や風の音を聞きながらTVの台風情報をぼんやり眺める。
時おり停電をすると(昔はよく停電したものだ)蝋燭に火を点けて、もうTVの音もしないからよけいに激しさを増したように感じられる雨風の音に耳を澄ませながらなんとなく息をひそめて過ごす。
蝋燭の薄明かりのなかで見る絵本は、いつもと色合いや明暗も違って見えて不思議な感じがしたものだ。

台風が通り過ぎて雨戸を開けると、家の前の川は氾濫して、その向こうの道路や田んぼも冠水しているから、目の前が広い海になったように見える。
その見慣れない光景に胸騒ぎのようないいようのないものを感じたりした。

さきほど午後4時ごろに近くの河川敷に行ってみた。
(写真はそのときのもの)
雲が驚くほどの速さで流れ、風はゴウゴウと唸り、クルマはグラグラと揺れる。

暗く揺れる景色をしばらく眺めたあとエンジンをかけると、カーステレオからサンタナの「JINGO」のイントロが流れてきた。
(話を作ってると思われるかもしれないが事実です…笑)
タンバリンとコンガ、ティンバレス、ドラムスのリズムに乗ってオルガンが流れるイントロを聴いていると、台風というのは人間のプリミティヴな情動に働きかけるところがあるのかもしれないという気がした。

 

ちなみにタイトルになっている「風速40メートル?」のその 1 は昨年9月6日の記事です。
毎年同じようなことの繰り返しだなあ…。


台風13号の被害に遭われた方々にお見舞いを申し上げます。


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路傍の石

parlophoneさん、こんばんは。

台風と雷のときに妙な胸騒ぎでワクワクしてしまうというのは、
子供の頃、誰もが覚えのあることだと思います。
大雨の中、わざと傘も差さずにずぶぬれになって大声を出してみたり。
あれって何なんでしょうね?
生き物としての本能が呼び覚まされるのかな(笑)。

台風では30年くらい前に、
屋根の一部が吹き飛ばされて雨漏りした
という災難がありましたが、
その後は被害もなく今日に至ってます。
幸いわが家は高台なので、
水の被害にも遭わずに済んでます。

この秋の台風で、
みなさんが災害に遭われないようお祈りいたします。
by 路傍の石 (2006-09-17 20:37) 

parlophone

路傍さん、どうもです。
コメントを読んで『台風クラブ』という映画があったのを思い出しました!
工藤夕貴でしたっけ?
監督は相米慎二だったかな~。

>大雨の中、わざと傘も差さずにずぶぬれになって大声を出してみたり

ああ、そういえばチョン・ジヒョンの『ぼくの彼女を紹介します』にもありましたね~。
もちろんこれは『雨に歌えば』へのオマージュですが…。
そうか、みんな台風ってワクワクしてしまうんですね^^

それにしても屋根の一部が吹き飛ばされたというのは大変でしたね!
うちも5年ぐらい前の台風のときには、庭に面した大きなアルミサッシの窓ガラスが小石が跳ねたのが原因で割れてしまいました。

みなさんもお気をつけください。
by parlophone (2006-09-17 21:14) 

氷春友

関東の内陸の方に住んでいて、
近所に大きな河川がないと、
それほど甚大な台風の被害というのは受けません…。
不謹慎承知ですが
僕も台風にへんなスリルを感じたものでした。
近所のドブ川が氾濫すると
帰れなくなる児童が出るので
小学校が早く終わったりしたんですよ。
今やそのドブ川も暗渠です。
僕からも被害に遭われた方々にお見舞いを申し上げます。
by 氷春友 (2006-09-17 22:03) 

parlophone

氷さん、どうもです。
川のそばじゃなくても、山の近くだと土砂災害というのもありますので、お気をつけくださいね。

>近所のドブ川が氾濫すると
>帰れなくなる児童が出るので
>小学校が早く終わったりしたんですよ

こういうのってなんとなくウレシイですよね(笑。
でも福岡では、そのドブ川に高校生が転落して死んだこともありましたね…。
う~ん、やっぱり台風って恐いや…。
by parlophone (2006-09-17 22:46) 

Zamora

遼さん 今晩は。
「何、風速40米?」というセリフは、はっぴいえんどの2枚目にありましたね。私はそれで知りましたが、私より上の世代は裕次郎映画(オリジナル)の記憶ですよね。大瀧さんの世代。私は観てませんこの映画、2歳ですからねその年。

>台風が通り過ぎて雨戸を開けると、家の前の川は氾濫して、その向こうの道路や田んぼも冠水しているから、目の前が広い海になったように見える。
その見慣れない光景に胸騒ぎのようないいようのないものを感じたりした。

この遼さんの記述に、子供の頃の「悪い事をしてしまった自分を苛む気持ちと、図らずもそれに興奮する、何とも言い訳できない気分」を思い出しました。情動ですかね。

良くも悪くも、一応、社会の規範に自分を当て嵌めた(情動を抑制する)大人の今との隔たりを...。オトナになって良かったのかどうか。(笑)

少しは思慮深くなって、いいに越した事は無いんですがね。
by Zamora (2006-09-18 01:50) 

hamakaze_ataru

遼さん、ど〜もです。
ニュースで見る限りでは、遼さんトコは大丈夫そうですね。
新潟は今、風凄いです。暑いし(笑)
今年も多くの台風に被災された方々、お見舞い申し上げます。
友人のベアトラックさんが、本業で
「平成18年7月豪雨」被災地への義援金チャリティー」ってのをやっていたので
それに協力するくらいしかできませんけど、
新潟地震をはじめ、大きな風水害を近年目の当たりにしてると、
何か出来る事があれば・・・・って漠然と考えたりします。

「何だいありゃ何、風速40米? アハハ…」
見た事ありますよ。映画「風速40米」。最初はマイトガイの「銀座旋風児」
みたいなモンかなって思っていたんですが、全然違いましたけどね。
ジョージ・ハリスン以外にも好きでしたよ〜。ナイアガラ。
ナイアガラ・マイブームも10年くらい前に終わったので、今はレコード棚でひっそりしてますけど。
「台風13号」は布谷文夫のシングルバージョンが一番好きです。
評判悪かった、キティーのはっぴえんどリミックスのボックスの「風・街」にはいっていた「台風13号」・・・やり過ぎだけど、一番リミックス向きだったかも知れませんね。
脱線コメント失礼しました。
by hamakaze_ataru (2006-09-18 10:19) 

MORE

台風と言えば一番覚えているのは伊勢湾台風です…
当時住んでいた名古屋を直撃したのですが、真夜中に
台風の目が頭上を通過したときの静けさと星空は鮮明に
覚えています。
朝までほとんど眠れませんでした。
まだその頃は洋楽には目覚めていなかったです。(爆)
by MORE (2006-09-18 12:16) 

parlophone

Zamora さん、こんにちは~。

ぼくはやっぱりまず裕次郎ですね。
見たかどうか記憶ははっきりしませんが、はっぴいえんどの「颱風」聴いたときに「あ、裕次郎だ^^」って思いましたからね。
ドラム叩くの映画でしたっけ?(←いずれにしてもすごく曖昧)

>社会の規範に自分を当て嵌めた(情動を抑制する)大人の今との隔たりを...。
>オトナになって良かったのかどうか。(笑)

たしかにそうですね。
台風が来ても、屋根は大丈夫かな、また後片付け大変だ~、みたいな反応になっちゃって(笑。
by parlophone (2006-09-18 13:26) 

parlophone

大安さん、こんにちは!
そちらはいかがですか。
福岡は夜中まで風と雨がゴウゴウと吹きすさんでいましたが、今は雨も上がって落ち着いています。
でも「台風一過」とはいかなくて空もまだどんよりしているし、降水確率も30~40%ですね。

>新潟地震をはじめ、大きな風水害を近年目の当たりにしてると、
>何か出来る事があれば・・・・って漠然と考えたりします。

ほんとですよね~。
ちっちゃな子が高波にさらわれたりするニュースはやり切れません…。

>キティーのはっぴえんどリミックスのボックスの「風・街」

大安さん、お持ちなんですか!
すごーい!
ぼくは中学~高校時代リアルタイムではっぴい聴いたんですが、彼らの音楽がウエスト・コーストのロックからだんだん離れていくのにつれて聴かなくなっちゃいました。
(要するに追いつけなくなっちゃったんですね)

>「台風13号」は布谷文夫のシングルバージョン

これ聴いてみたいなあ。
by parlophone (2006-09-18 13:35) 

parlophone

MOREさん、どうもです。
ぼくも伊勢湾台風覚えてますよ。
当時は母に連れられて毎週2~3回は映画館に行ってたんですが、本編の映画の前にニュース映画が必ずあって、そこで瓦礫の山のようになった名古屋近辺の情景が映し出されていたのを生々しく覚えてます。

MOREさんはあれを体験なさったんですか~。
あのときはずいぶんたくさんの方が亡くなられたんですよね。
by parlophone (2006-09-18 13:39) 

hamakaze_ataru

キティーのボックス、2個あります(笑)
一つは未開封のままです。
バッファローなイメージからジェームス・テーラー〜リトル・フィートまでいってしまいましたからね〜。
15年くらい前にアオイスタジオへ仕事で行ったことがあり、ここで、はっぴいえんどが・・・て思ったら感慨深かったです。でも仕事は映画の音入れに来ていた丹波哲郎に映画のパンフデザイン校正してもらうためだったんっですけどね。

「台風13号」は布谷文夫のシングルバージョンは一時期、ソングライタールネッサンスシリーズのポリドール編で、聞く事ができましたが、今はどうなんでしょうね。
by hamakaze_ataru (2006-09-18 16:03) 

parlophone

>一つは未開封のままです

きゃ~、コレクターだ!(笑。
ぼくも人には言えませんが…。

>15年くらい前にアオイスタジオへ仕事で行ったことがあり…
>丹波哲郎に映画のパンフデザイン校正してもらうため

すごいなあ。
丹波哲郎には1ミクロンも興味ありませんが、アオイスタジオは匂いをかいでみたいですね(笑。

九州の人間の的外れな感想かもしれませんが、あのころのはっぴいには荻窪とか吉祥寺とか、なんか中央線の匂いがするんですよね~。
どちらかというと友部正人とか渡ちゃんの関連なのかな…。
もう少し経つと福生とかになっちゃうんでしょうけど…。
by parlophone (2006-09-18 19:02) 

hamakaze_ataru

遼さん、こんばんは。
やっと風と熱風は治まりました。

>丹波哲郎には1ミクロンも興味ありませんが、

ワタシも1ミクロンも興味はありませんが、サラリーマンデザイナーだった頃ですので・・・
でも映画プロデューサーの女性!綺麗でしたねぇ〜。

ワタシも新潟の人間ですし、1〜2年の後追いですので、「匂い」は正確には解りません。
「定本はっぴいえんど」などの書籍を通じ、知り得た事実は解っていても。
だから、東京ローカルでリアルタイムに時代を共有出来た方、うらやましいです。
ただ、大滝さんだけ東京人じゃないでしょ?だからなんとなくですが、東北出身の大滝さん視点で見た東京の匂いって解る気がするんです。
by 大安洋行 (2006-09-18 22:09)
by hamakaze_ataru (2006-09-18 22:13) 

parlophone

>やっと風と熱風は治まりました

よかったですー!

>でも映画プロデューサーの女性!綺麗でしたねぇ〜

あ、いいなあ。
日本のプロデューサーってやっぱ金出すだけなんでしょうか。
それとも制作に口を出す?
なんか映画の現場のことがよくわかりません^^;

>東北出身の大滝さん視点で見た東京の匂いって解る気がするんです

なるほど~。
うーん、説得力あるなあ(笑。
by parlophone (2006-09-19 00:12) 

MORE

>日本のプロデューサーってやっぱ金出すだけなんでしょうか。
>それとも制作に口を出す?

プロデューサーはお金を出すというよりもお金を集めてくるのが仕事です。で、どう使うか…
製作に口を出す人もいますが、嫌われますね。(爆)
簡単に言えば金庫番です。(再爆)
音楽のプロデューサーも似たようなもんです。
金集めと人集めが仕事ですね。
by MORE (2006-09-19 12:10) 

parlophone

>プロデューサーはお金を出すというよりもお金を集めてくるのが仕事です

ああ、そうか、そうですよね。

>金集めと人集めが仕事ですね

なるほど。
邦画でよく「~制作委員会」とかいう形になるのは、要するに映画作りにポンと金を出すようなお金持ちがいないということなんでしょうかね。
by parlophone (2006-09-19 22:28) 

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