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『フラガール』 [ぼくのシネマノート]

『フラガール』をDVDで見た。

ふだん、通勤するくるまのなかではCDしか聴かないのだが、たまたまある日の朝FMを聞いていると、「オススメの映画」みたいなコーナーで、番組のナヴィゲーターの男性と映画館の支配人が「もう、ほんとうにいい映画ですね!」、「映画の悦びにあふれてますよね」みたいなことを口をそろえて褒めている。
そのうち次第に映画が評判になりだし、あれよあれよという間に主要な映画賞を総なめしたのはみなさんもご存知のとおりだ。

  
  (見よ! 「映画賞独占!!…計44冠」の金ラベル(笑 )

主要なところを挙げると、第30回日本アカデミー賞の「最優秀作品賞」、「最優秀監督賞」、「最優秀助演女優賞(蒼井優)」を初めとして、キネマ旬報ベスト・テンの「日本映画」第1位、「助演女優賞(蒼井優)」、毎日映画コンクールの「日本映画優秀賞」、「助演女優賞(蒼井優)」、第49回ブルーリボン賞では「作品賞」、「主演女優賞(蒼井優)」、「助演女優賞(富司純子)」、第44回ゴールデンアロー賞の「映画賞(松雪泰子)」といったところだ。
 
劇場ではとうとう見れなかったのでDVDになるのをすごく楽しみにしていた。

特典ディスクが2枚ついた3枚組の『メモリアルBOX』と本編ディスクだけの『スタンダード・エディション』とあって、『メモリアルBOX』の特典映像にもそそられるのだが、内容もまったく知らないわけだし今回はぐっと我慢してスタンダードなヤツを(笑。

  

実話に基づく話で昭和40年の福島県いわき市の炭鉱が舞台なので、古色蒼然としたトーンで始まるのはいいのだが、いつ鮮やかな極彩色の映像になるのかと思ってみていると(だってテーマはフラガールなんだし…)、この色調がずーっとつづくのはかなり違和感があった。

  

ストーリーじたいは映画やドラマなんかでよくありそうな話で、まあ、ありふれている。
しかしこれが事実に基づいているといわれると、なんだかすごく重みがあるようで、ついつい感情移入しながら見てしまった。

フラダンスなんて20年ぐらい前にホノルルで見たきりで、たいして興味もなかったのだが、バーに手を載せてのストレッチから始まり、トウシューズを履く場面なんかが出てきて思わず「マジかよ!?」とびっくりしてしまった。
フラにクラシックバレエの要素が必要だとは…。

  

蒼井優(福岡出身なのに東北弁がんばりました)がいいのはもちろんだが、生活感あふれる訳ありのダンサーを演じる松雪泰子がじつにいい。

  

話は変わるけれど、ぼくはこの映画を見終わった後、なぜか『North Country』という映画(邦題何ていうんだったけ?)を思い出してしまった。
こちらも北国の炭鉱を舞台にした映画だ。

ただしこちらはセクシャル・ハラスメントや女性蔑視の風習が色濃く残る炭鉱で、何度も屈辱的な体験を味わいながら差別に敢然と立ち向かう女性鉱夫たちの物語で、娯楽的な要素はかなり薄い。
シャーリーズ・"イーオン・フラックス"・セロンが硬派の役を演じている。
こちらも実話だが、これが1980年代のアメリカの話というのだからア然としてしまう。
洋の東西を問わず炭鉱って大変だったんだ(←安易なまとめ方)。

テーマはかなり違うが、どちらも北国の炭鉱を舞台にした勇気の出る映画であることは間違いない^^
ともあれ『フラガール』、オススメです。

2006年 日本映画(シネカノン) 120分
DVD ヴィスタ・サイズ(スクイーズ)
画質=★★★★

追記:現在上映中の劇場もあるようだ。
くわしくはオフィシャル・サイトで。


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コメント 8

MASA

メモリアルBOXがすでに札幌の実家に届いているはずです。早く観たいなあ。南海キャンディーズのしずちゃんがいい味出してるって評判ですが、その辺遼さんはどうでしたか?^^
by MASA (2007-03-27 23:39) 

parlophone

あ~、いいなあ~『メモリアルBOX』(笑。

>しずちゃんがいい味出してるって評判ですが

う~ん、どうなんでしょう。
どこかの批評家協会がフラガール全員に助演女優賞を与えていましたが、あくまでメインは蒼井優の一家(蒼井優、富司純子、豊川悦司)と松雪泰子で、それ以外の描き方はかなり半端です。

ぼくはべつにしずちゃんじゃなくてもよかったと思いましたが…^^;
by parlophone (2007-03-28 00:32) 

MORE

私もその映画は気になっていますが未見です。
蒼井優は最近の日本映画界の中での唯一無比な逸材だと思っています。
彼女を見たいのですが、しずちゃんとかいうのが出ているので見たくない…(爆)
TV放映されるでしょうから、その時にします。
by MORE (2007-03-28 18:12) 

parlophone

>蒼井優は最近の日本映画界の中での唯一無比な逸材だと思っています

すごい!
MOREさんのお墨付きをもらえるとは^^
同じ福岡県人としてとてもうれしいです(←この際、ぼくの生まれたのが熊本ということは不問^^;)

>TV放映されるでしょうから、その時にします

あらら、しずちゃんもずいぶん嫌われちゃいましたね(笑。
by parlophone (2007-03-28 18:16) 

lonehawk

遼さん、こんばんは!
『フラガール』は昨年の劇場公開時に観ましたよ。
ワタシも今作での蒼井優の演技にはグッときましたね。

で、『North Country』は観てませんが、サントラにディランの新曲が収録されていたので、ソレだけの為に買いました(笑)。
邦題は『スタンド・アップ』だったと思います。
劇場で観たかったのですが、気が付くと上映が終わっていたので、今度wowowで放送される時に観てみます。
by lonehawk (2007-03-29 00:19) 

parlophone

lonehawkさん、どうもです!
おー、劇場でご覧になったんですね~。
うらやましい^^

>サントラにディランの新曲が収録されていた

そういえば、エンディングはディランでした。
あれは新曲でしたか!
お金かけてるなあ^^

>邦題は『スタンド・アップ』だったと思います

そうそう、そんなタイトルでした。
でも『North Country』がなぜ『スタンド・アップ』なんだろう。
不思議な邦題ですねえ(笑。
by parlophone (2007-03-29 21:01) 

Refugee

私も、この映画、一昨日、DVDで観ました。レンタルですが。
話としては、確かにありがちなんですが、感動しました(笑)

松雪泰子と蒼井優は、演技が光ってましたが、私は、しずちゃんの存在感がすごいと思いましたよ。
演技がうまいとは思いませんでしたが、炭鉱娘がフラガールになってくって話の中で、その基本的なトーンを作るのに、かなり重要だった気がします。
その朴訥な感じは、演技を超えたところの存在感で、私には、この役をうまく演じる女優は他にもいるかもしれないけど、あの素朴な存在感を出せる人って、他にあまり思い浮かびませんでした。
by Refugee (2007-04-01 15:48) 

parlophone

>話としては、確かにありがちなんですが、感動しました(笑)

ですよね。
作り方のうまさですね。

>その朴訥な感じは、演技を超えたところの存在感で、…あの素朴な存在感を出せる人って、
>他にあまり思い浮かびませんでした

なるほどね~。
いわれてみればそうかもしれません。
演技を超えた素朴さという得がたいものを持っているのが彼女だったわけですね^^
by parlophone (2007-04-01 23:50) 

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