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ビートルズ・リマスターCDを聴く Part3 『ラバー・ソウル』編 [BEATLES]

みなさん、シルヴァー・ウィークはいかがお過ごしでしょうか。
うちは相変わらず娘と母親はバレエの発表会できのう、きょうとお出かけです。
ぼくは家の掃除をしたり、庭の草取りをしたり、きょうは雨降りだったので台所、とくに流しとレンジ台をピカピカに磨いたり…。
おとといだけ家族揃って近くの美術館に絵を見に行きました。
久しぶりにルノアールやドガにマティス、福岡出身の坂本繁二郎の絵なんかを見て癒されたなあ(笑。

さて、リマスター盤の比較試聴、今回は『ラバー・ソウル』を新旧CDで聴き比べてみた。
聴いたのは「Norwegian Wood」と「イン・マイ・ライフ」の2曲だ。
これを3種類のステレオ・ミックスと2種類のモノラル・ミックスで比較してみた。
ステレオはまず、モノ・ボックスに収録のオリジナル・ミックス、そしてジョージ・マーティン・ミックスの旧規格CD(CP25-2726)、それから今回のリマスター盤(TOCP-71006)だ。
モノラルはキャピトル・ボックス所収のモノラル・ヴァージョン(TOCP-70034)と今回のモノ・ボックス所収盤である。

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まず「Norwegian Wood」のオリジナル・ステレオ・ミックスだ。
この曲は初期のステレオと同じように完全な左右セパレートになっている。
左チャンネルにジョージの弾くシタールと12弦ギター、ポールのベース、右チャンネルにヴォーカルとコーラス、ジョンの弾くJ-160E、タンバリンである。
ぱっと聴いた感じは非常に端正というか、渋めの音である。
しかしシタールはきらびやかで、ジョンの渾身のカッティングもリミッターぎりぎりのところで録音されているようで迫力がある。
ベースもメリハリがあって悪くない。
旧規格盤は87年の発売当時ジョージ・マーティンがリミックスしたものだが、オリジナルとほとんど変わらないように聞こえた。
ジョンのヴォーカルはややくすんで遠くに聞こえる感じで、ときにはポールのコーラスのほうが目立つようだ。
ベースはやや膨らんでブーミーな感じだ。
しかし全体としてはオリジナルを尊重したリミックス・リマスターで、音はまったく古くない。
ところが新しいリマスター盤を聴くと、やっぱりこれがいいのだ(笑。
シタールも160Eも45年も前の録音とは思えないほど鮮やかである。
ジョンのヴォーカルもそうだが、ポールのコーラスにはさらに実在感があってぞくっとする。
ジョンの弦も切れよとばかりのコード・ストロークもほんとうにそこで弾いてるみたいでスゴイ!

74.jpg
(レーベルは曲目のフォントまでオリジナルと揃える凝りようだ^^)

つぎにUSモノ・ミックス。
う~ん、センターに寄ったせいか、ジョンの声が色っぽいぞ(笑。
例のサビのところの咳はきれいに消されている。
UKモノ・ミックスはこちらもやはり渋い。
ジョンの160Eは上品だし、ジョンとポールの声の混ざりぐあいも素敵だ。
ただベースは逆に量感がまさって地鳴りのように迫ってくる。
例の咳払いも驚くほどの大きさで入っていてびっくりした(笑。

72.jpg

こうやってビートルズの紙ジャケをアナログと並べてみると…いや~、やっぱりいいなあ(笑。
いつかはビートルズも紙ジャケに…なんて思ってたのに、こんなに早く実現するなんて感慨無量だ~。

さて、「イン・マイ・ライフ」だが、これもオリジナルは左右が完全に分かれたミックス。
左チャンネルがギター、ベース、ドラムス、右チャンネルがヴォーカル、コーラス、ピアノである。
オリジナル・ミックスは全体的に軽めの音だ。
まずほかのトラックではブンブン唸っているベースが控えめ。
マーティンのピアノも丸っこいし、ドラムスも軽いポンポンした音だ。
旧規格盤のリミックスは、オリジナルとほとんど同じだがダブル・トラックのヴォーカルとコーラスの一部がセンターに回っている。
こちらも同じようにベースとドラムスが軽いが、バスドラは重心が下がっている。
間奏のピアノがブリリアントで、これもなかなかいい音だ。
リマスター盤は目立たないが、やはり低域をきちんと伸ばしている。
ジョージの弾くストラトも太くなって音が磨かれた感じになった。
1番が終わって2番が始まる直前、イントロと同じギターの最後にジョージがうっかり違う音を弾いてしまうのが、リマスター盤でははっきりと聞こえる。
ジョージ・マーティンのピアノはさらに美しい(笑。

USモノは、間奏のピアノもジョージのギターもちょっと渋めだ。
ポールのベースは5種類のCDのなかではいちばん出ていると思う。
UKモノ・ミックスはUSモノをさらに端正にした感じ。
じゃあつまんない音なのかというと、そんなことはない。
ストラトの中域を中心にしたまろやかな音とか、ヴォーカルとコーラスがちょっとくすんだ感じとか、ほんとうにUKオリジナルのアナログ盤によく似た音質にまとめているのだ。
これを聴いてつまんなく感じたら、それは小さな音で聴いているからだ。
できるかぎり大きな音で聴いてみてほしい。
そうすればM-1の「Drive My Car」からすげえ勢いでぶっ飛んでくる音の塊を体感できて、それこそモノラルの醍醐味を実感することができると思う。

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コメント 4

MASA

あ、遼さんとカブりました〜(笑)。
私も「RUBBER SOUL」を聴き比べて記事にしたところです^^;。

私の場合はstereoはmono盤にいっしょに入っているオリジナルstereoミックスの方が気に入りました。
リミックスの方ももちろん悪くはないんですが、オリジナル・ミックスの方がアナログに近い感じを受けましたね。

どっちにしろ、monoもstereoも丁寧にリマスターされてるなあ、という印象です。
by MASA (2009-09-23 01:57) 

parlophone

MASAさん、こんにちはー。
ぼくもきのう記事をUPしようとして、MASAさんとことかぶっているのに気が付きました。
もっと早く気づいていればほかのCDにしたんですけど…。
すみません。

でも微妙に好みの違いが反映されていておもしろいですね^^
ファンが100人いれば100通りの好みがあるので、みんなを納得させるリマスターなんて無理だと思いますが、EMIのチームはよくやっていると敬服します^^
by parlophone (2009-09-23 15:21) 

DEBDYLAN

遼さん、こんばんは~♪

>できるかぎり大きな音で聴いてみてほしい。

聴いてきました(^O^)/
イヤフォンでだけど^^;

迫力違いました、MONO。
頭の真ん中で音が鳴り響いてるような、あの感覚。
病みつきになりそう^^。

リマスター盤って。
僕が想像してたオリジナル・モノの音と比べたら、
(音がひと塊りになって耳に飛び込んでくる迫力みたいな、
 活字媒体読みかじりのイメージっすけど。。。)
すっきりしてるなって思ったんですが。
それでも”音の塊”ってには実感できました^^。
大音量ならなおさらでした。

「NORWEGIAN WOOD」のアコギの音。
耳元で弾かれてるみたいだった。
今までは軽く弾いてるかのように聴こえてたんだけど、
あんなにも力強いピッキングしてたとは!!
感動しました(って、ビギナーすぎっすか?^^;)

あと個人的には、
「GIRL」のジョンのヴォーカルの生々しさ。
ブレスの部分なんかゾクッってしちゃいます(笑)

一通り制覇したといっても、
”聴いてる”というか”聞いてる”というか中途半端で^^;

スピーカーから大音量で楽しめる状態じゃないんで、
(スピーカーも調子悪いし、時間的な制約も。。。)
せめてイヤフォンで大音量で楽しみたいと思います^^。

そんな環境でもリマスター盤の音には感激してるんですが。
(音だけじゃなくて、すべての要素を楽しんでるって感じっすね^^;)

いやぁ。
これだけ楽しめちゃう僕って。
幸せ者ですわ(爆)

と、ビギナーなコメントでしたw

by DEBDYLAN (2009-09-25 23:03) 

parlophone

DEBDYLANさん、こんばんは!
nice!&comment ありがとうございます。

>迫力違いました、MONO
>頭の真ん中で音が鳴り響いてるような、あの感覚。 病みつきになりそう^^

今のCDができるだけ音圧を上げて耳に飛び込んできたときの迫力を出そうとしているのと同じように、当時のレコードはラジオから流れた瞬間の迫力を出そうと腐心していたんでしょうね。

>「NORWEGIAN WOOD」のアコギの音…あんなにも力強いピッキングしてたとは!!
>感動しました(って、ビギナーすぎっすか?^^;)
 
ぼくもジョンのアコギのパートを自分で弾いてみて初めて「こんなにパワフルに弾いてたのか!!」とびっくりしたものでした。
やっぱパンクですよ、ビートルズは(笑。

>「GIRL」のジョンのヴォーカルの生々しさ。
>ブレスの部分なんかゾクッってしちゃいます(笑)

ええ、ええ、ぼくら男子でもそうなんですから、当時の女の子たちの興奮は半端じゃなかったでしょうね。
レコード聴きながら失神したりして…そりゃないか(笑。

ぼくもじつに久しぶりにビートルズを聴いて、すごく楽しんでます^^
ステレオ盤もあと4枚になりました♪
by parlophone (2009-09-26 23:25) 

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