ビートルズ・リマスターCDを聴く Part2 『レット・イット・ビー』編 [BEATLES]
『イエロー・サブマリン』のB面と並んでいちばん聴く機会の少ない『レット・イット・ビー』。
リマスター盤の出来がよければ、ひょっとしたら聴く機会が増えるかもしれない。
そう思って『サージェント』の次に聴いたのが『レット・イット・ビー』だった。
使用した音源は旧規格CDが国内ボックス盤のCP25-5763、リマスター盤は国内ステレオ盤TOCP-71014。
参考として『レット・イット・ビー…ネイキッド』のEU盤07243 595713 2、以前聴いたときに音のよさが印象的だったロシア盤の紙ジャケ4VC0412も試聴した。
まずはM-1「Two of Us」だ。
さすがに69年の録音ともなると、旧規格CDでも音のよさを感じる。
アナログ・マスター→デジタル・マスターの変換もほとんど手が加えられてないのだろう。
ドラムスのアタック、2本のアコギ、ジョンとポールのヴォーカルもリアルだ。
しかしリマスター盤を聴くと、確実に音質がUPしているのがわかる。
左チャンネルのポールの弾くD-18は音が厚くなっているし、バスドラのアタックもフォーカスの合ったしっかりした音になっている。
「You and I have memory」のバックのシンバルは耳障りな歪みが少なくなった。
M-2「Dig a Pony」もやはり音が厚い。
いわゆるルーフトップ・コンサートの1曲で演奏自体は一発録り。
編成としてはキーボードが加わっているだけなのにこの音の厚みはなんだろう。
右チャンネル、ジョージが弾くオール・ローズ・テレもじつにいい音だ。
参考として比較した『ネイキッド』ではイントロのキーボードが浮かび上がるようにミックスされているが、どうしたわけかバンドが一体となって迫ってくるようなドライヴ感は後退しているように感じた。
今回のリマスター盤を聴いていちばん印象深かったのが、M-3「Across the Universe」だ。
フィル・スペクターのいわゆるウォール・オヴ・サウンドが特徴だが、その音が昔からどうも妙に居心地悪く感じていた。
うまく説明できないのだが、50人編成ともいわれるオーケストラやコーラスも入った壮大なサウンドが、どうも眼前にふわ~っと広がらないのだ。
なんとなく逆相っぽいというか偽ステっぽいというか、不自然な広がりに感じられてしかたがなかった。
それがこのリマスター盤ではずいぶんナチュラルになった。
ワウの入ったエレキも含めてジョンのソロのイメージが強いけれど、ジョージはタンブーラを弾き、リンゴはマラカスを振り、ポールはベースとピアノで参加している。
3人にもきちんと役割のあるこのスペクター版がぼくは大好きで、これはいいリマスターだと思う。
M-4「I Me Mine」では、イントロ右チャンネルのテレキャスの音がじつに魅力的だが、そのあたりは新旧でもほとんで違いは感じられなかった。
旧盤ではすごく刺激的で耳障りだったシンバルの歪みが少し改善されている。
M-6の「Let It Be」ではピアノの澄んだ響きが印象的だ。
ハイハットは細かく刻んでいるのではなくてディレイがかかっているのだが、リマスター盤ではそれがはっきりわかるようになった。
M-8の「I've Got a Feeling」やM-12「Get Back」など、屋上のライヴ音源ではポールのヴォーカルに張りが出て明るくなったのもリマスター盤の特徴だ。
リンゴのドラムスも芯があってさらに重たい音になった。
(上が紙ジャケ)
ロシア製紙ジャケ盤はUS盤LPをめざしたようなアナログ・ライクな音質で、傾向としてはリマスター盤に近い。
しかし迫力の点では迫ってもオフィシャルのリマスター盤ほどの透明さはなく、どうやらジャケット以外はお役ごめんになりそうだ。
リマスター盤の出来がよければ、ひょっとしたら聴く機会が増えるかもしれない。
そう思って『サージェント』の次に聴いたのが『レット・イット・ビー』だった。
使用した音源は旧規格CDが国内ボックス盤のCP25-5763、リマスター盤は国内ステレオ盤TOCP-71014。
参考として『レット・イット・ビー…ネイキッド』のEU盤07243 595713 2、以前聴いたときに音のよさが印象的だったロシア盤の紙ジャケ4VC0412も試聴した。
まずはM-1「Two of Us」だ。
さすがに69年の録音ともなると、旧規格CDでも音のよさを感じる。
アナログ・マスター→デジタル・マスターの変換もほとんど手が加えられてないのだろう。
ドラムスのアタック、2本のアコギ、ジョンとポールのヴォーカルもリアルだ。
しかしリマスター盤を聴くと、確実に音質がUPしているのがわかる。
左チャンネルのポールの弾くD-18は音が厚くなっているし、バスドラのアタックもフォーカスの合ったしっかりした音になっている。
「You and I have memory」のバックのシンバルは耳障りな歪みが少なくなった。
M-2「Dig a Pony」もやはり音が厚い。
いわゆるルーフトップ・コンサートの1曲で演奏自体は一発録り。
編成としてはキーボードが加わっているだけなのにこの音の厚みはなんだろう。
右チャンネル、ジョージが弾くオール・ローズ・テレもじつにいい音だ。
参考として比較した『ネイキッド』ではイントロのキーボードが浮かび上がるようにミックスされているが、どうしたわけかバンドが一体となって迫ってくるようなドライヴ感は後退しているように感じた。
今回のリマスター盤を聴いていちばん印象深かったのが、M-3「Across the Universe」だ。
フィル・スペクターのいわゆるウォール・オヴ・サウンドが特徴だが、その音が昔からどうも妙に居心地悪く感じていた。
うまく説明できないのだが、50人編成ともいわれるオーケストラやコーラスも入った壮大なサウンドが、どうも眼前にふわ~っと広がらないのだ。
なんとなく逆相っぽいというか偽ステっぽいというか、不自然な広がりに感じられてしかたがなかった。
それがこのリマスター盤ではずいぶんナチュラルになった。
ワウの入ったエレキも含めてジョンのソロのイメージが強いけれど、ジョージはタンブーラを弾き、リンゴはマラカスを振り、ポールはベースとピアノで参加している。
3人にもきちんと役割のあるこのスペクター版がぼくは大好きで、これはいいリマスターだと思う。
M-4「I Me Mine」では、イントロ右チャンネルのテレキャスの音がじつに魅力的だが、そのあたりは新旧でもほとんで違いは感じられなかった。
旧盤ではすごく刺激的で耳障りだったシンバルの歪みが少し改善されている。
M-6の「Let It Be」ではピアノの澄んだ響きが印象的だ。
ハイハットは細かく刻んでいるのではなくてディレイがかかっているのだが、リマスター盤ではそれがはっきりわかるようになった。
M-8の「I've Got a Feeling」やM-12「Get Back」など、屋上のライヴ音源ではポールのヴォーカルに張りが出て明るくなったのもリマスター盤の特徴だ。
リンゴのドラムスも芯があってさらに重たい音になった。
(上が紙ジャケ)
ロシア製紙ジャケ盤はUS盤LPをめざしたようなアナログ・ライクな音質で、傾向としてはリマスター盤に近い。
しかし迫力の点では迫ってもオフィシャルのリマスター盤ほどの透明さはなく、どうやらジャケット以外はお役ごめんになりそうだ。
遼さん
こんばんは。
MONO in BOXと
ステレオは、まだアビイしか購入していないんです。
レット・イット・ビーも聴いてみたくなりました!!
とりあえずは、アナログで我慢です(^^;
by Reiko (2009-09-19 23:56)
私も最も聴かないビートルズのアルバムNo.1がこれです^^。
リマスター盤が出たおかげでものすごく久しぶりに聴きましたが、けっこうヴォーカルや楽器の音がリアルになりましたね。
それにしてもリマスター盤が出てからというもの、このところずーっとビートルズしか聴いてませんわ(笑)。
なんか、ビートルズを集め出した高校生の頃みたいになってます(笑)。
by MASA (2009-09-20 00:01)
Reikoさん、こんばんはー。
>ステレオは、まだアビイしか購入していないんです
ぼくはアビイまだ聴いてないんですよね~。
なんかちょっともったいなくてまだしばらくは聴けそうにありません。
いちばん好きな食べ物を最後に残しとく子どもみたいですけど…^^;
>とりあえずは、アナログで我慢です
いやあ、やっぱり最後はアナログですよ~。
最新リマスターとはいえアナログに優るものはありませんよね^^
by parlophone (2009-09-20 01:05)
MASAさん、どうもです。
>私も最も聴かないビートルズのアルバムNo.1がこれです^^
ですよね~。
「アクロス」「レッリビー」「アイミーマイン」「ゲットバック」…、名曲はそこそこあるのに、なぜか食指が動かない…(笑。
>けっこうヴォーカルや楽器の音がリアルになりましたね
と思いますね。
リミックスした『ネイキッド』といい勝負ですからね。
>このところずーっとビートルズしか聴いてませんわ(笑)
>なんか、ビートルズを集め出した高校生の頃みたいになってます(笑)
そうなんですか。
いいですねー、高校のころから集めてるんですね。
ぼくは相変わらずほかのものも聴いてます^^
by parlophone (2009-09-20 01:14)
まだ一枚もリマスター、入手していないんですが、音質は勿論、中のパッケージ(写真)が非常に充実していますね。
こんなカッコいいリンゴ、見たことありませんでした。
俺もアビーロードとコレくらいは買っちゃおうかな。
ただ今さらステレオ箱だけ買うのも虚しいしな・・・
モノ買っておけばよかったかな・・・ふぅ。
by ryo (2009-09-20 22:56)
ryoさん、こんばんはー。
きょうは朝から家族と美術館へ行って、その帰りにちょっとCDショップを覗いたんですが、古くからある楽器店(兼レコード・ショップ)では国内盤はすべての在庫がありました。
HMVではアビイの国内盤は品切れ、イエ・サブは国内盤、輸入盤とも見当たりませんでした。
おそらくプラケになることはないと思うんですが、国内盤の帯には「初回限定盤」と書いた下に「3つ折スペシャル・パッケージ」をあるのがちょっと気になります^^;
モノ箱はまだあるところにはあると思うんですけどね…^^
by parlophone (2009-09-21 00:13)
遼さん、こんばんは^^。
リリース順に聴いてる個人的なビートルズ強化期間(笑)
今日『ABBEY ROAD』まで聴いて、
あとは『LET IT BE』を残すのみとなってます。
よって未聴のままコメントしてるんですが^^;
「ACROSS THE UNIVERSE」は、
個人的にはBEST5に入るくらいに(不確定だけど^^;)好きな曲なんで、
どんな仕上がりになってるか楽しみです♪
読んだ本の中でアラン・ローズとガイ・マッセイが、
「THE LONG AND WINDING ROAD」のコトを、
今回のリマスタリングで、
ヴォーカルが良くなった曲として名前を出してましたが、
遼さんが聴いた感想はいかがでしたか?
ステレオ盤のパッケージ。
紙ジャケじゃないけどCDを収納する部分の写真の合わせとか(『abbey』)、
丁寧な仕事してるなって思いました^^。
by DEBDYLAN (2009-09-23 20:59)
DEBDYLANさん、こんばんはー。
今回もnice!とコメント、どうもありがとうございます。
>あとは『LET IT BE』を残すのみとなってます
おお、着々とモニタリングが進みましたね(笑。
ぼくはシカゴを聴いたり、フライング・ブリトウ・ブラザースを聴いたり、Superflyの新譜を聴いたり、けっこう浮気してるのでなかなか進みません^^;
『LET IT BE』は『…ネイキッド』というリミックス盤があるのでリマスター盤の存在意義が問われるところと思うんですが、ひと言でいうと「よくできている」と思います。
「ACROSS THE UNIVERSE」もいいですよー。
お楽しみに^^
>「THE LONG AND WINDING ROAD」
うわ~、気がつきませんでした(汗。
今度もう一度、注意深く聴いてみます(←って注意深く聴いたんじゃねーのかよ!)
>紙ジャケじゃないけどCDを収納する部分の写真の合わせとか(『abbey』)、
>丁寧な仕事してるなって思いました^^
ですね~。
最後のアルバムに最後のフォト・セッション。
見ているとやっぱりしんみりしちゃいます。
ブックレットもいいですよね。
by parlophone (2009-09-23 23:12)
遼さん、こんにちは、はじめまして。
リマスター盤の新旧比較の記事を検索していてたどり着きました。
発売後からかなり遅いコメントですみません。
記事はもとより、コメント欄の皆様の意見も参考になります。
私はまだ浅くしか聴けていないのですが・・・
LET IT BE(曲)を聴いて気づいたのが、旧CDと比べて
イントロで「カチッ」というノイズが有ったのが修正されていたり、
最初の方で(伴奏がピアノだけのところ)ポールの息がマイクに当たる音が
気にならない様になっていたり・・・
ドラムが入っちゃうと後は同じに聞こえるのですが(笑)
技術の進歩ってすごいな~、どうやってんのかな~と感心した反面、
40年前のモノなのだから、そのようなノイズも含めて一つの作品なのでは?
とも思ってしまいましたが・・・気にしすぎなのでしょうか。
by Y-SUGAR (2010-01-20 22:38)
Y-SUGARさん、こんばんは。
ようこそいらっしゃいました。
管理人の遼(parlophone)と申します。
>発売後からかなり遅いコメントですみません
とんでもないです。
どんなときでもコメントをいただけるのはうれしいことです。
>旧CDと比べて…「カチッ」というノイズが修正されていたり、
>ポールの息がマイクに当たる音が気にならない様になっていたり…
たしかに修正されてますよね。
>そのようなノイズも含めて一つの作品なのでは?とも思ってしまいました
すごくよくわかります。
ノイズも、それを含めて音楽として身に沁み込んでしまっているので、ないとあれれ…?という感じになっちゃいますよねー。
まあアーティストとしては予期しなかったノイズはノイズでしかない…、という考え方はわかりますが、つるんとしたノイズのない音楽もちょっとさびしいですよね。
ということで、今後ともよろしくお願いします。
by parlophone (2010-01-21 21:16)