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ビートルズ旧国内盤CDのライナーノウツ [BEATLES]

モノ・ボックスの比較的大きな画像が公開されている。

02.jpg(クリックすると別ウィンドウで開きます。1240X820 238KB)

この画像を見ながら紙ジャケの出来についていろいろ書こうと思っていたら、完璧にMASAさんがやってくれましたので(しかも何日も前に…笑)。

それにしてもモノ・ボックスの国内盤の定価が39,800円だとか。
1枚あたり3,061円だ。
今どき旧譜の再発盤で3,000円オーヴァーだなんて。
信じられんなあ……国内初盤LPのミニチュア帯でもつくのかね。
とりあえずタワレコで予約してあるのだが、よっぽどの特典がつかないかぎりキャンセルすることになるだろうなあ。

ま、それはさておき、きょうは旧国内盤のCDについて書いてみる。

ぼくがもっているビートルズの国内盤はボックス・セットとして発売されたものだ。
買ったのはおそらく1990年ごろだと思うけれど(CDプレイヤーを買ったのがけっこう遅かった)、まだ紙製のボックスだった。

06.jpg

輸送用の段ボール・ケースを見ると、16枚組で税抜価格36,500円、税込定価37,595円とある。

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単純計算すると、1枚あたり税込みで2,350円ぐらいだ。
12回払いぐらいのクレジットで少しずつ払っていった記憶がある(笑。

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プラケース1枚1枚には帯はついていないけれど小さい栞のようなものが1枚ついていて、それに特典として64ページオリジナル・ブックレットと日本語訳ブックレットと書いてある。

05.jpg

どこに仕舞い込んだんだろうと思ってなかを見るとちゃんとありました。
よかった~(笑。

07.jpg
(左がオリジナル・ブックレット、右が日本語訳)

オリジナルの英文ブックレットは公式録音された213曲(だっけ?)のすべてにかんしてのコメントが載っている。
筆者はマーク・ルーウィソンだ。

たとえばこんなぐあい。

当時ブライアン・エプスタインがマネージャーをしていたソロ・シンガー、トミー・クイックリーのためにジョンが特別に書いた曲。かれは実際にレコーディングし、1964年8月にリリースされる予定ではいたものの、発売されることはなかった(彼の1963年7月に発売されたデビュー・シングル"Tip Of My Tongue"は、ビートルズ以前のレノン/マッカートニーの曲で、二人で作った作品の中でも初めての失敗作だった)。しかし、この曲を無駄にするのが惜しかった彼らは、9月30日に自分たちの曲としてレコーディングし、遂に実力が認められ、このアルバムのオープニング曲として選ばれた。 
                             (山本緑 訳)

これは「ノー・リプライ」にかんするコメントの全文だ。
この曲が他人のために書かれたなんて初めて知りました(笑。

画質はよくないけれど何枚かのカラー写真もあるし、巻末には各曲のレコーディング・デートやA-Z Song Indexもついていてこれは初心者のためには便利だろう。

08.jpg

日本語ブックレットは同じく64ページでこれを訳したもの。
ただし巻末のデータは省略されている。

09.jpg

それぞれのCDにはこれとは別に猪俣憲司/根木正孝によるライナーがついていて、こちらにも各楽曲の解説がついている。
たとえば「ノー・リプライ」についてだったら

ジョンの作品の中でも出色の仕上がりで、それまでの作品と比べると味わいが深くなっている。同時のリンゴのボサ・ノバ風の演奏も地味ながら絶妙で、決めのリズムではシンバルがオーバー・ダビングされるなどキメの細かい音作りがなされている。ハーモニーはポール。

この猪俣/根木両氏による解説は昔からあまり評判がよくないけれど、あらためて読んでみると、なるほど英文ブックレットとはまったくかぶらない解説で、それはそれで苦労が偲ばれる(笑。

さてそれとは別に、この旧国内盤のライナーでぼくが個人的にすごい力作だと思っているのが、UKとUSのアルバムとシングルのチャートだ。

これは1963年と64年の英メロディ・メイカー誌によるシングル&アルバム・チャート。

10.jpg

こちらが1964年のビルボードによるUSシングル・チャートの部分を拡大したものだ。

11.jpg

例の1964年4月4日にトップ100の1位から5位までを独占するようすがこの図ではっきりわかって、見ていてとても楽しい。
手書きというところもほほえましいのだが、この労作はいつのまにかライナーから外されてしまった。
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コメント 6

MASA

すいません、先にやっちゃって〜(笑)。
おー、なかなか充実のブックレットが付いていたんですね。
紙ジャケとはいえ枚数も少ないのに、今度のmono BOXがこのBOXよりも高いのが解せません。

輸入盤との差別化はオビを付けるかSHM-CD化しかないでしょうね。
というか、私は安い輸入盤の対抗策として、少なくともSHM-CD化は最初からメーカー側は考えているのでは?と思っていたのですが、まあ実際にはどうなるんですかね〜。
by MASA (2009-07-06 00:28) 

parlophone

MASAさん、こんばんはー。

>すいません、先にやっちゃって〜(笑)

とんでもないです。
あれだけ完璧にやっていただければ、ぼくが書くことはなんにもありません^^

>枚数も少ないのに、今度のmono BOXがこのBOXよりも高いのが解せません

ですよね。
どう考えてもファンをバカにしてるとしか思えません。

>私は安い輸入盤の対抗策として、少なくともSHM-CD化は最初からメーカー側は
>考えているのでは?と思っていたのですが

SHM-CDは訴求力としてはたしかに大きいでしょうね。
それにしても2枚組が2タイトルですから、あの不評たらたらのユニバですら32,800円でリリースできる内容ですけどね…。
by parlophone (2009-07-06 00:55) 

MORE

もうあと2ヶ月ちょっとですね・・・
確かにこの値段はファンを食い物にしていますね。
「どーせ箱物で買うのは大人だから、ちょっとくらい高くても買うだろう」という魂胆がハッキリ見えますね。
俗に言う「大人買い」に乗じています。
みんなして輸入盤を買えば今後は考えるのでは?
最近のリイシュー物のアップグレード盤も同様ですね。
どうして日本人は「安くして沢山買ってもらおう」という発想にならないのでしょうか?結局は自分達の首を絞めることになること、判らないんでしょうかね。

by MORE (2009-07-06 09:45) 

parlophone

MOREさん、どうもです。

>「どーせ箱物で買うのは大人だから」

ところがそういう箱物をほしがる大人は国内盤の解説なんて望んでない、ということがどうしてわかんないんでしょうかねえ。

東芝EMIはビートルズの価格をキープすることで、ビートルズというブランド・イメージを大切にしてきたようなところがありますが、もう今はそんな時代じゃない。
EMIジャパンになってから、そのあたりのことを勉強してほしいですね。
by parlophone (2009-07-07 23:18) 

may_r

おはようございます。

86年に発売された『来日20周年記念盤MONO』(アナログ)は音質的にも値段(2300円)も本当に良い仕事をしていると思います。
この頃の東芝EMIはお客様(ファン)に対して、マニアックなアイテムを用意してくれていましたが、最近の商業主義に走りすぎている感がありますね。

商売の原理的に需要が減れば、値段を上げないと元が取れないというのは分りますが。
MONO_BOX買う人ってオリジナル、東芝MONOなど持っているいる人なんでしょうね。私も同類ですけど(笑)
by may_r (2009-07-08 07:23) 

parlophone

may_rさん、こんばんは。
お返事が遅くなってしまい申し訳ありません。
どうにも仕事が忙しくて、なかなかネットも開けません。

>86年に発売された『来日20周年記念盤MONO』(アナログ)

UKでモノラル盤が再発されたのに準じて、国内で出されたやつですね。
厳密に聴き比べると、やはりオリジナルとは差が出るようですが(これについては最近掲示板のほうでJDさんという方が比較試聴なさってます)、ふつう聴く分にはそれほど遜色ない音がしますからね。

>MONO_BOX買う人ってオリジナル、東芝MONOなど持っているいる人
>なんでしょうね

たしかにそうかもしれませんね、ぼくも含めて(笑。
by parlophone (2009-07-10 23:42) 

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