サヒブ・シハブ 『サヒブズ・ジャズ・パーティー』 [紙ジャケ]
サヒブ・シハブという、いっぷう変わった名のジャズマンの演奏を初めて耳にしたのはどのレコードだったか。
おそらくセロニアス・モンクの初期のセッションを集めた2枚のブルー・ノート盤だったのだろう。
それからしばらくして、今度はプレスティッジのコルトレーンのレコードで、バリトンを吹いているサヒブ・シハブを聴いた。
けれどもそこでのかれのプレイはそんなに印象に残るものではなかった。
今回ご紹介する『サヒブズ・ジャズ・パーティー』は1963年にコペンハーゲンのカフェ・モンマルトルで収録されたライヴで、アラン・ボチンスキー(flh)、オレ・モリン(g)、ニールス・ペデルセン(b)、アレックス・リール(ds)といったミュージシャンを従えて、アルト、ソプラノ、バリトン、それにフルートという管楽器を自由に操るかれの熱演を聴くことができる。
このアルバムを知ったきっかけは、紙ジャケ探検隊の掲示板のyasu さんという方の書き込みだった。
そのときはただちょっと興味をもっただけだったのだけれど、このまえ行きつけのタワレコを覗いてみると、なんとこの紙ジャケだけが、ジャケットを正面に3、4枚ディスプレイされていたのだ。
そんなにジャズ人口が多いとも思えない田舎のタワレコで、紙ジャケが正面を向けて紹介されているのは、ぼくの記憶ではマーティ・ペイチの"踊り子とお風呂"以来のことだ。
これはひょっとしたらクラブ・ジャズ周辺で盛り上がってるのかな、と思って買ってみた。
まずM-1「4070 Blues」で、いきなり飛び出すニールス・ヘニング・オルステッド・ペデルセンのウォーキング・ベースにぶっ飛ぶ!
解説を読むと、まだこのとき17歳だそうだ。
ペデルセンのことは以前どこかにも書いたけれど、とにかくその驚異的なテクニックはスコット・ラファロの再来といってもおかしくないほどだった。
若くして亡くなったのは残念だが、17歳のときの録音が残っていたなんて…!
バッキングにソロに、縦横無尽に駆け巡るすばらしいベースを聴かせてくれる。
サヒブのフルートは声も絡ませながらダーティな音色でひたすらハードに吹きまくるもので、個人的には好みではないが、熱いジャズがお好みの人にはいいかもしれない。
オレ・モリンのギターあまりテクニカルではなく、太い音でバリバリと弾くタイプでバンドとしての疾走感を感じさせる演奏だ。
ぼくが気に入ったのはアナログ盤でいうとB 面に当たる「Conversations part I~III」という組曲風の作品。
ここでのサヒブはバリトン、ソプラノ、フルートを駆使して豊かな音楽性を感じさせる。
とくにバリトンは50年代のコルトレーンのアルバムで聞かれたような、無骨であまり面白味のないソロではなくなっていて、渡欧後の進歩を感じさせる。
パートII における抒情的なフルートのソロもいい。
フリューゲルホルンのボチンスキーもけっしてテクニシャンではないが、クールにアドリブを組み立てるタイプのようで、それぞれの楽曲の曲想を生かしたうまいアシストを聴かせてくれる。
アレックス・リールも繊細さと豪快さを兼ね備えたドラミングで、熱いプレイを煽り立てる。
紙ジャケは両面ヴィニール・コーティングのE 式で、デビュー・レコードのロゴがある。
さて、このアルバムは音の鮮度がすばらしくとても46年も前の録音とは思えない!
とくにペデルセンのベースはよく録れている。
ぼくはいままで何枚かHQCD を聴いているが、これがHQCD の実力としたら大したものだ。
最近モダン・ジャズを聴いてないなあ~…久しぶりに熱い演奏に身を委ねてみたい…と思ってる人には最適のアルバムです。
おそらくセロニアス・モンクの初期のセッションを集めた2枚のブルー・ノート盤だったのだろう。
それからしばらくして、今度はプレスティッジのコルトレーンのレコードで、バリトンを吹いているサヒブ・シハブを聴いた。
けれどもそこでのかれのプレイはそんなに印象に残るものではなかった。
今回ご紹介する『サヒブズ・ジャズ・パーティー』は1963年にコペンハーゲンのカフェ・モンマルトルで収録されたライヴで、アラン・ボチンスキー(flh)、オレ・モリン(g)、ニールス・ペデルセン(b)、アレックス・リール(ds)といったミュージシャンを従えて、アルト、ソプラノ、バリトン、それにフルートという管楽器を自由に操るかれの熱演を聴くことができる。
このアルバムを知ったきっかけは、紙ジャケ探検隊の掲示板のyasu さんという方の書き込みだった。
そのときはただちょっと興味をもっただけだったのだけれど、このまえ行きつけのタワレコを覗いてみると、なんとこの紙ジャケだけが、ジャケットを正面に3、4枚ディスプレイされていたのだ。
そんなにジャズ人口が多いとも思えない田舎のタワレコで、紙ジャケが正面を向けて紹介されているのは、ぼくの記憶ではマーティ・ペイチの"踊り子とお風呂"以来のことだ。
これはひょっとしたらクラブ・ジャズ周辺で盛り上がってるのかな、と思って買ってみた。
まずM-1「4070 Blues」で、いきなり飛び出すニールス・ヘニング・オルステッド・ペデルセンのウォーキング・ベースにぶっ飛ぶ!
解説を読むと、まだこのとき17歳だそうだ。
ペデルセンのことは以前どこかにも書いたけれど、とにかくその驚異的なテクニックはスコット・ラファロの再来といってもおかしくないほどだった。
若くして亡くなったのは残念だが、17歳のときの録音が残っていたなんて…!
バッキングにソロに、縦横無尽に駆け巡るすばらしいベースを聴かせてくれる。
サヒブのフルートは声も絡ませながらダーティな音色でひたすらハードに吹きまくるもので、個人的には好みではないが、熱いジャズがお好みの人にはいいかもしれない。
オレ・モリンのギターあまりテクニカルではなく、太い音でバリバリと弾くタイプでバンドとしての疾走感を感じさせる演奏だ。
ぼくが気に入ったのはアナログ盤でいうとB 面に当たる「Conversations part I~III」という組曲風の作品。
ここでのサヒブはバリトン、ソプラノ、フルートを駆使して豊かな音楽性を感じさせる。
とくにバリトンは50年代のコルトレーンのアルバムで聞かれたような、無骨であまり面白味のないソロではなくなっていて、渡欧後の進歩を感じさせる。
パートII における抒情的なフルートのソロもいい。
フリューゲルホルンのボチンスキーもけっしてテクニシャンではないが、クールにアドリブを組み立てるタイプのようで、それぞれの楽曲の曲想を生かしたうまいアシストを聴かせてくれる。
アレックス・リールも繊細さと豪快さを兼ね備えたドラミングで、熱いプレイを煽り立てる。
紙ジャケは両面ヴィニール・コーティングのE 式で、デビュー・レコードのロゴがある。
さて、このアルバムは音の鮮度がすばらしくとても46年も前の録音とは思えない!
とくにペデルセンのベースはよく録れている。
ぼくはいままで何枚かHQCD を聴いているが、これがHQCD の実力としたら大したものだ。
最近モダン・ジャズを聴いてないなあ~…久しぶりに熱い演奏に身を委ねてみたい…と思ってる人には最適のアルバムです。
タグ:サヒブ・シハブ
はじめまして。
いつも楽しく拝見させてもらっています。
サヒブ・シハブは、最初ノーマからLPで復刻されて以来の復刻でLPもリリースされるので楽しみです。
最初このアルバム聞いた時はペデルセンのベースにだれもがひきつけられると思います。ケニー・ドリューのトリオでのプレイもいいのですが、BNのアス・スリーの1曲目のようなわくわくさせてくれるプレイで楽しめました。
あと澤野工房からリリースされるBLUE BOGEY ウィルトン・ゲイナ(TS)
もLPでのリリースですが、サキコロにも匹敵する名盤なので楽しめると思います。今月のリリースです。
by yasu (2009-04-14 19:56)
yasuさん、どうも初めまして。
管理人の遼(parlophone)です。
まさかご本人のyasuさんからコメントもらうなんて思ってもみませんでした。
どうもわざわざお越しいただいてありがとうございました^^
>ケニー・ドリューのトリオでのプレイもいいのですが、
ニールス・ペデルセンというとやはりステープルチェイスの諸作を思い出しますよね。
しかし17歳でここまで完成されているとは驚きです。
ベースを手にしたのが14歳ぐらいらしいですから、3年でここまで来たんですね。
やはり天才としかいいようがありません。
>BNのアス・スリーの1曲目のようなわくわくさせてくれるプレイで楽しめました
ほんとですね!
アル・ヘアウッドのブラシの波に切り込むようにジョージ・タッカーのベースが入ってくる瞬間は最高にスリリングですからね。
「4070 Blues」のオープニングにはたしかにそういうわくわく感がありますね。
yasuさんのおかげでまた1枚、名作と出会うことができました。
ありがとうございました。
>澤野工房からリリースされるBLUE BOGEY ウィルトン・ゲイナ(TS)…
>サキコロにも匹敵する名盤
そうなんですか!
まったく知りませんが、機会があればぜひ聴いてみたいと思います。
今後ともよろしくお願いします^^
by parlophone (2009-04-15 00:05)
遼さん、こんにちは。
遼さんがフェイバリットの一枚に挙げる『カインド・オブ・ブルー』のレガシーが届きました。
トミー・フラナガンの1stと、関係アルバムも。
遼さんのジャズ紹介は本当に参考にさせてもらってます。感謝!
最近はビル・エバンスを買い漁ってます。^^
by 遮断機さん (2009-04-18 07:13)
遮断機さん、こんばんはー。
>遼さんがフェイバリットの一枚に挙げる『カインド・オブ・ブルー』のレガシー
ま、はっきり言ってモスト・フェイヴァリットです。
しかも圧倒的な1位です^^
>遼さんのジャズ紹介は本当に参考にさせてもらってます。感謝!
ありがとうございます。
幻ちゃんもすっかりジャズにはまってきたみたいですね~。
もう半年更新していない「JAZZ の愛聴盤」ですが、じつはいま3枚ほど予定しています。
お楽しみに。
そして今後ともなが~い目でよろしくお願いしますね(笑。
>トミー・フラナガンの1stと、関係アルバム
>最近はビル・エバンスを買い漁ってます
どちらもじつに趣味のいいピアノですよね。
長く愛聴できる作品が見つかることを願っています^^
by parlophone (2009-04-18 21:06)