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ジョニ・ミッチェルのアルバム part2 [紙ジャケ]

『ブルー』('71)と、同年リリースのジェイムズ・テイラーのアルバム『マッド・スライド・スリム』で親密なところを見せたジョニとジェイムズとの恋はまもなく破局を迎え、傷心のジョニは故郷であるカナダのブリティッシュ・コロンビアに1年以上も引き籠ってしまい音楽界から身を引くことも考えたという。

けっきょくデイヴィッド・ゲフィンの新興レーベル"アサイラム"に移籍して再出発することになるのだが、リプリーズがこだわったフォーク・シンガーのイメージを鮮やかに覆して新しい地平へ踏み出していくのが、このアサイラム期ということになる。

5thアルバム『バラにおくる For The Roses』は1972年11月のリリース。

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ピアノの弾き語りではじまるM-1「宴 Banquet」をはじめとして『ブルー』の内省的な気分を受け継いでいる曲も多く、歌詞のあちこちにジェイムズに対する想いが伺われたりもするのだが、M-2「コールド・ブルー・スティール Cold Blue Steel and Sweet Fire」ではエルヴィスのギタリストとしても有名なジェイムズ・バートンが参加してジョニとのツイン・アコースティック・ギターを聴かせてくれるし、M-10「ブロンド・イン・ザ・ブリーチャーズ Blonde in the Bleachers」では後半のロックンロール・バンドの部分でスティーヴン・スティルスのギターを聴くことができる。
ゲフィンにヒット曲を書くようにいわれて作ったというM-9「恋するラジオ You Turn Me on I'm a Radio」ではイントロとアウトロに元恋人のグレアム・ナッシュのハーモニカがフューチャーされているが、約束どおりこの曲は全米25位を記録するヒット・シングルになった。
バック・ミュージシャンはこの直後にL.A.エクスプレスを結成するトム・スコット(sax.winds)、ジャズ・クルセダーズのウィントン・フェルダー(b)、ラス・カンケル(ds)といったところ。
間奏部でトムの木管とストリングスが鋭く切り込むM-12「月と星の審判 Judgement of the Moon and Stars(Ludwig's Tune)」も忘れがたい印象を残す。

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ジョニ・ミッチェルのアルバム part1 [紙ジャケ]

だれに訊いても同じような答えが返ってくると思うけれど、ぼくにとって女性のシンガー・ソングライターといえばキャロル・キング、ローラ・ニーロ、そしてジョニ・ミッチェルだ。
そのジョニの作品がワーナー・ミュージックから紙ジャケでリリースされたのは4月だった。
ぼくは1stアルバムを除く9タイトルを買った。
1枚2,500円だから全部で22,500円だけど、ジョニの作品はそれくらいのお金を出してもそろえる価値がある。
とはいうもののやっぱりちょっとお小遣い的にはキツイです(笑。

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さて、ぼくにとってのジョニはまずソングライターだった。
映画『青春の光と影』('69)でジュディ・コリンズが歌った同名の主題歌が、初めてラジオから流れてきたときの鮮烈な感動は今でも忘れることができない。
そしてバフィー・セント・メリーが歌った映画『いちご白書』('70)の主題歌「サークル・ゲーム」も素晴らしい曲だった。
ぼくがクロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤングの『デジャ・ヴ』を買ったのは1970年の6月27日だが、そのきっかけになった「ウッドストック」の作者がジョニだと聞いたときはその多才ぶりにびっくりした。

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AC嫌いが選ぶACの名盤w―その2 スティーヴン・ビショップ [紙ジャケ]

アート・ガーファンクルに楽曲提供をしたのがきっかけでライヴ・ツアーに誘われ、サイモン&ガーファンクルのレパートリーを歌うときはポール・サイモンの代役を果たしたというスティーヴン・ビショップ。

かれの才能や人柄に惹かれてのことだろう、翌76年のデビュー・アルバム『ケアレス』にはギターにエリック・クラプトン、ラリー・カールトン、リー・リトナー、アンドリュー・ゴールド、ジェイ・グレイドンほか、キーボードにはラリー・ネクテル、クレイグ・ダージ、ヴィブラフォンとオルガン、パーカッションにジャズの世界では有名なヴィクター・フェルドマン、ドラムスがジム・ゴードン、ラス・カンケル、コーラスにアート・ガーファンクル、チャカ・カーン、リア・カンケル……といったものすごいメンバーが集まった。

ミスター・ロマンティックと呼ばれたかれの1stと2ndアルバムが紙ジャケで出たのは去年の11月。
例によってまったく知らなかったぼくに、そんなことを教えてくれたのは同僚のタケシくんだった。

「遼さん、スティーヴン・ビショップ知ってます?」
「ああ、ポール・バターフィールド・ブルーズ・バンドでギター弾いてた?」
「それはエルヴィン・ビショップですよ(笑」
「あ、そっかー。そんじゃ知らんわ」
「ちょっとAOR寄りの人なんですけどね、ぼくけっこう好きなんすよ。
紙ジャケが出たので買ったんですけど、もってきましょうか?」
「おー、ありがとう TT」
「一般的には『水色の手帖』のほうが評価が高いんですけど、『ケアレス』もいいので聴いてみてください」

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さっそく貸してもらったCDの1枚めをプレイヤーにセットすると流れてきたのは「オン・アンド・オン」。
アコースティック・ギターとベースのイントロにパーカッションとスティール・ギターがかぶさり、癖のない透明感あふれるヴォーカルが流れ出す。

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AC嫌いが選ぶACの名盤w―その1 クリス・レインボウ [紙ジャケ]

ぼくがAC(アダルト・コンテンポラリー、日本でいうAOR)路線の曲があまり好きじゃないことは何度も書いた。
その理由の大部分は自分なりに分析すると、グル―ヴが感じられないこと、ファンキーじゃないこと、にあるんじゃないかと思うのだけれど、よくわからない(笑。
たとえばリタ・クーリッジなんかもファーストは文句なしに大好きなんだけれど、セカンドになるとなんとなくACっぽい匂い?がしてちょっとテンションが下がってしまう。
そのどこにACっぽい匂いがあるのか自分でもよくわからないのだからいやになる。
シカゴぐらいはっきりしてくれてるとわかりやすいのだけれど(笑。
そうかと思うとカーラ・ボノフや現代のAC路線を代表するコールド・プレイあたりは大好きなんだからいい加減なものである。

そんなぼくが大好きなAC(AOR)の名盤を取り上げてみたいと思う。
第1回めは(といっても2回しか予定はありませんが…笑)クリス・レインボウの『ホワイト・トレイルズ』である。

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トム・ウェイツのアルバム―Part2 [紙ジャケ]

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ぼくはあまりTVを見るほうではないけれど、この冬のシーズンにずっと見続けたゆいいつのドラマが山崎豊子原作の『不毛地帯』だった。
主人公壹岐正を演じる唐沢寿明を初めとして、原田芳雄、中村敦夫、橋爪功、伊東四朗、石橋蓮司、江守徹、清水紘治といったベテラン陣、ぼくの大好きな(笑)エンケン(遠藤憲一)から、柳葉敏郎、岸部一徳、段田安則、松重豊、阿部サダヲといった個性派、佐々木蔵之介、竹野内豊あたりの中堅どころ、そして和久井映見、天海祐希、小雪といった華やかな女優陣…。
ちょっとご都合主義のところもあるけれど、なかなか重厚なストーリー展開で、だからこそエンディングでトム・ウェイツの「トムズ・トラバーツ・ブルーズ」が流れてきたときはほんとうにびっくりした…@o@
どんなときでも背中に物差しが入っていそうな壹岐正と、飲んだくれ酔いどれのトム・ウェイツとの共通点ってあんまり思いつかないが、やっぱりプロデューサーあたりがトムの大ファンなんでしょうか(笑。

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トム・ウェイツのアルバム―Part1 [紙ジャケ]

ご無沙汰してます。
なんだかわからないうちに1年で最も忙しい時期に突入してしまい、あんまり寝てません(爆。
トム・ウェイツのアサイラム時代のアルバムが紙ジャケで出たので、ざっくりと紹介したいと思います。
まずきょうはパート1。

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デトロイト・パンク40周年 [紙ジャケ]

今から39年前の1968年にどんなにすごいロックのアルバムがリリースされていたかは以前記事で書いたことがあるけれど、40年前の1969年というのはさらにさらに、もっとすごい年だった。
英国では3月にゼップが、7月にはパープルがレコード・デビューし、同じく7月にはイエス、10月にはキング・クリムゾンも1stアルバムをリリースしている。
ビートルズは『アビイ・ロード』を、ストーンズは『レット・イット・ブリード』を、ザ・フーはロック・オペラ『トミー』をリリースした。
クラプトンはクリームを解散してブラインド・フェイスを結成し、ジェフ・ベックはロッド・ステュワート、ロン・ウッドと『ベック・オラ』をリリースしている。
アイルランドでロリー・ギャラガーの『テイスト』がレコード・デビューを果たしたのも69年だ。
アメリカでは8月にウッドストック・フェスティヴァルが開催されて30万人ともいわれる聴衆が集まり、テン・イヤーズ・アフターやザ・フー、サンタナ、スライ&ザ・ファミリー・ストーン、そしてジミ・ヘンドリクスなどが人々の熱い支持を受けた。
フェスティヴァルの象徴的なバンドになったクロスビー・スティルズ・アンド・ナッシュ、サンタナ、そしてレスリー・ウェストのマウンテンも1stアルバムをリリース、さらにシカゴやオールマン・ブラザーズ・バンドの1st、さらにフライング・ブリトー・ブラザーズの1st『黄金の城』も69年である。
ザ・バンドは同名タイトルの2ndアルバム、ジャニスは『コズミック・ブルースを歌う』、グレイトフル・デッドは『ライヴ/デッド』をリリースしている。

ぼくは中学3年生、当時はまだゼップもCSNも聴いてなかったけれど、『アビイ・ロード』や『レット・イット・ブリード』、そして『グッバイ・クリーム』なんかはアルバムを手に入れて毎日聴きまくっていた。

そんななか、デトロイトではストゥージスとMC5(モーター・シティ・ファイヴ)がデビューしていたんですねえ。

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フライング・ブリトウ/グラム・パーソンズのアルバム―part 2 [紙ジャケ]

フライング・ブリトウ・ブラザーズの紙ジャケ・シリーズで、後になって「しまった、あれを買っておくんだった」と後悔したのが『スリープレス・ナイト』だ。
もうどこにもないと思っていたら、ラッキーなことにAmazonのマーケット・プレイスで新品を購入することができたので、ご紹介しておこう。

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このアルバムのオリジナルはグラム・パーソンズが亡くなってから約3年後の1976年5月にA&Mからリリースされている。
1st アルバム『黄金の城』と2nd アルバム『ブリトウ・デラックス』の間の69年11月のスタジオ・レコーディング9曲と、グラムの遺作『グリーヴァス・エンジェル』(1974)のスタジオ・アウトテイク3曲の計12曲からなるコンピレーションだった。
今回の紙ジャケでは69年のセッションから6曲が追加され、『ブリトウ・デラックス』にボーナス・トラックとして収録された2曲(「Sing Me Back」と「I Shall Be Released」)を併せれば、このときのセッションはすべて聴くことができるようになっている。

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プリファブ・スプラウトのアルバム―part 2 [紙ジャケ]

part 1で書いたように、2ndアルバム『スティーヴ・マックイーン』のリリース直後の1985年9月、パディは『プロテスト・ソングス』という名のアルバムをわずか2週間で完成させていた。
UK/CBSの判断でお蔵入りになってしまった幻の『プロテスト・ソングス』は、レコーディングから4年後の1989年6月、3rdアルバム『ラングレー・パークからの挨拶状』につづくアルバムとしてリリースされた。

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プリファブ・スプラウトのアルバム―part 1 [紙ジャケ]

日本式に書けば「プレハブ・スプラウト」(組み立て式の芽)という奇妙な名前のUKのバンドをぼくに教えてくれたのはタケシくんだ。
3年前からおなじ部署で机を並べているタケシくんは今年38歳、子どものころお父さんが買ってくれた赤盤・青盤の4枚のレコードでビートルズ・ファンになったという彼のことは、いままでも何度かブログで紹介したことがある。
その彼が今年の春ごろ、
「遼さん、プリファブ・スプラウトの『スティーヴ・マックイーン』は知ってますよね?」
「え、何? なんのスティーヴ・マックイーン?」
「プリファブ・スプラウト」
「いや~、知らない」
「知らないっすかー、プリファブ・スプラウト。プリファブのアルバムはどれもみんないいけど、とくにこのアルバムは、ほんといいですよー。
『レココレ』の80年代ベスト100でも上のほうに入ってましたよ」
といって貸してくれたのが、2007年にリリースされた『スティーヴ・マックイーン』のレガシー・エディションだった。
ぼくはこのDisc-1(オリジナル・ヴァージョン)を聴いて、いっぺんにプリファブ・スプラウトと『スティーヴ・マックイーン』のファンになってしまった。
息子の悠がことしの8月に20歳になったので、その誕生日プレゼントに選んだのも『スティーヴ・マックイーン』だった(←20歳の誕生日のプレゼントがCD1枚かよ!というツッコミはなしで…^^;)。

タケシくんはぼくがプリファブが気に入ったので、『ラングレー・パークからの挨拶状』『プロテスト・ソングス』と貸してくれたのだが、これらがまたまたいい。

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そうこうしているうちにSony Musicからプリファブのアルバムが紙ジャケでドドッと出た。
(このうち『スティーヴ・マックイーン』と『ラングレー・パーク』は「80s 紙ジャケコレクション」と題したシリーズのなかの2枚としてリリースされている)
きょうはリリース順に最初の3枚をご紹介しよう。

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