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アンダース&ポンシアのアルバム [紙ジャケ]

昨年買ってまだ紹介していない紙ジャケ・シリーズの最終回はアンダース&ポンシア。

マン&ワイルやリーバー&ストーラーなど、60年代に活躍したいわゆる"ブリル・ビルディング"系のソング・ライター/プロデューサー・チームのなかで、フィル・スペクターの門下生として有名なピーター・アンダースとヴィニ・ポンシアが60年代後半に残した2枚のアルバムが、昨年12月24日にBMG JAPANからリリースされた。

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以下、長門芳郎の解説を参考にしながら2人の活動を簡単にご紹介しよう。

50年代末にニューヨーク、ロング・アイランドで"ザ・ヴァイデルス"というグループで活動していた二人は、フィル・スペクターに認められて1963年にロサンゼルスに拠点を移し、ロネッツやクリスタルズ、ダーレン・ラヴなどに書いた曲がヒットして一躍有名になる。
65年に二人はトレイドウィンズなるグループ名で「ニューヨークは淋しい町」をレコーディングしたが、スペクターが興味を示さなかったためジェリー・リーバー&マイク・ストーラーのレッドバード・レコードからリリースして全米32位を記録する。

その後、ラヴィン・スプーンフルのヒットで知られるカマ・ストラ・レコードに招かれて「心の旅路」(全米51位)などのシングルをリリース、同時期に同レコードの社長アーティ・リップと"イノセンス"というグループ名でシングル「すてきな言葉」(全米34位)などをスマッシュ・ヒットさせている。

1967年リリースのアルバム『エクスカーションズ』はトレイドウィンズ名義。
実態ははっきりしないが、元ヴァイデルスのノーマン・マルノザらがメンバーに加わっていて、実質的にはヴァイデルスのアルバムと考えてもいいようだ。
レーベルはカマ・ストラになっているが、レッドバード音源も網羅されているの「ニューヨークは淋しい町」も収録されている。

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紙ジャケは光沢のない厚紙A 式のシングル・スリーヴ。
モノクロに彩色したチープなフォトが期せずして60年代サイケデリック・エラを偲ばせる。

山下達郎のカヴァーでも有名な永遠のポップ・チューンM-4「ニューヨークは淋しい町」、いかにも60年代風のドリーミーでポップなM-1「心の旅路」、ビーチ・ボーイズを思わせるメロディとコーラスが素敵なM-5「アイ・ビリーヴ・イン・ハー」、ピアノのマイナーなイントロから胸キュンのサード・シングルM-6「ホエン・アイム・ドリーミン」、「心の旅路」のカップリングでしっとりしたコーラスも美しいM-10「可愛いスーザンの夢」など、愛らしい佳曲がそろっている。

バグス・ペンバートンによるバック・カヴァーのイラストもモノクロなのが残念だが、サイケデリックな時代を感じさせるものだ。

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ラヴィン・スプーンフルの写真を大きくあしらったインナー・バッグもミニチュアで復刻されている。

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(左は16ページの解説・歌詞・対訳つきブックレット)

同じく1967年にリリースされた『ジ・イノセンス』は前述のようにアンダース&ポンシアがアーティ・リップと組んだゆいいつのアルバムで、こちらも紙ジャケは光沢のない厚紙A 式のシングル・スリーヴ。

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甘くメロディアスなシングル・ヒットM-1「すてきな言葉」、同じく75位まで上ったセカンド・シングルM-2「メアジー・ドーツ」、「すてきな言葉」と同じくドン・シコーニのペンになるキャッチーなM-4「All I Ask」、解説の長門芳郎の言葉を借りれば「イタロ・ポップ全開の泣き節」となるM-3「サムワン・ゴット・コート・イン・マイ・アイ」、「メアジー・ドーツ」のカップリングで60年代ポップ・チューンの見本のような愛らしいM-6「ア・ライフタイム・ラヴィング・ユー」、ラヴィン・スプーンフルのカヴァーM-11「魔法を信じるかい」など、こちらも負けず劣らずの佳曲ぞろいだ。

レーベルの色は違うが『エクスカーションズ』と同じインナーがついている。

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コメント 6

poposuke

遼さん こんにちは

恥ずかしながら、この2枚のアルバムについてはほとんど知りませんでした・・60年代物はまだまだ勉強不足です(汗)
でも、この2枚はジャケットの雰囲気がいい感じですし、内容的にも良さそうなので、近いうちに探してみたいと思います♪

それと私事で恐縮ですが、自分のブログをso-netブログへ移転させました。
これからも宜しくお願い致します!
by poposuke (2009-02-15 15:54) 

MASA

'70年代中頃にリンゴがポリドールに移籍した頃、ヴィニ・ポンシアが数枚のアルバムで協力しているので名前だけは知ってます^^。
でもこんなアルバムを出していたのは全く知りませんでした。
ちょっとよさそうですね。
by MASA (2009-02-15 16:25) 

イカリング

はじめまして。
わたしはこれらの紙ジャケは新規音源が無い様なので買っていませんでした。それで、トレイドウィンズのほうに「レッドバード音源も網羅されている」と書かれてらっしゃいますが、ネット上で見られるトラックリストを見ても、レッドバードから出たシングル曲がボーナス収録されているわけでは無いようなのですが。
by イカリング (2009-02-15 16:54) 

parlophone

poposukeさん、こんばんはー。

>この2枚のアルバムについてはほとんど知りませんでした

ぼくもアンダース&ポンシアについては知っていましたが、ザ・トレイドウィンズ、ジ・イノセンスというグループ名でレコードを出していることは、今回初めて知りました(汗。

けれど聴いてみたら期待にたがわずポップセンスあふれるなかなか素敵な作品でした。
ジャケもいいですね^^

>so-netブログへ移転

おお、そうですか!
ではあとで遊びに行きますね♪
by parlophone (2009-02-15 20:42) 

parlophone

MASAさん、こんばんは!

>'70年代中頃にリンゴがポリドールに移籍した頃、
>ヴィニ・ポンシアが数枚のアルバムで協力している

ああ、そうでしたね。
長門芳郎の解説を見ると、ポンシアはそのほかにキッスやレオ・セイヤー、メリサ・マンチェスターなどに楽曲を提供したり、プロデュースしたりしているみたいです。

>ちょっとよさそうですね

ちょっといいんですよ(笑。
これでもうちょっと録音がよければいうことなしなんですけどね…。
by parlophone (2009-02-15 20:49) 

parlophone

イカリングさん、はじめまして。
ようこそいらっしゃいました。

>これらの紙ジャケは新規音源が無い
>レッドバードから出たシングル曲がボーナス収録されているわけでは無い

ほんとうに失礼いたしました。
ちょっと筆が滑ってしまいました。
レッドバードからのシングルは「ニューヨーク~」以外はまったく収められていませんね。
長門さんの解説によると原盤権が他に移ったということで、「アンダース&ポンシアのシングル曲等」が収録できなかったそうです。
トレイドウィンズ名義のシングルも同じなのかもしれませんね。

記事のほうは訂正をさせていただきました。

ご指摘ありがとうございました。
今後ともよろしくお願いいたします。
by parlophone (2009-02-15 20:55) 

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