スティーヴィー・ワンダーのアルバム [紙ジャケ]
今年前半にリリースされる予定の紙ジャケのなかで個人的にとても楽しみにしているのが、スティーヴィー・ワンダーとロッド・スチュアート。
とくにスティーヴィーはモータウン50周年との連動企画なのか、60年代、70年代、80~90年代の三期に分けて、全30タイトルが紙ジャケとしてリリースされる。
ぼくがスティーヴィーをきちんと聴き始めたのは80年代の初め、『ホッター・ザン・ジュライ』あたりからで、まったくリアル・タイマーではない。
もちろん、その歌声だけなら60年代のリトル・スティーヴィー・ワンダーのころからラジオで耳にしていたし、ジェフ・ベックとの"競演"になった「迷信」のかっこよさにはブッ飛んだけれど、アルバムを通して聴こうとは思わなかった。
そのころのぼくはジャズには夢中でも、R&B やソウルなどのブラック・ミュージックには関心が薄かったのだ。
今にして思えば、「迷信」をきっかけに、アルバムでいえば『トーキング・ブック』のころからリアル・タイムで聴いていればどんなによかっただろう。
ほんとうにもったいないことをしたものだ。
さて、12月3日に発売された60年代の13タイトルのなかには、日本初CD 化どころか、日本初リリースの1st アルバム『JAZZ SOUL~リトル・スティーヴィー』(リリース順では3枚めだが、録音されたのはもっとも古い62年)なんてものもあるが、個人的には『フォー・ワンス・イン・マイ・ライフ』('68)、『マイ・シェリー・アモール』('69)あたりが気になるところだ。
ただ例によってSHM-CD ということで1枚2,800円と、ちょっとお高い(笑。
7月のボーナスまで残っていれば買うことにしよう(←残ってないか!)
きょうリリースされた70年代の9タイトルは、それこそ名盤の目白押しで、どれを外すか迷うぐらいだが、とりあえずGETしたのは泣く子も黙る『トーキング・ブック』('72)、『インナーヴィジョンズ』('73)、『ファースト・フィナーレ』('74)の三部作だ。
内容はぼくがあれこれいう余地などまったくない歴史的名盤だが、個人的にいちばん好きなのはやっぱり「迷信」の収録された『トーキング・ブック』かな。
5月の陽光のように透明な美しさを湛えたA-1「ユー・アー・ザ・サンシャイン・オヴ・マイ・ライフ」と、クラヴィネットを用いたファンキーなB-1「迷信」との落差もすごいが、ジェフ・ベックの一発でわかるソロやスライドが聴けるB-4「Lookin' for Another Pure Love」や、ジャジーなメロディが堪らないA-5「ユーヴ・ガット・イット・バッド・ガール」、レイ・パーカー・Jr.のギターがいなたいA-2「Maybe Your Baby」あたりが大好きだ。
ただいつ聴いても「この曲好きだなあ」とため息が出るのは『ファースト・フィナーレ』所収のA-4「ブギー・オン・レゲエ・ウーマン」だし、『インナーヴィジョンズ』のファンキーでありながらシリアスな緊迫感あふれるA-3「Living for the City」からマイナーなメロディが胸を締めつけるA-4「Golden Lady」をはさんで、A-5「ハイヤー・グラウンド」にいたる、流れに抗うこともできず流されてしまうA面の怒涛の展開など、このころのスティーヴィーはほんとうの意味で"gift=天賦の才能"という言葉がふさわしい人だったと思う。
では紙ジャケをご紹介していこう。
『トーキング・ブック』はヴィニール・コーティングではないけれど、ニス塗りのような光沢のあるE 式のゲイトフォールド・スリーヴ。
タムラ・モータウンのロゴと点字もきちんと再現されている。
内側。
内省的なスティーヴィーの新しい一面を象徴するような、印象的な写真だ。
こちらの点字もきちんと復刻されている。
歌詞を大切にしたいという気持ちの表れだろう、バック・スリーヴにはすべての楽曲の歌詞が載せられている。
『インナーヴィジョンズ』はザラリとした手触りのテクスチャー仕様のゲイトフォールド・スリーヴで、やはりE 式になっている。
内側には歌詞が印刷されている。
非常に斬新で印象的なイラストはエファーム・ウルフ。
バック・スリーヴ。
ミュージシャンやエンジニアほか、スタッフの詳細なクレジットがついている。
『ファースト・フィナーレ』もやはり『トーキング・ブック』と同じような光沢のあるE 式のゲイトフォールド・スリーヴ。
こちらはトップ・オープンになっている。
バック・スリーヴ。
「ファースト・フィナーレ」というタイトルに相応しく、若いころのスティーヴィの肖像や、ジョン・F・ケネディ、マーティン・ルーサー・キングなどのイラストに交じって、『心の詩』、『トーキング・ブック』、『インナーヴィジョンズ』のジャケットも載せられている。
こちらのカヴァー・デザインとイラストはボブ・グリスン。
やはり内側には歌詞が印刷されている。
レーベルはタムラ・モータウンのイメージを再現したものだ。
音は悪くないと思うのだが(ただし60年代のものはやはり古さが隠せないと思う)、どのマスターを使用したのか、まったくクレジットがないのは不親切だ。
Sony Music のように古いマスターでもきちんと掲載してほしいと思う。
とくにスティーヴィーはモータウン50周年との連動企画なのか、60年代、70年代、80~90年代の三期に分けて、全30タイトルが紙ジャケとしてリリースされる。
ぼくがスティーヴィーをきちんと聴き始めたのは80年代の初め、『ホッター・ザン・ジュライ』あたりからで、まったくリアル・タイマーではない。
もちろん、その歌声だけなら60年代のリトル・スティーヴィー・ワンダーのころからラジオで耳にしていたし、ジェフ・ベックとの"競演"になった「迷信」のかっこよさにはブッ飛んだけれど、アルバムを通して聴こうとは思わなかった。
そのころのぼくはジャズには夢中でも、R&B やソウルなどのブラック・ミュージックには関心が薄かったのだ。
今にして思えば、「迷信」をきっかけに、アルバムでいえば『トーキング・ブック』のころからリアル・タイムで聴いていればどんなによかっただろう。
ほんとうにもったいないことをしたものだ。
さて、12月3日に発売された60年代の13タイトルのなかには、日本初CD 化どころか、日本初リリースの1st アルバム『JAZZ SOUL~リトル・スティーヴィー』(リリース順では3枚めだが、録音されたのはもっとも古い62年)なんてものもあるが、個人的には『フォー・ワンス・イン・マイ・ライフ』('68)、『マイ・シェリー・アモール』('69)あたりが気になるところだ。
ただ例によってSHM-CD ということで1枚2,800円と、ちょっとお高い(笑。
7月のボーナスまで残っていれば買うことにしよう(←残ってないか!)
きょうリリースされた70年代の9タイトルは、それこそ名盤の目白押しで、どれを外すか迷うぐらいだが、とりあえずGETしたのは泣く子も黙る『トーキング・ブック』('72)、『インナーヴィジョンズ』('73)、『ファースト・フィナーレ』('74)の三部作だ。
内容はぼくがあれこれいう余地などまったくない歴史的名盤だが、個人的にいちばん好きなのはやっぱり「迷信」の収録された『トーキング・ブック』かな。
5月の陽光のように透明な美しさを湛えたA-1「ユー・アー・ザ・サンシャイン・オヴ・マイ・ライフ」と、クラヴィネットを用いたファンキーなB-1「迷信」との落差もすごいが、ジェフ・ベックの一発でわかるソロやスライドが聴けるB-4「Lookin' for Another Pure Love」や、ジャジーなメロディが堪らないA-5「ユーヴ・ガット・イット・バッド・ガール」、レイ・パーカー・Jr.のギターがいなたいA-2「Maybe Your Baby」あたりが大好きだ。
ただいつ聴いても「この曲好きだなあ」とため息が出るのは『ファースト・フィナーレ』所収のA-4「ブギー・オン・レゲエ・ウーマン」だし、『インナーヴィジョンズ』のファンキーでありながらシリアスな緊迫感あふれるA-3「Living for the City」からマイナーなメロディが胸を締めつけるA-4「Golden Lady」をはさんで、A-5「ハイヤー・グラウンド」にいたる、流れに抗うこともできず流されてしまうA面の怒涛の展開など、このころのスティーヴィーはほんとうの意味で"gift=天賦の才能"という言葉がふさわしい人だったと思う。
では紙ジャケをご紹介していこう。
『トーキング・ブック』はヴィニール・コーティングではないけれど、ニス塗りのような光沢のあるE 式のゲイトフォールド・スリーヴ。
タムラ・モータウンのロゴと点字もきちんと再現されている。
内側。
内省的なスティーヴィーの新しい一面を象徴するような、印象的な写真だ。
こちらの点字もきちんと復刻されている。
歌詞を大切にしたいという気持ちの表れだろう、バック・スリーヴにはすべての楽曲の歌詞が載せられている。
『インナーヴィジョンズ』はザラリとした手触りのテクスチャー仕様のゲイトフォールド・スリーヴで、やはりE 式になっている。
内側には歌詞が印刷されている。
非常に斬新で印象的なイラストはエファーム・ウルフ。
バック・スリーヴ。
ミュージシャンやエンジニアほか、スタッフの詳細なクレジットがついている。
『ファースト・フィナーレ』もやはり『トーキング・ブック』と同じような光沢のあるE 式のゲイトフォールド・スリーヴ。
こちらはトップ・オープンになっている。
バック・スリーヴ。
「ファースト・フィナーレ」というタイトルに相応しく、若いころのスティーヴィの肖像や、ジョン・F・ケネディ、マーティン・ルーサー・キングなどのイラストに交じって、『心の詩』、『トーキング・ブック』、『インナーヴィジョンズ』のジャケットも載せられている。
こちらのカヴァー・デザインとイラストはボブ・グリスン。
やはり内側には歌詞が印刷されている。
レーベルはタムラ・モータウンのイメージを再現したものだ。
音は悪くないと思うのだが(ただし60年代のものはやはり古さが隠せないと思う)、どのマスターを使用したのか、まったくクレジットがないのは不親切だ。
Sony Music のように古いマスターでもきちんと掲載してほしいと思う。
タグ:スティーヴィー・ワンダー
遼さん、こんばんは。
あらためて三部作を聴くいい機会ですね。
僕が初めてこれを聴いたのは、すでにあらゆるミュージシャンに
パクられた(?)あとだったので
リアルタイムで聴いた人が感じたような驚きはありませんでしたが、
その音感と歌心に感銘をうけたこと、はっきり覚えています。
『トーキングブック』が一番好きですね。
by ouichi (2009-01-29 08:03)
「TALKING BOOK」の点字、私が持ってるのはずっとあとのプレスのUS盤なのでありません(泣)。
何はともあれ,この3部作は音楽ファン必聴ですね。
アナログでは2枚組+4曲入りEPという仕様だった「KEY OF LIFE」もちょっと重たい雰囲気はありますが、オススメです。
by MASA (2009-01-29 14:42)
StevieはMusic of My Mind以降、開眼したかのように(あり得ない?)素晴らしい作品を打ち出の小槌のごとくリリースしてましたね。
Stevieの凄いところは楽曲がワン・パターンにならないところですよね。
ライヴも素晴らしかったです。(武道館行きました!)
ところで、Inner Visionsは彼にしては音がいまいちこもっていたんですが、リマスターでクッキリしたのでしょうか?
by M (2009-01-30 08:32)
ouichiさん、こんばんはー。
>その音感と歌心に感銘をうけたこと、はっきり覚えています
おっしゃるとおり、スティーヴィーというアーティストはほんとうに類まれなシンガーでありソングライターですね。
ぼくも今回この三部作をあらためて聴き直して、いまさらながらにすごい人だなあと感銘を受けました。
>『トーキングブック』が一番好きですね
好みが一致してうれしいです^^
by parlophone (2009-01-31 01:37)
MASAさん、どうもです^^
>私が持ってるのはずっとあとのプレスのUS盤なのでありません(泣)
なるほど、この点字もアーリー・プレスだけなんですね。
知りませんでした^^;
>アナログでは2枚組+4曲入りEPという仕様だった「KEY OF LIFE」
ありがとうございます。
『KEY OF LIFE』はもちろん購入予定です。
ちょっとショップの関係でブログには間に合いませんでしたけど…。
なにしろ「サー・デューク」を初めとして名曲のオンパレードですからね~。
by parlophone (2009-01-31 01:46)
Mさん、こんばんは~。
>Music of My Mind以降、開眼したかのように(あり得ない?)素晴らしい作品を
>打ち出の小槌のごとく
たしかにおっしゃるとおりですね。
「打ち出の小槌」は言い得て妙です^^
『Music of My Mind』は今回最後まで迷ったタイトルです。
来月以降(ってもうすぐに2月ですが^^)余裕があれば買いたいなあ。
>ライヴも素晴らしかったです。(武道館行きました!)
うぉぉぉおお~、うらやましいー!
>Inner Visionsは…リマスターでクッキリしたのでしょうか?
いつのリマスターかははっきりしませんが、少なくともぼくが聴く限りでは音がこもってる印象はありません。
音像はくっきりしてますよ^^
by parlophone (2009-01-31 01:59)
遼さん、おはようございます。
僕がリアルタイムでスティーヴィーを聴いたのは、
'80年代も半ばの頃だったと思います(意外と遅い^^;)
若かりし頃の曲はMOTOWNのベスト盤で知ってましたが。
この3部作を初めて聴いた時、
スティーヴィーの凄さに初めて接した気がしました。
コレは3枚とも持っていたいですね^^。
初めて買ったのがプラケのCDで、
LPのジャケットは見たことないんです^^;
『トーキング・ブック』の点字なんて知りませんでした。
実物を見て触ってみたいです^^。
by DEBDYLAN (2009-02-01 08:08)
DEBDYLANさん、こんばんは。
nice!&comment いつもありがとうございます。
>若かりし頃の曲はMOTOWNのベスト盤で知ってましたが
ぼくが最初に聴いたスティーヴィーのアルバムは『ミュージックエイリアム』というコンピレーションで、それこそ名曲ぞろいだったんですが、それでもほんとうの意味のすごさはわかりませんでしたね。
やっぱりDEBさんがおっしゃるように
>この3部作を初めて聴いた時、スティーヴィーの凄さに初めて接した
というのがぼくも実感としてあります。
>『トーキング・ブック』の点字なんて知りませんでした
『マイ・シェリー・アモール』あたりまでは、いかにもモータウンという感じのジャケットなんですが、『トーキング・ブック』になると、はっきりアーティストとしての主張が出てきますね。
そのあたりも紙ジャケだからこその再現性は貴重だと思います^^
by parlophone (2009-02-02 01:09)
遼さん、お久しぶりです。
スティービー・ワンダーの紙ジャケ、凝ってますね~。
点字って・・・。
この時代のアルバムって、ジェフ・ベックがカヴァーしたように、一番「ロック」していた時期ですよね。
う~ん・・・欲しい。
by ryo (2009-02-06 14:53)
ryoさん、こんばんはー。
お久しぶり…と思ったらryoさんのブログ移籍してたんですね。
あとでアドレス変更しておきます。
>スティービー・ワンダーの紙ジャケ、凝ってますね~
『トーキング・ブック』からいきなりジャケットもアーティスティックになりましたね。
考えたら盲目の人ってレコードでもCD でもどうやって判別するんでしょうね。
おそらく収納してある棚の位置を覚えてるんだと思いますが、点字があるとわかり易いですよね。
>この時代のアルバムって、ジェフ・ベックがカヴァーしたように、
>一番「ロック」していた時期ですよね
そうですね。
と同時にあふれる才能が次々とすばらしい作品に結実していった時期ですね。
ぜひお手元にどうぞ^^
by parlophone (2009-02-07 22:47)
はじめて書き込みさせていただきます。
いつも楽しみに拝見しています。
やっぱりスティービーならこの3枚でしょうね。
スティービー色がでてきたのもこの頃ですし
シンガーからアーティストへの変換機とでもいうのでしょうか?
もちろんリアルタイムでは僕は生まれてませんが
今聞いてもこの3枚はかっこいい・・・・。
僕は『インナービジョン』が一番好きですね。
今回音は良くなってるのですか??
とにかく初CD化の3枚は買いたいです!!
by ともっち (2009-02-25 20:29)
ともっちさん、はじめまして。
管理人の遼と申します。
お返事が遅くなってしまい、申し訳ありません。
>シンガーからアーティストへの変換期
まさにそのとおりですねー。
『マイ・シェリー・アモール』ぐらいからその予感みたいなものはあったと思いますが、まさかここまでのすごいアーティストになるとは、だれも予想できなかったかもしれませんね。
>僕は『インナービジョン』が一番好きですね
『インナービジョン』もいいですよね。
やはりこのあたりは甲乙つけがたい名作ぞろいですね。
>今回音は良くなってるのですか??
音はいいと思いますね。
SHM-CD は高いけれど、それなりの音はしていると思います。
>とにかく初CD化の3枚は買いたいです!!
うをを~~、すご~い!!
CD でコンプリートをめざすのもいいですね^^
by parlophone (2009-03-03 18:55)