マーティ・ペイチの『踊り子』と『お風呂』 [モダン・ジャズ・ジャイアンツ]
8月12日の記事でご紹介したマーティ・ペイチの通称『踊り子』と『お風呂』が無事手元に届いた。
リリースされたのは11月の26日。
Amazon で予約していたのだが、アカウント・サーヴィスで発送予定となっていた11月25日には何の音沙汰もなし。
その後26日になっても27日になってもまったく発送される気配もない。
ひょっとしたらこのまま「ご注文の商品は品切れになりました」なんてメールが来ておしまい…なんてことになるんじゃないかとビビッたが、28日の夕方に『お風呂』が、数時間して『踊り子』も発送され、12月1日に無事ぼくの手元に届いたのだった。
前回の記事でも書いたように12年前に最初に紙ジャケになったときにはその姿さえ見ることができず廃盤になってしまったのだが、今回は地元のタワレコでもちゃんとディスプレイされている。
今回の紙ジャケは、なかなか出来がいいじゃないですか!
紙ジャケ探検隊さんの掲示板では評価の低かった音も、ぼくはいいと思う。
『The Broadway Bit』(通称『踊り子』)は1959年5月13日の録音。
レコード番号はWS 1296 で、ソニー・ロリンズの名演が有名な「It's All Right with Me」、ジャズ・ファンの間ではシェリー・マンがアンドレ・プレヴィンと吹き込んだものが人気の「I've Grown Acustomed to Her Face」、マイルズでもおなじみの「If I Were a Bell」など、ブロードウェイで人気のミュージカルから9曲が演奏されている。
紙ジャケはコーティングのないA 式のシングル・スリーヴ。
ワーナー・ブラザーズのロゴやレコード番号もそのまま再現されている。
踊り子の1人が読んでいる雑誌が『down beat』というのが洒落が効いてる(笑。
裏ジャケとCD のレーベル。
当時WB が売り出していたとおぼしき、最新のレコーディング・システムによる「VITAPHONIC STEREO」という大きな表記がスリーヴにもレーベルにもある。
『I get a boot out of you』は翌6月30日と7月2、7日のやはりハリウッドでの録音。
こちらはエリントンの「スイングしなけりゃ意味はない It Don't Mean A Swing」、「昔はよかったね Things Ain't What They Used to Be」、コール・ポーターの「Love for Sale」、マット・デニスの「コートにすみれを」、そしてボビー・ティモンズ畢生の名曲「モーニン」など8曲を収める。
タイトルが、シナトラの名唱などで知られるコール・ポーターの「君にこそ心ときめく I Get a Kick out of You」のパクリだというのはわかっていたが、どういう意味かは寺島靖国の解説を読んではじめて分かった。
なるほどね~(笑。
紙ジャケはこちらもコーティングのないA 式のシングル・スリーヴ。
最近復刻された他メイカーの紙ジャケはWB のロゴやレコード番号が消されていたが(前回の記事の画像参照)こちらはきちんと再現されている。
細かいことをいうと、同じA 式でも、『踊り子』のほうはバック・シールデッド、『お風呂』のほうはフロント・シールデッドになっている。
『お風呂』のジャケットに白い縁取りが見えるのはそういう理由である。
こちらはジャケ裏。
ジャケットの天の部分にも表記があるけれど、これもオリジナルが再現されているのだろう。
インナーバッグはアトランティックのときもそうだったが、今回のシリーズが載ったなんちゃってインナーだ。
このころは好不調の波が大きかったペッパーが好調なのと(とくに『踊り子』の3曲め「I've Never Been in Love Before」あたりは全盛期を髣髴とさせる)、ウエスト・コーストを代表するメンバーが集まっているのはたしかだ(スコット・ラファロはいうまでもないが、ヴァイヴのヴィクター・フェルドマンがとくにいい…笑)。
ただ、この2枚はあくまでジャケで有名になったアルバムで、「ジャズの名作・傑作選」というようなものに挙げられるような大名盤ではない。
ワーナーのサイトで『お風呂』を「レコード史に燦然と輝くマーティ・ペイチの傑作」と褒め称えているのはいくらなんでもオーヴァーだと思うのだが…笑。
リリースされたのは11月の26日。
Amazon で予約していたのだが、アカウント・サーヴィスで発送予定となっていた11月25日には何の音沙汰もなし。
その後26日になっても27日になってもまったく発送される気配もない。
ひょっとしたらこのまま「ご注文の商品は品切れになりました」なんてメールが来ておしまい…なんてことになるんじゃないかとビビッたが、28日の夕方に『お風呂』が、数時間して『踊り子』も発送され、12月1日に無事ぼくの手元に届いたのだった。
前回の記事でも書いたように12年前に最初に紙ジャケになったときにはその姿さえ見ることができず廃盤になってしまったのだが、今回は地元のタワレコでもちゃんとディスプレイされている。
今回の紙ジャケは、なかなか出来がいいじゃないですか!
紙ジャケ探検隊さんの掲示板では評価の低かった音も、ぼくはいいと思う。
『The Broadway Bit』(通称『踊り子』)は1959年5月13日の録音。
レコード番号はWS 1296 で、ソニー・ロリンズの名演が有名な「It's All Right with Me」、ジャズ・ファンの間ではシェリー・マンがアンドレ・プレヴィンと吹き込んだものが人気の「I've Grown Acustomed to Her Face」、マイルズでもおなじみの「If I Were a Bell」など、ブロードウェイで人気のミュージカルから9曲が演奏されている。
紙ジャケはコーティングのないA 式のシングル・スリーヴ。
ワーナー・ブラザーズのロゴやレコード番号もそのまま再現されている。
踊り子の1人が読んでいる雑誌が『down beat』というのが洒落が効いてる(笑。
裏ジャケとCD のレーベル。
当時WB が売り出していたとおぼしき、最新のレコーディング・システムによる「VITAPHONIC STEREO」という大きな表記がスリーヴにもレーベルにもある。
『I get a boot out of you』は翌6月30日と7月2、7日のやはりハリウッドでの録音。
こちらはエリントンの「スイングしなけりゃ意味はない It Don't Mean A Swing」、「昔はよかったね Things Ain't What They Used to Be」、コール・ポーターの「Love for Sale」、マット・デニスの「コートにすみれを」、そしてボビー・ティモンズ畢生の名曲「モーニン」など8曲を収める。
タイトルが、シナトラの名唱などで知られるコール・ポーターの「君にこそ心ときめく I Get a Kick out of You」のパクリだというのはわかっていたが、どういう意味かは寺島靖国の解説を読んではじめて分かった。
なるほどね~(笑。
紙ジャケはこちらもコーティングのないA 式のシングル・スリーヴ。
最近復刻された他メイカーの紙ジャケはWB のロゴやレコード番号が消されていたが(前回の記事の画像参照)こちらはきちんと再現されている。
細かいことをいうと、同じA 式でも、『踊り子』のほうはバック・シールデッド、『お風呂』のほうはフロント・シールデッドになっている。
『お風呂』のジャケットに白い縁取りが見えるのはそういう理由である。
こちらはジャケ裏。
ジャケットの天の部分にも表記があるけれど、これもオリジナルが再現されているのだろう。
インナーバッグはアトランティックのときもそうだったが、今回のシリーズが載ったなんちゃってインナーだ。
このころは好不調の波が大きかったペッパーが好調なのと(とくに『踊り子』の3曲め「I've Never Been in Love Before」あたりは全盛期を髣髴とさせる)、ウエスト・コーストを代表するメンバーが集まっているのはたしかだ(スコット・ラファロはいうまでもないが、ヴァイヴのヴィクター・フェルドマンがとくにいい…笑)。
ただ、この2枚はあくまでジャケで有名になったアルバムで、「ジャズの名作・傑作選」というようなものに挙げられるような大名盤ではない。
ワーナーのサイトで『お風呂』を「レコード史に燦然と輝くマーティ・ペイチの傑作」と褒め称えているのはいくらなんでもオーヴァーだと思うのだが…笑。
遼さんこんばんは、
私もアマゾンで予約していました・・・私の場合は発売日の次の日には届いておりました。
『お風呂』と『踊り子』を知らないで(聴いたことないまま)購入したのでビックバンドとくれば最初に来るのはBenny Goodman【Sing, Sing, Sing】的なイメージがありました、、、実際に聴いてみるとSwingはしているけど初めのイメージとちょっと違うかなぁ・・・ジャケ・イメージで買ったので、、、イメージばかりが膨らんでしまったようですね。でもこれも数回聴いてみると次第に気に入ってきました。
私はこの手の音楽は全く知らないのでこれから機会があればもっと聴いていこうかなぁと思います。
でもたぶん。。。この2枚直ぐに完売になりそうですね。
by tetsupc2 (2008-12-08 23:12)
遼さん、こんばんは。
気になっていた『お風呂』ジャケ、レビューありがとうございます。
うーん、かわいい構図。びっくりした顔がいいですね。
ジャケ買いしても損ないですね。
楽しく拝見させていただきました。
by ouichi (2008-12-08 23:24)
こんばんは
>ワーナーのサイトで『お風呂』を「レコード史に燦然と輝くマーティ・ペイチの傑作」と褒め称えているのはいくらなんでもオーヴァーだと思うのだが…笑。
さすが冷静ですね。
LPのジャケットとスコット・ラファロのおかげでしょうね。
「フェロモン・レコード」(by みうらじゅん)です(笑)
by ニブ (2008-12-09 20:34)
tetsupc2さん、こんばんは!
いつもnice!&comment ありがとうございます。
>私の場合は発売日の次の日には届いておりました
そうでしたよね。
ブログで拝見してあれれ…うちは? って思いました(笑。
>Benny Goodman【Sing, Sing, Sing】的なイメージ
ウエスト・コースト・ジャズはちょっと洗練されてて、やはりクールなイメージがありますね。
「Sing, Sing, Sing」はグッドマンのなかでもとくに情熱的で躍動的な曲ですから、けっこう落差はありますよね^^
>でもたぶん。。。この2枚直ぐに完売になりそうですね
でしょうねー。
手に入ってよかった~^^
by parlophone (2008-12-10 00:03)
ouichiさん、こちらこそコメントをいただきありがとうございます。
>ジャケ買いしても損ないですね
ジャケットが気に入ったのなら買って損はありませんよ~^^
内容的な充実度からいえば『Broadway』より『I get a boot』だと思いますので、どちらか1枚であれば『お風呂』をオススメします。
なくならないうちにぜひ^^
by parlophone (2008-12-10 00:07)
ニブさん、こんばんは!
はじめまして、でしょうか?
よろしくお願いいたします。
>「フェロモン・レコード」(by みうらじゅん)です(笑)
たしかにそうですね。
ただし『お風呂』にはラファロは参加していません。
ビル・エヴァンス・トリオに参加する前のラファロを聴くのだったら『踊り子』ですね~。
by parlophone (2008-12-10 00:11)
遼さん、こんばんは~
このアルバム全く知りませんでした^^;
でも、正真正銘の”ジャケ買い”しちゃいそうなアルバムですね^^。
肝心な音については。。。
このジャンルほとんど聴いたことないんです。。。^^;
ジャケットをきっかけに聴き始めるってのもいいかもしれないですね。
by DEBDYLAN (2008-12-10 01:10)
DEBDYLANさん、こんばんはー。
いつもnice!&comment ありがとうございます。
>正真正銘の”ジャケ買い”しちゃいそうなアルバムですね^^
そうなんですよ。
「ジャケに惹かれて買ってみたら内容もよかった」という典型的なジャケ買いのアルバムですね。
それ以上でも以下でもないと思います(笑。
ただ、ウエスト・コースト一流のミュージシャンが集まって楽しんで演奏していますので、聴いてがっかりすることはないと思います。
お酒飲みながら聴くのにも最適ですよ^^
もし聴いてみてこの曲いいなあ、というのがあったらその曲の入ったヴォーカル・アルバムを聴いてみるのもいいと思いますね。
by parlophone (2008-12-11 01:53)