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『エリック・クラプトン・ソロ』 デラックス・エディション [紙ジャケ]
2006年にリリースされたクラプトンのファースト・ソロ・アルバムのデラックス・エディションが紙ジャケでリリースされた。
前の記事で紹介したデュエインのアンソロジーと同じく、SHM-CD 2枚組で3,800円。
昨年には通常のデジパック・ヴァージョンが2,980円で限定リリースされたのだが、なぜか買いそびれていた。
ちょっと高いけれど、紙ジャケだしSHM-CD だし、許してあげよう(笑。

このアルバムについては「モービル・フィディリティ・サウンド・インプレッション」のChapter12 でもご紹介しているように、個人的にはかなり気に入っている。
リアル・タイムではスワンプ・ロックに行ってしまったEC がよくわからなかったのだが、年を取ってやっと、こういうリラックスしたクラプトンもいいものだと気がついたわけだ^^
まず店頭で見てびっくりしたのが、これまでのものと比べると明らかに青みがかったフロント・スリーヴだ。
ちなみに98年のEC 最初の紙ジャケシリーズと比べてみよう。

これまでぼくが見てきた国内アナログ盤やプラケCD はすべて薄いブラウン~クリーム系の色味だったのでちょっと違和感があったのだが、オリジナルのUK 盤を見てみると、今回の紙ジャケのほうが近いようだ。
DX エディションなので2枚の紙ジャケのあいだにブックレットが挟まるといったかっこうでパッケージングされている。

1970年にリリースされた『ERIC CLAPTON エリック・クラプトン・ソロ』はトム・ダウドによるミックスだが、それ以外にクラプトン自身のミックスと、プロデューサーであるデラニー・ブラムレットのミックスの3種類があることは、みなさんご存知だと思う。
収録曲のうちの1曲、「After Midnight」のデラニー・ミックスが1988年にリリースされたエリックの4枚組CD BOX 『CROSSROADS アンソロジー』に収められていて、初めて聴いたときはずいぶんびっくりしたものだ(もうあれから20年も経ったのか~)。
今回のデラエディでは、1枚めにオフィシャルのトム・ダウド・ミックス、2枚めにデラニー・ミックスが収められていて、初めてデラニー・ミックスの全貌が明らかになるわけだ(といっても2006年時点での話ですが…汗)。
フェアポート・コンヴェンションのデラエディが出たときにも書いたけれど、せっかくの国内盤なんだから、オリジナル・ブックレットの日本語訳だけじゃなく国内盤独自の解説がぜひほしかったところだ。
しょうがないので、ぼくが聴いた範囲で2種類のミックスの違いを書いておこう(←あくまでもぼくの印象なので鵜呑みにしないでくださいね…)^^
(とくに断り書きがないかぎりデラニー・ミックスについて述べる。「オリジナル」というのはトム・ダウド・ミックスのこと。曲順はDisc-1 に沿っている)
M-1「Slunky」
この曲だけはデラニー・ミックスがオリジナル・アルバムにも収録されたので、トム・ダウド・ミックスは存在しない。
M-2「Bad Boy」
左にピアノ、右にブラスとホーンが大きめにミックスされ、クラプトンのギターもセンターで朗々と鳴る。
オリジナルではブラス&ホーンは前半ほとんど聞こえない(2'18"あたりから華やかに出てくる)ので、こちらのほうがにぎやかな感じだ。
ワウを使ったE・ギターは小さめでソロ・ギターが全面に活躍する。
オリジナルのほうが2秒ほど長い。
M-3「Lonesome And a Long Way from Home」
こちらは逆にブラス&ホーンが小さめにミックスされている。
中間部のギター・ソロの直前には左チャンネルにソプラノ・サックスが入る。
終盤近く、ギターやベースやパーカッションが1小節ずつリフを繰り返す部分もオリジナルより劇的でかっこいいと思う。
約17秒長いので最後のアンサンブルがたっぷり聴ける。
M-4「After Midnight」
オリジナルではばっさり削られてしまったブラス&ホーンが大胆に取り入れられ、リオン・ラッセルのピアノも大きめにミックスされている。
M-5「Easy Now」
この曲はクラプトン・ミックスが用いられたので両者に違いはない。
M-6「Blues Power」
ほぼ同じように聞こえるが、ブラスやピアノがやや大きめか。
約10秒長い。
M-7「Bottle of Red Wine」
ややエコーのかかったエリックのヴォーカルとデラニーのハモが中央に重ねられ、デュオのような印象を与える。
ドラムもセンターに定位しており、モノラルっぽいミックスになっている。
M-8「Lovin' You, Lovin' Me」
ドラムスやブラス&ホーンの定位が変えられている。
コーラスもセンターだけではなく、左右に振り分けられている。
オリジナルよりも約42秒も長く、エンディングがたっぷり楽しめる。
M-9「I've Told You for the Last Time」
この曲はデラニー・ミックスが存在しない。
ただし69年にオリンピック・スタジオでレコーディングされた最初期のセッションがボートラとして収められている。
M-10「Don't Know Why」
エリックのヴォーカルにエコーがかけられ、センターのギターも大きめにミックスされている。
全体的に音像が膨らんだようなミックスになっている。
オリジナルより34秒ほど長く、終盤のギター・ソロがたっぷり聴ける。
M-11「Let It Rain」
この曲でもエリックのヴォーカルにエコーがかかっていて、全体がやわらかなヴェールに包まれたようなミックスだ。
リオンのピアノはかなりオフ・ミックスになっている。
なお、この曲のアーリー・ヴァージョンがボートラとして収められているが、歌詞もメロディも違っていて楽しめる。
紙ジャケはヴィニール・コーティングの美しいE 式のシングル・スリーヴ。
左肩には「Polydor SUPER」のマークもちゃんとついている。

裏もコーティングが施されている。

24ページにおよぶカラー・ブックレットにはスコット・シャインダーによる解説と、70年に『メロディ・メイカー』紙がおこなったインタヴューの抜粋、詳細なパーソネル、そして何枚かの貴重なショットも収められている。

こちらはDisc-2 が収められた別ジャケ。

音も2006年のデジタル・リマスターで、以前のものよりはよくなっていると思う。
前の記事で紹介したデュエインのアンソロジーと同じく、SHM-CD 2枚組で3,800円。
昨年には通常のデジパック・ヴァージョンが2,980円で限定リリースされたのだが、なぜか買いそびれていた。
ちょっと高いけれど、紙ジャケだしSHM-CD だし、許してあげよう(笑。

このアルバムについては「モービル・フィディリティ・サウンド・インプレッション」のChapter12 でもご紹介しているように、個人的にはかなり気に入っている。
リアル・タイムではスワンプ・ロックに行ってしまったEC がよくわからなかったのだが、年を取ってやっと、こういうリラックスしたクラプトンもいいものだと気がついたわけだ^^
まず店頭で見てびっくりしたのが、これまでのものと比べると明らかに青みがかったフロント・スリーヴだ。
ちなみに98年のEC 最初の紙ジャケシリーズと比べてみよう。

これまでぼくが見てきた国内アナログ盤やプラケCD はすべて薄いブラウン~クリーム系の色味だったのでちょっと違和感があったのだが、オリジナルのUK 盤を見てみると、今回の紙ジャケのほうが近いようだ。
DX エディションなので2枚の紙ジャケのあいだにブックレットが挟まるといったかっこうでパッケージングされている。

1970年にリリースされた『ERIC CLAPTON エリック・クラプトン・ソロ』はトム・ダウドによるミックスだが、それ以外にクラプトン自身のミックスと、プロデューサーであるデラニー・ブラムレットのミックスの3種類があることは、みなさんご存知だと思う。
収録曲のうちの1曲、「After Midnight」のデラニー・ミックスが1988年にリリースされたエリックの4枚組CD BOX 『CROSSROADS アンソロジー』に収められていて、初めて聴いたときはずいぶんびっくりしたものだ(もうあれから20年も経ったのか~)。
今回のデラエディでは、1枚めにオフィシャルのトム・ダウド・ミックス、2枚めにデラニー・ミックスが収められていて、初めてデラニー・ミックスの全貌が明らかになるわけだ(といっても2006年時点での話ですが…汗)。
フェアポート・コンヴェンションのデラエディが出たときにも書いたけれど、せっかくの国内盤なんだから、オリジナル・ブックレットの日本語訳だけじゃなく国内盤独自の解説がぜひほしかったところだ。
しょうがないので、ぼくが聴いた範囲で2種類のミックスの違いを書いておこう(←あくまでもぼくの印象なので鵜呑みにしないでくださいね…)^^
(とくに断り書きがないかぎりデラニー・ミックスについて述べる。「オリジナル」というのはトム・ダウド・ミックスのこと。曲順はDisc-1 に沿っている)
M-1「Slunky」
この曲だけはデラニー・ミックスがオリジナル・アルバムにも収録されたので、トム・ダウド・ミックスは存在しない。
M-2「Bad Boy」
左にピアノ、右にブラスとホーンが大きめにミックスされ、クラプトンのギターもセンターで朗々と鳴る。
オリジナルではブラス&ホーンは前半ほとんど聞こえない(2'18"あたりから華やかに出てくる)ので、こちらのほうがにぎやかな感じだ。
ワウを使ったE・ギターは小さめでソロ・ギターが全面に活躍する。
オリジナルのほうが2秒ほど長い。
M-3「Lonesome And a Long Way from Home」
こちらは逆にブラス&ホーンが小さめにミックスされている。
中間部のギター・ソロの直前には左チャンネルにソプラノ・サックスが入る。
終盤近く、ギターやベースやパーカッションが1小節ずつリフを繰り返す部分もオリジナルより劇的でかっこいいと思う。
約17秒長いので最後のアンサンブルがたっぷり聴ける。
M-4「After Midnight」
オリジナルではばっさり削られてしまったブラス&ホーンが大胆に取り入れられ、リオン・ラッセルのピアノも大きめにミックスされている。
M-5「Easy Now」
この曲はクラプトン・ミックスが用いられたので両者に違いはない。
M-6「Blues Power」
ほぼ同じように聞こえるが、ブラスやピアノがやや大きめか。
約10秒長い。
M-7「Bottle of Red Wine」
ややエコーのかかったエリックのヴォーカルとデラニーのハモが中央に重ねられ、デュオのような印象を与える。
ドラムもセンターに定位しており、モノラルっぽいミックスになっている。
M-8「Lovin' You, Lovin' Me」
ドラムスやブラス&ホーンの定位が変えられている。
コーラスもセンターだけではなく、左右に振り分けられている。
オリジナルよりも約42秒も長く、エンディングがたっぷり楽しめる。
M-9「I've Told You for the Last Time」
この曲はデラニー・ミックスが存在しない。
ただし69年にオリンピック・スタジオでレコーディングされた最初期のセッションがボートラとして収められている。
M-10「Don't Know Why」
エリックのヴォーカルにエコーがかけられ、センターのギターも大きめにミックスされている。
全体的に音像が膨らんだようなミックスになっている。
オリジナルより34秒ほど長く、終盤のギター・ソロがたっぷり聴ける。
M-11「Let It Rain」
この曲でもエリックのヴォーカルにエコーがかかっていて、全体がやわらかなヴェールに包まれたようなミックスだ。
リオンのピアノはかなりオフ・ミックスになっている。
なお、この曲のアーリー・ヴァージョンがボートラとして収められているが、歌詞もメロディも違っていて楽しめる。
紙ジャケはヴィニール・コーティングの美しいE 式のシングル・スリーヴ。
左肩には「Polydor SUPER」のマークもちゃんとついている。

裏もコーティングが施されている。

24ページにおよぶカラー・ブックレットにはスコット・シャインダーによる解説と、70年に『メロディ・メイカー』紙がおこなったインタヴューの抜粋、詳細なパーソネル、そして何枚かの貴重なショットも収められている。

こちらはDisc-2 が収められた別ジャケ。

音も2006年のデジタル・リマスターで、以前のものよりはよくなっていると思う。
ようやくストレスいっぱいの1週間が終わり、ちょっとまた寄り道させてもらいました。
クラプトンの1stにもミックス違いとかあったんですね、知りませんでした〜。
名前だけ聞くとトム・ダウドの方が派手目かと思ったけど、曲に寄って違ってるようですね。遼さんはどっちのミキシングが好みでしたか?
私は「雨よ降れ」のシングルを買って、B面まで気に入って(「イージー・ナウ」)後日アルバムを買ったのですが、その2曲以上好みの曲が無くいささかがっかりした記憶があります。
ただ遼さんのおっしゃってるように、私も今聴く方が(聴いてますよ、今も。オリジナルですが)すんなり耳に入ってきます。
ただ、スワンプ、レイドバックの当時の雰囲気は感じさせてくれるものの、いまいち統一感が感じられないのは私だけでしょうか?
とにかく当時は「雨よ降れ」のレオンのピアノが好きで何度も聴き直してました(今聴くとそれほどでもないかな?)。レオンラッセルといっしょにやったこの頃のライブなんてないんでしょうね。あったらすごく聴いてみたいのに〜。
by gahaku (2008-10-22 01:20)
gahakuさん、こんばんは~。
お疲れさまです。
>名前だけ聞くとトム・ダウドの方が派手目かと思ったけど、曲によって違ってるようですね
>遼さんはどっちのミキシングが好みでしたか?
一言でいうとロックとして洗練されたトム・ダウド・ミックス、スワンプの香り漂うデラニー・ミックスというところでしょうか。
ぼくはデラニー・ミックスのほうが好きですね。
まあ、聴きなれてないので新鮮ということもあるかもしれませんが(笑。
>いまいち統一感が感じられないのは私だけでしょうか?
ぼくも個人的にあまりぴんと来ないのが何曲かありますね。
「雨よ降れ」や「イージー・ナウ」はもちろん大好きですが^^
>レオンラッセルといっしょにやったこの頃のライブなんてないんでしょうね
オフィシャルで出てるのは74年ごろからしかないみたいですね。
ぼくもこのころのライヴ聴いてみたいなあ~。
by parlophone (2008-10-22 23:53)