マウンテンのアルバム――part 1 「マウンテンを聴け!」の巻 [紙ジャケ]
いやあやっと出ましたね!
こうしてUS オリジナル盤を復刻した紙ジャケと最新のリマスタリングでマウンテンの諸作が聴けるなんて最高です。
しかも『レズリー・ウェスト/マウンテン』は日本初CD 化!
めでたい!!(エクスクラメーション・マーク、いくつでもつけちゃうぞ^^)
さあみんな、マウンテンを聴けーー!!
マウンテンはぼくにとっては特別なバンドである。
なぜなら、クリームのプロデューサーだったフェリックス・パパラルディが、「クラプトンの次のギタリスト」と惚れ込んだレズリー・ウェストと組んだバンドだからだ。
クラプトンが最初のギター・ヒーローだったぼくにとって、クリームは偉大であると同時に畏怖すべきバンドだったが、「ホワイト・ルーム」が大ヒットしたころにはすでにクリームの解散は既定の事実だった。
そんなときに流れてきたニュースが、パパラルディが新しいギタリストを発掘、しかもバンドのメンバーとしても参加している…というものだった。
まもなく日本にも届けられたニュー・バンド「マウンテン」の新譜「ミシシッピ・クイーン」は期待を裏切らない、最高にかっこいいハード・ロックだった!
なんといってもシングル・コイル一発とは思えないファットなトーンをもつギブソンのレス・ポール・ジュニアから紡ぎ出されるレズリーの泣きのギターが堪らない魅力だった。
ところが、時が経つにつれてマウンテンの音楽は次第に複雑でダイナミックなコンストラクションをもつようになり、単なるブルーズ・ロックの範疇には収まりきらなくなっていく…。
ではきょうは初期の2タイトルをご紹介しよう。
まず最初はレズリー・ウェストのソロ・アルバムとして発表された『レズリー・ウェスト/マウンテン』(1969)。
アルバム・タイトルの「マウンテン」は巨漢のレズリーを喩えたものだ。
ただし演奏はウェスト(vo,g)、パパラルディ(b,key,vo)、スティーヴ・ナイト(key)、N.D.スマート(ds)という完全なバンド形態で、実質的にはマウンテンのデビュー・アルバムといってよい。
(レズリー兄さんの不敵な面構えがス・テ・キ^^)
M-1「Blood of the Sun」、M-2「Long Red」、M-6「Dreams of Milk and Honey」など全11曲が収められていて、ウェストの単独作やパパラルディ&ゲイル・コリンズ夫妻の作品もあるが、ほとんどがフロント2人を中心としたメンバーの共作になっている。
M-4「Blind Man 」や、M-5「Baby, I'm Down」といったクリームそっくりのハード&へヴィなブルーズ・ロックもあるが、オルガンがサザン・ロック風の味わいのM-7「Storyteller Man」やレズリーによるアコギの弾き語りM-11「Because You Are My Friend」などヴァラエティに富んだ作品を収めている。
M-10「Southbound Train」は『ウッドストック』の発掘映像を集めたヴィデオ(レーザー・ディスク)でも見ることができた。
ぼくがこのアルバムを聴いたときはもう大学生だったけれど、メロトロンがサイキディリックな色彩を添えるM-9「Look to the Wind」が大好きだった。
紙ジャケはコーティングのない厚紙A 式のシングル・ジャケ。
新規の解説と訳詞を載せた12ページの日本語ブックレットのほかに当時の国内盤LP についていた4ページの解説書の復刻版がついている。
バンド「マウンテン」としてのファースト・アルバム『勝利への登攀 CLIMBING』(1970)はシングル・ヒットM-1「ミシシッピ・クイーン」を含む9曲とボーナス・トラック1曲を収める。
(当時の国内版帯を復刻したものを見ると、タイトルは『マウンテン2』になっている)
ドラムスがN.D.スマートからコーキー・レイングに替わってぐっと重心が下がり、パパラルディの重厚感あふれるベースとともにバンドの音も迫力を増している。
マウンテンを代表する曲のひとつとなるM-2「想像されたウエスタンのテーマ」はジャック・ブルース&ピート・ブラウンという、クリームの作家チームの作品だ。
タイトルにも表れているように雄大な情景を思わせる楽曲と、ウェストとはまた違った伸びのあるフェリックスのヴォーカル、そして哀愁漂うギター・ソロが堪りません(笑。
M-3「Never in My Life」(コーキーのドラムスが圧倒的!)、M-4「Silver Paper 」、M-5「ヤスガーの農場 For Yasgur's Farm」、M-8「Sittin' on a Rainbow」などの傑作を含み、マウンテンのデビュー・アルバムにして最高傑作と評する人も多い。
パパラルディ・コリンズ夫妻によるM-9「Boys in the Band」はのちのプログレ風の曲想が窺える。
ボートラは69年のウッドストックでのライヴで、曲はそのものズバリ「ヤスガーの農場」だ。
紙ジャケはコーティングのないE 式のゲイトフォールド・スリーヴで、US 盤としては珍しいと思うんだが、内側からディスクを取り出す形式になっている。
こちらも最新の解説書と当時のLP に封入されていた4ページの日本語ブックレットの復刻版がついている。
レーベルはいずれもwindfall レーベルをイメージしたもので、白のプレーンなインナーバッグをミニチュアで復刻している。
ぼくはいままで95年にUS Columbia から出た『OVER THE TOP』という2枚組のベスト盤を聴くことが多かったのだが、最新のDSD リマスタリングされた音は、まったく別物といってよい。
音が瑞々しくなり、解像感が増して、粒立ちも非常によくなっている。
いうことありません。
大推薦盤!!
こうしてUS オリジナル盤を復刻した紙ジャケと最新のリマスタリングでマウンテンの諸作が聴けるなんて最高です。
しかも『レズリー・ウェスト/マウンテン』は日本初CD 化!
めでたい!!(エクスクラメーション・マーク、いくつでもつけちゃうぞ^^)
さあみんな、マウンテンを聴けーー!!
マウンテンはぼくにとっては特別なバンドである。
なぜなら、クリームのプロデューサーだったフェリックス・パパラルディが、「クラプトンの次のギタリスト」と惚れ込んだレズリー・ウェストと組んだバンドだからだ。
クラプトンが最初のギター・ヒーローだったぼくにとって、クリームは偉大であると同時に畏怖すべきバンドだったが、「ホワイト・ルーム」が大ヒットしたころにはすでにクリームの解散は既定の事実だった。
そんなときに流れてきたニュースが、パパラルディが新しいギタリストを発掘、しかもバンドのメンバーとしても参加している…というものだった。
まもなく日本にも届けられたニュー・バンド「マウンテン」の新譜「ミシシッピ・クイーン」は期待を裏切らない、最高にかっこいいハード・ロックだった!
なんといってもシングル・コイル一発とは思えないファットなトーンをもつギブソンのレス・ポール・ジュニアから紡ぎ出されるレズリーの泣きのギターが堪らない魅力だった。
ところが、時が経つにつれてマウンテンの音楽は次第に複雑でダイナミックなコンストラクションをもつようになり、単なるブルーズ・ロックの範疇には収まりきらなくなっていく…。
ではきょうは初期の2タイトルをご紹介しよう。
まず最初はレズリー・ウェストのソロ・アルバムとして発表された『レズリー・ウェスト/マウンテン』(1969)。
アルバム・タイトルの「マウンテン」は巨漢のレズリーを喩えたものだ。
ただし演奏はウェスト(vo,g)、パパラルディ(b,key,vo)、スティーヴ・ナイト(key)、N.D.スマート(ds)という完全なバンド形態で、実質的にはマウンテンのデビュー・アルバムといってよい。
(レズリー兄さんの不敵な面構えがス・テ・キ^^)
M-1「Blood of the Sun」、M-2「Long Red」、M-6「Dreams of Milk and Honey」など全11曲が収められていて、ウェストの単独作やパパラルディ&ゲイル・コリンズ夫妻の作品もあるが、ほとんどがフロント2人を中心としたメンバーの共作になっている。
M-4「Blind Man 」や、M-5「Baby, I'm Down」といったクリームそっくりのハード&へヴィなブルーズ・ロックもあるが、オルガンがサザン・ロック風の味わいのM-7「Storyteller Man」やレズリーによるアコギの弾き語りM-11「Because You Are My Friend」などヴァラエティに富んだ作品を収めている。
M-10「Southbound Train」は『ウッドストック』の発掘映像を集めたヴィデオ(レーザー・ディスク)でも見ることができた。
ぼくがこのアルバムを聴いたときはもう大学生だったけれど、メロトロンがサイキディリックな色彩を添えるM-9「Look to the Wind」が大好きだった。
紙ジャケはコーティングのない厚紙A 式のシングル・ジャケ。
新規の解説と訳詞を載せた12ページの日本語ブックレットのほかに当時の国内盤LP についていた4ページの解説書の復刻版がついている。
バンド「マウンテン」としてのファースト・アルバム『勝利への登攀 CLIMBING』(1970)はシングル・ヒットM-1「ミシシッピ・クイーン」を含む9曲とボーナス・トラック1曲を収める。
(当時の国内版帯を復刻したものを見ると、タイトルは『マウンテン2』になっている)
ドラムスがN.D.スマートからコーキー・レイングに替わってぐっと重心が下がり、パパラルディの重厚感あふれるベースとともにバンドの音も迫力を増している。
マウンテンを代表する曲のひとつとなるM-2「想像されたウエスタンのテーマ」はジャック・ブルース&ピート・ブラウンという、クリームの作家チームの作品だ。
タイトルにも表れているように雄大な情景を思わせる楽曲と、ウェストとはまた違った伸びのあるフェリックスのヴォーカル、そして哀愁漂うギター・ソロが堪りません(笑。
M-3「Never in My Life」(コーキーのドラムスが圧倒的!)、M-4「Silver Paper 」、M-5「ヤスガーの農場 For Yasgur's Farm」、M-8「Sittin' on a Rainbow」などの傑作を含み、マウンテンのデビュー・アルバムにして最高傑作と評する人も多い。
パパラルディ・コリンズ夫妻によるM-9「Boys in the Band」はのちのプログレ風の曲想が窺える。
ボートラは69年のウッドストックでのライヴで、曲はそのものズバリ「ヤスガーの農場」だ。
紙ジャケはコーティングのないE 式のゲイトフォールド・スリーヴで、US 盤としては珍しいと思うんだが、内側からディスクを取り出す形式になっている。
こちらも最新の解説書と当時のLP に封入されていた4ページの日本語ブックレットの復刻版がついている。
レーベルはいずれもwindfall レーベルをイメージしたもので、白のプレーンなインナーバッグをミニチュアで復刻している。
ぼくはいままで95年にUS Columbia から出た『OVER THE TOP』という2枚組のベスト盤を聴くことが多かったのだが、最新のDSD リマスタリングされた音は、まったく別物といってよい。
音が瑞々しくなり、解像感が増して、粒立ちも非常によくなっている。
いうことありません。
大推薦盤!!
2008-06-25 23:05
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遼さん こんばんは
この記事を拝見して、私の家にも『CLIMBING!』のUSオリジナル盤があったことを思い出したので早速聴いてみました。
久しぶりに聴いたのですが、やっぱりいいアルバムですね♪
ただ、熱気が充満しているようなアルバムなので、ただでさえ蒸し暑い中で体感温度が上昇したような感じがして少々困りましたが・・・(笑)
写真で拝見する限り、紙ジャケCDもオリジナルの雰囲気を上手く再現しているようですね。
私は彼らの後期の頃の作品は持っておりませんが、一応チェックしてみたくなりました♪
by POPOSUKE (2008-06-26 00:34)
マウンテンというと「ミシシッピー・クイーン」しか聴いたことないです(汗)。
高校の時、クラスメイトで「マウンテン、いいぞいいぞ」とみんなにすすめてたやつがいたのを思い出しました^^;
そう言えば、高3のときにこいつから「YELLOW SUBMARINE」のフランス盤LPを買ったんでした~。
by MASA (2008-06-26 02:07)
はじめまして!ハンドルネームの読み方がいっしょでビックリしました(笑
僕も中古屋でマウンテンを見つけたら買おうと思います。
レスリー・ウエストの存在は知っていましたが。
僕も同じようにブログをしています。相互リンク、OKですか?
by りょ~ (2008-06-28 16:44)
POPOSUKEさん、こんばんは~。
>私の家にも『CLIMBING!』のUSオリジナル盤があったことを思い出した
おお、さすがですねー。
当時の福岡には輸入盤の専門店みたいなものはありませんでしたから、買うとしたら国内盤でした。
もっとも当時はUS盤=品質が悪い、みたいなイメージをもってたので、あっても国内盤を買ってたかもしれませんね^^;
>ただ、熱気が充満しているようなアルバムなので
レズリーのソウルフルなヴォーカルと弦も切れよとばかりのチョーキング、パパラルディのブリブリ・ベース、コーキーの熱血ドラム…
たしかに熱いですよね~!!
>彼らの後期の頃の作品は持っておりませんが
後期のだんだんプログレっぽくなっていくスタジオと、熱気ムンムンの(←表現ふるっ!)のライヴもお勧めですよーー^^
by parlophone (2008-06-29 00:21)
MASAさん、こんばんはー。
>マウンテンというと「ミシシッピー・クイーン」しか聴いたことないです(汗)
レズリーの熱いブルーズ・ロックも、パパラルディのプログレっぽいドラマティックな曲も、どちらも魅力的ですよ!
機会があったらぜひ聴いてみてくださいね。
『ベスト』も悪くないかもしれません。
>高3のときにこいつから「YELLOW SUBMARINE」のフランス盤LPを買った
いや~、おしゃれな高校生ですねー。
ぼくなんかいまだにフランス盤って1枚ももってませんよ!^^;
by parlophone (2008-06-29 00:26)
りょ~さん、はじめまして。
管理人の遼(parlophone)と申します。
ようこそいらっしゃいました。
>はじめまして!ハンドルネームの読み方がいっしょでビックリしました(笑
ほんとですねー。
りょ~さんは18歳ですか。
うちの息子とタメですね!
よろしくお願いします^^
ブログちょっと拝見しましたが、とても18歳の方のブログとは思えませんね。
まあ、うちの息子もビートルズとかストーンズとか大好きなのでひとのことはいえませんが…(笑。
相互リンクOKです。
これからもよろしくお願いいたします^^
by parlophone (2008-06-29 00:36)
遼さん、こんばんは。
私の家にも『CLIMBIMG』のUS盤がありました。ラテン・ロックやジャズが趣味の兄にしては珍しいレコードでしたが、美大生だったからジャケ買いしたのだろうと思います。あるいは、当時バンドでキー・ボードを担当していたので興味をそそられたのかもしれません。クリームの再来と称されたマウンテンですが、キー・ボードが深い味わいを醸し出していましたからね。
その頃中学生だった私も一度はこのアルバムを聴いてみたのですが、ハード・ロックやヘヴィ・メタルが苦手でギター・キッズでもなかったので、その後は二度と針を落とすことはありませんでした。
by Backstreets (2008-06-29 17:06)
遼さん、こんばんは!
コメントありがとうございました。
TBではたびたびご迷惑をお掛けしておりますが、今回コチラからもTBしてみたのは上手く反映されているでしょうか。
さて、今回の紙ジャケ化のおかげでコレまで未聴の作品も含めて一気にマウンテンを聴いてみましたが、単なるハード・ロックの範疇にとどまらない独自のサウンドに完全にヤラれてしまいました。
今度はレココレ最新号にも紹介されていたライヴ・ブートレッグも時期を見て聴いてみようかなー、と思っています。
by lonehawk (2008-06-29 19:49)
Backstreetsさん、こんばんはー。
>私の家にも『CLIMBIMG』のUS盤がありました
>美大生だったからジャケ買いしたのだろうと思います
そうですか、いいですね。
たしかにゲイル・コリンズのジャケットは、ビアズリーあたりに通じる耽美的な匂いがありますからね。
>キー・ボードが深い味わいを醸し出していましたからね
マウンテンはパパラルディのプログレ趣味も全開でしたから、キーボードはとても重要な位置を占めてますよね。
>その後は二度と針を落とすことはありませんでした
あれれ、残念ですね。
そのうち気が向いたらまた聴いてみてくださいね^^
by parlophone (2008-06-30 00:12)
lonehawkさん、こんばんは~。
>今回コチラからもTBしてみたのは上手く反映されているでしょうか
ええ、今回はうまくいったようです。
ありがとうございました。
>単なるハード・ロックの範疇にとどまらない独自のサウンドに完全にヤラれてしまいました
たしかにマウンテンというとグランド・ファンクあたりと同じような単なるアメリカン・ロック・バンドと見られることが多かったような気がします。
今回の紙ジャケが再評価につながるといいですね。
>ライヴ・ブートレッグも時期を見て聴いてみようかなー、と思っています
ぼくもあれ気になってたんですよ。
なんといってもレーベルがTMOQですからね(笑。
でも価格が高めなのがちょっとツライですね~。
by parlophone (2008-06-30 00:18)
こんばんは〜。
遼さんの解説で「異邦の薫り」「悪の華」に追加で上記4タイトル欲しくなりましたよ〜。レズリーのギターとフェリックスの重厚なベースにKO!クリームからハードロック継承されているのではないかな〜なんて思いました。
マウンテンのオフィシャル・ブートまで手を出そうかな?(笑)
マウンテン、音楽系ブログで大人気ですね!!
by 大介(東京都) (2008-06-30 23:49)
大介さん、こんばんは~。
>遼さんの解説で「異邦の薫り」「悪の華」に追加で上記4タイトル欲しくなりましたよ〜
ありがとうございます。
大介さんにそう言っていただくと記事にした甲斐がありました。
>マウンテンのオフィシャル・ブートまで手を出そうかな?(笑)
前々から気になってましたが、高いので買ったことはありませんでした。
『レココレ』の特集でぼくも1~2枚買ってみようかという気になりましたよ(笑。
by parlophone (2008-07-01 22:04)