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ハーブ・ペダーセンのアルバム [紙ジャケ]

きょうは昨年の夏にSony Music からリリースされたハーブ・ペダーセンの紙ジャケ『サウスウエスト』をご紹介しよう。

ぼくがこの紙ジャケを知ったのは去年の秋ごろだったと思う。
Amazon のサイトで、だれのCD のページだったか忘れてしまったけれど「この商品を買った人はこんな商品も買っています」というところに載っていたのだ。
昨年ぼくのブログで紹介した作品でいうと、トム・ヤンスの『子どもの目』ローウェル・ジョージの『特別料理』に参加していた人だ。

   

リンダ・ロンシュタットのアルバムあたりがいちばん有名かもしれないが、グラム・パーソンズのソロやダン・フォーゲルバーグ、ヴァレリー・カーターなどのアルバム、さらにはジャクスン・ブラウンのツアーにも参加したことがある売れっ子のサポート・ミュージシャンだったらしい。

このアルバムは3枚しかないかれのソロ・アルバムの最初のもので、1973年にリリースされている。
すべての曲ではないが、ラリー・カールトン(elg)やデイヴィッド・リンドレー(fiddle)、アル・パーキンス(steel g)、リーランド・スクラー(b)、ジム・ゴードン(ds)といった実力派のミュージシャンがバックを固め、バック・コーラスにはリンダ・ロンシュタットとエミルー・ハリスも客演するなど、豪華な共演陣がハーブの幅広い活躍ぶりを表している。

アルバムは意表をついてビートルズのカヴァー、「ペイパーバック・ライター」のカントリー・ヴァージョン?から始まる。
ハーブのギターのほかにスティール・ギターやフィドルも入って、快調な滑り出しだ。

豪快なカントリー・ロックの「Rock & Roll Cajun」や「Jesus Once Again」、ヴォーカルとコーラスの美しい「If I Can Sing a Song」や「Our Baby's Gone」、そしてビル・モンローのカヴァーで本人もバンジョーを弾いて完全なブルー・グラスの世界を再現する「Can't You Hear Me Callin'」など、ジャケットの写真そのままに飾らないハーブの世界が展開される、充実したカントリー・アルバムに仕上がっている。

   

2曲のカヴァー以外はすべてオリジナルだが、白眉はアルバムの最後に収録されたM-10Wait a Minute」。
この1曲だけでもこのアルバムは永遠の輝きを失わないだろう、と思わせる美しい曲だ。

   

紙ジャケはコーティングのない厚紙のA 式シングル・スリーヴで、横縞の浮かび上がるテクスチャー仕上げになっている。

   

歌詞の印刷されたインナーバッグにEpic のオレンジ・レーベルが再現されているが、インナーの片面には参加ミュージシャンの豪華な顔ぶれが写真入りで紹介されている。

   


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MORE

うわー、こんなアルバムがCD化、しかも紙ジャケとは…
私1973年にLPを買いました。
多分パイドパイパー・ハウスかCISCOのどちらかですね。
この手の音楽に結構どっぷりハマりだした頃ですから懐かしい…
でも、ほとんど中味に関しては記憶にないです。(苦笑)
彼のような基本的にはスタジオ・ミュージシャンである人が
ソロ・アルバムを出してもらえるような状況があの当時はあった
ということなんでしょうね。

このアルバム、多分実家のどこかに眠っていると思うんですが…
by MORE (2008-02-17 10:06) 

Mudslideslim

「Our Baby's Gone」はとても好きな曲です。
我が家にあるのはドイツのLINEがだいぶ前にCD化した盤です。CD化はないかもしれませんが、翌77年の「Sandman」も素朴さは薄れちゃっているんですけど捨てがたい曲も入っているんですよね。Chris HillmanとのDesert Rose Band以降はBluegrassフィールドでの活動が目立っていますが84年に3rdソロ、96年にはChris Hillmanとの共同名義でアルバムもリリースしています。どちらもBluegrass色が強いですが、彼の透明感のある声、独特の歌いまわしは健在ですよ!
by Mudslideslim (2008-02-17 10:22) 

NO NAME

フロント・ページの復旧はまだ時間がかかりそうですか?
by NO NAME (2008-02-17 11:31) 

ouichi

遼さん、こんにちは。
ソングライターでありながら一曲目にビートルズの
『ペイパーバックライター』を持ってくるなんて
素敵なセンスしてますね。
この庶民的な懇願ソングをカントリーで
調理するなんてナイスアイデアですね。
これ聴いてみたいなぁ。
テクスチャー仕上げって高級感ありますよね~。
昨年買ったキャロルキングの紙ジャケで気に入りましたよ。
by ouichi (2008-02-17 16:10) 

parlophone

MOREさん、どうもです。

>うわー、こんなアルバムがCD化、しかも紙ジャケとは…

Sony の「ソフト・ロック + シンガー・ソングライター 名盤の旅」はHIGH-HOPES ではまったく取り上げられないので、ついつい見落としがちですよね。

>私1973年にLPを買いました

そうかあ、MOREさんはパイドパイパー・ハウスに出入りなさってたんですね。
ぼくもそのころ東京に住んでいればきっと入り浸りになってたでしょうね~(笑。

>このアルバム、多分実家のどこかに眠っていると思うんですが…

ぜひ発掘なさってまた聴いてみてくださいね^^
by parlophone (2008-02-17 17:04) 

Backstreets

ビートルズの曲をイーグルスの「Take It Easy」のコード進行に沿ってカントリー・ロックにしていますが、これはビートルズのカヴァーの中でも素晴らしい出来映えの1曲ではないかと思います。
デヴィッド・リンドレーやセクションのメンバーを起用し、自身もジャクスン・ブラウンのツアーにも参加した経験があるからか、各所にジャクスン・ブラウンの曲調の影が見え隠れしているように思います。ジャクスン・ブラウンが青い空を連想させる部分があるのに対して、ハーブ・ぺダーセンは爽やかな中にも湿った大気と地面の土臭さが感じ取れるようです。
by Backstreets (2008-02-17 17:09) 

parlophone

Mudslideslimさん、いつもありがとうございます。

>我が家にあるのはドイツのLINEがだいぶ前にCD化した盤です

さすがMudslideslimさん、なんでもお持ちですね(笑。
紙ジャケの帯には「国内初CD化」と書いてありました。
こういうのはあまり売れないんでしょうね。
とくにブルーグラス系は人気がないような気がします。

>Chris HillmanとのDesert Rose Band以降

じつは友人にこのCDの話をしたら「Desert Rose Bandは必聴ですよ」といわれて気になってるんですよね。

>彼の透明感のある声、独特の歌いまわしは健在ですよ!

機会があったらぜひ聴いてみたいです。

情報ありがとうございました。
by parlophone (2008-02-17 17:12) 

AKIRA

「Desert Rose Band」は真面目なブルーグラスだから好き嫌いがハッキリしますね。私は勿論好きです。
ブルーグラスじゃないけどクリス・ヒルマンのソロ2枚も好きです。

わたしはこのアナログは・・・高校1年の時だと思いますが
ニューミュージックマガジンの輸入盤屋さんの広告見て、
原宿のメロディーハウスで、タルボット・ブラザースなんかと一緒に買った記憶あります。やはりウエストコースト周辺の参加アルバムから辿ったらって感じの出会いでした。
by AKIRA (2008-02-17 17:23) 

parlophone

NO NAMEさん、フロント・ページ、きょうの昼過ぎに復旧いたしました。
ご迷惑をおかけいたしました。
by parlophone (2008-02-17 21:23) 

parlophone

ouichiさん、どうもです。

>この庶民的な懇願ソングをカントリーで
>調理するなんてナイスアイデアですね

ouichiさんの楽曲の把握の仕方もナイスですね。
「庶民的な懇願ソング」とは言い得て妙です^^

>テクスチャー仕上げって高級感ありますよね~。
>昨年買ったキャロルキングの紙ジャケで気に入りましたよ

いいですよね。
ヴィニール・コーティングとはまた違った高級感で、紙ジャケでもっててもうれしくなりますね^^
by parlophone (2008-02-17 21:28) 

parlophone

Backstreetsさん、どうもです。

>ビートルズの曲をイーグルスの「Take It Easy」のコード進行に沿って
>カントリー・ロックにしています

なるほど、なるほど。
たしかにイーグルスのテイストがありますね♪

>ジャクスン・ブラウンが青い空を連想させる部分があるのに対して、
>ハーブ・ぺダーセンは爽やかな中にも湿った大気と地面の土臭さが感じ取れるようです

うまいなあ~、ほんとそのとおりですね。
なんかヘタな感想なんか記事にできませんね~。
by parlophone (2008-02-17 21:35) 

parlophone

PETTYさん、どうもです。

>「Desert Rose Band」は真面目なブルーグラスだから好き嫌いがハッキリしますね
>私は勿論好きです

へえ、マジメなブルーグラスですか。
ちょっと聴くにはいいけど、とおして聴いたことはないなあ。

>クリス・ヒルマンのソロ2枚も好きです

ふむふむ、こっちにも興味があります。

>高校1年の時だと思いますが…
>ウエストコースト周辺の参加アルバムから辿ったらって感じの出会いでした

そうやってしだいに聴く範囲が広がっていくのってワクワクするし、音楽のすばらしいとこですよね。

それにしてもみなさんよくこんな地味なアルバムをご存知ですよね~。
参りました^^
by parlophone (2008-02-17 21:46) 

DEBDYLAN

こんばんは。

このCD、プラ・ケースで持ってます。
大学の頃買ったから20年くらい前のことです^^;

確か、日本語のラーナーノーツが付属してた記憶が・・・
輸入盤国内仕様だったのかな?
調べようと思ったんです、探せませんでした^^;
今度見つけておきます。

最近聴いていないんで、印象が薄い(苦笑)んですが、
「PAPERBACK WRITER」のカヴァーは新鮮でした^^。
by DEBDYLAN (2008-02-20 22:59) 

parlophone

DEBDYLANさん、どうもです。

>このCD、プラ・ケースで持ってます

みなさん、スゴイですね~。
やっぱり参加ミュージシャンの流れからたどり着いたってことなんでしょうか。

>「PAPERBACK WRITER」のカヴァーは新鮮でした^^

ですよね。
ぼくはあのブンブン唸るベースが好きなので、カントリー・ヴァージョンというのはすごく意表を衝かれた感じでした。
始まってしばらくは「あれ?この曲なんとなく聴いたことあるなあ…」
って調子で(笑。
by parlophone (2008-02-20 23:09) 

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