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ダン・フォーゲルバーグ 『トゥィン・サンズ』――倉敷の収穫その1 [紙ジャケ]

倉敷に帰っていたあいだに一度だけタワレコに行った。
地元にはグリーン・ハウスというような中古レコード店もあるのだが、お正月なので開いていない。
それでだいたい帰省中はタワレコを覗いて終わりなのだが、今回はそこで見つけたちょっとレア?な紙ジャケをご紹介しよう。

まずきょうはダン・フォーゲルバーグとティム・ワイズバーグの『トゥィン・サンズ・オヴ・ディファレント・マザーズ』という1978年のアルバム。

   

異母双生児というありえないグループ名(笑)だけれども、当時のダンはよっぽどこのフルート奏者が気に入ったのだろう。

昨年ダンの作品が紙ジャケでリリースされたときの記事で、大安洋行さんがコメントでこの作品にふれて次のようにおっしゃっていた。

もともとマルチプレイヤーのダンとフルート奏者ティムの織りなす世界は音楽をジャンル分け出来ないって思いにさせらえた1枚です。
ホリーズのカバー「TELL ME TO MY FACE」や、ライブでも圧倒的人気のある「POWER OF GOLD」など名曲揃い。イージーリスニングだなんて言った人が居ますがそんな簡単な定義でまとめられるとうな作品ではありません。まぁダン・フォーゲルバーグの中で一番の異端な作品でありながら最高傑作だと今でも思っています。

そのとき「へえ~、そんな作品があったんだ。でも今回のシリーズには入ってないのね」とひとりで思い込んでいたのだが、それもそのはず2005年11月に一足先にリリースされてたんですね。
ぼくが知らないだけでした(笑。

ぼくは30年以上ジャズを聴き続けているけれどティム・ワイズバーグというフルート奏者を耳にしたことがない。
今回の天辰保文の解説を読んでみると、1943年生まれでコンテンポラリー・ジャズ、あるいはスムーズ・ジャズの先駆けのような人、と書いてある。
ぼくが聴くのはせいぜい70年代までのモダン・ジャズばかりだから、なるほど知らないはずである。

全10曲中7曲がインストゥルメンタルで、ティムはフルートとピッコロ、ダンは例によってアコースティック・ギター、エレクトリック・ギター、スライド・ギター、クラシック・ギター、マンドリン、ピアノ、アープ・シンセサイザー、ベース、パーカッションなど、マルチ・プレイヤーぶりを見せつける。

   
   (例によって曲ごとの詳細なクレジット入り)

内容はたいへんカラフルなもので、イージー・リスニング的なものからボサノヴァ風味、軽いフォービートのジャズ、フルートとオーヴァードライヴのかかったエレキとのバトルまで、千変万化ということばを使いたくなるようなアルバムだ。

3曲のヴォーカル作品はホリーズとジュディ・コリンズのカヴァーにオリジナルが1曲。
この3曲にもフルートが入っているので、ほかのダンの作品とは一味違った仕上がりになっている。

   

紙ジャケはE式のゲイトフォールド・スリーヴでテクスチャー仕上げになっている。
白のプレーンなインナーバッグに「Full Moon」のカスタム・レーベル、2005年当時の最新DSD リマスタリングと、Sony Music の紙ジャケは当時から高い完成度をもっている。

   

ひとつだけ違うのは、現在は日本語解説が20ページ程度のブックレット・タイプになっているが、当時は八つ折タイプだったということだ。

   

つまり値段据え置きのまま、現在のほうが手間がかかってるわけですね。
これにはほんとうに頭が下がります^^


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コメント 8

AKIRA

お帰りなさい。
遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。
今年も宜しくお願いいたします。

この紙ジャケのリマスター・・・
もう殆ど見かけなくなってしまい残念です。
私の持っているCDは一番最初のヤツ。
渋谷のタワーレコードがまだアナログとCDが半々くらいあった時代のCD(笑)このCDは買い損ねたのは・・・
結構後悔しています。
大推薦しておきながらですからね!
あっ!私じゃ無かったっす(爆)

やはり「異端」だったでしょ?
でもやはり一番好きなアルバムです。
by AKIRA (2008-01-09 00:59) 

chitlin

明けましておめでとうございます。
改めてこちらでご挨拶をと思いまして。

>Sony Music
断トツにイイ仕事っぷりですね〜。
何だかんだ言って今年もお世話になることでしょう、きっと。
楽しみが尽きませんね。


本年も変わらぬお付き合いのほど、よろしくお願いいたします!
by chitlin (2008-01-09 01:57) 

parlophone

PETTYさん、どうもです。

大安さんがおっしゃっていた「音楽をジャンル分け出来ないって思い」っていうのは実際に聴いてみてなるほどな~と納得でした^^

>やはり「異端」だったでしょ?

でしたね^^
でもじつに楽しい異端でした。
でもDSDマスタリングの紙ジャケをお持ちでないとは残念ですね。
倉敷で残っていたのは奇跡かもしれないです…。
by parlophone (2008-01-09 22:25) 

parlophone

chitlinさん、明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。

>Sony Music
>断トツにイイ仕事っぷりですね〜

ですね~。
もともとUS COLUMBIAというメジャーですから、権利の移動&複雑化というのが比較的少ないような気はするんですが、それにしても
 E式・A式
 コーティングの有無
 シングル・ゲートフォールド
 インナーバッグ
 レーベル
 価格
 マスタリング
どれをとっても納得のいく仕事ですよね。
さすがです^^
by parlophone (2008-01-09 22:30) 

ouichi

遼さん、こんばんは。
ブログを始めてブログ仲間が出来て
紙ジャケの素晴らしさをあらためて確認した次第です。
Sony Musicがダントツで優れていることも。
価格が安いってのも庶民には嬉しい~。

大物の紙ジャケはほぼ出尽くしたとも、いろいろなブログで
見ていますが今年も要チェックしています。
by ouichi (2008-01-09 23:23) 

parlophone

ouichiさん、どうもです。

>紙ジャケの素晴らしさをあらためて確認した次第です

紙ジャケについてはいろんなところで書いてますが、そのうち「紙ジャケとは何か?」みたいなことを一回きちんとまとめてみたいと思っています。
「今さらオメーに教えてもらわなくてもいいよっ」
って言われるのがオチなんですが…^^;

いずれにしても素晴らしいですね(←意味不明・わはは)
by parlophone (2008-01-10 00:40) 

AKIRA

遼さん、見つけました!
新潟市内のヴァージンにひっそりと1枚だけ・・・
昨日カミサンと加湿器買いに出かけた時に、ふらりと入ってみて良かった!!ちなみにUS初盤のCDに比べたら音圧が全く違いました。
2005年のリマスターも捨てたもんじゃないですね。
by AKIRA (2008-01-15 12:57) 

parlophone

おお、PETTYさん、ありましたか!

よかったですね~。

>昨日カミサンと加湿器買いに出かけた時に、ふらりと入って

探してたものを見つけるときってそんなもんですよね~。
オメデトウゴザイマス v^^

>2005年のリマスターも捨てたもんじゃないですね

まえにヤマタツが言ってましたが、アナログ・テープの減衰という問題もありますから、新しけりゃいいってもんでもなさそうですね。
以前古いジャズのCDという記事を書いたことがありますが、90年ごろのCDにも音のいいものはあるみたいですね^^
by parlophone (2008-01-15 22:30) 

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