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ジョン・ホールのアルバム [紙ジャケ]

きょうはSony Music からシンガー・ソング・ライター・シリーズの一環としてリリースされたジョン・ホールのソロ・アルバムをご紹介しよう。

    

「ダンス・ウィズ・ミー」(1975)の大ヒットで知られるオーリアンズのフロント・マンとして有名なジョン・ホールは、古くはタジ・マハールのギタリストとして、またジャクスン・ブラウンの『プリテンダー』('76)やリトル・フィートの『ラスト・レコード・アルバム』('76)のサポーテッド・ギタリストとして、そしてジャニスの遺作『パール』('71)の「ハーフ・ムーン」のソング・ライターとして、多方面で活躍してきた才人だ。
(長門芳郎さんの日本語解説によると、なんと現在は民主党の下院議員!を務めているらしい。)

これはそのジョンが1970年に発表した初ソロ・アルバムで、マナサスで有名になるポール・ハリスや、元ラヴィン・スプーンフルのジョン・セバスチャンなどが参加している。
全11曲のうち、ジョンは4曲を単独で書き、3曲を共作しているが、「ダンス・ウィズ・ミー」のような美しいメロディを期待するとちょっと肩透かしを食うかもしれない。
このアルバムはそれよりもジョンのギタリストとしての才能にスポットを当てたものだからだ。

もちろん自作のM-3Where Would I Be」やトム・パチェコのM-5True Love」などでは美しいメロディとハーモニーを聴くことができるが、とくにアルバム後半は表題曲のM-7「アクション」をはじめ、インストゥルメンタルの3曲(M-9M-11)などジョンのギターが炸裂する。

アルバムのバック・スリーヴには猫を肩に載せ、ストラトを抱えたジョンの写真が載っているが、猫よりもストラトのほうが印象的だ(笑。

    

写真のストラトは美しい2トーン・サンバーストに見えるが、指板がローズウッドなのでおそらく3トーン・サンバーストが褪色したか、照明の関係で見えなくなっているのだろう。

紙ジャケは光沢のない厚紙のA式スリーヴ。
映画『ファニー・ガール』のサウンド・トラックやサンタナの1st、マイルズの『インナ・サイレント・ウェイ』、ディランの『ナッシュヴィル・スカイライン』などが載ったアド・スリーヴのミニチュアが復刻されてついてくる。

   

音のほうも2007年の最新DSD マスタリングで、ふつうに聴くにはじゅうぶんな音質を備えている。


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MORE

ジョン・セバスチャンの従兄弟ってな風貌のジョン・ホールですが、
私も何を隠そう(隠す必要もないですが)LPで持ってます。
仰るとおり、Orleansのような音楽を期待するとがっかりします。
売れなかったのもなるほど、という内容であります。
彼のライヴは実は80年代にROXYで見たことがあります。
Orleansを脱退後でしたが(ショートヘアーでした)、この時の
ステージは割りと良かったです。
同じ頃にOrleansも同じくROXYで見ましたが、こちらは意外に
ハードなサウンドで演奏もしっかりしていて驚いた記憶があります。
正直言って、このアルバムが紙ジャケで出る日本ってつくづく
凄い国だなあと思いますよ。
これが何枚売れるのか気になります…
by MORE (2007-10-20 22:21) 

ouichi

さすが遼さん、詳しいですね。
ジャケが非常に70年代の香りがしますね。
布施明みたいです。メガネと髪型ですかね~。
マディウォーターズもそうですが
僕の知らないアーティストがたくさん知ることができて
勉強させていただいております。
by ouichi (2007-10-20 22:26) 

parlophone

MOREさん、どうもです。

>私も何を隠そう(隠す必要もないですが)LPで持ってます

このころのジョンはソング・ライターでいくか、ギタリストで行くか、それともバンド・サウンドを追求していくか、迷っていたころかもしれませんね。

>彼のライヴは実は80年代にROXYで見たことがあります。
>Orleansを脱退後でしたが…割りと良かったです。
>同じ頃にOrleansも同じくROXYで見ましたが、こちらは意外に
>ハードなサウンドで演奏もしっかりしていて驚いた記憶があります

う~ん、さすがMOREさん、なんでもご覧になってますね~。
AMERICAにしてもBAD FINGERにしても、ライヴはけっこうハードっていうのはよくありますよね。
演奏力もしっかりしてますし。
by parlophone (2007-10-21 00:17) 

parlophone

ouichiさん、どうもです。

>ジャケが非常に70年代の香りがしますね。
>布施明みたいです。メガネと髪型ですかね~

ほんとですね!
いかにも70年代してますね^^

>勉強させていただいております

ぼくが最初にオーリアンズのことを知ったのは、桑田圭祐のアコースティック・ライヴでした(爆。
ミュージシャンに愛されるミュージシャンは、やっぱりすばらしいですね!
by parlophone (2007-10-21 00:21) 

hamakaze_ataru

帯がアナログの復刻時と同じなんですね。
by hamakaze_ataru (2007-10-21 15:36) 

Mudslideslim

はじめまして。
今回の紙ジャケというかCDは購入していないのですけど、お気に入りのアルバムです。中でも「Milwaukee」のカントリー・タッチのピッキングがたまりません!
私がOrleans見たのは90年代の渋谷でした。Johnは既にスキンヘッドでしたが・・・
リイシュー、紙ジャケが充実しているので、たまにお邪魔して再発物チェックさせていただきます。
by Mudslideslim (2007-10-21 17:51) 

parlophone

大安さんどうもです。

>帯がアナログの復刻時と同じなんですね

そうですね。
キャップ(とSony では呼んでるようですが)には
「ジョン・ホールは10年も前にこんなに活気溢れるアルバムを完成させていた」
とありますので、1980年に国内発売されたときのものを復刻しているようです。

現在の紙ジャケ・シリーズは、正確には
「ソフト・ロック+シンガー・ソングライター 名盤の旅」
というものらしいのですが(笑)、キャップは
「イッツ・ア・ビューティフル・ロック・デイ・シリーズ」
となっていて20枚のシリーズだったようです。
by parlophone (2007-10-21 19:25) 

parlophone

Mudslideslimさん、はじめまして。
管理人の遼(Parlophone) と申します。
コメントありがとうございました。

>お気に入りのアルバムです。
>中でも「Milwaukee」のカントリー・タッチのピッキングがたまりません!

ほんとうにそうですね。
ブルーズ・ロック調の曲もいいですけど、「Milwaukee」や、最後の「Going to the Valley」なんていう小品も味わいがあっていいですね。

>私がOrleans見たのは90年代の渋谷でした

おお、うらやましい!

今後ともよろしくお願いいたします。
by parlophone (2007-10-21 19:32) 

Sken

こんにちは。
私もこの人もオーリアンズも大好きです。
オーリアンズとしては2回来日してますのでどちらも
見ました。
特に1回目のほうはすごかったですね。
このアルバムは旧企画物のCDを持ってますが、今回音のほうは
良さそうですね。
このごろのソニー盤はいいですしね、再発すべてが。
買い直す価値ありそうですね。
by Sken (2007-10-22 14:38) 

parlophone

Skenさん、どうもです。

そうですか~、Skenさんも来日公演ご覧になってるのですね~。
うらやましい!

>このごろのソニー盤はいいですしね、再発すべてが

そうなんですよ~。
Sony の紙ジャケにハズレなし!
と断言してもいいかも^^
by parlophone (2007-10-22 23:12) 

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