ダン・フォーゲルバーグのアルバム [紙ジャケ]
Sony Music から8月22日にダン・フォーゲルバーグのアルバムが6タイトル、紙ジャケでひっそりとリリースされた。
HIGH-HOPESでもまったく告知されてないんだけど、どうしてなんだろう。
ダン・フォーゲルバーグというと、なんといっても全米ナンバー・ワンになった「ロンガー」が有名だ。
ストリングスやフリューゲルホーンを配した甘いラヴ・バラードで、MOR(わが国でいうとAOR かな)っぽい曲だけれど、たまたま№1になった曲がそうだったのか、あるいはそういう曲だから№1になったのか、いずれにしてもダン・フォーゲルバーグのイメージを決定づけてしまった。
けれど、ぼくが大好きな2nd アルバム『アメリカの思い出 SOUVENIRS』(1974)は、イーグルスやアメリカの諸作にけっしてひけをとらないウエスト・コースト・ロックの名盤だと思う。
「ロンガー」しか知らない人にはぜひ聴いてもらいたい。
プロデュースはジョー・ウォルシュ、コーラスにドン・ヘンリー、グレン・フライ、そしてグレアム・ナッシュ。
アコースティック・ギターに(1曲だけだけれど)アメリカのジェリー・バックリー、ピアノにポール・ハリス、ペダル・スティールとバンジョーにアル・パーキンス、パーカッションにジョー・ララというマナサス組。
じつに豪華なバックアップだ。
ジョー・ウォルシュは全面にわたってアコースティック&エレクトリック・ギターでダンを支え、M-7「As the Raven Flies」ではダンとのツイン・リードで盛り上げている。
ダンはヴォーカルとコーラス、アコースティック・ギター、エレクトリック・ギターのほかに、ピアノ、オルガン、ヴィブラフォン、ムーグなどの楽器を操ってマルチ・プレイヤーぶりを見せつける。
紙ジャケは光沢のないE式のゲイトフォールド・スリーヴ。
白いインナーバッグが復刻されている。
レーベルはEpic のオレンジ・レーベルだ。
全米14位まで上がっている。
「ロンガー」が収められた6th アルバム『フェニックス』(1979)はアルバムも全米3位に輝いている。
こちらはヴォーカルとコーラス、アコースティック・ギター、エレクトリック・ギターのほかに、ペダル・スティール・ギター、スライド・ギター、ピアノ、エレクトリック・ピアノ、ベース、パーカッション、そしてプロフィット5 というシンセサイザーを弾いている。
紙ジャケはE式のゲイトフォールド・スリーヴで、一見地味に見えるが、かなりザラッとしたテクスチャー仕上げ。
それと対照的に内側は光沢のある写真を配した、じつに美しいジャケットだ。
レーベルはFULL MOON/Epic のカスタム・レーベル。
やはり白いプレーンなインナーがミニチュアでついてくる。
☆ こんばんは。『フェニックス』はやはり当時のウエストコーストの総力戦という風情があって,クオリティの高いアルバムであるのは事実です。ダン・フォーゲルバーグやボブ・シーガーは,あのチャンスを十分に生かす才能があったから作品を残したのであって,それはそれで好き嫌いとは別に(嫌いでもないですが^^;)評価に値することだと思います。ではでは(^o^)/~~~。
by deacon_blue (2007-09-15 23:23)
遼さん、こんばんは。
私なんかはカメラの良し悪しも、このDan Fogelbergのことの判らないのですが、今回もお写真の仕上がりが綺麗でそれだけで満足してしまいますよ。
一気に6タイトルも発売だとさらに訳が判らないので『アメリカの思い出』だけでも心に留めておきまーす。
by chitlin (2007-09-15 23:59)
遼さんこんばんは!
私、恥ずかしながら【ダン・フォーゲルバーグ】は知りませんでした・・・
>プロデュースはジョー・ウォルシュ、コーラスにドン・ヘンリー、グレン・フラ>イ、そしてグレアム・ナッシュ。
という事はイーグル的なサウンドなのかなぁ・・・
でもいつもながらSONYの紙ジャケはクオリティ高そうですね!この時期、SONYさんのプライスはありがたいですね。
ところで11月末と12月初いよいとジョン・レノンのジョン魂以降のアルバムが紙ジャケ化されるようですね。。。でもEMIなので2600円、特殊ジャケ3000円、2枚組3990円とこの時代にバカ高いプライス・・・どうしてこうなんでしょうね。
でも悲しいかな。。。買っちゃんですよね。。。だってジョンだもんですね。
今から紙ジャケ貯金しておこぉーと。。。!
by tetsupc2 (2007-09-16 01:06)
deaconさん、nice!&comment ありがとうございます。
>『フェニックス』はやはり当時のウエストコーストの総力戦という風情があって
ぼくは80年前後のことはまったくわからず、このアルバムもただ「ロンガー」の大ヒットしか知らないんですが(同じようにボブ・シーガーも何曲かのシングル・ヒットしか知りません…)、当時なにかあったんですね?
産業ロックVSパンクみたいな何かが…。
by parlophone (2007-09-16 11:27)
遼さん、ご無沙汰です。
ダン・フォーゲルバーグですね。
確かに「ロンガー」しか知らない人が多いと思います。
私は初期作なら遼さんと同じく「Souvenirs」そして「Captured Angel」がおすすめですね。ウエストコーストサウンドの括りにしていいのかどうか・・
イーグルスとの共通点はやはりネウティブアメリカンへの造詣の深さですね。カントリーロックの影はありませんし。
しかし、一番の衝撃はティム・ワイズバーグとの共演盤
「Twin Sons」ですね。もともとマルチプレイヤーのダンとフルート奏者ティムの織りなす世界は音楽をジャンル分け出来ないって思いにさせらえた1枚です。
ホリーズのカバー「TELL ME TO MY FACE」や、ライブでも圧倒的人気のある「POWER OF GOLD」など名曲揃い。イージーリスニングだなんて言った人が居ますがそんな簡単な定義でまとめられるとうな作品ではありません。まぁダン・フォーゲルバーグの中で一番の異端な作品でありながら最高傑作だと今でも思っています。
このアルバムを高校生の時、カセットに録音してくれたのが当時大学生だったクロウポイントさんです。
by hamakaze_ataru (2007-09-16 11:29)
chitlinさん、どうもです。
>今回もお写真の仕上がりが綺麗でそれだけで満足してしまいます
いつもお褒めの言葉をいただき、恐縮です。
>『アメリカの思い出』だけでも心に留めておきまーす
機会があったらぜひ聴いてみてくださいね。
リビー・タイタスもそうですが、これだけのメンバーが彼のアルバムに参加するということは、やはり彼の音楽性、人間性がすばらしいからだと思います。
そういう意味でこのあたりの人脈に興味がおありでしたら、ぜったい聴いて損はないと思いますよ^^
by parlophone (2007-09-16 11:36)
tetsuさん、どうもです。
>私、恥ずかしながら【ダン・フォーゲルバーグ】は知りませんでした・・・
ですよね~。
やっぱり日本では「ロンガー」一発屋的なイメージしかないのかもしれません。
>という事はイーグル的なサウンドなのかなぁ・・・
ですね。
そのあとダンはコロラドあたりの山の中に引っ越してしまうんで、ウエスト・コーストの生活を思い出して『アメリカの思い出 SOUVENIRS』となったような…(たぶん)。
>ところで11月末と12月初いよいとジョン・レノンのジョン魂以降のアルバム
>が紙ジャケ化されるようですね。。。
みたいですね~。
ぼくもMASAさんのブログで知りました。
ぼくは『ジョン魂』と『イマジン』しか聴いたことないので、とりあえず『ウォールズ・アンド・ブリッジス』?がギミック・ジャケということでMASAさんから推薦をいただきましたので、その3枚ぐらいにしとこうかと…(←またまたわざとレパートリーを増やさないような買いかた^^;)
あ、ちなみに『HELP!』は通常版しか買いません(爆。
by parlophone (2007-09-16 12:17)
大安さん、どうもです。
>ウエストコーストサウンドの括りにしていいのかどうか・・
たしかにそこは迷うところですね。
1作ごとに作風が変わっていったようなイメージがありますから。
>一番の衝撃はティム・ワイズバーグとの共演盤「Twin Sons」ですね
ぼくはこれは聴いたことがありません。
ライナーを読むと予想外の大ヒットになったそうですね。
>一番の異端な作品でありながら最高傑作だと今でも思っています
う~む、今回のラインナップからは外れてますが、今度紙ジャケになったときは必買ですね。
>このアルバムを高校生の時、カセットに録音してくれたのが
>当時大学生だったクロウポイントさんです
へえ~、そうだったんですか!
クロウポイントさんって大学生のころから「大人」って感じだったんですね~!
by parlophone (2007-09-16 12:25)
ダン・フォーゲルバーグ・・・・
16日に亡くなられたんですね。
とても悲しいです。
by hamakaze_ataru (2007-12-19 21:16)
大安さんどうもです。
亡くなっちゃいましたね。
闘病生活をしてることは知ってましたけど、こんなに早く逝ってしまうとは…。
いま追悼記事を執筆中です。
いつUP できるかわかんないけど(涙。
by parlophone (2007-12-19 22:23)
遼さん、
非凡な才能と独自の世界観を讃えてあげてください。
56才は・・若すぎます。
時代に媚びない・・・・貫いた生き方だったと思っています。
by hamakaze_ataru (2007-12-19 22:39)
>非凡な才能と独自の世界観を讃えてあげてください
その役目を果たせるかどうかはわかりませんが、この記事を書いたあと大安さんのオススメだった『Captured Angel』(ジャケットでなんとなく買うのを躊躇っていた…^^;)と2枚組の『The Innocent Age』を買ったので、それを中心に記事を書こうと思ってます。
>時代に媚びない・・・・貫いた生き方だった
たしかにそれはおっしゃるとおりですね。
名言、ありがとうございます。
by parlophone (2007-12-20 00:09)
遅まきながら、こちらの記事を拝読しました。
勿論、タイムリーにダンの音楽を聴いた世代ではないので、どちらかと言えば、洋楽を聞き出すようになったころには彼は既に、隠居生活で空気の澄んだ山奥で霞を吸っているようなそんな印象でした。
先日、ふとしたことから、友人からダンのクリスマスアルバムのCDをプレゼントされ、その飾りの無さ、他のミュージシャンたちとのチームスピリット、そしてそのしなやかでタフな歌声に打たれて、遅まきながらに紙ジャケを買い進めています。また、もうすぐ紙ジャケが同じタイトルでリイシュウーされるとか。つい最近、紙ジャケが発売されてすぐにこのリイシューの速さにちょっとうれしい驚きです。
個人的に、イノセントエイジがとても心に響きました。全てが公にされてビジネスにされてプライベートまでお金に結びつく現在、ダンの生き方は本当の意味で、アメリカの良心に基づいた者の生き方だったのだと思います。ずっと聴き続けていきます。
by Cremorne Point (2008-03-10 08:26)
Cremorne Pointさん、はじめまして。
管理人の遼(parlophone)と申します。
ようこそいらっしゃいました。
>洋楽を聞き出すようになったころには彼は既に、隠居生活で空気の澄んだ
>山奥で霞を吸っているようなそんな印象でした
ぼくは今回の紙ジャケのライナーで知ったのですが、かれはずいぶん都会の生活に嫌気がさしていたみたいですね。
『イノセント・エイジ』の「懐かしき恋人の歌」でも「演奏旅行は地獄のようだった」と歌われていますから、都会の喧騒とツアーに明け暮れる毎日はかれには耐えがたかったのでしょうね。
>もうすぐ紙ジャケが同じタイトルでリイシューされるとか
思ったより早く店頭から消えてしまったのでしょうね。
日本では「ロンガー」ぐらいしかヒットがなかったので知名度はイマイチだと思ってたんですが、紙ジャケを機にかれの音楽がもっとひろく愛されるとうれしいですね。
>ダンの生き方は本当の意味で、アメリカの良心に基づいた者の生き方だったのだ
>と思います
たしかにおっしゃるとおりかも知れません。
ジャクスン・ブラウンのように政治的な活動をする方法もあると思うのですが、かれらしい静かな選択だったと思いますね。
『イノセント・エイジ』にかんしては下のトラックバックのところにも表示されてる「追悼:ダン・フォーゲルバーグ」という12月23日の記事に書いてますので、お暇なときにご覧いただけると幸いです。
これからもよろしくお願いいたします。
by parlophone (2008-03-10 22:05)