ポール・サイモン・ソング・ブック [アメリカン・ロック]
サイモン&ガーファンクルの紙ジャケ・シリーズの第2弾がリリースされた。
今回はそのなかから『ポール・サイモン・ソング・ブック』をご紹介しよう。
このアルバムについては初CD化された2004年8月に日記版の「DAYS OF MUSIC & MOVIES」で取り上げているのだが、現在この記事は非常に読みにくい状態になっているので、まずその本文を再録させていただきたい。
アナログ盤でリリースされたものの、本人の意向で回収された幻のレコードがついにCD化された!
しかも2曲のボーナス・トラックつきで。
いやあ、うれしいことです。
このレコードはポールが単身渡英していた1965年に吹き込まれたもので、リリースもアメリカではされずに、英国と日本だけ(?)だったらしい。
ぼく自身、リアルタイムでは、ポールのアコースティック・ギター1本による弾き語りという、その地味さゆえにほとんど興味を持たなかったのだが、いつまでたってもCD化されないと(どうやら噂ではポール本人がCD化を拒否していたらしい)、やっぱり聞いてみたくなるものだ。
さて、手に入れて聴いたその第一印象は……。
す、すばらしい!!
ポールが回収を望んだりCD化を拒否した理由も、聴いてみてよくわかった。
ほんとうにアコギ1本で、ミックスも何にもしてないのだ。
モノラルだし、ヴォーカルはやたらとオンだし、これはもうほとんどスタジオ・デモ・テイクという趣である。
ところがそれがすばらしいのだ。
たとえば2テイク収められている「アイ・アム・ア・ロック」のtake-6のほうや、「サウンド・オブ・サイレンス」では、ポールが足を踏み鳴らしながら唄っている。
そこには珍しくポールの心情がむき出しになっている。
それからサイモン&ガーファンクルのアルバムではチェレスタなどが加えられた「木の葉は緑」や「とても変わった人」も、詩のもつ意味がダイレクトに伝わってくるように感じた。
一時期ぼくのオハコだった「キャシーの歌」もまた、しんみりとした味わいがある。
いいなあ……。
ちなみにジャケットの女性が、そのキャシーです。
このやろ、ディランの「フリーホイーリン」に対抗しただろ!
(2004/08/09の記事より転載)
今回の紙ジャケは上記のUK盤を復刻している。
当時リリースされた国内盤のほうはひげを生やしたポールの顔を下から見上げた、こちらも印象的なジャケットだったが、残念ながらこちらは復刻されなかった。
ところで2004年にリリースされたプラケのジャケットと今回のジャケットはデザインが違っている。
どうやらUK初盤のジャケットは裏焼きだったようで、2nd イシューのジャケットはポールとキャシーの位置が入れ替わっている。
プラケは1st イシューのジャケットを復刻して、2nd の画像はケースの裏にモノクロで掲載してあった。
今回の紙ジャケはこの2nd イシューのデザイン(つまり初盤のミスを修正した)仕様になっていて、1st のデザインはブックレットで復刻する形をとっている。
ジャケットはコーティングのないE式のシングル・スリーヴで、カタログ・ナンバーだけが記載された白のインナーが復刻されてついている。
CDのレーベルはUK コロンビアのオレンジ・レーベルをイメージしたものになっている。
遼さん、こんばんは。
これ、ずっと欲しいと思ってたアルバムでして、
紙ジャケCDになるって聞いて、今度こそ買おうって思ってました。
もうリリースされたんだ。
っていうか、もう9月ですもんね(汗)
買いに行かないと・・・
遼さん、僕に悪魔の囁きやめて~(笑)
by DEBDYLAN (2007-09-08 00:15)
遼さん、こんばんは。
久留米在住です。滅多にコメントを書き込みませんが・・・
この「ソング・ブック」はリアル・タイムで友人がLPを所持しており、手に入れたかったけど、余裕が無く、ついつい忘れ去っていたので、CD化された時、慌てて輸入盤をタワーレコードに注文して購入しました。(日本版が出るとは思いませんでしたからね)
またリアルタイムで聞いた時の、あのシンプルさというか、弾き語りのギター一本での演奏が耳に残っていたし、当時、強烈な印象を受けました。
ジャケットは昔のポールの下からショットが良かったと思っていますが、この女性がキャシーだとは、遼さんのコメントで初めて知りました。
今晩、たまたま久留米のタワーレコードに行ったので、新装紙ジャケを見てきました。本家のビートルズ関係が秋にはあれこれと発売されるようですから、困っちゃいますねぇ~。
by Jun-Chan (2007-09-08 00:53)
DEBDYLANさん、nice!&commentありがとうございます。
>ずっと欲しいと思ってたアルバム
さすがですね~。
ぼくはリアル・タイムではちっとも欲しいとは思わなかったんです。
サイモンとガーファンクルのあのハーモニーこそが素晴らしいと思ってましたから。
40になって、もう一度きちんとギターをやろう、と思ってから俄然興味が出てきたアルバムでした。
でもほんとうにいいアルバムです。
磨かれない原石から光を放つものもあるという、めったにない例だと思います。
すみません、思いっきり囁いてしまいました^^
by parlophone (2007-09-08 01:36)
Jun-Chanさん、どうもお久しぶりです!
>リアルタイムで聞いた時の、あのシンプルさというか、弾き語りのギター一本での
>演奏が耳に残っていたし、当時、強烈な印象を受けました
さすがですね~。
ちょっと聴いただけではとても地味に聞こえるギター1本の弾き語りに強烈な印象を受けるという、感受性の豊かさがうらやましいです!
>ジャケットは昔のポールの下からショットが良かったと思っていますが
リアルタイムで聴いていた方は、みなさん、あの国内盤のジャケ写がよかったっておっしゃいますねえ。
>ビートルズ関係が秋にはあれこれと発売されるようです
そうみたいですね~。
にしても『HELP!』のデラックス・エディションが19,800円というのは、もうあきれて笑っちゃうほどです。
絶対に買いません!!(きっぱり)
by parlophone (2007-09-08 01:54)
遼さん、こんばんは!
先日CDショップで『ポール・サイモン・ソングブック』未開封中古紙ジャケを格安で発見したので、コチラの記事を思い出して購入してみました。
これまで今作は全く聴いたことがなかったのですが、ポールの弾き語りだけというスタイルが却って生々しい歌の世界を感じることが出来ましたね。
以前のCD化の時には全く関心がなかったので、遼さんの記事がなかったら今回も聴くことはなかったでしょう。
ありがとうございました!
あ、当ブログでコチラの記事を文中にリンク貼らせていただきましたので、報告いたします。
by lonehawk (2007-12-01 23:47)
lonehawkさん、コメント&トラバありがとうございます。
もともと安価なSony Musicの紙ジャケが未開封で格安ってうらやましいですねー^^
>ポールの弾き語りだけというスタイルが
>却って生々しい歌の世界を感じることが出来ましたね
ああ、ほんとうにおっしゃるとおりです。
>遼さんの記事がなかったら今回も聴くことはなかったでしょう
お役に立てて何よりです。
いつもlonehawkからは教えていただくばかりなので、恩返しできて幸いです^^
by parlophone (2007-12-02 01:05)