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60年代シングル盤コレクション―その1 インストとワン・ヒット・ワンダー [60年代のシングル盤]

初めて買ったレコードがヴィレッジ・ストンパーズ(THE VILLAGE STOMPERS)の「ワシントン広場の夜はふけて」だったことは、いつだったかこのブログにも書いた。
どうしてこのレコードだったのか、昔のことでもうはっきりとは覚えてないけれど、少しだけ背伸びをしたい気持があったのと、ぼくの周りにも洋楽のシングル盤を買っている友人たちがいたので、彼らとカブらないように選んだということもあったと思う。

   
   (以前も書いたけれどジャケットの左下にあるナンバーはぼくが買ったシングル盤に「1」から
   順に番号をつけていったもので、中古屋に売る際にはマイナス査定の対象になるだろう
   けれど(笑)、こうやって回顧するときにはとても便利だ)

バンジョーをリードに、トランペットやクラリネットが絡んで、今聴いてみてもディキシーランド・ジャズ風のにぎやかだが哀しげな曲調のインストゥルメンタルで、小学生が繰り返し聴きたくなるような曲ではないと思うが、こういう曲がラジオのヒット・チャートで上位を占めたのだ。
1964年の初め、ちょうどビートルズがデビューしたばかりのころで、この曲が1位だったとき「抱きしめたい」がベスト20の下のほうにチャート・インしている。
シングル盤はまだ1枚330円で、エピック・ソニーが誕生する前の日本コロンビア時代のエピック・レーベルだ。

   


もう1曲インストゥルメンタルを…。

   

こちらはザ・カーナビー・ストリート・セットの「口笛天国」。
口笛をフューチャーした曲というと映画『戦場にかける橋』のテーマ曲になった「クワイ河マーチ」やミッチ・ミラー合唱団の「大脱走のマーチ」なんかが有名だけれど、こちらも口笛と手拍子がメインで演奏されるノー天気なインストだ。
口笛ジャック(Whistling Jack Smith)のヴァージョンが有名だが、ぼくが買ったのはなぜか前述のカーナビー・ストリート・セットというバンドのもの。
ジャケットに「自作自演」と書いてあるので、それが理由だったかもしれない。
ただ、この曲調じゃ、だれの演奏でもそう変わり映えはしないだろう(笑。

ところが調べてみると、このカーナビー・ストリート・セットというのはロジャー・グリナウェイとロジャー・クックのバンド(というよりユニット名)らしい。
ホリーズやフォーチュンズ、アーサー・コンレイからニック・ロウまで数々のヒット曲を書いたこのコンビの曲だとは、まったく知らなかった。
1967年夏のヒット曲で、ビートルズの「愛こそはすべて」とトップを争っている。
このころにはシングル盤は370円に値上げされていた。

それにしても原題は「I Was Kaiser Bill's Batman」…「オレは皇帝ウィルヘルムのコウモリ男」??
意味が分かりませ~ん。

これらのグループもワン・ヒット・ワンダーだが、次に紹介するグループもほんとうにその後の消息を聞かない。

最初はドイツのバンドでレインボウズ。

   

このバンドは「バラ・バラ」という有名なナンバー・ワン・ヒットがあるが、ぼくがもっているのはその次のシングルで「恋のビート」。
67年の6月にはトップ・テンに入っている。
毒にも薬にもならないようなごく平凡なロックン・ロールで、どこに魅かれてこんなシングル盤を買ったのだか、まったくわからない。

次はショーケンがヴォーカルを務めたバンド、ザ・テンプターズのカヴァーでもヒットした「今日を生きよう」。

   

日本ではグラス・ルーツのカヴァーが有名だが、ぼくが買ったのはリヴィング・デイライツというバンドのヴァージョンで、どうやらテンプターズの元歌になったのは、このリヴィング・デイライツ版のようだ。
いまでもこの曲を口ずさむと「♪シャーラーララララおまえが シャーラーララララ好きだよ」という日本語詞のほうが出てしまう^^
ステレオ盤だが音はまったくよくない。

最後はザ・マウズ(THE MOUDS)の「ハ・ハ・ハ」。

   

シカゴ出身の5人組のデビュー・ヒットだが、もともとはオーティス・レディングの曲だ。
アップテンポのソウルフルな曲で、間奏のソロはエレキ・ギターだが、ブラスやオルガンも入った、なかなか熱のこもった演奏を聞かせる。
わが国ではこの曲をもち歌にしていたグループ・サウンドのバンドも多かったようだ。
マーキュリー・レーベルのステレオ盤ですでにシングルが400円になっていたころのもの。

   

スリーヴの裏を見ると購入した日付68年10月16日の書き込みがある。
このシングル盤はけっこう人気があるらしく、ネットで検索したら今でも中古レコード店やオークションで取引されているようだ。 


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MASA

今となっては貴重なシングルがありますねえ。
レインボウズは「バラバラ」しか知らないし、「口笛天国」も口笛ジャック・ヴァージョンしか知らないし「今日を生きよう」もグラス・ルーツがオリジナルだと思ってたし、ザ・マウズなんて初めて知りました。いろいろ勉強になりました^^。

私が親にステレオを買ってもらったのは中3の時の1970年と遅かったのでそれ以後のシングルしかなく、60年代の珍しいシングルをリアル・タイムで集めていた遼さんが羨ましいです。

私が初めて買ったシングルは忘れもしません。ショッキング・ブルー「悲しき鉄道員」、クリスティ「イエロー・リバー」、シルヴィ・ヴァルタン「悲しみの兵士」、クリフ・リチャード「燃ゆる乙女」、ソルティ・シュガー「走れ!コータロー」の一挙5枚でした(笑)。
今度私も自分のブログで取り上げてみようかと思います^^。
by MASA (2007-04-28 00:03) 

parlophone

MASAさん、どうもです。
この記事を書くために調べたら、「今日を生きよう」はもともとはイタリアのROKESというバンドのオリジナルみたいですね。

うちは父親がもともとベートーヴェンが好きで、生まれたときにはすでに電蓄があったので、シングル盤はずいぶん小さいころからよく聴いていました。
自分で買うようになったのは小4のころですが、ハリー・ベラフォンテを初めとしていろいろなシングル盤を聴いてましたね。

>私が初めて買ったシングルは…

手元の資料によると70年10月のポップス・ベスト20で「悲しき鉄道員」が第1位、「悲しみの兵士」が5位、「イエロー・リバー」が14位になってますが、ぼくは1枚も持っていません^^
「走れ!コータロー」は72年ぐらいのイメージだったんですが、70年だったんですね~。
MASAさんの記事も楽しみです^^
by parlophone (2007-04-28 01:28) 

MORE

なんでTurkish Delightが「ウィーンの夜はふけて」になるのか
さっぱりわかりませんが…(爆)

Rainbowsってあの頃日本では結構人気ありましたが、ヨーロッパでは
どうだったんでしょうね?ドイツを含むヨーロッパの60年代のヒット物コンピ
盤なんかでも収録されているのを見たことがありません。

ザ・マウズっての、知りませんでした!
っていうか、R&B”ブルーロック”シリーズってのが泣かせますねー。

いやー、昔のシングルは奥が深い!
by MORE (2007-04-28 01:46) 

parlophone

>なんでTurkish Delightが「ウィーンの夜はふけて」になるのか

言われてみれば確かに^^
「トルコ風の喜び」??
オーストリアってオスマン・トルコかなんかと関係ありましたっけ?

レインボウズは国内盤のコンピには収録されてるみたいですね。
ヨーロッパではどうなんでしょ?
まったく答えになってませんが(笑。

>R&B”ブルーロック”シリーズってのが泣かせますねー

マーキュリー・レーベルのなかにR&B専門のブルー・ロック・レーベルというのがあったみたいですね。
ザ・マウズは歌唱力も演奏力もなかなかレベル高くてOKでしたよ^^
by parlophone (2007-04-28 19:29) 

parlophone

自己レスです^^;

なぜTurkish Delightが「ウィーンの夜はふけて」なのか。
なんとなくわかりました。
この曲の原曲はモーツァルトのピアノ・ソナタ、俗に「トルコ行進曲」といわれているやつです。
モーツァルトといえばウィーン。
それでトルコ→ウィーン
ということなんでしょう。
違うかな?(笑
by parlophone (2007-04-29 14:58) 

tsukikumo

こんばんは初めまして
リビング・デイライトの「今日を生きよう」は、どこの廃盤屋でもよく見まけます。一方グラスルーツ盤はあまり見ません。
かすかな記憶でも67~8年当時はデイライト盤の方がラジオでよく掛かってたような気もします。
現在、グラスルーツ盤の方が何故有名なのかと勝手に推測すると、69年だったか、彼らが在籍していたダンヒルレーベルの配給権がビクターから東芝に移動するのですが、この際の東芝側の陰謀じゃないかと邪推するわけでして・・・
P.F.スローンの「孤独の世界」同様、「今日を生きよう」も東芝で速攻再発されていました。自分が持っているのもこの時のものです。まぁ、ビクター時代にはほとんど売れなかった(らしい)、「孤独の世界」も再発のおかげで大ヒットするわけですが・・・

話が変わりますけど「ハ、ハ、ハ」ってたしかリンド&リンダースがカバーしてましたよね。あれと同じ曲かなぁ?同名異曲ならスイマセン。
by tsukikumo (2007-04-30 03:12) 

parlophone

tsukikumoさん、はじめまして。
遼(parlophone)と申します。
今後ともよろしくお願いいたします。

>かすかな記憶でも67~8年当時はデイライト盤の方が
>ラジオでよく掛かってたような気もします

ぼくはそのへんの記憶が曖昧になっているのですが、資料を調べてみると68年2月の月間ベスト20で「今日を生きよう」が第5位に入っているんですが、それはグラス・ルーツ盤なんですよね。

>東芝側の陰謀じゃないかと邪推するわけでして・・・

それが事実だとするとじつにおもしろいですね^^

>「ハ、ハ、ハ」ってたしかリンド&リンダースがカバーしてましたよね

あ、たぶんそれだと思います。
リンド&リンダースって全然知らないんですが、そういう記事を読んだことあるような気がします。
by parlophone (2007-04-30 15:25) 

fnois

懐かしいですね!
5枚のシングルのうち2枚を今でも持っています。1枚はワシントン広場・・ですこれは、小6(1964年)の時にポータブル電蓄を親から買ってもらった時に、何を勘違いしたかダークダックスの日本語版を聞いていたのですがこっちを買っちゃいました。他に一緒に買ったのははビートルズのプリーズプリーズミー、夜のプラットホーム(タンゴ)、古城(三橋美智也)等であまりに節操のない選び方でした。
もう1枚は今日を生きようですこれは中3の時にグラスルーツと迷ったのですが
イントロがとても気に入ってリビングデイライツを選びました。
by fnois (2009-10-22 20:02) 

parlophone

fnoisさん、こんばんは。
はじめまして。
ようこそいらっしゃいました。

ほぼ同年代の方とお見受けしました^^
でも、ぼくの周りの同年代の方で「ワシントン広場の夜はふけて」のシングル盤をもった人はいなかったので、すごくうれしいです。

それにしても
>プリーズプリーズミー、夜のプラットホーム(タンゴ)、古城(三橋美智也)
とはすごい組み合わせですね。
じつはかねがね思っていたのですが、三橋美智也って三味線の腕前も一流ですが、歌も本当にうまい人ですよね。
子ども心にもすごい人だな~と思ってました。

>イントロがとても気に入ってリビングデイライツを選びました

えー、リヴィング・デイライツとグラス・ルーツってイントロが違うんですか。
それは知らなかったなあ。
YouTubeとかで探したら両方見つかるかしら。

なにはともあれ、今後ともよろしくお願いいたします。
by parlophone (2009-10-22 23:06) 

fnois

グラス・ルーツとリヴィング・デイライツのイントロの違いはタン・タン・タラーラ/タン・タン・タラーラをグラスはそれこそ淡々とやっているのですがリヴィングはタラーラの部分をチョーキングで弾いているところが私にとって当時は新鮮で何とも言えなく好きでした。今はどうと言う事はないですけどね!
それにしてもワシントン広場のジャケットは綺麗ですね私のは(45年前購入)大分くたびれています。
parlophoneさんは大事に保管しておいて下さい値打ちがでるかも?
by fnois (2009-10-27 11:10) 

parlophone

fnoisさん、こんばんは!

>リヴィングはタラーラの部分をチョーキングで弾いている

先ほど聴いてみましたが、ほんとうですね。
1小節目はふつうのフィンガリングで2小節目がチョーキングなんですね。
まったく気づきませんでした。
あらためて聴いてみると、ちょっとエキゾチックな感じもして、なかなかいいイントロだと思いました(笑。

>私のは(45年前購入)大分くたびれています

ぼくのもたぶん買って44年か5年は経っていると思います。
けっこうシワシワですよ。
値打ちが出るかな~(笑。
by parlophone (2009-10-28 00:30) 

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