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『サンタナ』 レガシー・エディション [アメリカン・ロック]

サンタナの1st アルバム『SANTANA』(以後『』と表記)のレガシー・エディションをやっと手に入れた。
じつは昨年の7月にエアロの『闇夜のヘヴィ・ロック』と『ロックス』を20%オフで購入したとき、この『』のレガシーも同じ2割引で並んでいたのだが、そのときは将来紙ジャケが出るだろうから、そのあと考えよう…と思って見送ったのだった。

   

でも、ねこだむさんが『』や『』のレガシー・エディションの面白い聴きかたを教えてくれて、やっぱり買わなくちゃなあ…と思っていたところだった。
今回はDVD&HDDレコーダーを買ったときのAmazonの割引クーポンを利用した。
う~~ん、得した気分^^

さて、これで『』のCDは3セットになってしまった(涙。
98年のナイス・プライス・シリーズ、今年の紙ジャケ、そして2004年リリースのレガシーだ。

   


わが国では「ブラック・マジック・ウーマン~ジプシー・クイーン」で人気がブレイクしたから、どうしても『ABRAXAS 天の守護神』のイメージが強いけれども、あらためて調べてみると『』もすごいアルバムなのだ。
『ビルボード』ではリリース直後の1969年9月にチャート・インして最高4位、トータル108週というから足掛け3年もアルバム・チャートにランクされていたのだ。
畏るべし、サンタナ…。

今回はまずパッケージングから比較していこう。

レガシー・エディションはおなじみのデジ・パック仕様で、バンドのメンバーのデビュー当時の若々しいショットがたくさん見られる。

   

チェピートも若いねえ(笑。
そしてぼくの大好きなマイケル・シュリーヴ(当時19歳!)が相変わらずかっこいい。

ブックレットは紙ジャケには付属していないので、98年版とレガシーで比較してみよう。

   

レガシー版(右手前)はデジパックに収納するせいで、わずかに版型が小さい。
どちらもモノクロ(レガシー版はセピア色)で、カラーなのは最後のオリジナル・アナログのバック・スリーヴの写真だけだ。
98年版は12ページ、レガシー版は20ページなので、以前は見ることのできなかった写真が載っている。

   

ただ、『』のカヴァー・アートを担当したリー・コンクリンが手がけたフィルモア・ウエストのコンサート用ポスターの画像が小さくなってしまったのは残念だ。

   

レーベルは紙ジャケがオリジナルのアナログ盤をイメージしたものなので、ほかの2枚とはまったく違っている。

   

気になる音については、レガシー版は2004年デジタル・リマスター、紙ジャケは2006年のDSD デジタル・リマスターとなっている。

両者を比較してみたが、結論からいうと明確な違いはぼくにはわからなかった。
おそらく紙ジャケは、レガシー版のリマスターをほとんどいじらずにDSDに落としただけなのだろう。

ただ、音圧が違うのでヴォリュームが同じ大きさになるようにして比較すると、(単なる気のせいかもしれないけれど)紙ジャケのほうがやや音楽が平板で、レガシーのほうが躍動感に溢れているような気もした。
もともとぼくはDSDマスタリングの音が好きなので、これは意外だった。

最後に音源について書いておこう。
(今ごろになって書いても、みなさん周知のことばかりで気が引けるのだが…笑)
2枚のディスクには1969年1月下旬から8月中旬までの7か月の音源が収録されている。

まずDisc-2に収められた最初の6曲は、69年1月27~29日にデイヴィッド・ルービンスンのプロデュースで行われたファースト・レコーディング・セッションの模様で、幻の1st アルバム『FREEWAY JAM』のためのセッションといわれている。
ここでは「ジンゴー」、「ソウル・サクリファイス」、そしてウッド・ストックでも演奏された「Fried Neckbones」のアーリー・ヴァージョンが聴ける。
まだドラムのマイケルもパーカッションのチェピートも参加する以前の音源だからそれなりの演奏なのだが、カルロスのギターも試行錯誤するのように躊躇いがちなのがおもしろい。

Disc-1には同じ69年の5月にレコーディングされたオリジナルの『』全9曲と、アウト・テイク3曲が収録された。
この3曲は『レガシー・エディション』で初めてお披露目されたもので、「ソウル・サクリファイス」(テイク4)もおもしろいけれど、「Studio Jam」と題された曲のグレッグ・ローリーのピアノの美しさといったら!

   

そして最後にDisc-2の後半は、同年8月のウッド・ストック・フェスティヴァルで演奏された全7曲が完全収録されている。
このうち3曲は、すでに98年版で公開されていたが、残りの4曲は完全な初リリースだ。
何度聴いてもウッド・ストックのサンタナはすごいですね。
まだ『』のリリース前なのに、聴衆が熱狂したのがよくわかるすばらしい演奏だ。
(ちなみに台風13号のときカーステレオから流れてきた「ジンゴー」はこいつです^^)


タグ:サンタナ
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MORE

Santanaのアルバム買ったのは最初で最後の(唯一の)このファーストでした。
CBS/SONY盤でしたが、音は良かったですよ。SX-68とかいう奴ですか?
その後はご存知の通り日本では人気が出て、ロック喫茶で耳タコになるくらい聴きましたっけ…(だから自分では買わなかった、というか買う必要もなかった?)
まだレガシー・エディションは聴いていませんが、友人に大ファンがいますので…(爆)
私もサンタナのドラムスといえばやはりマイケル・シュリーヴが好きです。ウッドストックでの演奏シーンでノックアウトされました。(みんなそうでしたよねー、あの映画を当時観た人は)
カルロスのあの神業的に微妙にチューニングのずれたギターの音色って時々無性に聴きたくなります。(爆)
上手いとかとかなんとかではなくって「自分の音色」を持っているギタリストって尊敬します。
サンタナのこのファースト、一言で言うと「熱い」ですね。
by MORE (2006-09-25 09:05) 

路傍の石

このサンタナ1stのレガシー・エディションは、紙ジャケ買うんだったら音源のレア度からいってもこっちだなと判断して(笑)、拙は3ヶ月前に入手しました。

サンタナ初期の作品群のなかで、最も原初的で生の迫力を持ったのがこのアルバムだと思います。楽曲的な充実度ではその後に比べてやや劣るけど、ゴリ押しで迫るこれぞサンタナ!といったところに愛着を感じますね。

それにしても、ウッドストックの音源がコンプリートであるのだから、映像も完全版で存在しないもんですかねぇ。
by 路傍の石 (2006-09-25 20:07) 

parlophone

>私もサンタナのドラムスといえばやはりマイケル・シュリーヴ
>ウッドストックでの演奏シーンでノックアウトされました

ですよね~。
たった一夜で名声を確立したといえば、
58年のニューポート・ジャズ・フェスのマイルズ、
67年のモンタレー・ポップ・フェスのジャニス、
そして69年のウッドストックのサンタナ…
この3組が伝説ですよね~
(なんかこういう話ってほんとワクワクしてしまいます^^)

>カルロスのあの神業的に微妙にチューニングのずれたギター

う~ん、そうなんですか?
MOREさん耳がいいなあ^^;

それとロック喫茶に出入りされてたんですね。
ぼくはジャズ喫茶は入り浸りましたが、ロック喫茶って入ったことないなあ…。
by parlophone (2006-09-25 21:09) 

parlophone

>1stのレガシー・エディションは、紙ジャケ買うんだったら音源のレア度からいっても
>こっちだなと判断して(笑)、拙は3ヶ月前に入手

さすがです!
それこそ音楽愛好家の鑑!
紙ジャケって音源的には98年のナイス・プライス・シリーズとまったく同じですからね~。

>最も原初的で生の迫力を持ったのがこのアルバム

ですよね~。
プリミティヴな情動みたいなものを動かされてしまいます!!

>映像も完全版で存在しないもんですかねぇ

う~ん、見たいですが、可能性はすごく低いんじゃないですかねえ…。
by parlophone (2006-09-25 21:14) 

ねこだむ

お久しぶりです。遼さん
今は、サンタナはの初期からムーンフラワー辺りまでしかきいてませんね。
この頃が一番パワーも在りましたから。
ついにファーストのレガシーを買ったんですね。
これはいいですよ。
音源は紙ジャケのほうの音源を聴いてますが、聞き比べてみたらさほど大きな差は在りませんでした。

このレガシーはオリジナルと未発表となったファーストとの聞き比べです。
メンバーもチェピート、シュリーブが入る前のメンバーで、97年リリースされた「live at the Fillmore‘68」の時のメンバーです。
こちらと未発表のファーストの方はブルースロックといった感じでしょうか。

後「Ⅲ」のレガシーの方は、「Gumbo」が「Batuka」と曲のイメージ似てました。
後2曲の未発表曲が有ります。そちらはトロピカルな感じですが、長いです。
by ねこだむ (2006-09-26 19:10) 

lonehawk

遼さん、こんばんは!
過去記事ですが、ワタシもこのレガシー・エディションのことを書いてましたので、TBさせて頂きました。

そういえばワタシの本格的なサンタナ体験はコレからはじまったんだっけ、と遼さんの記事を拝見して思い出しました。
それから紙ジャケを買ったり、色々なライヴ映像を楽しんだりと、今年だけで相当サンタナの世話になっています。
でもやっぱり初期の熱気溢れるライヴは最高ですね。

ここに収録されたウッドストックの音源や、『Ⅲ』のレガシー収録のフィルモアのライヴとかを聴いていると、もっと初期のライヴが聴きたい衝動に駆られます。
by lonehawk (2006-09-26 23:07) 

parlophone

ねこだむさん、お久しぶりです。
これからスタジオ録音とライヴをまぜて「ムーンフラワー」状態にして聴いてみましょうかねえ^^

>97年リリースされた「live at the Fillmore‘68」

これもかなり気になる音源ですね!

『Ⅲ』のレガシーはもう少し先になると思いますが、たぶん買うはずです。
そのときはまた記事にしますので、よろしくお願いしますね。
by parlophone (2006-09-26 23:35) 

parlophone

lonehawkさん、トラバ&コメントありがとうございました。
さっそく記事を読んでみて、コメントしたことも思い出しました^^
そうか~、初サンタナだったんですね~。

>もっと初期のライヴが聴きたい衝動に駆られます

路傍さんがコメントされていたように、ウッドストックの完全映像とかがあればすごいと思うんですけどね~。
by parlophone (2006-09-26 23:38) 

ねこだむ

こんばんは。
スタジオとライブのムーンフラワーのような聴き方いかがでしたか?
私もサンタナファーストは、それで聴いてます。
私の場合は9曲のうちの5曲はライブ録音にしてます。
もちろんSoul Sacrificeはライブ録音です。
グラハムの「This Is Gentlemen Santana」のアナウンスで、始まって終わる形がなんともいいですね。
「Ⅲ」のレガシーのライブの方は、録音の環境が良くなかったのか、音があまりよくないみたいです。 

そういえば遼さんのコメントの左横にある写真何処かでみたことあるような・・・?
by ねこだむ (2006-10-02 23:08) 

parlophone

ねこだむさん、こんばんは~。

>スタジオとライブのムーンフラワーのような聴き方いかがでしたか?

いやあ、おもしろいですよ!
ふつうサンタナというと圧倒的にライヴというイメージがあるんですが、スタジオ録音も情熱とその裏側にある凛とした美しさを捉えているようで、初期からただならぬバンドだったことがよくわかります。

『Ⅲ』のレガシー収録のライヴは、以前からレコーディング状態がよくないことがアナウンスされてましたね。
ぼくがなかなか『Ⅲ』に手が伸びないのもそこにちょっと躊躇いがあるからなんです。
歴史的なライヴであることはよくわかってるんですが…。


>遼さんのコメントの左横にある写真

これはぼくのプロフィール画像として使わせてもらっているエリック・ドルフィーという人の画像です。
「ジャズの愛聴盤」コーナーの『真夏の夜のジャズ』のところでも紹介しました。
ぼくがもっとも愛するジャズマンのなかのひとりです^^
by parlophone (2006-10-02 23:25) 

カルロス

YouTubeでん年ぶりにWoodstockのSantanaのLive見ました。
曲はSoulSacrificeでサンタナが格好いいです。
ドラムのマイケル・シュリーブもかわいいです。
ジミヘンもすごいです。Ten Yeas Afterのアルビン・リーの
マシンガンピッキングもガンガンです。
やはりあのWoodstockは伝説のコンサートですね。
ほんとうに懐かしい!
あのときはまだ高校生でRed ZeppelinやGFR(わかります?)
なんかにしびれていました。あの時代を経験できてよかった思います。
by カルロス (2009-08-17 09:21) 

parlophone

カルロスさん、こんにちはー。
初めまして、ですよね?
間違っていたらごめんなさい^^;

ウッドストックを映画館に見に行ったときはぼくも高校生でした。
サンタナ、ジミ、TYA、ザ・フー、CSNY(ニールはほとんど写りませんでしたが)、スライ、リッチー・ヘヴンス、ジョン・セバスチャン、アーロ・ガスリー…
もうほんと興奮しまくりでしたね(笑。

>ドラムのマイケル・シュリーブもかわいいです

このころのマイク・シュリーヴってキース・ムーンの全盛期みたいにかっこよくないですか?
ぼくはもう大好きですね^^

>GFR(わかります?)

わかりますよー。
かれらの「ロコモーション」がまた最近CMで流れてますよね^^

>あの時代を経験できてよかった思います

ほんとそうですねー。
またよかったらお寄りくださいませ♪
by parlophone (2009-08-17 17:18) 

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