『ロックン・ロール』 ジャケットの変 [BEATLES]
「『リヴォルヴァー』 国内盤ジャケの怪」(2005年8月3日)、
「『アンソロジー』 ジャケットの謎」(2005年12月18日)に次ぐ、ビートルズのジャケット・シリーズ第3弾、「『ロックン・ロール』 ジャケットの変」をお送りしましょう。
え、シリーズだったのかって?
あはは、ぼくも今日まで知りませんでした^^;
でも、2回じゃシリーズとはいえませんが、3回続けばりっぱなシリーズですよね(笑)。
さて、おなじみ『ロックン・ロール・ミュージック』のこのジャケット、どこか変ですよね?
うちのブログに遊びにいらっしゃる方はけっこうコアなビートルズ・ファンの方が多いので、そういう方はすぐに気づかれたと思うんですが、答えあわせの前にちょっとこのアルバムについておさらいしておきましょう。
アルバム『ロックン・ロール・ミュージック』はビートルズの解散から6年後の1976年、米キャピトルの企画でリリースされたコンピレーション・アルバムで、その名のとおり初期のカヴァーから後期のヘヴィなナンバーまで28曲を収めた2枚組のアルバムです。
当時ビートルズにほとんど興味を失くしていたぼくは、「新しいアルバム?へえ~」みたいな冷ややかな感じでこのアルバムのニュースを聞きましたが、音源だけは友人のパートナー(22ぐらいの可愛い方でした^^)から借りてカセットにコピーし、ときどきベッドで聴いたりしていました。
さてこのアルバムのデザインは、日系のロイ・コハラが担当し、イラストレーションを描いたのはイグナシオ・ゴメス。
当時アメリカで流行だったスーパー・リアリズム(だったかな?)の手法で描かれています。
(ちなみにスーパー・リアリズムをフランス語で言うとシュール・レアリスムですが、意味するところはまったく別の芸術運動ですよね。まぎらわしいなあ~。)
フロント・カヴァーの絵は、US盤『SECOND ALBUM』のジャケットなどを飾った有名な写真を元にゴメスが描いたのでしょうが、バック・カヴァーは想像で描かれたものです。
(よく見るとリンゴのスティックの持ちかたが違うので別テイクの写真でしょう)
このジャケット、一般的に評価はどうなんでしょうか?
フロント・カヴァーの絵はポップな感じがしてなかなか素敵だとは思うんですが。
ずいぶんあとになってこのアルバムを手に入れたぼくは、バック・カヴァーの絵が気持ち悪くてしかたがありませんでした。
今でもこの絵は大嫌いです…。
ではそろそろ種明かしを(笑)。
じつは上の2枚の画像、左のフロント・カヴァーは本物ですが、右のバック・カヴァーはぼくが偽造したフェイク・カヴァーなんです。
アルバム・タイトル『ROCK'N'ROLL Music』の「Music」がリンゴの頭で隠れているところがミソ^^。
ゴルァ、フェイクを載せて何が「変」じゃ、ええ加減にせえよ~!!とお怒りの方もいらっしゃるかもしれませんが、これには深~い訳が…。
このアルバムをお持ちの方ならみなさん気がついていらっしゃると思うのですが、このバック・カヴァーのイラスト、見事に遠近法を無視して描かれているのです。
遠近法-ルネサンスに生まれたこの描画法は今では小学生でも知っていますからあらためて説明する必要もないとは思いますが、人間の目には遠くのものは小さく見え、近くのものは大きく見えるという性質を利用した画期的な技法だったわけです。
ところがこのアルバムの場合、フロント・カヴァーとおんなじ比率でバック・カヴァーを描いてしまったために、一番近くにいるはずのリンゴの姿が小っちゃいままなんですね。
イグナシオ・ゴメスがどんな気持ちでこのバック・カヴァーの絵を描いたのか知りませんが、内心では不本意だったでしょうね~。
案外、「メンバーの中でリンゴが一番小さいんだから、ま、いいか」みたいな適当な気持ちだったりして(笑)。
ぼくが偽造したバック・カヴァーは、遠近法の技法に則ってリンゴの姿を一番大きくしたもので、そのため「Music」の部分が隠れてるんですね。
さて、下の画像がオリジナルのバック・カヴァーです。
ね?
一番近くにいるリンゴが一番小さい。
あらためて眺めると気持ち悪いでしょう?(笑)。
こんばんは〜
せっかく遼さんが偽造(笑)した画像が見えないんですけど...
しかしバック・カヴァーはどう見てもポールが一番手前に見えますなぁ。
あまり気にしてませんでしたがこれは言われてみれば確かに変ですなぁ。
by タコ星人 (2006-02-16 23:30)
あれ~、見えませんか?
おかしいな、自分のブラウザではたしかに表示されてるんですが…。
>どう見てもポールが一番手前に見えますなぁ。
あ、ほんとですね。
気がつきませんでした(笑。
ただ単にリンゴが小さいだけかと思ったら、たしかにポールが一番手前に見えますね^^
by parlophone (2006-02-16 23:47)
>せっかく遼さんが偽造(笑)した画像が見えないんですけど..
(遼)さん、タコ星人さん、今晩は。
僕のPCではちゃんと見られますよ。何でだろう?
いやあ、それにしても面白いネタですね。
何気なく見ていたら見逃してしまうような(単にお前に観察力が無いだけ、と突っ込まれそうですが)気持ち悪さが凄いですね。
by 白熊音盤店 (2006-02-17 00:18)
あー、遼さんスルドイ!指摘されるまで全く気が付きませんしたよ。
さすがに伊達に絵がお好きなわけじゃないですね(笑)。
「REVOLVER」も「ANTHOLOGY」もこれもみんなイラストってところが共通点ですからね。
by MASA (2006-02-17 00:47)
白熊音盤店主人さん、こんばんは。
ちゃんと見れてますか。
それはよかった。
>いやあ、それにしても面白いネタですね。
>何気なく見ていたら見逃してしまうような気持ち悪さが凄いですね。
やっぱり気持ち悪いでしょ?
ねえ、どんな気持ちでこのイラスト描いたんでしょうねえ。
by parlophone (2006-02-17 01:13)
>指摘されるまで全く気が付きませんしたよ。
あ、そうなんですか。
いや~、みなさんに喜んでもらってるみたいで、わざわざ時間かけてフェイク・カヴァーを作った甲斐がありました^^
by parlophone (2006-02-17 01:15)
わあ・・・
私にとっては文献の中のアルバム、という位置づけのものを、
リアルタイムで聴かれていた遼さんがうらやましいです。
これがリリースされたときの息吹、というものを体験された、
ということが。(よく見ると1976年だから、私がビートルズにハマっている
頃でした。ホワイトアルバムやジョンのソロを食い入るように聴いてた
頃なのに、このアルバムのリリースは知りませんでした。中学生では
情報も乏しかったのでしょうね)
しかし、偽造技術?の素晴らしさには恐れ入りました(笑)
そこで、遼さんにリクエストがあります。
ビートルズ解散時の衝撃、または、ジョンが「GOD」で「I don't believe in BEATLES」と歌うのを聴いたときの気持ちなどを、いつかUPして
いただけたらな、と。私は完全な後追い世代なので、ティーンエイジャーで
リアルで体験された方のお話が聞いてみたいのです。
な~んて、人さまのブログにリクエストなんて図々しいですねm(__)m
ちょこっと頭のスミに入れておいてくださいね♪
by satomi (2006-02-17 22:14)
>1976年だから、私がビートルズにハマっている頃…
>ホワイトアルバムやジョンのソロを食い入るように聴いてた…
>中学生…
いいですね~。
ぼくがビートルズにハマっていたのも中学生から高校生のころ。
時代はちょっと違いますが(笑、年齢的には同じような時期に
同じようなものを聴いてたんですね。
さすがビートルズ!!
>ビートルズ解散時の衝撃、または、
>ジョンが「GOD」で「I don't believe in BEATLES」と歌うのを聴いたときの気持ち…
了解です。
何回かあちこちに書いたことはあるんですが、
今度ちょっとまとめましょう。
satomiさんのリクエストとあらばお応えしない訳にはまいりません^^
by parlophone (2006-02-18 14:10)