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追悼―ボブ・ワインストック [追悼]

米3大ジャズ・レーベルのひとつといわれるプレスティッジの創始者であるボブ・ワインストック Bob Weinstockが亡くなった。

朝日新聞の記事を引用する。

ボブ・ワインストックさん(米国のジャズレーベル「プレステッジ」創設者)
 ニューヨーク・タイムズ紙(電子版)によると、14日、米フロリダ州のホスピスで糖尿病の合併症で死去、77歳。
 レコード店経営を足がかりに、49年にプレステッジを創設。72年に売却するまで、「クッキン」「ワーキン」などのマイルス・デイビスの代表作やジョン・コルトレーン、エリック・ドルフィーらの作品を手がけた。

  
  (プレスティッジのレーベル。ただしこの画像は国内復刻盤のもの)

この記事を読んで驚いたことがふたつある。

ひとつはその若さ。
ぼくがジャズを聴きはじめたのは70年代の初めだから今から35年ぐらい前のことのなるが、そのころワインストックは40代になったばかりだったのだ。

プレスティッジといえば、有名なマイルズ・デイヴィスのマラソン・セッションやソニー・ロリンズの畢生の名作『サキソフォン・コロッサス』、コルトレーンの『ソウル・トレーン』を初めとする数々の名盤を世に送り出した名門レーベルという印象があったから、もっとずーっと年配の人かと思っていた。
けれども計算してみると1929年生まれということになるから、プレスティッジを始めたときは19歳だったのだ!
信じられん…。

でも考えてみれば、そもそもジャズというのがまだ若い音楽なんですね。
コルトレーンにしたって偉大な業績を遺したジャズ・ジャイアンツというイメージだったから、ずいぶん以前に亡くなっていたような気がしていたが、よくよく考えてみるとぼくがジャズを聴き始めるわずか5年前までは生きていたのだ。

これを現在に置き換えて考えると、5年前といえば中澤裕子が卒業してモー娘。に高橋愛、紺野あさ美、小川麻琴、新垣里沙の4人が加入したころだ。
ごくごく最近じゃないか!!(←どういう喩えかよくわからん…という批判はごもっともとして)

記事を読んでもうひとつ「おっ」と思ったのはマイルズ、コルトレーンと並んでドルフィーの名前があったこと。
いやあ、そんなメジャーな人だったんですかね。
うれしいなあ^^

さて、プレスティッジの全アルバムのなかでぼくが演奏の中身はもちろん、ジャケットもすばらしいと思うのがこれ。

  
  (ジャケットのデザインはブルーノートでおなじみのリード・マイルズ)

マイルズ・デイヴィスの『バグズ・グルーヴ』だ。
A面にモンクとの有名なクリスマス・イヴの喧嘩セッション、B面には若き日のロリンズを従えたクインテットの演奏が収められている。
A面に収められた1954年12月24日のスリリングな演奏はいうまでもないが、B面もちょうど2年後に『サキコロ』を吹き込むことになるロリンズの、「Oleo」「Airegin」「Doxie」という著名なオリジナル曲がレコーディングされていて、若き日の才気煥発で溌剌としたプレイを満喫することができる。

このアルバムを世に送り出したときワインストックは25歳。
すばらしいプロデューサーである。

ご冥福をお祈り致します。


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NO NAME

音楽スキなのね
by NO NAME (2006-01-19 16:10) 

parlophone

>音楽スキなのね

ええ、そうなんですよ^^
って、きみはだれだ~。
名を名乗れーー
by parlophone (2006-01-19 16:37) 

bassclef

こんにちわ。僕も昨日、新聞でこのことを知りまして、遼さんと(たぶん)同じように「計算」して・・・じゃあ1949年には19か20歳じゃあないか!と同じように驚いたんです(笑) 
僕の好きなprestigeの1枚は~あまりにも大量にタイトルがありますが~コルトレーンのSoul Traneです。(お世話になってる某BBSにも書きましたが:笑)
それに、ドルフィの「5スポット」も素晴らしいし、1作目だか2作目に入ってる<green dolphin street>もよかったですね。
ワインストックという人、いろいろ悪口も言われてたみたいですが・・・とにかく凄い人だったのですね。
by bassclef (2006-01-19 18:00) 

parlophone

bassclefさん、こんばんは。
某BBS拝見しました(笑。
じつはこの記事は昨日の夜UPするつもりだったんですが、So-netブログがまったく繋がらなくて、それで今日の夕方というヘンな時間にUPしたんですね。
ということはbassclefさんとほとんど同じころに同じようなことを考えていたわけで、おもしろいものですね~。

>僕の好きなprestigeの1枚は~あまりにも大量にタイトルがありますが

そうなんですよ!
ただ好きなだけなら大量にありすぎてとても1枚は選べないので、ジャケットのデザインも含めて好きなのを1枚選びました。
たとえば『スティット、パウエル、J.J.』なんて、なんであんなイラストなのか、見るたびに首を傾げてしまいます(笑。
by parlophone (2006-01-19 20:42) 

bassclef

掲示板の方でも話題になってますが、確かに・・・この2~3日、こちらのブログも(milkさんのも)なかなか開かなかったですね。管理者の方のイライラ度には想像を絶するものがあるでしょうね(笑)
スティット~」そういえばあのジャケ・・・よく見てないですが、ヘビか何かがウネウネして変ですよね(笑) 中身のパウエルは凄いですね。
by bassclef (2006-01-19 23:18) 

MASA

あらー、全然知りませんでした。亡くなったんですね。そうですかー。意外に若かったのは私も知りませんでした。
おっしゃるとおり、ジャズの歴史ってモダンジャズの歴史に限れば60年くらいしかないんですよね。ロックの歴史とわずかに10年あまりしか変わりませんね。
プレスティッジのお気に入りは私もやはりマイルスのマラソン・セッション4枚とコルトレーンの「ソウル・トレイン」、「コンコルド」など初期のMJQのアルバムです。
by MASA (2006-01-20 00:07) 

parlophone

So-netは多いんですよ。
それを解消しようとしてメンテのために利用できなくなって、メンテが終わってもまったく改善されない。
システム・エンジニアの能力がひくいんでしょうかね~。

>そういえばあのジャケ・・・よく見てないですが

あれは鳥ですね。
ぼくは最初プールみたいなところに何かが浮いてるのかと思ったんですが、よく見ると空に鳥がいっぱいいるんですね。
で、鳥なのに変なところに手がついてる。

なんかのキャラクターなのかも知れませんが、50年後の東洋の島国の人間にはちんぷんかんぷんです(笑。
by parlophone (2006-01-20 00:18) 

parlophone

>亡くなったんですね。そうですかー。

正直言うと「え、まだ生きてたの?」(申し訳ない!!)
という感じでした。
それくらい年齢をわかってなかった。

>モダンジャズの歴史に限れば60年くらいしかないんですよね。

ああそうかあ~。
ビバップが1945年ぐらいですからね。

>ロックの歴史とわずかに10年あまりしか変わりませんね。

ロックも「ロック・アルウンド・ザ・クロック」から50年ですから、その前史を入れると同じぐらいかもしれませんね。
なるほど~。
by parlophone (2006-01-20 00:43) 

V.J.

ホント、SO-NETヒドイっすね。
やっと繋がりました。。。

遼さんの記事拝見して思ったんですけど、JAZZ3大レーベルって、いってみりゃインディーズですよね。元々は。
BLUENOTEもそうですが、音楽を製作する側のパワーがやっぱり今以上に情熱的に熱くて、それにアーティストも答えて行く。
良い時代だったんでしょうね…
by V.J. (2006-01-20 00:47) 

milk_tea

>これを現在に置き換えて考えると、5年前といえば中澤裕子が卒業して
>モー娘。に高橋愛、紺野あさ美、小川麻琴、新垣里沙の4人が加入した
>ころだ。

>正直言うと「え、まだ生きてたの?」(申し訳ない!!)

この2箇所とても爆笑しました。
確かに、にいがきりさ とかって、入って2年くらい?って感じですよね。
いい例えだと思います。(いや、ヤッパ、どうかな~~笑)

中身関係ないコメントばっかりですみません。
音楽は苦手分野なもんで・・・・・
by milk_tea (2006-01-20 00:57) 

parlophone

>ホント、SO-NETヒドイっすね。
>やっと繋がりました。。。

ご迷惑をおかけしましたね~。

>JAZZ3大レーベルって、いってみりゃインディーズですよね。元々は。
>BLUENOTEもそうですが、音楽を製作する側のパワーがやっぱり今以上に情熱的に熱くて

いや~、まったくおっしゃるとおりだと思います。
ミュージシャンに連絡取ってスケジュール調整して、ギャラの交渉してスタジオ押さえて、ルディ・ヴァン・ゲルダーに録音頼んで、プレス工場に発注して、レコード・ショップにオーダー頼んで、…って19歳やそこらでできるもんですか?
そのほか当時はミュージシャン・ユニオンとかもあったんですよね?

まあ、「レコード店経営の経験を生かして」って書いてありましたが、それにしたって17とか18でオーナーになってるわけで、自分の17、8のころ考えると驚異的です。
まさに怖いもの知らずのインディーズですよね(笑。

たしか第1回の吹き込みは『サブコンシャス・リー』だったと思いますが、そういう若造!の情熱にリー・コニッツやマイルズ、セロニアス・モンク、スタン・ゲッツなんかが応えていくわけですから、すごい時代だったんですね~。
by parlophone (2006-01-20 00:59) 

parlophone

>確かに、にいがきりさ とかって、入って2年くらい?って感じですよね。

おお、milkさんがモー娘。知ってるって意外だ~。
(上司が部下の女性を「ちゃん」づけで呼んで閉口してます、という朝日の投書を読んで、慌ててmilkさんなんて言ってる遼です^^;)

>音楽は苦手分野なもんで・・・・・

こらこら。
ブログのタイトルは「Life with Music」じゃなかったけ?

それにしてもボブ・ワインストックの追悼記事だからって、関連記事が「ボルドー・ワイン」って、なめとんのかっ!!
by parlophone (2006-01-20 01:19) 

milk_tea

>おお、milkさんがモー娘。知ってるって意外だ~。

あれれ。parloさん私を少しも理解しておいででない!(笑)
あれだけ昔の歌謡曲知っていたら、やっぱり習性で今の歌謡曲も追って
しまうものです。とはいえ、モーニング娘は、つんく自身がやや興味を
失いかけてきている(方向性を見失いつつある)時期に連動して私も全く
見なくなりました。
「恋のダンスサイト」とか好きでした。踊れます。(アンタは踊らなくてよし!)

>(上司が部下の女性を「ちゃん」づけで呼んで閉口してます、という朝日の
>投書を読んで、慌ててmilkさんなんて言ってる遼です^^;)

私は、会社なんかでも仲のいい人に、名前のチャン付けをされたり、あるいは
逆に乱暴に苗字の呼び捨てをされたりといった世界、結構キライじゃない
ですよ。とはいえ、ここで、おいmilk!!って呼び捨てされても、やや引く
かもしれませんが。チャン付けなら可愛くていいですね。
ところで、パロちゃんは(おい)、Concert for George 持ってますか?
by milk_tea (2006-01-22 01:06) 

ayumusic

milesの三部作(cookin walkin relaxin)聴きなおしたくなりました。parlophoneさんの影響で'ROUND ABOUT MIDNIGHTも聴きなおしたんです。構成とか全然いまでも新しいですよね。
prestigeの設立者がティーンエイジャーだったってすごく良いエピソードですね。私はジャズのいやな部分ってエスタブリッシュメントというか、なんか敷居の高いところなんですが、ほんとはもっと気軽でいいかげんな軽いノリの上で成り立っているのでは、そういうとこを解釈していきたい、って思っているファンです。
by ayumusic (2006-01-22 10:56) 

parlophone

>あれれ。parloさん私を少しも理解しておいででない!(笑)

え゛っ!!
milkちゃんのことだったら何でも知ってるつもりだったのに…(汗。

>「恋のダンスサイト」とか好きでした。踊れます。

おお~、見てみたいです^^
ぼくはやっぱり「ラヴ・マシーン」が一番好きかな。
8年ぐらい前にニュージーランドに行く飛行機のなかで、当時まだ日本では公開前だった『マトリックス』と『ノッティング・ヒルの恋人』が上映されたんですが、つづけてモー娘。のPVが映ったのもとてもnice! でした(笑。
ぼくはつんくの詞って意外と好きなんですよ。

>チャン付けなら可愛くていいですね。

ありがとうございます。
これからもmilkちゃんでいきます^^

>ところで、パロちゃんは(おい)、Concert for George 持ってますか?

いやあ、ほしいのはヤマヤマなんですが、7000円という値段がネックでまだ買ってないんですよ。
いや、milkちゃんが「きみの感想も聞きたいからすぐ買いなさい」とおっしゃるんだったらすぐにでも買いますがね^^;

ところでDVDが手元に届くまでのあいだにちょっとこれを見てみませんか?

mms://wm.wbr.com/tompetty/gharrison_induction/tompetty_ghi_gently-weeps_300.wmv

これはトム・ペティのサイトにUPされてるんですが、トム・ペティとジェフ・リンのヴォーカルもさることながら、バックで淡々とアコギを弾くもダニーも見ものだし、なんといっても後半に乱入するプリンスのギターがすごい!
これで下手だったら「おめー、場の雰囲気を読めよ!」って座布団の乱舞になるところ(あ、朝青龍じゃないから座布団じゃないか^^)なんですが、ギターにも定評のあるプリンスだから場内騒然!
もしご覧になったことがないんだったら必見です!!
by parlophone (2006-01-22 22:52) 

parlophone

ayumuさん、どうもです。

>milesの三部作(cookin walkin relaxin)

紛らわしいんですがマイルズは四部作(cookin' relaxin' warkin' steamin')で『walkin' 』は入りません^^

>ジャズのいやな部分ってエスタブリッシュメントというか、なんか敷居の高いところ

なるほど、なるほど。
そうですね~。
でももともとジャズっていうのは黒人の音楽ですからね。
ジャズマンもどうしようもないジャンキーばっかりですから気楽にいきましょう(笑。
by parlophone (2006-01-22 22:59) 

milk_tea

>ぼくはやっぱり「ラヴ・マシーン」が一番好きかな。

あれは売れるだけあって完成度高かったですよね。
あの辺りのメンバーが一番良かったです。
でも私は昔のディスコソングの「Love Machine」のほうが好きかな。
(タイトルが同じなだけで比較の意味はないが・・・・)

>いやあ、ほしいのはヤマヤマなんですが、7000円という値段がネックで
>まだ買ってないんですよ。

うぉっとー。この私めがparloさんに先んじて作品購入!ありえねぇ!(涙)

>これはトム・ペティのサイトにUPされてるんですが、トム・ペティとジェフ・
>リンのヴォーカルもさることながら

えーん、開けない~。見たい~。
私のWMPバージョンが古いのか???
私、実は・・・プリンスって好きなんですよ!!天才だと思う。
天才過ぎてか、なんかワケのわからん動きをするので追いきれませんが。
by milk_tea (2006-01-23 00:26) 

parlophone

あー、やっぱり開きませんか…。
ひょっとしたら自分のWMP独自のアドレスかなとも思ったんです。
で、さっきからトム・ペティのサイトをグルグルまわってるんですが、どこにファイルがあるかわかりません。

でもぼくのWMPでは開けるんですよ。
ぼくのHDにファイルがあるんじゃなくて、たぶんその都度インターネットでアクセスしてるんだと思うんですが、アドレスがわかりません。
どなたかWMPで再生するファイルのアドレスの見つけ方ご存知ありませんか?
by parlophone (2006-01-23 01:23) 

ayumusic

なるほど。20年以上完全に間違えて覚えていました。しかもworkin'と steamin'とは一度も聴いてないし、、、
永年の勘違いを修正いただき、ほんとにありがとうございました!一番好きなrelaxin'聴きなおそうっと。
by ayumusic (2006-01-24 20:53) 

parlophone

恐縮です。
ぼくも四部作の中では『relaxin'』が一番好きです。
A面1曲目のマイルズがガーランドのピアノに注文つけて弾きなおさせるところから、B面最後のコルトレーンの「ビールの栓抜きは?」というところまで、まさにリラックスした名演ですね。

ところでぼくは『workin'』も大好きです。
1曲目でBLUE NOTEで演った「It Never Entered My Mind」を再演してるんですが、このころのバラードの最高作だと思います。
もちろんBLUE NOTE盤もいいんですが…^^
by parlophone (2006-01-24 22:12) 

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