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『パッチギ』プレミアム・エディション [ぼくのシネマノート]

しばらく前に掲示板でも話題になった『パッチギ』のDVDをやっと入手した。
(一昨日CDだけで5万という話をしたのに、もうそれ以外のDVDを買ってる…汗)
じつは7月にDVDがリリースされたとき、買うんだったらプレミアム・エディションだなと思いつつも、予算の関係で後回しにしていたのだ。
ところがふと気がつくと……ないっ!!
おかしいなあ、初回限定とは書いてなかったのに……と思いながらほかのショップを回ってもないっ!!
おそらく初回出庫分が売れてしまっただけなのだろうが、ぼくのまわりのショップではスタンダード・エディションさえ品切れのところもあった。
そうなると、どうしても欲しくなって、探し回りました~。

  

さて、舞台は68年の京都。
朝鮮高級学校と日本人学校の高校生(っつうか、ヤンキーね)どうしの喧嘩と、フォーク・クルセダーズの「イムジン河」がとりもつ恋。
今50歳前後の人はみんなそうだと思うけれど、当時深夜放送を聞いててフォークルの「帰ってきたヨッパライ」を初めて聞いたときはビックリしたものだ。
京都の学生の自主制作盤だと聞いてさらにびっくり。
ところが、単なるコミック・ソングの一発屋かと思っていると、つづく第2弾シングルとしてラジオで紹介された「イムジン河」は、うってかわって抒情的で美しいメロディーと哀しい詞で、「フォークル畏るべし!」と認識を新たにした矢先の発売中止。
がっかりしたもんです。

喧嘩と恋というのは60年代の日活映画なんかの典型的なテーマな訳だけれど、日本人と在日コリアンを主人公に持ってきたところがきわめて現代的である。
映画の冒頭に出てくる観光バス横転事件や、クライマックスの鴨川の乱闘などはこの映画の制作/エグゼクティヴ・プロデューサーの李鳳宇さんの体験(自分の体験ではなく聞いた話だとコメントしていた)がもとになっているらしい。
ぼくの住んでいる福岡にも朝鮮高級学校があって、ぼくの友人にも在日コリアンはたくさんいる。
この映画のような対立は今ではもうないが、駅にたたずむチマチョゴリの女子生徒の表情などにはやはりちょっぴり緊張感もある。
映画のなかでヒロインのイ・キョンジャが主人公の松山康介に対して最初に示す警戒心は、そういう背景もふまえていてすごくリアルだ。

さて、特典ディスクは映画化までの道のりをたどった「パッチギ!プロジェクト」、「怒涛の撮影日記」、音楽監督の加藤和彦さんらが当時の思い出を語る「パッチギ!の音楽」など111分にも及ぶが、ぼくは井筒和幸監督の映画を見るのが初めてだったのでとても楽しめた。
本編ディスクにもメイキングやインタビュー、予告編などの入った51分の特典映像がついている。
ちなみにキョンジャ役の沢尻エリカちゃんは文句なしに可愛いです(笑)。
そのほか決定稿の台本のレプリカ(いきなり最初のシーンから編集でカットされたことがわかる)や、16ページのフォトブック(これがまたいい!)もついて5,985円。
これはハッキリいって買いです!

2004年 119分(本編)
DVD ヴィスタ・サイズ(スクィーズ)
画質=★★★★ (最高は★5つ、☆はおまけ)

2005年 111分 (特典ディスク)
DVD スタンダード・サイズ
画質=★★★☆


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コメント 6

たまち

こんばんわ、拝見いたしましたー TBありがとうございました。
こちらからもTBしておきますね^^
プレミアムエディションを購入されたんですね!僕も欲しかったのですが
まだイギリスから届いていない、他の物になってしまいました(泣)
僕はこの当時は小学生で『虫声ソング』の【帰ってきたヨッパライ】はリアルで聴きましたが、それ以外の適切な時代背景などはとても記述できないので
遼さんに期待していましたが、さすがでございます!
でもこの記事見るとDVDほしくなるな、でも金なくなるな~(笑)
by たまち (2005-09-03 01:51) 

夜明けのティーンエイジャー

あー!思い出したっ!
これ映画館で観るつもりで観そびれたんです。
映画関連はこのあいだ梶芽衣子の『修羅雪姫』2タイトルの初回版がまだ残っていたので買ったばかり。
その前にはピンク・レディー、拓郎&かぐや姫つま恋、タカダワタル的と続けて買ってるし。
(全部和モノだな~)
う~ん、パッチギも欲しいけど、これはレンタルに通常版があるのでこれで我慢します(涙)。
by 夜明けのティーンエイジャー (2005-09-03 01:59) 

parlophone

たまちさん、どうもです。
>まだイギリスから届いていない、他の物になってしまいました(泣)
おお、なんだろう?期待しちゃうなあ^^
スタンダード・エディションにもメイキングとかついてるから、それでいいのかな~とう気もしますが、深く理解するためには特典ディスクはいいですよ!
by parlophone (2005-09-03 02:32) 

parlophone

夜明けさん、それで思い出しましたが今月のレココレに(←まだ言ってる^^;)梶芽衣子のインタヴューが載ってましたが、そこで紹介されていた『去れよ、去れよ、悲しみの調べ』ってよさそうでしたね!
>タカダワタル的
ぎゃっ!またひとつ買わなくちゃいけないDVDが…。
オ~ン(あまりに苦しくてオオカミに変身しそうでつ)
by parlophone (2005-09-03 02:36) 

lonehawk

遼さん、こんばんは~。
コレは劇場公開時に観ましたよ。
単なる娯楽作に終わらずに、観た人に何かを考えさせられる内容でした。
時代としては全然リアルな世代ではありませんが、愛も友情も気持ちがあれば国や民族(といっても同じようなモノですが)を越えるんですね。
DVDは買っていませんが、特典ディスクは観てみたいです。
>ちなみにキョンジャ役の沢尻エリカちゃんは文句なしに可愛いです(笑)。
同感です(笑)。

ところで話題は飛んでグラム・パーソンズですが、ワタシはヴィヴィッドから出た紙ジャケは持っていませんが15年くらい前に出た『GP』と『GRIEVOUS ANGEL』の2in1の仕様で持っています。
ジーン・クラークにはスワンプの香りもしますが、グラムに関してはバリバリのカントリー・ロックなので、バーズの『ロデオ』やFBBがお好きでしたら気に入って頂けると思います。
by lonehawk (2005-09-03 19:46) 

parlophone

lonehawkさん、どうもです。
いいなあ~、ぼくも劇場で見たかったなあ。
友だちのあいだでは大盛り上がりでしたからね~。
しかしここまで日韓の高校生の乱闘を娯楽的に描いていいのか?ってぐらい突き抜けた開放感のある映画でしたね。
それでいて葬儀の場面でおじいちゃんにきちんと言わせてる。
あの場面で映画を観ていたハルモニたちはみんな涙ぐんでたそうです。

>ジーン・クラークにはスワンプの香りもしますが、グラムに関してはバリバリのカントリー・ロック
なるほど、そういう差異があるんですね!
すごく参考になりました!ありがとうございました。
by parlophone (2005-09-03 21:47) 

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