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ヘロン よく聴いたCD-part 1 [ブリティッシュ・フォーク]

今年前半を振り返ってみていちばん聴いたCDはなんだろう……
と考えたときにまず出てくるのがこれ。
ヘロンの『HERON』と『TWICE AS NICE & HALF THE PRICE』という2枚のアルバムだ。

じつは紙ジャケCDが出るまでヘロンなんて名前を聞いたこともなかった。
馴染みのCDショップの紙ジャケ・コーナーを見ていて「ヘロン」というグループを初めて目にしたときに思ったのは、「あ、山下達郎の「ヘロン」はここから取ったのかもしれないな」ということだった。
ご存知かもしれないが、山下達郎が最初に結成したグループ、シュガー・ベイブというのはジェシ・コリン・ヤングのヤング・ブラッズというグループの曲のタイトルから取られている。
山下達郎はお気に入りの曲のタイトルをグループ名にしたのだから、その逆もありかな…と思ったのだ。
ただしヘロンというのは鳥の名前だから、まったく関係ないかもしれないが。

帯を見ると「田園ソング」とか「木漏れ日フォーク」とか書いてある。
1stアルバムのお値段は8センチCDつきで3,360円とちと高い。
そのときは買わずに帰ってしまったのだが、ちょっと調べてみると70年ごろの英国のフォーク・ロック・グループで、マイナーだがかなり評価は高いみたいだ。
値段も気になったのだが、インスピレイションを尊重して思い切って買ってみたのが昨年の10月ごろのことだ。



以来お気に入りで、すぐに2ndアルバムも買ってしまった( ちなみにこちらは2枚組 、タイトルは韻を踏んでシャレているが、3,675円でちっとも安くないじゃん)。
初めは車のなかで聞いていたので気がつかなかったのだが、信号で止まっているときに曲と曲のあいだに鳥のさえずりが聞こえる。それも一度や二度ではなく、曲間には必ず入っているのである。
おもしろいなあ、こうやってコンセプチュアルであることをそれとなく示してるのかな?と思っていたら、なんとライナーを読んだら野外で録音したと書いてあるではないか!
なるほど「田園ソング」とか「木漏れ日フォーク」とかいうのはそういうことだったのか、と得心したのはずいぶん経ってからである。

さて、このヘロンというグループ、けっして歌も演奏も上手ではない。
ま、はっきりいうとヘタだ(笑)。
たとえば2ndアルバムに「Winter Harlequin」という曲があるのだが、そのなかで「make them repeat」というフレーズを4回繰り返すところがある。
よくあるように同じメロが3度ずつ下がっていくのだが、4回目はどう聞いてもメロディーになってない。
なんど聞いても笑ってしまうのだが本人たちは大真面目に歌っているのだ。
ハーモニーも雑だし、スタジオ録音と違っていっさい取り直しや修正をしていないのだろう。

しかし、曲はほんとうにすばらしい。
「癒し系」などということばは嫌いなので使わないが、とにかく木漏れ日というか、陽だまりのように暖かで珠玉のメロディーが次々に出てくる。
ディストリビュートしてくれたディスク・ユニオンさん、ありがとう!


タグ:ヘロン
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コメント 4

夜明けのティーンエイジャー

ヘロンは1stだけ以前に初CD化されたときに入手しました。
英国フォークのレア盤コレクターの間では珍重されているバンドですね。
おっしゃるとおりなんとも青臭い演奏なのですが、
だからこそ英国の伝統的な風土がダイレクトに伝わってきます。

この辺の素晴らしさに気付くと、
あとは英国フォークの底なし沼へまっしぐらなんだそうですが、
拙は今のところそっち方面は免れています。

でも、最近またテネント&モリソンなどというお宝盤が
初CD化されてしまって大変な騒ぎになりそうです。
テネント&モリソン・・・
その名だけでもご記憶にとどめておいてください。
by 夜明けのティーンエイジャー (2005-08-24 01:59) 

parlophone

夜明けさん、どうもです。
>この辺の素晴らしさに気付くと、
>あとは英国フォークの底なし沼へまっしぐらなんだそうですが、

うわぁ、桑原、桑原…。
これ以上深みに入ったら身動き取れなくなります。
その前にお天道様の前に出なくちゃ^^;

テネント&モリソン…。
なんのことかわかりませんが、とりあえず呪文のように唱えておきます。
テネント&モリソン…、テネント&モリソン…。
by parlophone (2005-08-24 02:10) 

chitlin

遼さん、こんばんは!
今頃なんですけれど、トラックバックさせていただきますね。

歌なんか確かに調子っ外れで、聴いているこちらが赤面してしまいそうになりますよ。
2ndもこれはこれでよろしいとは思いますが、やはり1stの素朴さに首ったけです!
by chitlin (2007-09-18 01:27) 

parlophone

chitlinさん、どうもです。
古い記事にこうやってコメントいただくととってもうれしいです^^

chitlinさんのブログも読ませていただきました。
ほんとうに愛すべきグループ、愛すべきアルバムですね。

今でもときどき集まって活動してるみたいですけど。
by parlophone (2007-09-18 22:59) 

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