『ラバー・ソウル』Beatles Mono LPを聴く―その5 [BEATLES]
今回は『ヘルプ!』を飛ばして(だって音あんまりよくないんだもんw)『ラバー・ソウル』のインプレッションをお送りしましょう。
まずジャケットから。
MONO LPの最初の記事でも書いたように、ぼくはマトリクスの枝番が「-1/-1」で俗に"ラウドカット"と呼ばれるものを2枚もっている。
今回はそれとちょっと比較してみよう。
画像は左からスリーヴの制作会社がErnest J.Day社のもの(以下EJD)、Garrod & Lofthouse社製(以下G&L)、今回のリマスター盤だ。
こちらはバックスリーヴで、同じく左からEJD、G&L、リマスター。
EJDとG&Lではフリップバックの形状もちがうが、クレジットも微妙にちがっている。
まずEJD。
最初に「6512 LL」とある。
つぎにG&L。
数字とアルファベットは「12 LL」になっていて、会社名のあとに「Patents pending」の表記がある。
リマスター盤はG&L製を忠実に復刻している。
ただし、都内で開かれた内覧会、じゃなかった試聴会のときの参加者からの報告にあったように、フリップがやや大きめにカットされている。
つづいて表ジャケ右下の「Parlophone」のマークの部分を見てみよう。
まずEJD。
マークの下にはなにもない。
こちらはG&L。
「TRADE MARK OF THE GRAMOPHONE CO LTD」のクレジットがある。
リマスター盤。
G&L盤を忠実に踏襲している。
もちろんヴィニールコーティングではないので、そこだけは残念だが…。
色味は3種3様で微妙にちがう。
EJDはグリーンが明るめで、ちょっと青みを帯びているように見える。
G&Lはグリーンが深くて渋い。
肌の色はピンクよりイエローに寄っている。
国内盤に慣れ親しんだ目からみると、こっちのほうがしっくりくるかな。
リマスター盤は両者の中間的な感じ。
ただし肌の色はさらにピンクに近づいている。
それではいよいよ音のインプレッションです。
今回はA-1「Drive My Car」、A-2「ノルウェーの森」、A-7「ミッシェル」の3曲を、EJDのラウドカット盤(ちなみにスタンパーは"AA")と聴き比べてみた。
リマスター盤を最初に聴いたときの印象を9月28日のメモではつぎのように書いている。
A-1 録音技術の進歩がそのまま音に表れたかのような、目をみはるハイファイ録音。ここまで熱い演奏が聴ければオリジナル盤は聴かなくてもいい?
A-2 ベースのぶっ太さが半端じゃない。ジョンの弾くJ-160Eもジャキジャキと迫力で迫る。
A-7 やや大人しめ。内周歪の影響なのか、わずかに音に粗さを感じる。
これをラウドカットと比べてみると…。
まず音圧がすごい。
リマスター盤もかなり音圧を感じるカッティングだが、ラウドカットはさらにスゴいのでヴォリュームを少し絞らなければならない。
やはりリマスター盤は少しだけ常識的なカッティングになっているのだ。
さらにラウドカット盤は、低域だけじゃなく高域もかなり伸ばしてあって、タンバリンも耳障りといっていいほど耳につく。
リマスター盤はこちらもやや控えめで、そういう意味では聴きやすいかも(笑。
A-2でかなりリアルに聞こえる咳ばらいも、リマスター盤では小さめになっていて、J-160Eのジャキジャキ感も少しだけまるくなっているように感じた。
オリジナルのA-7、歪感もなく柔らかないい音なのだが、1か所だけバリバリッとノイズが入るところがある。
これはラウドカットのせいというよりプレスミスだと思うが、もちろんリマスター盤ではそういうところはなかった。
さて、なにより『ラバー・ソウル』で印象的なのはポールの弾くリッケンバッカー4001だ。
これまでの5作で使用してきたヘフナーからリッケンに持ち替えたことで、音は大きく変化した。
とにかく暴力的なまでに太くて重い。
それがまるで地下鉄の車両が近づいてくるかのように(?笑)こちらに迫ってくる。
そして「Drive My Car」や「ひとりぼっちのあいつ」を初めとしてほとんどの楽曲で使われているストラトキャスターの美しさも特筆すべきことだ。
そのあたりのところを今回のモノラル盤はうまく音溝に刻んでいると感じた。
『ラバー・ソウル』のリマスター盤、かなりいいできだと思います^^
まずジャケットから。
MONO LPの最初の記事でも書いたように、ぼくはマトリクスの枝番が「-1/-1」で俗に"ラウドカット"と呼ばれるものを2枚もっている。
今回はそれとちょっと比較してみよう。
画像は左からスリーヴの制作会社がErnest J.Day社のもの(以下EJD)、Garrod & Lofthouse社製(以下G&L)、今回のリマスター盤だ。
こちらはバックスリーヴで、同じく左からEJD、G&L、リマスター。
EJDとG&Lではフリップバックの形状もちがうが、クレジットも微妙にちがっている。
まずEJD。
最初に「6512 LL」とある。
つぎにG&L。
数字とアルファベットは「12 LL」になっていて、会社名のあとに「Patents pending」の表記がある。
リマスター盤はG&L製を忠実に復刻している。
ただし、都内で開かれた内覧会、じゃなかった試聴会のときの参加者からの報告にあったように、フリップがやや大きめにカットされている。
つづいて表ジャケ右下の「Parlophone」のマークの部分を見てみよう。
まずEJD。
マークの下にはなにもない。
こちらはG&L。
「TRADE MARK OF THE GRAMOPHONE CO LTD」のクレジットがある。
リマスター盤。
G&L盤を忠実に踏襲している。
もちろんヴィニールコーティングではないので、そこだけは残念だが…。
色味は3種3様で微妙にちがう。
EJDはグリーンが明るめで、ちょっと青みを帯びているように見える。
G&Lはグリーンが深くて渋い。
肌の色はピンクよりイエローに寄っている。
国内盤に慣れ親しんだ目からみると、こっちのほうがしっくりくるかな。
リマスター盤は両者の中間的な感じ。
ただし肌の色はさらにピンクに近づいている。
それではいよいよ音のインプレッションです。
今回はA-1「Drive My Car」、A-2「ノルウェーの森」、A-7「ミッシェル」の3曲を、EJDのラウドカット盤(ちなみにスタンパーは"AA")と聴き比べてみた。
リマスター盤を最初に聴いたときの印象を9月28日のメモではつぎのように書いている。
A-1 録音技術の進歩がそのまま音に表れたかのような、目をみはるハイファイ録音。ここまで熱い演奏が聴ければオリジナル盤は聴かなくてもいい?
A-2 ベースのぶっ太さが半端じゃない。ジョンの弾くJ-160Eもジャキジャキと迫力で迫る。
A-7 やや大人しめ。内周歪の影響なのか、わずかに音に粗さを感じる。
これをラウドカットと比べてみると…。
まず音圧がすごい。
リマスター盤もかなり音圧を感じるカッティングだが、ラウドカットはさらにスゴいのでヴォリュームを少し絞らなければならない。
やはりリマスター盤は少しだけ常識的なカッティングになっているのだ。
さらにラウドカット盤は、低域だけじゃなく高域もかなり伸ばしてあって、タンバリンも耳障りといっていいほど耳につく。
リマスター盤はこちらもやや控えめで、そういう意味では聴きやすいかも(笑。
A-2でかなりリアルに聞こえる咳ばらいも、リマスター盤では小さめになっていて、J-160Eのジャキジャキ感も少しだけまるくなっているように感じた。
オリジナルのA-7、歪感もなく柔らかないい音なのだが、1か所だけバリバリッとノイズが入るところがある。
これはラウドカットのせいというよりプレスミスだと思うが、もちろんリマスター盤ではそういうところはなかった。
さて、なにより『ラバー・ソウル』で印象的なのはポールの弾くリッケンバッカー4001だ。
これまでの5作で使用してきたヘフナーからリッケンに持ち替えたことで、音は大きく変化した。
とにかく暴力的なまでに太くて重い。
それがまるで地下鉄の車両が近づいてくるかのように(?笑)こちらに迫ってくる。
そして「Drive My Car」や「ひとりぼっちのあいつ」を初めとしてほとんどの楽曲で使われているストラトキャスターの美しさも特筆すべきことだ。
そのあたりのところを今回のモノラル盤はうまく音溝に刻んでいると感じた。
『ラバー・ソウル』のリマスター盤、かなりいいできだと思います^^
ラバーソウルは中期作品の中ではこれだけはCD化してほしくなく、レコードだけで聞きたいと思うほどお気に入りでした
どれだけ擦り切れるほど聞いたことか
初期などたいしたことないと評した人でさえ絶賛したほどで、最初のトータルアルバムの元を作った作品
MONO BOX収録のSTEREOのオリジナルミックスとダブル収録はどうも印象が薄い。Helpのタイトルソングも正直モノヴァージョンは好きではありません
私は東芝音工の初回盤でしたが、音圧が凄いなら機会あったらMONOLPも買ってみようか
by やまちゃん (2014-11-10 19:01)
こんばんわ。いつも楽しみに拝見しています。私もmonobox手に入れ様としていてamazonでポチとしようとしたら通勤途中の電車だったものでipadがつながらなくなってしまい、帰りの電車で再度トライしたら32000円台から10000円以上も値段があがってしまい未だ手にいれてません。ステレオリマスターの時みたく今回は大幅ダンピングは望めないのでノイズだらけのオリジナルと気長に付き合うつもりです。ところで遼さんはシングル盤は聞いてますか?ドライブマイカーのUK輸出盤は凄いですよ。ラウドカットが霞んで聞こえますよ。私はいつもDENONのDL102でPHONOイコライザーを通して聞いてます。MCだけど出力高いからPHONOイコライザー無しでも聞けますがイコライザー通すとVOXアンプがマーシャルになった感じになります。一度お試しを。
by zatopec (2014-11-12 02:47)
やまちゃんさん、こんばんは~。
レスが遅くなってしまい申し訳ありません。
>中期作品の中ではこれだけはCD化してほしくなく、
>レコードだけで聞きたいと思うほどお気に入りでした
おもしろい表現ですね。
いつまでも自分の理想の音楽であってほしいということでしょうか。
>私は東芝音工の初回盤でしたが、音圧が凄いなら機会あったらMONOLPも買ってみようか
ラウドカットと聴き比べないかぎり不満は出ないと思います。
ぜひお試しください。
by parlophone (2014-11-16 00:57)
zatopecさん、こんばんはー。
>ところで遼さんはシングル盤は聞いてますか?ドライブマイカーのUK輸出盤は凄いですよ
>ラウドカットが霞んで聞こえますよ
UKシングルのすごさは、いろんなところで読んでいて、みなさんからも奨められるんですが、まだ1枚も持ってないんですよ。
「ストロベリーフィールズ」とか何枚が欲しいのがあるんですけど、高くてなかなか入手できないままです^^;
>イコライザー通すとVOXアンプがマーシャルになった感じになります
ヘッドアンプか昇圧トランスという意味だと思いますが、うちのプリ(C-280)でDL-102をヘッドアンプ通すと、明らかに音質は劣化しちゃいますねー。
相性があるのかもしれませんね。
by parlophone (2014-11-16 01:40)