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ビートルズのブートCD 『Miscellaneous Tracks』 [BEATLES]

いつものようにお盆に母の住む倉敷に帰ってきた。
子どもが小さかったころは家族4人で帰省していたのだが、今はもうみんな仕事やバレエのレッスンで忙しいので、最近はいつも一人で帰っていて、そのあいだはのんびりさせてもらっている。
そこで最近帰省するたびに覗いているのがGREEN HOUSEというCDショップだ。
オープンしたのはぼくが高校生のころだったからもう40年近く同じ場所でがんばっていることになる。
そのころはレコード・ショップだったが、現在は新譜と中古のCDが中心で、レコードのほうはどこにでもあるようなありふれた中古の国内盤ばかりになってしまった。
ただCDはときどき掘り出し物が見つかることもある。

きょうはそこで見つけた2枚のCDのうち、ビートルズのブート、Yellow Dogレーベルの『Miscellaneous Tracks』をご紹介しよう。

01.jpg

Yellow Dogはみなさんご存知のように、The Swingin' Pigの『Ultra Rare Trax』と並ぶブートCDの名作『Unsurpassed Masters』シリーズで有名な老舗のブート・レーベルだ。
ぼくは「アンサパ」シリーズのほか、1968年にイーシャーにあったジョージの別荘で録音された『ホワイト・アルバム』のデモを集めた『Unsurpassed Demos』(YD 008)や『The "Let It Be" Rehearsals Vol. 1
The Complete Rooftop Concert』(YD 011)なんかがとくに好きだった。
その後は『Rockin' 'Movie Stars』シリーズや足掛け4年に及んだ『Yellow Dog Day by Day』シリーズ(なんと全38巻!)など、レット・イット・ビー・セッションのブートが中心で、いつのまにかファンの話題に上ることも少なくなっていた。
それが突然復活した?のが2005年のことで、きょうご紹介する『Miscellaneous Tracks』もそのころリリースされたもののようだ。
ビートルズのブートを買うなんてほんとうに久しぶりだなあ。
『ミサレニアス(寄せ集めの)トラックス』というタイトルどおり、1962年から69年までのさまざまな音源から11曲が収められている。

M-1. Love Me Do
  True Stereo mix, 11 September 1962
M-2. Carol
  BBC, 2 July 1963
M-3. Soldier Of Love
  BBC, 2 July 1963
M-4. Lend Me Your Comb
  BBC, 2 July 1963
M-5. Clarabella
  BBC, 2 July 1963
M-6. I Saw Her Standing There
  Live Blokker, Holland, 6 June 1964
M-7. Hello, Goodbye
  Take 1, 2 October 1967
M-8. I Am The Walrus
  September-November 1967
M-9. What's The New Mary Jane
  August-October 1968
M-10. I Want You (She`s So Heavy)
  February-August 1969
M-11. Think For Yourself
  Studio talk, 8 November 1965

04.jpg
(ジャケ裏には「収録された曲は既出のものもあるが、今までより2~3世代若いマスターを使用している」という但し書きがある)

ぼくが興味をもったのは3つのトラックだ。
まずだれもがびっくりすると思われるのがM-1「ラヴ・ミー・ドゥ」のトゥルー・ステレオ・ミックス(2分21秒)。
ご存知のように「ラヴ・ミー・ドゥ」はモノラル・ミックスしか残っておらず、もとになったセッション・テープも廃棄されているので、ステレオ・ミックスは存在しないはずだ。
アナログ盤や『キャピトル・ボックス2』に収められたステレオ・ヴァージョンはモノ・ミックスから作られた擬似ステレオである。
さて、では本盤に納められた"トゥルー・ステレオ・ミックス"はどうか?

はい、にせステです^^;
やっぱりねー。
もしほんとにあったら大騒ぎになってるよねー(笑。
右にハーモニカやタンバリンなどの高域成分、左にベースやバスドラなどの低域成分を振り分けたもので、従来の擬似ステレオと同じ。
Yellow Dogよ、おまえもか~。

03.jpg
(おなじみYellow Dog・レーベル)

ふたつめはM-10「I Want You (She`s So Heavy)」のポールが歌うヴァージョン(4分27秒)。
ぼくは中村とうようさんに負けず劣らずの『アビイ・ロード』大好き人間なので、以前『アンソロジー』シリーズやブートCDから『アビイ』のアウト・テイクを集めたMDを作ってクルマのなかでよく聴いていたのだが、そのときには知らなかったのが、このポールが歌う「I Want You」だ。
オリジナル・ヴァージョンよりやや速めのテンポで、バックはエレクトリック・ギター1本とベースとドラムスというシンプルなもの。
アレンジはすでに完成されていて、ポールがヴォーカルをとっている。
他のトラックにくらべると音質が悪くノイズも入るけれど貴重なテイクだ。

そして3つめがM-11「Think For Yourself」のアウト・テイク(19分18秒)。
ジョンがアコースティック・ギター(たぶんJ-160E)を弾きながら歌い、横からジョージがコード進行やメロディをアドヴァイスするセッションの断片から始まって、スタジオ内のおしゃべりがつづく。
Aメロの「to say about the things that you do」の部分や「That we can have if we close our eyes」の「close our eyes」の部分がずいぶん難しいらしく、何度も練習するが、だんだん集中力を欠いてだらだらとしたおしゃべりになっていくようすが約20分にわたって収録されている。

02.jpg
(ブックレットはカラー写真が載っているだけの簡素なものだ)

そのほか「アイ・アム・ザ・ウォルラス」のアーリー・ヴァージョン(ただし『アンソロジー2』のテイク16よりは新しそう)などもなかなかいい。

中古だがブックレットもディスクも新品同様のピカピカで1,200円。
まあ、いい買い物だったんじゃないでしょうか(笑。

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コメント 8

poposuke

遼さん おはようございます

いろいろと貴重な音源が入っておりますね!
特にポール版の「I Want You」なんかは私も聴いてみたいです。
ブートの相場はよくわかりませんけど、1200円ならお手頃価格ですね♪
by poposuke (2009-08-23 09:06) 

MASA

おー、Yellow Dog健在ですか。
ブートはもう何年も買ってないですねえ。
「ULTRA RARE」と「UNURPASSED」が出ていた頃がピークで、それ以降大したものも出なくなりましたからねー。
私もポール版「I Want You」が聴いてみたいです。

by MASA (2009-08-23 18:21) 

ニブ

こんばんは

ポール版「I Want You」~これはリハーサルでしょうか?ギターはジョージですかね?ジョン以外の3人でのおさらい的な・・・

「Think For Yourself」での長いやり取り~これも聞いてみたいなぁ。

いい買い物ですね。親孝行したからですかね(笑)
by ニブ (2009-08-23 19:40) 

parlophone

poposukeさん、こんばんはー。

>特にポール版の「I Want You」なんかは私も聴いてみたいです

でしょう!(笑
「ラヴ・ミー・ドゥ」にはすっかり騙されましたが、こちらは本物っぽいです^^

>ブートの相場はよくわかりませんけど、1200円ならお手頃価格ですね♪

たぶん正規の?ショップで買うと3,500円ぐらいだと思います。
まあこういう商品の価格ってあってないようなものだとは思いますけどね(笑。
by parlophone (2009-08-23 20:14) 

parlophone

MASAさん、どうもです。

>「ULTRA RARE」と「UNURPASSED」が出ていた頃

あのころはほんと夢のような時代でしたね。
よく知ってる曲のちょっと違うヴァージョンが、オリジナルに匹敵するぐらいのクオリティの音質でリリースされるんですから、もう「なんじゃこりゃ!」みたいなものでした。
けっこうな値段でしたが、ふつうの大型のCDショップで売ってましたからね~。

>私もポール版「I Want You」が聴いてみたいです

やっぱりそうですか!
ちょっと考えてみましょうかねえ。
by parlophone (2009-08-23 20:18) 

parlophone

ニブさん、こんばんはー。

>ポール版「I Want You」~これはリハーサルでしょうか?
>ギターはジョージですかね?
>ジョン以外の3人でのおさらい的な・・・

マーク・ルウィソーンの『レコーディング・セッション』によると2月22日にジョンのガイド・ヴォーカルで「I Want You」を35テイク、ただしそのうち1テイクは試験的にポールがヴォーカルを取った、と書いてありますからそれでしょう。
ギターはすごくうまいんですが、ジョンかな?
ギター、ベース、ドラムスはもう録ってあって、そのカラオケをバックにポールが歌ってるんじゃないでしょうか。

>「Think For Yourself」での長いやり取り

これは約20分のうち、歌の練習は2分ぐらいであとの18分はおしゃべりみたいなもんです(笑。
by parlophone (2009-08-23 20:29) 

ryo

流石にビートルズ・ブートには手を出してないなぁ。
ハリウッド・ボウルでのライブ盤がそろそろ出ても良い頃なんだけど・・・
たぶんEMIはリマスターシリーズの次に、リイシューして話題を集めようとしているのでは!?
シェイスタジアムのライブ盤くらいですかね、西新宿で見かける、ついつい欲しくなるブートは。
by ryo (2009-08-23 22:42) 

parlophone

ryoさん、こんばんはー。

>流石にビートルズ・ブートには手を出してないなぁ

いやあ、ゼップにビートルズ、両方手を出したら絶対にやっていけませんよ、経済的にも時間的にも^^;

>ハリウッド・ボウルでのライブ盤がそろそろ出ても良い頃なんだけど・・・

どうなんでしょうねー。
ポールとしてはわざわざ『ハリウッド・ボウル』を出さなくてもいいという気持ちなんじゃないでしょうかねー。

あとずーっと囁かれ続けてる『LET IT BE』の映像版を早く出してほしいですね。
by parlophone (2009-08-24 00:36) 

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