カーティス・メイフィールド 『スーパーフライ』 [紙ジャケ]
ビクター・エンターテインメントからカーティス・メイフィールドのアルバムが紙ジャケ、SHM-CD 仕様でリリースされている。
カーティスといえばロッド・ステュワートがジェフ・ベックと組んでカヴァーした「ピープル・ゲット・レディ」でロック・ファンにもおなじみのインプレッションズの元ヴォーカリスト。
今回はどういうわけかソロ第4作の『スーパーフライ』と第9作『ゼアズ・ノー・プレイス・ライク・アメリカ・トゥデイ』から16作『ラヴ・イズ・ア・プレイス』までの9タイトルが店頭に並んだ。
70年代は、マーヴィン・ゲイを初めとして多くの黒人ミュージシャンが政治的・社会的メッセージを込めた作品を発表していった時代だった。
そうした意味でカーティスの代表作といえば、『ゼアズ・ノー・プレイス・ライク・アメリカ・トゥデイ』と『スーパーフライ』ということになるのだろうが、今回は財政的な理由で『スーパーフライ』だけで涙を呑んだ…TT
うねるキーボードとコンガのイントロにつづいて、ハイハットとバスドラがリズムを刻み、重く歪んだギター、ヒステリックなブラスとストリングスが否応なしに緊張感を孕んだ映画の幕開けを告げる。
独特なリズムのノリが変拍子っぽいアクセントを与え、それが粘っこいグルーヴを生み出す。
Little child running wild
Watch a while You see he never smile
Broken home Father gone Mama tired
So always he's all alone
ちっちゃな子どもが粗暴になってゆく
ちょっと見ててみなよ、あの子はけっして笑わない
家庭は崩壊しちまった、父親は出て行き母親は疲れきってる
だからやつはいつも孤独だ
ひどくシンプルな詞をひどくシンプルなコード展開に載せてカーティスは独特のファルセット・ヴォイスを織り交ぜながら綴ってゆく。
1972年の映画『スーパーフライ』をぼくは見たことがないけれど、このオープニング曲を聴いただけでそのやばい映画の空気感みたいなものを感じることができる。
M-2「Pusherman」も、コンガとドラムスの生み出すリズムのなかで単純化されたコードをベースとギターが延々と繰り返しながら、コカインの売人を生業とする主人公の焦燥と不安を表すかのようだ。
M-3「フレディーズ・デッド」はファンキーなリズムに美しいストリングスが絡んで全米4位を記録した曲だが、その名のとおり、汚い手で殺された仲間のことを悼んだバラードだ。
そのほかM-5「Give Me Your Love(Love Song)」、全米8位を記録したM-9「スーパーフライ」など、とても映画のサウンド・トラックとは思えないすばらしい内容のアルバムだ。
さらにM-1「Little Child Runnin' Wild」のデモ・ヴァージョンである「Ghetto Child」、M-2「Pusher Man」のオルタネイト・ミックスなど11曲のボーナス・トッラクを納めている。
紙ジャケはE 式でつや消しのマット仕上げのようなスリーヴ。
カーティスの顔の左半分に映画のポスターのような折り返しがついたギミック・ジャケになっている。
(バック・スリーヴ。カーティスのレーベル"Curtom"も復刻されている)
音のほうは72年という年代を考えると、じゅうぶんに鮮度の高い音になっていると思うが、参加ミュージシャンについてのクレジットがなにもないのはつらい。
オリジナルのスリーヴにないのであれば、わかっている範囲でいいから日本語の解説書に載せてほしかった。
カーティスといえばロッド・ステュワートがジェフ・ベックと組んでカヴァーした「ピープル・ゲット・レディ」でロック・ファンにもおなじみのインプレッションズの元ヴォーカリスト。
今回はどういうわけかソロ第4作の『スーパーフライ』と第9作『ゼアズ・ノー・プレイス・ライク・アメリカ・トゥデイ』から16作『ラヴ・イズ・ア・プレイス』までの9タイトルが店頭に並んだ。
70年代は、マーヴィン・ゲイを初めとして多くの黒人ミュージシャンが政治的・社会的メッセージを込めた作品を発表していった時代だった。
そうした意味でカーティスの代表作といえば、『ゼアズ・ノー・プレイス・ライク・アメリカ・トゥデイ』と『スーパーフライ』ということになるのだろうが、今回は財政的な理由で『スーパーフライ』だけで涙を呑んだ…TT
うねるキーボードとコンガのイントロにつづいて、ハイハットとバスドラがリズムを刻み、重く歪んだギター、ヒステリックなブラスとストリングスが否応なしに緊張感を孕んだ映画の幕開けを告げる。
独特なリズムのノリが変拍子っぽいアクセントを与え、それが粘っこいグルーヴを生み出す。
Little child running wild
Watch a while You see he never smile
Broken home Father gone Mama tired
So always he's all alone
ちっちゃな子どもが粗暴になってゆく
ちょっと見ててみなよ、あの子はけっして笑わない
家庭は崩壊しちまった、父親は出て行き母親は疲れきってる
だからやつはいつも孤独だ
ひどくシンプルな詞をひどくシンプルなコード展開に載せてカーティスは独特のファルセット・ヴォイスを織り交ぜながら綴ってゆく。
1972年の映画『スーパーフライ』をぼくは見たことがないけれど、このオープニング曲を聴いただけでそのやばい映画の空気感みたいなものを感じることができる。
M-2「Pusherman」も、コンガとドラムスの生み出すリズムのなかで単純化されたコードをベースとギターが延々と繰り返しながら、コカインの売人を生業とする主人公の焦燥と不安を表すかのようだ。
M-3「フレディーズ・デッド」はファンキーなリズムに美しいストリングスが絡んで全米4位を記録した曲だが、その名のとおり、汚い手で殺された仲間のことを悼んだバラードだ。
そのほかM-5「Give Me Your Love(Love Song)」、全米8位を記録したM-9「スーパーフライ」など、とても映画のサウンド・トラックとは思えないすばらしい内容のアルバムだ。
さらにM-1「Little Child Runnin' Wild」のデモ・ヴァージョンである「Ghetto Child」、M-2「Pusher Man」のオルタネイト・ミックスなど11曲のボーナス・トッラクを納めている。
紙ジャケはE 式でつや消しのマット仕上げのようなスリーヴ。
カーティスの顔の左半分に映画のポスターのような折り返しがついたギミック・ジャケになっている。
(バック・スリーヴ。カーティスのレーベル"Curtom"も復刻されている)
音のほうは72年という年代を考えると、じゅうぶんに鮮度の高い音になっていると思うが、参加ミュージシャンについてのクレジットがなにもないのはつらい。
オリジナルのスリーヴにないのであれば、わかっている範囲でいいから日本語の解説書に載せてほしかった。
こんばんは〜♪
いやぁ、カーティスも出たんでしたね。
ボートラが11曲も!
じゃあ、これ一つくらいは買っときたいとこです。
しかし、なんつーかシンプルなレーベルっすね…ふぅ
ああ、でもカブトムシ貯金もしなきゃ…ぜんぜんしてない俺でした。とほほ
by へどろん (2009-05-14 22:29)
これ、'97年に25周年記念でRHINOから出た2枚組のリマスター盤で持ってますが、あんまり聴いてないです(汗)。
ヒットした「フレディズ・デッド」が好きですね。ベースがカッコイイです。
この映画は以前WOWOWで観ましたが、もう相当昔なので内容は覚えてません^^;。
by MASA (2009-05-14 23:39)
へどろんさん、こんばんはー。
>いやぁ、カーティスも出たんでしたね
出たんですよ~。
何か月か前にアイザック・ヘイズが出たときには、悩んだ挙句スルーしたんですが、さすがにカーティスの『スーパーフライ』はスルーできませんでした^^;
>しかし、なんつーかシンプルなレーベルっすね…ふぅ
そうなんですよ。
これってオリジナルなんでしょうか?
>ああ、でもカブトムシ貯金もしなきゃ…ぜんぜんしてない俺でした。とほほ
同じですね…。
泣きそうです(笑。
by parlophone (2009-05-15 00:57)
MASAさん、どうもです。
>これ、'97年に25周年記念でRHINOから出た2枚組のリマスター盤で持ってますが、
>あんまり聴いてないです(汗)
かなーりシンプルっちゅうか、2つのコードぐらいで延々と続いていくというような
曲が多いですよね。
メロディよりもグルーヴ重視のような感じで、地味というか(笑。
音源的にはMASA さんがお持ちの25周年盤と同じだと思います。
そこから何曲か抜いて1枚に収まるようにした…のかな。
>この映画は以前WOWOWで観ましたが、もう相当昔
DVD 化もされてないみたいですね。
見てみたい!
by parlophone (2009-05-15 01:03)
お久しぶりです。
カーティスはMove On Upが入ったアルバムが好きです。
唯一聴くブラックミュージシャンかな。
やっぱりソウルフルで良いですよね。
渋いですが、ハマるとどこまでも聴いてしまいます。
あ、随分前に引っ越しをしました。
お暇があったら遊びに来てやってください♪
by ryo (2009-05-15 23:52)
ryo さん、お久しぶりです。
そうかあ、引越しをされたんですよね。
あとで遊びに行きま~す^^
>唯一聴くブラックミュージシャンかな
ryo さんみたいな若い方が唯一カーティスを聴くというのが驚きです。
カーティスみたいに渋いミュージシャンを!
>カーティスはMove On Upが入ったアルバムが好きです
ファースト・ソロですね。
ぜひとも今回のシリーズで紙ジャケ化してほしかったんですが、なぜか見送りということで今後を期待したいと思います。
「Move on up」はぼくも大好きです^^
by parlophone (2009-05-16 01:21)