ムーンライト・ジルバ [日本のロック・フォーク]
いつも個人的なことしか書いてないけれど、今回はいつにも増してチョー個人的なことです。
あしからず…。
1977年、ぼくは大学を卒業して社会人になった。
運よく自分がめざしていた職種に就くことができたこともあって、バラ色の未来がぼくを待っているようだった。
仕事はやりがいがあって楽しかったし、なにより若い同僚たちの才能がまばゆかった。
ぼくらは夜になると毎日のようにビールを飲みながら仕事のことや将来のこと、そして映画や音楽のことを語り合った。
そのなかにはもちろん、知的で溌剌とした美しい女性たちもいて、学生時代とは違うまぶしさの彼女たちを眺めたりした。
しばらくすると、休みの日には仲のよいグループで小旅行に出かけたりするようにもなって、雨のように降る流星のもとで彼女たちの華やかな笑い声を聞くのはほんとうに楽しかった。
そんなとき深夜放送で「ムーンライト・ジルバ」という曲を聴いた。
たまたまラジカセで録音していたので、その曲はしばらくぼくの愛聴曲になった。
美しいメロディと清らかで透きとおるような少女の声。
ソプラノ・サックスと口笛がユニゾンでオブリガードを入れるアレンジも素敵だったが、なによりも
ブルーの空に星が降ったら
急いで胸に十字を切るの
ハニー わたしと一緒に踊ってくださる?
ハニー 波間が奏でるステップたどって
ムーンライト・ジルバ 色っぽく
ムーンライト・ジルバ 鮮やかに
という歌詞にこころを奪われた。
「わたしと一緒に踊ってくださる?」というようなことば遣いは、学生から社会人になって急に大人っぽくなったぼくの周りの女性たちを思わせたから…。
いつの間にかそのカセットもどこかに行ってしまい、「ムーンライト・ジルバ」という曲のことも忘れてしまった。
一昨年、ひょんなことからその曲のことを思いだしてモーレツに聴きたくなったのだが、タイトルだけでだれが歌っているのかわからない。
ずいぶん苦労してやっと探し当てたのが『FLYING』というアルバムだった。
歌っているのは…
なんと!
やまがたすみこ!
どこかで聴いたことのある声だとは思っていたのだが、あの「風に吹かれていこう」を歌っていたあの素朴そうな少女が、この曲のシンガーだったなんて。
昨年紙ジャケになったのは知っていたけれど、やっと先日手に入れることができた。
(モノクロの歌詞カードが付属している)
アルバムのクレジットを見ると
「松本隆 作詞 鈴木茂 作編曲 プロデュース 松本隆」
いいはずだぁ(笑。
アルバムを聴いてみるとほかにも2曲、「ペパーミント・モーニング」と「黄昏グライダー」は聞き覚えがあった。
「ペパーミント」は同じ松本・鈴木コンビ、「黄昏」は松本・細野組の作品である。
要するにはっぴいえんど~キャラメル・ママが関わっているのだ。
(オリジナル盤はSUN-LIGHTサイドとMOON-LIGHTサイドにわかれていたのだ)
アルバムをひととおり聴いてみた印象は玉石混交である。
なによりやまがた自身のヴォーカルに「翳り」の表現が希薄なので、陰影に乏しい。
どの曲を聴いてもさわやかな感じになってしまう。
そんななか「ムーンライト・ジルバ」のちょっとしっとりした感じは得がたいものがあって、上記の2曲を含めてまぎれもなく名曲である。
たった1曲のために2,625円出すのか…と思いながら購入したのだが、買ってよかった(笑。
(いまならエドはるみのギャグでしか使われなさそうなコピーが時代を感じさせる 笑)
ただ、あれほどの素晴らしいソプラノを聞かせてくれるサックス奏者のクレジットがどこにもないのには納得がいかないなあ。
70年代のオリジナル・アルバムにはなくても21世紀のリイシューの際には参加ミュージシャンはきちんと記載すべきだろう。
あしからず…。
1977年、ぼくは大学を卒業して社会人になった。
運よく自分がめざしていた職種に就くことができたこともあって、バラ色の未来がぼくを待っているようだった。
仕事はやりがいがあって楽しかったし、なにより若い同僚たちの才能がまばゆかった。
ぼくらは夜になると毎日のようにビールを飲みながら仕事のことや将来のこと、そして映画や音楽のことを語り合った。
そのなかにはもちろん、知的で溌剌とした美しい女性たちもいて、学生時代とは違うまぶしさの彼女たちを眺めたりした。
しばらくすると、休みの日には仲のよいグループで小旅行に出かけたりするようにもなって、雨のように降る流星のもとで彼女たちの華やかな笑い声を聞くのはほんとうに楽しかった。
そんなとき深夜放送で「ムーンライト・ジルバ」という曲を聴いた。
たまたまラジカセで録音していたので、その曲はしばらくぼくの愛聴曲になった。
美しいメロディと清らかで透きとおるような少女の声。
ソプラノ・サックスと口笛がユニゾンでオブリガードを入れるアレンジも素敵だったが、なによりも
ブルーの空に星が降ったら
急いで胸に十字を切るの
ハニー わたしと一緒に踊ってくださる?
ハニー 波間が奏でるステップたどって
ムーンライト・ジルバ 色っぽく
ムーンライト・ジルバ 鮮やかに
という歌詞にこころを奪われた。
「わたしと一緒に踊ってくださる?」というようなことば遣いは、学生から社会人になって急に大人っぽくなったぼくの周りの女性たちを思わせたから…。
いつの間にかそのカセットもどこかに行ってしまい、「ムーンライト・ジルバ」という曲のことも忘れてしまった。
一昨年、ひょんなことからその曲のことを思いだしてモーレツに聴きたくなったのだが、タイトルだけでだれが歌っているのかわからない。
ずいぶん苦労してやっと探し当てたのが『FLYING』というアルバムだった。
歌っているのは…
なんと!
やまがたすみこ!
どこかで聴いたことのある声だとは思っていたのだが、あの「風に吹かれていこう」を歌っていたあの素朴そうな少女が、この曲のシンガーだったなんて。
昨年紙ジャケになったのは知っていたけれど、やっと先日手に入れることができた。
(モノクロの歌詞カードが付属している)
アルバムのクレジットを見ると
「松本隆 作詞 鈴木茂 作編曲 プロデュース 松本隆」
いいはずだぁ(笑。
アルバムを聴いてみるとほかにも2曲、「ペパーミント・モーニング」と「黄昏グライダー」は聞き覚えがあった。
「ペパーミント」は同じ松本・鈴木コンビ、「黄昏」は松本・細野組の作品である。
要するにはっぴいえんど~キャラメル・ママが関わっているのだ。
(オリジナル盤はSUN-LIGHTサイドとMOON-LIGHTサイドにわかれていたのだ)
アルバムをひととおり聴いてみた印象は玉石混交である。
なによりやまがた自身のヴォーカルに「翳り」の表現が希薄なので、陰影に乏しい。
どの曲を聴いてもさわやかな感じになってしまう。
そんななか「ムーンライト・ジルバ」のちょっとしっとりした感じは得がたいものがあって、上記の2曲を含めてまぎれもなく名曲である。
たった1曲のために2,625円出すのか…と思いながら購入したのだが、買ってよかった(笑。
(いまならエドはるみのギャグでしか使われなさそうなコピーが時代を感じさせる 笑)
ただ、あれほどの素晴らしいソプラノを聞かせてくれるサックス奏者のクレジットがどこにもないのには納得がいかないなあ。
70年代のオリジナル・アルバムにはなくても21世紀のリイシューの際には参加ミュージシャンはきちんと記載すべきだろう。
残念ながらやまがたすみこさんの事はよく知らないんですが、僕も社会人になりたての頃のことは今でも鮮明に覚えています。 東京で過ごした日々は毎日が刺激的で、本当に環境の変化は感性を刺激しますね。
parlophoneさんはクリエイティブな職種に就かれたのかなと想像しますが、できればもう一度社会人1年生からやり直したいと思う今日この頃であります。
by music70s (2008-06-03 01:04)
music70sさん、こんばんはー。
>僕も社会人になりたての頃のことは今でも鮮明に覚えています
>環境の変化は感性を刺激しますね
ほんとうにそうですね。
ぼく自身もまだ感受性が豊かだったのでしょう、あのころのことはほんとうに忘れがたい鮮明な記憶として残っています。
「ムーンライト・ジルバ」もそうなんですが、当時の記憶に結びつくものに触れると、ちょっとセンチメンタルになってしまいますね(笑。
>できればもう一度社会人1年生からやり直したいと思う今日この頃であります
いや~、マジそう思いますよ~^^;
by parlophone (2008-06-03 22:49)