ケニー・ランキンのアルバム [紙ジャケ]
ケニー・ランキン初期のオリジナル・アルバム7タイトルがヴィデオアーツから紙ジャケでリリースされた。
といってもぼくが知っていたのは有名な『ファミリー』のジャケットぐらいだ。
裸の女の子を二人両腕に抱えた微笑ましい写真。
まん中の父親もその決意というより無垢な青年のようなピュアな表情が印象的なポートレイトは、60年代末にビートルズのポートレイトでも話題になったリチャード・アヴェドンが撮ったものだ。
その程度の知識しかなかったぼくがケニーのアルバムを買ってみようと思ったのはkura_mo さんのブログで「とにかく買わなくちゃ!」みたいな記事を読んだからだ(←いいかげんな引用でごめんなさい!)。
kura_mo さんがはじめてコメントを下さったのはティム・ハーディンのアルバムだったから、ティムを好きなkura_mo さんが大好きなケニーってどんなミュージシャンなのだろう?と思ったわけだ。
その後いろいろ調べてみると、17歳でUS デッカ・レーベルと契約して数枚のシングル盤をリリースし、63年からはコロンビアに移籍して、ディランの『ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム』(1965)ではギターも弾いているというからなかなかすごい経歴の持ち主だ。
自作が多くのシンガーにカヴァーされているところはティムとも共通している。
けっきょく購入したのはつぎの2枚。
シンガー・ソングライターとしての代表作である 3rd 『ライク・ア・シード』(1972)と、シンガーとしての頂点を記録したといわれる 4th 『シルヴァー・モーニング』(1975)だ。
聴いてみた感想は、ひとことでいえば「参りました!」(笑
前述の 2nd アルバム『ファミリー』(1970)がほとんどカヴァーになってしまったのはご多分に漏れずドラッグに溺れていたかららしいが、そこを乗り越えてリリースされた『ライク・ア・シード』のすばらしいこと!
アルバムは『ファミリー』のジャケットに写っていた娘たちもコーラスに加わった「Like a Seed」から始まる。
ジャケットのコンクリートの割れ目から顔を出した雑草に象徴される生のエネルギーに溢れる歌だ。
たいへん印象的なジム・ホーンのフルートや、ケニー自身のアコースティック・ギターを中心に、たぶんヴィクター・フェルドマンと思われるヴィヴラフォン、マイク・ディーシー(g)、ラリー・ネクテル(key)、、リーランド・クスラー(b)、ジム・ケルトナー(ds)らLA の精鋭ミュージシャンをバックに70年代らしい知的でときに内省的にときにソウルフルに、美しいフォーキーな世界が展開する。
ぼくはMOR っぽいのがあまり得意ではないのだが、それでも『シルヴァー・モーニング』はたいへん完成度の高い作品だと思う。
自作の「In the Name of Love」のセルフ・カヴァーにしても、ビートルズの「ペニー・レーン」にしても、さらにカーティス・メイフィールドの「ピープル・ゲット・レディ」、セルジオ・メンデスで有名な「Birembau」にしてもじつにシャープでしかも深みがあり、ジャズやボサノヴァの香り高いカヴァーに仕上がっている。
紙ジャケはどちらもコーティングのないE 式のシングル・スリーヴ。
ニス塗りを思わせる艶のある仕上げになっている。
オリジナルはマーキュリーやリトル・デイヴィッド、80年代にはアトランティックからリリースされたようだが、今回はすべてカスタム・レーベルになっていて、いわゆる原盤のもつ味わいは残っていない。
『ライク・ア・シード』のオリジナル盤についていた歌詞の印刷されたインナーが復刻されてないのも残念だ。
といってもぼくが知っていたのは有名な『ファミリー』のジャケットぐらいだ。
裸の女の子を二人両腕に抱えた微笑ましい写真。
まん中の父親もその決意というより無垢な青年のようなピュアな表情が印象的なポートレイトは、60年代末にビートルズのポートレイトでも話題になったリチャード・アヴェドンが撮ったものだ。
その程度の知識しかなかったぼくがケニーのアルバムを買ってみようと思ったのはkura_mo さんのブログで「とにかく買わなくちゃ!」みたいな記事を読んだからだ(←いいかげんな引用でごめんなさい!)。
kura_mo さんがはじめてコメントを下さったのはティム・ハーディンのアルバムだったから、ティムを好きなkura_mo さんが大好きなケニーってどんなミュージシャンなのだろう?と思ったわけだ。
その後いろいろ調べてみると、17歳でUS デッカ・レーベルと契約して数枚のシングル盤をリリースし、63年からはコロンビアに移籍して、ディランの『ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム』(1965)ではギターも弾いているというからなかなかすごい経歴の持ち主だ。
自作が多くのシンガーにカヴァーされているところはティムとも共通している。
けっきょく購入したのはつぎの2枚。
シンガー・ソングライターとしての代表作である 3rd 『ライク・ア・シード』(1972)と、シンガーとしての頂点を記録したといわれる 4th 『シルヴァー・モーニング』(1975)だ。
聴いてみた感想は、ひとことでいえば「参りました!」(笑
前述の 2nd アルバム『ファミリー』(1970)がほとんどカヴァーになってしまったのはご多分に漏れずドラッグに溺れていたかららしいが、そこを乗り越えてリリースされた『ライク・ア・シード』のすばらしいこと!
アルバムは『ファミリー』のジャケットに写っていた娘たちもコーラスに加わった「Like a Seed」から始まる。
ジャケットのコンクリートの割れ目から顔を出した雑草に象徴される生のエネルギーに溢れる歌だ。
たいへん印象的なジム・ホーンのフルートや、ケニー自身のアコースティック・ギターを中心に、たぶんヴィクター・フェルドマンと思われるヴィヴラフォン、マイク・ディーシー(g)、ラリー・ネクテル(key)、、リーランド・クスラー(b)、ジム・ケルトナー(ds)らLA の精鋭ミュージシャンをバックに70年代らしい知的でときに内省的にときにソウルフルに、美しいフォーキーな世界が展開する。
ぼくはMOR っぽいのがあまり得意ではないのだが、それでも『シルヴァー・モーニング』はたいへん完成度の高い作品だと思う。
自作の「In the Name of Love」のセルフ・カヴァーにしても、ビートルズの「ペニー・レーン」にしても、さらにカーティス・メイフィールドの「ピープル・ゲット・レディ」、セルジオ・メンデスで有名な「Birembau」にしてもじつにシャープでしかも深みがあり、ジャズやボサノヴァの香り高いカヴァーに仕上がっている。
紙ジャケはどちらもコーティングのないE 式のシングル・スリーヴ。
ニス塗りを思わせる艶のある仕上げになっている。
オリジナルはマーキュリーやリトル・デイヴィッド、80年代にはアトランティックからリリースされたようだが、今回はすべてカスタム・レーベルになっていて、いわゆる原盤のもつ味わいは残っていない。
『ライク・ア・シード』のオリジナル盤についていた歌詞の印刷されたインナーが復刻されてないのも残念だ。
ご紹介ありがとうございます!
そうなんです。とにかく買わなきゃいけないのです。笑
ていうか単純に好きなだけなんですけどね。こういうジャジーな雰囲気を持ったSSWってストライクなんです。
「ライク・ア・シード」のトータル感と、「シルヴァー・モーニング」のグルーヴィな響き、どちらも魅力的なアルバムです。
極端に言えばこの後のアルバムはアルバムとしてはユルすぎる感もあるんですけどね(でもそれもイイ!)
初期2枚も聴いたことないのであればオススメですよ♪
by kura_mo (2008-03-17 00:46)
Kenny Rankinを知ったのはFamilyをレコード屋さんで見つけて
カヴァー曲が面白そうだったので買ったのがきっかけです。
その後、段々MOR的になってしまったので聴かなくなったのですが
近年ぐぐっとジャズよりになってきてから再び聴いています。
この人はちょっと聴くだけだと鼻歌っぽくって歌唱力がありそうに
思えませんが、実はすっごくコントロールの利いたヴォーカル
テクニックの持主です。(メル・トーメが絶賛しているくらい)
ライヴDVDが出ていますが、お薦めです。
実はギターのテクニックも一流。
人気の点ではマイケル・フランクスに負けていますが、実力的には
ケニーの方が1ランク上だと思います。
ボトムラインでのライヴ盤、超お薦めです。
by MORE (2008-03-17 10:28)
ケニー・ランキンはマイケル・フランクスと比べられることが多いのですが、アンニュイな感じのマイケルに対して、ケニーの歌声は張りがあって美しく、聴き込むと個性がかなり違うことが認められると思います。
彼のアルバムはどれも素晴らしく、オリジナル作品も捨て難いのですが、選曲のセンスも絶妙です。ことに『ファミリー』にも収録されているジョージ・ハリスンの「While My Guitar Gently Weeps」を再演した『ケニー・ランキン・アルバムー愛の序章』は洗練度が高い一枚です。
by Backstreets (2008-03-17 14:07)
kura_moさん、どうもです。
>こういうジャジーな雰囲気を持ったSSWってストライクなんです
そうですね。
ティム・ハーディンもジャズっぽいですけれど、ケニーのほうが洗練された感じですね(どちらが優れているということじゃなく)。
>極端に言えばこの後のアルバムはアルバムとしてはユルすぎる感もあるんですけどね
方向性としてわかるような気がします(笑。
>初期2枚も聴いたことないのであればオススメですよ♪
とりあえずの2枚がよかったので、『ファミリー』を聴いてみようかと思ってます。
あえて『K.ランキン・アルバム』は外して^^
by parlophone (2008-03-17 22:07)
MOREさん、どうもです。
>カヴァー曲が面白そうだったので買ったのがきっかけです
さすがですね。
ぼくはやっぱりオリジナル志向が強い(というか、プレスリーの昔からシンガーにあまり興味を感じない)ので、そういう興味でアルバムを聴くことはなかったですね~。
>実はすっごくコントロールの利いたヴォーカルテクニックの持主です
あまりにもベタな感想になってしまうので本文では書かなかったのですが、ほんとうに唄うまいですよね。
最初に「In the Name of Love」を聴いたときはぶっ飛びましたよ!
>ボトムラインでのライヴ盤、超お薦めです
わかりました。
メモしときます^^
by parlophone (2008-03-17 22:18)
遼さんこんばんは!
私はKenny Rankinはあまり詳しくないので今回はとりあえず【ファミリー】【シルヴァー・モーニング】の2枚のみ今注文しています。実は他のCD(まだ発売前なので)と一緒に注文している為、まだ手元に届いてないんです・・・でも遼さんや皆さんの記事やコメント見ていたらかなりよさそうですね・・・私は【ファミリー】【シルヴァー・モーニング】の2枚を選んだ理由は単に知っている曲のカバー(ビートルズやキャロル・キング)が挿入されているからだったのですが他のも良さそうですね・・・お勧めがあったらお聞かせ下さいね。。。
by tetsupc2 (2008-03-17 22:21)
Backstreetsさん、どうもです。
>ケニー・ランキンはマイケル・フランクスと比べられることが多いのですが
MOREさんも書いてらっしゃいましたが、ぼくはマイケル・フランクスも名前以外まったく知りません^^;
なんとなくAOR系の人のような…。
>オリジナル作品も捨て難いのですが、選曲のセンスも絶妙です
唄のうまい人って、けっきょく選曲のセンスがいいんでしょうね。
じぶんの音域やテクニックを存分に発揮できる曲を選んで、それを唄い込んで聞かせる…そこにセンスがあるので聴き手を夢中にさせてしまうということなのかな。
>ジョージ・ハリスンの「While My Guitar Gently Weeps」を再演
へえ、2回もやってるんですね。
う~ん、『ファミリー』と『アルバム』、迷っちゃうなあ(笑。
by parlophone (2008-03-17 22:25)
tetsupc2さん、こんばんは~。
ぼくもケニー・ランキンについてはほとんど知らないので、みなさんに教えていただいているところです。
「情報発信ブログ」の逆で「情報吸収ブログ」になってます(笑。
>今回はとりあえず【ファミリー】【シルヴァー・モーニング】の2枚のみ
ジャケ買いでもダンゼンその2枚ですよね。
とくに『ファミリー』はすばらしいジャケットだと思います。
とてもドラッグでボロボロだったとは思えない(笑。
みなさんのご意見を総合すると、どれを買ってもハズレはないみたいですよ。
強いていえば『インサイド』、『アフター・ザ・ローゼズ』あたりがちょっと評価が低めなのかな?
by parlophone (2008-03-17 22:41)
遼さん、こんばんは!
例によって旧ブログよりトラックバックを差し上げます。
聴いてみまして感じたことはそのエントリに書き尽くしてしまったので、ひと言だけ。
まさか紙ジャケットCD化されるとは思ってもみなかったんですっ。
随分と値が張ったんですよね・・・。
ほかのタイトルは紙ジャケットCDでとにかく買わなきゃ。
悩ましいですねぇ。
by chitlin (2008-03-18 00:50)
chitlinさん、コメント&トラバありがとうございます。
>聴いてみまして感じたことはそのエントリに書き尽くしてしまった
ああ、大変失礼いたしました。
読んだのに忘れてしまったのでしょうか。
じつは記事を書いてから『レココレ』で以前特集をしていたのを発見して、そのとき興味を抱いたような気もするのですが、その特集もすっかり失念しておりました^^;
さっそくあとで読ませていただきますね!
>随分と値が張ったんですよね・・・
ケニー自身のレーベルから出てるCD はDX エディションとかでもないのに4,000円近くしますね~。
今回の紙ジャケが内袋どころか歌詞の対訳も省略されてるのはロイヤリティが高いからかと思ったんですが…。
by parlophone (2008-03-18 19:45)