ジョン・レノンのアルバム――その2 [BEATLES]
今年1月の初期前衛3部作につづいて、ジョンのソロ・アルバムが紙ジャケとしてリリースされる。
今週はまず『平和の祈りをこめて~ライヴ・イン・トロント』以下の5タイトル。
きょうはそのなかから『ジョンの魂』と『イマジン』をご紹介しよう。
ぼくがビートルズ解散前後のジョンの作品(シングル盤やアルバム)に対してどんな気持ちでいたかは、以前書いたことがあるので省略して、今回は紙ジャケというマテリアルの紹介だけに留めたい。
『ジョンの魂 JOHN LENNON/PASTIC ONO BAND』は1970年12月の作品。
ヴィニール・コーティングの施されたE式のシングル・スリーヴはUK オリジナル盤を復刻したもの。
レーベルはApple のアウトラインだけを使用したもので、歌詞カードを印刷したインナー・バッグがついている。
インナーはオリジナルどおり取出し口が波型になったものだ。
帯は国内初盤についていた丸帯をイメージしたものだが、当時のものとは細部がかなり異なる"なんちゃって帯"だ。
ただ、2005年6月に出たApple 紙ジャケ・シリーズと比べると、比較的アナログ盤のものに近づいている。
(タイトルを並べただけのシンプルな表記は国内初盤をイメージしている)
音源は2000年のミレニアム・エディションと同じで2000年のデジタル・リマスター。ただしミレニアム・エディションにあったボーナス・トラックは今回は省かれている。すみませ~ん、ボートラもついてました…^^;
なお、この作品はプラスティック・オノ・バンドの『ジョン・レノン』という名前の作品だ、というのをどこかで読んだことがある。
でもまあ、ジョン・レノンの『プラスティック・オノ・バンド』というのが妥当な解釈だと思うが、『ジョン・レノン/プラスティック・オノ・バンド』全体がタイトルと考えてもいいかもしれない。
『イマジン』は1971年10月のリリース。
ヴィニール・コーティングを施したE式のシングル・スリーヴは、やはりUK オリジナル盤を復刻したものだ。
こちらの丸帯はかなり国内初盤のものに近い。
レコード番号(PAS 10004)を含めてかなり細部まで再現されている。
レーベルはジョンの写真をApple のアウトラインの形に切り取ったオリジナルだが、いやにパープルがかっているのがちょっと気になる。
歌詞やパーソネル、ミュージシャンの写真が配置されたインナー・バッグとポスター、それにポールの『ラム』をおちょくったポスト・カードがミニチュアで復刻されている。
音源はこちらも2000年のミレニアム・エディションと同じリミックス&リマスター。
したがって紙ジャケというパッケージングに興味がなければ新しく買う意味はまったくない(笑。
なお『ジョン魂』と『イマジン』のスリーヴを比べてみると、『イマジン』のほうだけ上下に絞りがある。
これもおそらくオリジナルUK 盤にもとづいているのだろう。
『イマジン』の最新の解説やキャンペーンのチラシも含めてすべてを広げてみた。
EMI MUSIC にしては頑張っていると評価すべきだろう。
なにしろ2年前の紙ジャケのときはインナーはいっさいついてこなかったのだ。
それだけでも確実に進歩している。
なお、『イマジン』のUK オリジナル盤とUS オリジナル盤についての記事はこちらをご覧ください。
こんばんは、もう手に入れられたのですね。
僕のところにはまだ届いてません。
でもこれを読んだら
開封したような気分になっちゃいました^^。
>EMI MUSIC にしては頑張っていると評価すべきだろう。
その言葉を聞いて少しほっとしました。
僕は
JOHN LENNON / PLASTIC ONO BANDは
プラスティック・オノ・バンドによる『ジョン・レノン』というアルバムだと思ってました~。
タイトル / アーチスト名の順で表記されていると解釈してたので…
もしかしたら
John特有の「どっちでも取れるようにつけた」のかもしれませんが…
by 氷春友 (2007-11-28 23:48)
氷さん、こんばんは~。
コメント&トラバ、ありがとうございました。
>>EMI MUSIC にしては頑張っていると評価すべきだろう。
>その言葉を聞いて少しほっとしました
メイカーごとの紙ジャケの完成度としては
1 Sony Music
2 Warner Music
3 EMI MUSIC
というところまで来ているんじゃないかと思います。
4 が僅差でUniversal Musicかな~。
>プラスティック・オノ・バンドによる『ジョン・レノン』というアルバムだと思ってました~
ああ、やっぱりそういう説を持っている方はけっこういらっしゃるんですね。
たしかにほかのジョンのソロ作を見てもタイトル / アーチスト名の順で表記されていますからね~。
おもしろい説だと思います^^
by parlophone (2007-11-29 00:07)
遼さん、いよいよ来ましたね。僕もお待ちかねのレノン紙ジャケ。
今日、ジョン魂を買おうと思っていたのですが
何分、残業続きで家に着いたのが0時前...。
CD屋さんはとうに閉まっており、今週中には何としても
ゲットしようと思ってますよ。
イマジンの帯の方が格好良いですね...。
ちょっと残念。
トラバさせていただきました。
by ouichi (2007-11-29 01:18)
>『プラスティック・オノ・バンド/ジョン・レノン』全体がタイトルと考えてもいいかもしれない。
私もそうだと思っていました。(います)
ただ、このアルバムに関しては「ジョン魂」というのが一番スッキリですが…(爆)
Imagineのあのポスターは昔住んでいたアパートの壁に貼っていたのを思い出してしまいました…
あれがついているなら欲しいかなあ。
ジョン魂のジャケ写はビル・エヴァンス&ジム・ホールのUndercurrentと双璧をなす芸術作品だと思いませんか?
どちらもタイトルなんかなくても音楽を語っていますよね。
by MORE (2007-11-29 09:05)
こんにちは。
僕もプラスティック・オノ・バンドによる『ジョン・レノン』が原題だと思っています。
そうでないと、『ヨーコの心』も同じになっちゃいますから。
PC録音時にネットで取得したタイトルは逆になっていたので、手入力で変えましたけどね。
でも、やっぱり一番しっくり来るのは『ジョンの魂』でしょうね。
冒頭の鐘の音でそう感じてしまいます。
by ミネちゃん (2007-11-29 16:35)
ouichiさん、どうもです。
『イマジン』の帯は国内初盤のものをうまく復刻してますね。
『ジョン魂』も紙ジャケとしてはばっちりです。
ぜひGETしてくださいね!^^
by parlophone (2007-11-29 20:25)
MOREさん、どうもです。
>>『プラスティック・オノ・バンド/ジョン・レノン』全体がタイトルと考えてもいいかもしれない
すみません、なんか本文のほうで順番が混乱してたみたいで間違えて表記してしまいました。
『ジョン・レノン/プラスティック・オノ・バンド』ですね。
>ただ、このアルバムに関しては「ジョン魂」というのが一番スッキリですが…
いやー、ほんとそうですね。
『ジョンの魂』という邦題はほんとすごいと思います。
しかも『ジョン魂』と略せるところがまたスゴイ(笑。
うちのパソコンでは「じょんたま」と入力すると一発で「ジョン魂」と変換します(爆。
>ジョン魂のジャケ写はビル・エヴァンス&ジム・ホールのUndercurrentと双璧をなす
>芸術作品だと思いませんか?
う~~ん、ぼくは『Undercurrent』、そんなにいいジャケ写だと思ったことはありませんでしたね。
今度もうちょっとシゲシゲと見てみます。
ってゆーか、『Undercurrent』って演奏はすばらしいけど音がよくないんですよね~(笑。
でもジョン魂のジャケットはすばらしいです。
文句なしにトップ・クラスの芸術品だと思います!
by parlophone (2007-11-29 20:33)
ミネちゃんさん、こんばんは。
ひょっとしたらはじめまして、でしょうか?
(そうでなければ大変失礼なのですが^^;)
>そうでないと、『ヨーコの心』も同じになっちゃいますから
なるほど、そういう考え方もできますね。
>PC録音時にネットで取得したタイトルは逆になっていた
ぼくも記事を書く前にいくつかオンライン・ショップを見たんですけど、やはりタイトルが「Plastic Ono Band」でアーティストが「John Lennon」という解釈でしたね~。
>でも、やっぱり一番しっくり来るのは『ジョンの魂』でしょうね。
>冒頭の鐘の音でそう感じてしまいます
わかります!
ぼくも最初にこの曲を深夜放送で聴いたときはショックでした…。
そのことは上に紹介した記事にも書いたんですけど、やはり聴きながら呆然としてしまいましたね…。
by parlophone (2007-11-29 20:49)
遼さん、こんばんは!
紙ジャケを買った日からずっとジョンのアルバムを聴いています。
きっと来週もそうなるんじゃないかと思いますけど(笑)。
でも、正直なところジョンのアルバムだけをぶっ通しで聴き続けるのも随分と久し振りで、だからか以前は敬遠していた『サムタイム・イン・ニューヨーク・シティ』のようなストレートな作品も新鮮に映りましたね。
それと、改めてヨーコの影響力を(良くも悪くも)感じましたし。
by lonehawk (2007-11-29 21:52)
僕も記憶が確かでありませんでしたが、リトル・フィートの時にコメント書いていますので、2度目でした(^_^;)。
また来週登場します!
by ミネちゃん (2007-11-29 22:12)
お~、lonehawkさん、どうもです。
ぼくも先ほどlonehawkさんのブログにコメントしてきましたよ。
>紙ジャケを買った日からずっとジョンのアルバムを聴いています
あ、ぼくは全然聴いてません。
いけませんね~。
>以前は敬遠していた『サムタイム・イン・ニューヨーク・シティ』のようなストレートな作品
ぼくは『ジョン魂』と『イマジン』以外は聴いたことないんですよね~。
来週、『壁・橋』と『ロックン・ロール』買って、聴いてみます。
気に入るといいんですけど…^^;
by parlophone (2007-11-29 22:14)
>リトル・フィートの時にコメント書いていますので、2度目でした(^_^;)。
ぎゃあ~、どうも失礼しましたーー!
お名前はlonehawkさんとことかでよく拝見してましたが、とんだ失礼をしでかしてしまいましてお許しくださいね。
またよろしくお願いいたしますm(_ _)m
by parlophone (2007-11-29 22:52)
なかなかの出来みたいですね、紙ジャケ。
もちろん私はまだ現物を見てもいません(苦笑)。
ピーター・コビンのリマスターだというのが難点ですよねえ。
買っても聴かないな(笑)。
遼さん、「MIND GAMES」もオススメですよ〜ん。
by MASA (2007-11-30 00:19)
MASAさん、どうもです。
>なかなかの出来みたいですね、紙ジャケ
いや~、確実に進歩してますよ。
みんなが手放しで絶賛しないのは、やっぱり1,890円と2,600円という価格格差?だと思います(笑。
710円というのはすごい差ですからね~。
>ピーター・コビンのリマスターだというのが難点ですよねえ
そうなんですよね。
しかもボートラなんて要らないものが入ってるし…。
>「MIND GAMES」もオススメですよ〜ん
やっぱりそうですよね。
じつは30秒ほど手にとって悩んだんですが、けっきょく棚に戻しちゃいました(笑。
それと『MIND GAMES』というタイトルと『ヌートピア宣言』という邦題の関係もよくわからないんですが…。
「ヌートピア」って何?
by parlophone (2007-11-30 00:47)
>う~~ん、ぼくは『Undercurrent』、そんなにいいジャケ写だと思ったことは>ありませんでしたね。
あ、もちろん再発物のタイトルがついているのじゃなくってオリジナルの写真だけの物に限ります。
今出てるCDなんかは非常にアグリーなタイトルグラフィックがついていますので…
>「ヌートピア」って何?
憶測ですが、ヌードとユートピアをくっつけた造語だと思います。
Two Virginのジャケ写のせい?
でも、なんか安っぽい語感ですよね。
当時の東芝の担当者がカッコイイだろうってんで作ったんでしょうけど…
by MORE (2007-11-30 08:59)
こんにちは。「ヌートピア」は検索すればすぐにわかりますが、ジョンとヨーコが提唱した概念上の国家の名称です。ウェブサイトもありますよ。
by thule (2007-11-30 09:32)
>オリジナルの写真だけの物に限ります
あ、なるほど。
あのロゴがあるのとないのじゃずいぶん感じは違いますよね。
>憶測ですが、ヌードとユートピアをくっつけた造語だと思います。
>なんか安っぽい語感ですよね
ですよね~。
「virgin」ということばにジョンが込めたかった思いというのはなんとなくわかるし、それをヌードで表現することも理解できるんですが、「ヌートピア」というのはどうなのかなあ…。
もちろん「ヌートピア=ヌード+ユートピア」という前提での話ですが。
by parlophone (2007-12-01 00:44)
thuleさん、こんばんは。
はじめまして、でしょうか?
よろしくお願いします。
>ジョンとヨーコが提唱した概念上の国家の名称です
ありがとうございます。
おっしゃるとおりググってみたらすぐに出てきました。
『MIND GAMES』のなかにそういう宣言が出てくるんですね。
どういう国家かわかりませんが、とりあえず紙ジャケ買って聴いてみましょうかね(笑。
by parlophone (2007-12-01 00:50)
この記事読ませていただいて、買った気になってます(爆)
この2枚はミレニアム・エディション持ってるんです。
でもジョンの紙ジャケ買うなら外せない2枚だしなぁ・・・。
やっぱり、この値段はちょっと躊躇します。
3枚分の金額でSONYの紙ジャケCDなら4枚買えちゃうもんなぁ・・・。
ぼやいてばかりの僕は、当然まだ未購入です(^^ゞ
『WALLS AND BRIDGES』は必ず買いますけど。
でも、これだけ高いんですよね、確か。
せこいなぁ~、EMI(怒)
by DEBDYLAN (2007-12-01 23:20)
DEBDYLANさん、いつもありがとうございます。
>この2枚はミレニアム・エディション持ってるんです
>でもジョンの紙ジャケ買うなら外せない2枚だしなぁ・・・
ぼくも持ってるんですよ。
記事にも書いたとおり「パッケージングに興味がなければ新しく買う意味はまったくない」ものなんですけどね~。
でも買っちまいますね(笑。
>『WALLS AND BRIDGES』は必ず買いますけど。
>でも、これだけ高いんですよね、確か
はい、変形ジャケで3,000円です。
セコイですよね(笑。
by parlophone (2007-12-01 23:55)
ヌートピアの件、私も検索してみて「ふーん」でした。
Imagineの曲に関してもウィキペディア(英語版)には随分色々な
面白い記述があって、良くも悪くもこの曲は20世紀を代表する歌の
一つなんだなあ、それを書いたジョンってやはりすごいなあと
思った次第です。
ヨーコさんもGrapefruitを書いた頃なんかは尊敬するアーティスト
だったんですけどね・・・(今は尊敬してない、という意味ではなくって
尊敬の度合いが下落したというか・・・苦笑)
ビートルでなくなってからのジョンは音楽以外でのマニフェストが多くなって
、それが私を含めてファンから敬遠されてしまうキッカケになったのではないかと思います。
だからこそStarting Overでの音楽活動再開に大喝采だったんですけどね。
と、色々考えさせてくれた「ヌートピア事件」でした。(笑)
by MORE (2007-12-02 10:31)
>ヌートピアの件、私も検索してみて「ふーん」でした
ぼくは日本語版のウィキしか読んでないので、あまり詳しいことはわかりませんでした。
いずれにしてもちょっと『ヌートピア宣言』を買ってみましょう(笑。
(でもなんで『マインド・ゲームス』ではいけなかったんだろう?)
>ヨーコさんもGrapefruitを書いた頃なんかは
>尊敬するアーティストだったんですけどね・・・
ぼくもアーティストとしてのヨーコはすごい人だと思います。
ただ「ジョン・レノン=愛と平和の使者」的なプロパガンダはもうそろそろ勘弁してくれ…という感じですかね。
by parlophone (2007-12-03 01:01)