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『スティーヴン・スティルズ&マナサス~ライヴ』 [CSNY]

 『ベスト・オヴ・ミュージック・ラーデン・ライヴ』シリーズと題されたDVDのシリーズが9月に再発された。
このなかからスティーヴン・スティルズ&マナサスの貴重なライヴ映像をご紹介したいと思う。

   

ただしぼくが持っているのは2000年にリリースされたときのもので、今は右のようなパッケージになっている。

 01  Bound to Fall
 02  It Doesn't Matter
 03  Hide It So Deep
 04  Song of Love
 05  Rock N' Roll Crazies
 06  Cuban Bluegrass
 07  Jet Set
 08  Jam
 09  The Treasure

ドイツのTV番組に出演したときのスタジオ・ライヴだが、観客がいないので、曲と曲の合間にはメンバーのおしゃべりやチューニングのようすが見られるのも生々しい感じだ。

マナサスはクロスビー・スティルズ・ナッシュ&ヤングを解散して2枚のソロ・アルバムをリリースした後に、スティルズが結成したバンドで、2枚のアルバムを残している。
なかでも1st アルバムは2枚組の力作で、CSN&Yを髣髴とさせる美しいコーラスの聴けるものや、へヴィーなブルーズ・ロック、スティルズらしいラテン・フレイヴァーの香り高い作品やカントリー・ロックなど、さまざまな楽曲がすばらしいバランスを保った名作だ。

   
   (1st アルバムのフロント・カヴァー。そろそろ紙ジャケにしてよ、ワーナーさん♪)

このライヴは、おそらくその1st がリリースされた直後の1972年にシュートされたもので、同アルバムからの8曲と「Jam」と題された曲が演奏されている。

スティーヴンのほかはクリス・ヒルマン(g)、アル・パーキンス(pedal steel g, g)、ポール・ハリス(key)、カルヴィン・サミュエルズ(b)、ダラス・テイラー(ds)、ジョー・ララ(perc)という眩暈のするような豪華なメンバーだが、これがオリジナルなのである。

  
  (フロントを務めるクリスとスティヴン)

ザ・バーズ~フライング・ブリトー・ブラザーズのクリス・ヒルマン、同じくフライング・ブリトーに在籍したアル・パーキンスとの3ギターズに加え、クロスビー・スティルズ & ナッシュ時代からおなじみのダラス・テイラー、カルヴィン・サミュエルズ、ラテン・テイスト溢れるジョー・ララのリズム陣も完璧だ。

  
  (左からアル、ダラス、カルヴィン、スティーヴン、ジョー)

屈指の名曲「コロラド」が入ってないのはほんとうに残念だが、哀愁のメロディーが美しい「It Doesn't Matter」が聴けるのはうれしいし、アナログ盤でいえばSide 1に当たる曲が多く演奏されているのも目を引く。
Rock N' Roll Crazies」から「Cuban Bluegrass」へのメドレーもアルバムと同じ構成だ。

  
  (クリスのギターは塗装を剥がしたホワイト・ファルコンだろうか。後ろはポール)

クロスビー・スティルズ&ナッシュがお好きな方ならけっして損はしない2,500円である。


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hamakaze_ataru

スティルスは・・・前にも自分のブログにも書いたのですが、声が苦手であまりソロやマナサス時代の作品、深く聴いていません。「歌」に重点を置くとやっぱクロスビー&ナッシュに傾倒してしまいます。しかし曲の構成力やプレーヤーとしての才能は断然スティルスだと思っています。このDVDはギター見るだけでもワクワクしそうですね。クリス・ヒルマンのファルコン、なんで剥がしてしまったんでしょうね(笑)グレッチって弾いた事ないので良くわからないのですが、使っているミュージシャン多いけど、ハッキリしたグレッチの音・・・解りません。カール・パーキンスのビデオでジョージの弾く素直な音は印象ありますが。
しかし、スティルスのレスポール・・・どんな音が欲しかったのか解るようなピックアップですね。ビグスビーも付いてるし。遼さんのレスポールっぽい色ですね。
遼さんはグラム・パーソンズのヒストリーdvdは観ました?
私はまだなんですが、ど〜しても欲しい1枚です。
by hamakaze_ataru (2006-10-29 09:49) 

parlophone

>曲の構成力やプレーヤーとしての才能は断然スティルス

ですよね。
とくに1stの『クロスビー・スティルス&ナッシュ』はスティルスの才能なくしてはあそこまで名盤になったかどうかわかりません。
ところで誰かも書いてたと思うんですが、デイヴ・メイスンってスティルスの歌い方にすごく影響を受けてると思うんですが、大安さんはD.メイスンはいかがですか?

>このDVDはギター見るだけでもワクワクしそうですね

スティルスがヴィンテージ・ギターを惜しげもなく使いまわすのはCS&Nの83年のライヴ『デイライト・アゲイン』あたりが楽しめます。
フェンダーのエスクワイア、ギブソンのファイヤーバード、グレッチetc…、全部ヴィンテージですからね~。

>グレッチって弾いた事ないので良くわからないのですが

ぼくもそうですね。
カントリーから、ブライアン・セッツアーあたりまで、すごく幅広い音楽で使われてますが、どんな音?と聞かれると…よくわかりません(爆。

グラム・パーソンズ、観てないんですよ。
レココレあたりで「必見!」て書いてあったので、気にはなっているんですが…。

ところで大安さんのスティルスに関する記事ってどこで読めます?
ごめんなさい…読んだ記憶が曖昧で…。
by parlophone (2006-10-29 13:20) 

hamakaze_ataru

遼さん、こんばんは!
あ〜スティルスのことはですねぇ〜
2006-07-24の「Wind on the Water」が教えてくれたもの(前編)でスティルスのことちょっと中傷?してます。(汗)
クロスビー&ナッシュ派だったので許してつか〜さい。

デイブ・メイスンを聴き始めたのは74年くらいから。
なのでトラフィックやメイスン&エリオットの時代はあまり真剣に聴いていません。
デイブ・メイスンは「SPLIT COCONUT」が最高だって思う変な趣味ですので。
スワンプ時代よりファンキーでポップになった「SPLIT COCONUT」と前作あたりがたまらなく好きです。ジム・クリューガーがギターパートナーだった頃ですね。
デイブ・メイスンがファイヤーバード好きなのもスティルスの影響でしょうかね。
by hamakaze_ataru (2006-10-29 17:44) 

parlophone

いやあ、MAOちゃん残念でしたね~。
「勢いがなかった」って繰り返してましたけど、直前の練習までクルクル跳んでたんで疲れちゃった?
(んなこたあないか…爆)
そしてMIKITY初優勝おめでとう~!!
頑張ったね~~^^

てな訳で遅くなってしまいました^^

>スティルスのことちょっと中傷?してます。(汗)

いえいえ、後編の容赦ない批判に比べればただ「声が嫌い」ってだけで(笑、べつに中傷ではないかと…。

>スワンプ時代よりファンキーでポップになった「SPLIT COCONUT」と
>前作あたりがたまらなく好きです

なるほど、そうなんですね。

>デイブ・メイスンがファイヤーバード好きなのもスティルスの影響でしょうかね

あのあたりのミニ・ハムって独特の音を持ってますよね。
個人的にはファイヤーバードといえばジョニー・ウィンターの凄まじいスライドが忘れられません。
by parlophone (2006-10-29 21:07) 

MORE

>ところで誰かも書いてたと思うんですが、デイヴ・メイスンってスティルスの歌い方にすごく影響を受けてると思うんですが

どうでしょうか…
バッファローの結成は1966、トラフィックは1967ですが、メイスンの方がスティルスより1歳年上ですし、影響を受けるってことはあまり考えられないと思いますが?(あくまで主観です)
スティルスは個人的にはバッファロー時代が一番好きです。
そしてCSN&Yの時ですね。つまり、ニール・ヤングと一緒にいるとライバル意識が芽生えて良い作品を書き、良い演奏ができたと思います。
ってことはその次に良かった時はスティルス/ヤング・バンドの時って訳です。

ところで、ジミヘンにAll Along The Watchtowerを初めて聞かせたのはD.メイスンだったそうです。
で、メイスンはあの曲(ジミヘンのヴァージョン)でアコギかベースを弾いているんだそうです。
by MORE (2006-10-29 23:00) 

parlophone

>バッファローの結成は1966、トラフィックは1967ですが、メイスンの方がスティルスより
>1歳年上ですし、影響を受けるってことはあまり考えられないと思いますが?

なるほど、そういう関係になりますか~。
しかし『アローン・トゥゲザー』を初めて聴いたときは「おぉ~、これってスティルスじゃん!」と思ってしまいました^^;
関係なかったですかね…。

>ニール・ヤングと一緒にいるとライバル意識が芽生えて良い作品を書き、
>良い演奏ができた

それはあるでしょうね。
ただぼくは『クロスビー・スティルス&ナッシュ』も大好きなので、あのころはやっぱり才気が溢れてたと思いますね。

>メイスンはあの曲(ジミヘンのヴァージョン)でアコギかベースを弾いているんだそうです

ええっ~、そうなんですか。
これは貴重な情報をありがとうございました。
by parlophone (2006-10-29 23:46) 

MORE

>しかし『アローン・トゥゲザー』を初めて聴いたときは
>「おぉ~、これってスティルスじゃん!」と思ってしまいました^^;
>関係なかったですかね…。

メイスンは1970年くらいからアメリカに移って、レオン・ラッセルとかデラニー&ボニー達と関係が深かったんですよね。
スティルスも割と南部のサウンドには傾いていた人ですから、近いっちゃあ近いですけどね。
メイスンはもっとディープなアメリカン・サウンドへの憧憬を抱いていたと思います。
あの頃はイギリスのアーティストが随分アメリカに渡ったんですよね。最大の理由はイギリスの所得税が金持ちには不利、ということだったであろうとは想像できますが、やはりロック・ブルーズのルーツに近づきたいという願望もあったでしょうね。
グラハム・ナッシュ、クラプトン、レノン…
by MORE (2006-10-30 10:47) 

parlophone

>メイスンはもっとディープなアメリカン・サウンドへの憧憬を抱いていたと思います

そうですよね、スティルスのばあいラテンへの傾斜がけっこう顕著なので、そのぶんディープ・サウスへの思い入れは薄まって感じられますね。

>あの頃はイギリスのアーティストが随分アメリカに渡ったんですよね

でしたね。
そしてそれなりに豊穣な音楽的成果を生み出しましたよね。
いい時代でした。
by parlophone (2006-10-30 18:09) 

k-hiko

はじめまして!
画像といい情報量といい素晴らしいブログですね!以前から拝見させていただいておりました。
このマナサスのDVDは個人的に最高に好きです。当初はスティルスってどうもとっつきにくい感じだったのですが、このDVDでフェイバリットになりました
マナサス時代の全てをぶっこぬいていくようなスティルスが本性が表れているようで(笑)好きです。
by k-hiko (2006-10-30 19:17) 

parlophone

k-hikoさん、こんばんは。
はじめまして。
遼(Parlophone)と申します。

コメント&トラバありがとうございました。

>画像といい情報量といい素晴らしいブログですね

ありがとうございます。
けっこう無知な部分が多くて、周りの皆さんから助けられながらなんとか続けていっております^^;

>マナサス時代の全てをぶっこぬいていくようなスティルスが本性が表れているようで

おもしろい見方ですね~。
彼の全キャリアのなかでも、このころがピークだったのではないでしょうか。
彼の音楽性がよく表れたすばらしいヴィデオだと思います^^
by parlophone (2006-10-31 00:00) 

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