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ニール・ヤング 『PRAIRIE WIND』 [CSNY]

クラプトン、ストーンズ、ポールにつづいて、忘れちゃいけません、この人も新譜をリリースした。
ニール・ヤング。
CDの楽曲をすべて収録したDVD付で、紙ジャケ仕様というのがウレシイ^^

  

さて「草原を吹き渡る風」と題されたニュー・アルバムだが、帯を見ると
1972年『ハーヴェスト』、1992年『ハーヴェスト・ムーン』、そして、2005年『プレーリー・ウィンド』。
ロック史に、永遠に語り継がれる珠玉の3部作(トリロジー)ここに完結

と書かれている。

あれ?

2000年に出た『シルヴァー・アンド・ゴールド』の帯を探してみる。
あった、あった。
ロック界のカリスマ、ニール・ヤングがCSN&Yの活動と並行して作りあげた『ハーヴェスト』、『ハーヴェスト・ムーン』に続くアコースティック3部作の最終章
って、ヲイヲイ^^;

これって、「ひとは3回恋をする」みたいなヤツかね。
う~ん、初恋はあの子で、2度目の恋はあの子か。いやいや、彼女だ。女房はまあ、恋のうちに入らんから、おっ、まだあと1回残ってるぞ」って……。
(ちなみにワタシのことではありませんよ)

ニール・ヤングは極端なことをいうとアルバムごとに曲へのアプローチを変えてきた人だから、初期のSSWみたいなタイプが好きな人から、グランジの親分~パンキッシュなニールが好きな人までいろいろいてもおかしくない。
でもファンの最大公約数的にはやはり『ハーヴェスト』ってことになるんだろうな。
で、レコード会社も『ハーヴェスト』の続編を売りにする。

レコーディングはスティール・ギターのベン・キース、キイボードのスプーナー・オールダムなどおなじみのメンバーで行われ、アルバムはとても穏やかな「the Painter」で幕を開ける。
このアルバム最大の聞きものはつづく「No Wonder」だろう。
ちょっとCSN&Yの「自由の値」を思わせるようなアコースティック・ギターのイントロで始まるこの曲は、ニールのレス・ポールやスティール・ギターが歪んだ音を奏で、歌詞には9・11が登場する。
この詞には教会で式を挙げる花嫁の指輪や料理の上手な母親、緑の牧草地と陽光、そしてそれが枯れて降る雨、死んだ兵士と鐘を鳴らす教会、壁で時を刻む時計や、分け前を懐に入れる上院議員など、とても具体的なイメージが歌われているのだが、それらが一つの曲として何を表すのか、ぼくにはわからない。
ただ重々しい曲調といい、とても意味ありげな曲なのだ(笑)。

タイトル曲は曲調がちょっと「F*!#in' Up」に似た感じだが、アコースティック・ギターにブラスが入って少し軽め。  
This Old Guitar」はギターのリフが「ハーヴェスト・ムーン」に似ていたり……とまあ微笑ましいところもある。
ただ『ハーヴェスト』の重厚さはここにはないような気がするなあ。
プレスリーのことを歌った「He Was a King」なんてのもやっぱり軽い感じだもんなあ。

  
  (すべての楽曲の演奏シーン入り。左からニール、リック・ロサス、スプーナー、そしてゲスト・
   ヴォーカリストのエミルー・ハリス)

ただ『アンプラグド』のときはあれだけギターをとっかえひっかえしたニールが、今回はヘリンボーンのD-28(おそらく1946年製?)1本で歌っているのは、マーティン・ファンとしてはうれしいところだ。


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幻燈遮断機

CSN&Yの名盤「デジャヴ」も去年アメリカでニューリマスタ盤が出た(ハズ)なんですが、
ワーナーが紙ジャケしてくれるかも~。
と思って待っていたら、やってくれませんでした。orz
by 幻燈遮断機 (2005-10-31 03:30) 

parlophone

>CSN&Yの名盤「デジャヴ」も去年アメリカでニューリマスタ盤が出た(ハズ)
お~、そうでしたか!
しかし、何回目のリマスタなんだろう。
なんかしょっちゅうやってるようなイメージがあるんだけど…。

BEATLESのばあいはCD化のときの1回だけ、LED ZEPPELINはジミー・ペイジによるリマスタで2回めなのに。
そう考えるとリマスタすれば音がよくなるとは限らないかもしれませんね^^;
by parlophone (2005-10-31 20:02) 

3-savile-row

遼さんもやはりこのCD買ってたんですね。僕も買ってるんですが、まだ封開けてません。ですので、何も発言できませんです。ディランもサザンも未だです。何してるんでしょうね。

しかし!そうです!遼さんの言うとおりです。
『シルヴァー・アンド・ゴールド』が3部作の3作目みたいな事言ってましたよね。僕も買うとき???でした。よく今回のコピーにOKが出たものだと思います。あきれてしまいます。こんな無謀な事繰り返すと益々CD売れなくなるような気がするんですが。。。少しは良心を取り戻して欲しいものです。

それから実は僕は『ハーヴェスト』より『ハーヴェスト・ムーン』の方が断然好きです。『ハーヴェスト』のアレンジなんだか大げさ過ぎるような気が。。。あくまでも、僕の主観ですが。
でも、あの当時ラジカセで聴いていた『ハート・オブ・ゴールド』今だに好きです。カラオケでも歌ったりして。。。
by 3-savile-row (2005-10-31 21:23) 

lonehawk

遼さん、こんばんは~。
TBありがとうございました。
こちらからもTBさせて頂きましたので、宜しくお願い致します。

そういえば遼さんの仰るとおり『シルヴァー・アンド・ゴールド』の宣伝文句にも三部作という表現がされていましたね。
自分の記事を書いている時はそのことが頭からすっ飛んでましたので、記事では全く触れていませんでした(笑)。
共通するのはベン・キースの参加(『ハーヴェスト』以外はプロデュースもしていますね)と、全体の音の感触が近いということですかね。
トリロジーという表現は単なるレコード会社の戦略ということになるのでしょうか。
とするとワタシはまんまとその戦略にハマッていますね。

ところで、上のコメントで幻燈さんがおっしゃられている盤と同じかどうか分かりませんが、『デジャ・ヴ』のUSリマスター盤は店頭で見たことがありますよ。
イーグルスやバドカンやマドンナ等ワーナーから出されているリマスターCDと同様に、丸い銀のシールで"DIGITAL REMASTER"と書かれたシールが貼られていたので、今のところはこのシールが貼られたものが最新盤ではないかと思いますが、真偽の程は定かではありません。
国内盤は最近になって再発されてますが、こちらも未聴なので音がどうなっているかも分かりません。
あまり役に立たない情報を長々とスミマセン(笑)。
by lonehawk (2005-10-31 22:30) 

parlophone

marthaさん、どうもです。
いやあ、ぼくも買ったきり開封していないDVDというのならいっぱいありますが
(自慢にならんっちゅうに^^;)、さすがにCDはないですね(いや、ないはず…)

>『ハーヴェスト』のアレンジなんだか大げさ過ぎるような気が。。。

わかります。
とくにストリングスの入った2曲は映画音楽みたいで、発売当初から賛否両論ありましたね。
ぼくも初めて聴いたときは映画館で音楽聞いてるようで違和感ありまくりでした。
新作はCD聴いてDVD見ると、へえ、へえ…と楽しさが倍増しますよ。

ちなみにぼくは「Old Man」や「The Needle and the Damage Done」が弾き語りのオハコです^^
by parlophone (2005-10-31 23:24) 

parlophone

lonehawkさん、どもどもです。

>トリロジーという表現は単なるレコード会社の戦略ということになるのでしょうか。
>とするとワタシはまんまとその戦略にハマッていますね。

大鷹俊一さんの解説読むと、どうもニールかその周辺が言い出したみたいですが、だとすれば『シルヴァー・アンド・ゴールド』のときはどうだったのよ!って感じですね~。

>丸い銀のシールで"DIGITAL REMASTER"と書かれたシール

あ、なるほど、イーグルスなんかについてたアレですね。
ふむふむ。
ま、とりあえず聴いてみたくはなりますね~。
ほんと幻燈さんじゃないけど、求む再紙ジャケ化!!
by parlophone (2005-10-31 23:31) 

幻燈遮断機

遼さん、lonehawkさん、どうも。
僕が見たヤツもそれです。>lonehawkさん。
ワーナーが紙ジャケにしてくれると勝手に思い込んで、見送ったブツですね。
再発国内盤は、確か新たにリマスターしていないはずなので
10年ちかく前のリマスターということになりますか。
「フォーエヴァー・ヤング・シリーズ」(でしたっけ?)では、新たにリマスターされたものも何タイトルかあって「?」ですが。
でも外盤ってなにやら怪しげなリマスターって、ありますね(笑)。
遼さんの言うように、リマスターされりゃ良い音になってるってわけでもないし。
やっぱりリマスターの回数より、誰がリマスターに関わったのかが重要ですかね。
BNのRVGとか、ZEPのジミー・ペイジ自らとか。
当時の音に関わっていた人のリマスターなら、納得せざるをえない説得力があります。
でも怪しげ外盤リマでも、良リマがあったりして困ったり(笑)。(←これは個人の主観ですね)
ん?結局リマスターって、個人の主観で好き嫌いが分かれるってことカナ?
遼さん、コメント脱線しまくりですみません。(-_-
by 幻燈遮断機 (2005-10-31 23:38) 

夜明けのティーンエイジャー

シマッタ!ニール・ヤングの新作が出やがったのか!!金が・・・ないっ!くぅぅぅ、、、首がぁ~首がぁ~、動かねぇやい。。。うがああああ(号泣)
『ハーヴェスト』は確かに名盤でしたね。2年前に武道館でニールを見ましたが、ハードだろうがメロウだろうが一音一音に賭けるソウルみたいなものがニールの真骨頂であり、独自のスタイルを持ちつつそれをもひょいと越えてみせるそんなニールが好きです。
by 夜明けのティーンエイジャー (2005-11-01 01:48) 

3-savile-row

遼さん、今晩は。

そうなんです。『ハーヴェスト』は途中のアレで流れが一気におかしくなってしまって、全体通して聴くのはちょっと辛いです。
『ホワイト・アルバム』位、徹底的にいろんな物ぶち込んじゃえば、それはそれで一つの大きな流れになるんですがね。『ハーヴェスト』はちょっと失敗してる様な。。。すみません、偉そうな事言いまして。

ところで、最近のニール・ヤングは音と映像の融合を図っている様ですね。前回のLIVEも演奏+演劇でしたし。『ラスト・ネヴァー・スリープス』の頃からその気配が見え隠れしてましたよね。
アーティスト側はいろんな表現手段を使って自己表現をすべきだとは思いますが、こちら側といたしましては観る物・聴く物そして読む物なんかが増えてしまって、消化する時間に困りますよね。

と書いたんですが、それだけ楽しむ物が増えて喜ぶべきですかね。
(すみません、まとまりなくて。)
by 3-savile-row (2005-11-01 20:39) 

parlophone

夜明けさん、どうもです。
2年前というと『グリーンデイル』のときですかね。
ぼくは残念ながらいけなかったんですが、ぼくの周りではすごく評判のいいライヴでした。

>ハードだろうがメロウだろうが一音一音に賭けるソウルみたいなもの

これはほんとうにそうですね。
アコースティックを持ってもエレキを持っても、魂の音楽ですもんね。
夜明けさん、名言です!!
by parlophone (2005-11-01 23:51) 

parlophone

marthaさん、どうもです。
『ラスト・ネヴァー・スリープス』!
ぼくは映像の方を先に見たんですが、これは衝撃でしたね~!
ステージの天井にまで届かんとするアンプ、SWのイウォーク族のような不思議な登場人物たち、そしてアコースティック・セットとエレクトリック・セット、そのほかにも映画『ウッドストック』のなかの主催者側のアナウンスをそっくり流したり
…。
ニールは早くから映像にはすごく興味を持っていたみたいなので、ぼくはレーザー・ディスクもいろいろ持っていますが、飽きさせませんね。
『ライヴ・ラスト』の映像版(だったかな?)も大好きです!
by parlophone (2005-11-01 23:58) 

3-savile-row

本当にそうですね。
いつもいつもニールはいろんな事やってくれて飽きませんね。
そして今も、まだまだ現役感いっぱいです。
彼には枯れる事なく、いつまでも尖ってて欲しいです。

今『ラスト・ネヴァー・スリープス』取り出して観てますが、演出含めて
実にソリッドなLIVEです!『グリーンデイル』のLIVEも良かったんですが、
やはりこちらに思いっきり軍配が上がります。

しかし、遼さんの見識・コレクションには本当に敬服です。
今後も良質な情報をよろしくお願い致しますね。
by 3-savile-row (2005-11-02 21:29) 

parlophone

いやいやとんでもない!
marthaさんのブログで紹介されるものはコメントしたくてもできないものが多くて^^;
ギル・エヴァンスなんかも『OUT OF THE COOL』と『INTO THE HOT』しか聴いたことないんですよね…。

ところで、きのう書いたのは「『ライヴ・ラスト』の映像版」ではなくて
『WELD (RAGGED GLORY TOUR)』の映像版でした。
この中にはニールといっしょになってからだを動かしたりこぶしを突き上げたりする観客の姿がいっぱい捉えられていますが、ほんとうに老若男女さまざまで、ニールを愛するファン層の厚さを感じさせてくれますね!
by parlophone (2005-11-02 22:30) 

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