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フライング・ブリトウ・ブラザーズのアルバム [紙ジャケ]

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ロックの教科書によると、カントリー・ロックの始まりは1968年のバーズのアルバム『ロデオの恋人』ということになっている。
もともと黒人のブルーズを起源としたリズム・アンド・ブルース(R&B)とアイルランド系白人の音楽であるヒルビリーなどを起源としたカントリー・アンド・ウエスタン(C&W)が衝突し融合したところに生まれたロックン・ロール。
その親和性から、フォークと融合してフォーク・ロック、ブルーズと融合してブルーズ・ロック、ラテン・ミュージックと融合してラテン・ロック、クラシック・ミュージックと融合してクラシカル・ロック…などと、さまざまな形に広がっていった。

しかしよく考えてみると、カントリー・ロックはぼくらが考えるほど簡単なものじゃなかったはずだ。
なぜなら、ロックは生まれたときから若者の音楽であり、反権威的、革新的、反社会的な要素を色濃く持っていた。
それに対してカントリー・ミュージックは保守的で、愛国的、伝統的なミュージックである。
フォークのプリンスといわれたボブ・ディランがエレクトリック・ギターをかき鳴らしたとき以上に、バーズの『ロデオの恋人』は物議をかもしたのではないだろうか。

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シカゴのアルバム―― part3 [紙ジャケ]

今回の紙ジャケシリーズはすべて2002年のRHINOリマスター&エクスパンデッド音源を採用し、SHM-CD仕様にしたものだ。
同じ日にリリースされたビートルズのリマスター音源に比べると7年も古いわけで、たしかに高域の伸びた印象に比べると中低域はやや弱く、とくにベースが軽めでモコモコしていて音程のあまりはっきりしない感じなのは残念だ。
ただ目の覚める思いだったのは「サタデイ・イン・ザ・パーク」の鮮やかなピアノのイントロを聴いたときだ。
いつもiPodで聴いている圧縮音源の印象とは異なって、ロバート・ラムの弾くグルーヴィなピアノが部屋全体の空気を震わせながら広がっていく快感。
とても37、8年前とは思えない音である。

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タグ:シカゴ CHICAGO
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「長い夜」のころ(シカゴのアルバム―― part2) [紙ジャケ]

前回の記事が思い出話でけっこう盛り上がったので、今回もシカゴのアルバムの話はおまけ程度で(笑)、ちょっとあのころのことを書き留めておきたいと思います。

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60年代の終わりから70年代の初めごろというのは深夜放送の全盛期だった。
ぼくが初めて深夜放送を聴いたのは、理科の宿題で生まれて初めて"徹夜"をした中学生のときだった。
夕方6時から翌朝6時までの外気温の変化を1時間ごとに測定して折れ線グラフを作れ、という課題が冬休みの宿題として出て、しばらくは妹もおもしろがってつき合ってくれていたが、やがて家族もみんな寝てしまった深夜、トランジスタ・ラジオから流れる音楽を聴きながら、1時間ごとに庭に出て気温を測ったのを覚えている。
そのころちょうどタイガースの「君だけに愛を」がヒットしていたから1968年のお正月のことだと思う。
それからしばらくして友だちが「オールナイトニッポン」がおもしろいよ、と教えてくれて、毎晩夜の1時になるとラジオのスイッチを入れるようになった。

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シカゴのアルバム―― part1 [紙ジャケ]

初めて聴いたシカゴの曲はなんだったのだろう。

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CDのブックレットなどで調べてみると最初のシングルは「クエスチョンズ67/68」で、以下

 ビギニングス
 ぼくらに微笑みを
 長い夜
 いったい現実を把握している者はいるだろうか?
 自由になりたい
 ロウダウン

…とつづくのだが、実際にヒットした順に曲を並べ替えると
70年03月 ぼくらに微笑みを(全米9位)
70年06月 長い夜(全米4位)
70年11月 いったい現実を把握している者はいるだろうか?(全米7位)
71年02月 自由になりたい(全米20位)
71年04月 ロウダウン(全米35位)
71年06月 ビギニングス(全米7位)
71年09月 クエスチョンズ67/68(全米24位)
71年09月 アイム・ア・マン(全米49位) c/w クエスチョンズ67/68
となっている。
つまり最初に2nd アルバム『シカゴ』からのシングル・カット(ぼくらに~、長い夜)がヒットし、そのあと1stからの「いったい現実を~」を挟んで、3rd アルバム『Ⅲ』からのシングル(自由に~、ロウダウン)がヒットして、それを受けるかたちで1stアルバムからのシングルがヒットしているのである。
したがって案外「長い夜」あたりが最初に聴いた曲なのかもしれないが、ぼくの記憶のなかではそのまえからシカゴの曲は何曲か知っていたような気がする。

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イエスのアルバム――part 3 [紙ジャケ]

今回はライヴ・アルバム『イエス・ソングス』と、83年の再結成後にリリースされた『ロンリー・ハート 90125』をご紹介しよう。

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『イエス・ソングス』は1973年にリリースされた3枚組のライヴ・アルバム。
ご存知のように『危機』リリース直後にビル・ブラッフォードが脱退しキング・クリムゾンに参加したため、B-1「Perpetual Change」、D-2「Long Distance Runaround /The Fish」を除いて新加入のアラン・ホワイトがドラムスを叩いているヴァージョンが収められている。
アラン・ホワイトはビートルズ・ファンならよくご存知だと思うが、「インスタント・カーマ!」や「コールド・ターキー」など、プラスティック・オノ・バンドのメンバーとして、さらに『イマジン』でもドラムを叩いていた、あのアラン・ホワイトである。

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イエスのアルバム――part 2 [紙ジャケ]

1971年11月にリリースされた『こわれもの FRAGILE』と翌72年9月の『危機 Close to the Edge』をイエスの最高傑作にあげる人は多いだろう。
ぼくもこの2作品は大好きだ。

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最初に聴いた曲が「ラウンドアバウト」(アンダーソン/ハウ)だったことは前回の記事に書いたけれど、『こわれもの』のころの5人のコンビネーションは今聴いてもほんとうに高い、超絶といってもいいぐらいのレベルでまとまっていると思う。
とくにA-1「ラウンドアバウト」のイントロ、アコギと唸るベース、タイトなドラムスの絡みは最高だ。

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タグ:イエス
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イエスのアルバム――part 1 [紙ジャケ]

デビュー40周年記念としてワーナー・ミュージックからイエスの紙ジャケが15タイトルリリースされている。

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今回はぼくが購入した(持っている)紙ジャケ6タイトルを3回に分けてご紹介しよう。

ぼくらの世代の多くの人がそうなんじゃないかと思うが、初めて聴いたイエスの曲はアルバム『こわれもの』からシングル・カットされた「ラウンドアバウト」で、これは全米13位を記録する大ヒットになった。
イエスのアルバムは当時創立されたばかりのワーナー・パイオニア・レコードからリリースされていて、たとえば『時間と言葉』のジャケットなんかはけっこう目立っていたが、なにしろこちらも高校生だからアルバムをホイホイ買えるような身分じゃない。
ところが「ラウンドアバウト」はキャッチーでありながら構成が劇的でかっこいいし、コーラスも美しいし、一度聴いただけで「あーー、これいい!」と思ってしまったのだ。
アルバムを見ると、ジャケットも(たぶん初めて見るロジャー・ディーンの作品で)すごくイマジネイティヴでかっこいいし、えいっ!と買ってしまったのが『こわれもの』だった。

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スティーヴィー・レイ・ヴォーンのアルバム――part2 [紙ジャケ]

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1985年にリリースされた3rdアルバム『ソウル・トゥ・ソウル』からはソウルフルでダウン・トゥ・アースなキーボード・プレイヤーのリース・ワイナンスが参加する。
とくに聴きものはワウ全開のM-1「Say What!」とスティーヴィーのオリジナルM-4「Ain't Gone 'N' Give up on Love」。
85年当時ワウを使うギタリストはだれもいなかったと思うが、(どちらかというと古きよき時代の郷愁をさそうエフェクターと見なされていた)ワウを駆使して圧倒的なインストゥルメンタル・ナンバーに仕上げたのがオープニングの「Say What!」だ。
「Give up on Love」は入魂のスロー・ブルーズで、6分以上にわたってしだいに盛り上がってゆく展開は見事というしかない。

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スティーヴィー・レイ・ヴォーンのアルバム――part 1 [紙ジャケ]

ぼくがエレキ・ギターを弾き始めたのは今から15~6年ぐらい前だから、そのときすでにスティーヴィー・レイはこの世の人ではなかった。

アコースティック・ギターなら高校のころから弾いていたのでなんとなく弾き方はわかるけれど、エレキは触ったことはあっても所有したことはなかったので、初めのころはすごく刺激的で面白かった。
高校生のころのギター・ヒーローといえば、クラプトン、ベック、ペイジ、ジミ…とまあごく当たり前のところだったが、30代も終わりのころになっての新しいギター・ヒーローはスティーヴィー・レイとゲイリー・ムーアだった。
それにロイ・ブキャナン…(笑♪

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ボブ・ディランのアルバム―― part 3 [紙ジャケ]

前回まではリリース順にオリジナル・アルバムを紙ジャケで紹介してきたが、最後のpart 3ではもっていないものもあるし、のちにリリースされたものも含まれるので、ちょっと変則的になるのをご承知いただきたい。

1967年の第8作 『ジョン・ウェーズリー・ハーディング』のあとリリースされたアルバムはなんとカントリー・アルバムだった。
ぼくは63年ぐらいから洋楽のシングル盤を買い始め、ラジオのヒット・チャートも聴くようになっていたから、このころのことはわりと覚えているけれど、『ナッシュヴィル・スカイライン』(1969)が出たときの騒ぎも印象に残っている。
今までのようなしゃがれた声でなく、ちょっと気取ったような澄んだ声でジョニー・キャッシュとデュエットするディランにまたしても賛否両論が沸き起こったが、当時の日本での評価としては否定的な意見が多かったような気がする。
しかしアメリカでの評判は上々で、シングル「レイ・レディ・レイ」は全米7位、アルバムも全米3位を記録しプラチナ・アルバムに輝いた。

つづく第10作『セルフ・ポートレイト』(1970)もまたしても物議をかもしたアルバムだった。
ジャケットはアルバム・タイトルどおりディラン自身が描いた自画像で飾られ、ディランの新曲も数曲含まれているが、ほとんどはトラディショナルや他のアーティストのカヴァー、ワイト島フェスティヴァルのライヴ音源などから構成された2枚組のアルバムである。
これもアメリカでは好評を博したようで、全米4位を記録しゴールド・アルバムに認定されている。

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さて次が『新しい夜明け』である。
なんといってもぼくが初めてリアル・タイムで買ったディランのアルバムということで、個人的には思い入れが深い。

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