『青盤』 アナログ・マスターLPを聴く [BEATLES]
みなさま、明けましておめでとうございます。
今年もアナログ盤、CDにハイレゾ・ミュージックなど、気になったものをご紹介していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
さて2015年最初は、やっぱりビートルズかな(笑。
赤盤が届いて4日後に青盤も届いたのだが、東京に行く直前で仕事が忙しく、ゆっくりと聴けたのは年末になってからだった。
お馴染みのフロント・カヴァー。
こちらも(当然のことながら)左肩に貼られたステッカーには
ALL ANALOGUE MASTER FROM ORIGINAL MASTER TAPES
と書いてある。
各面7曲の計28曲で、6分を超える「ヘイ・ジュード」が内周部の6曲めに収められたB面が音質的には気になるところだが、結論からいうとこれは杞憂だった。
(以下、自宅の再生装置で聴いた印象による評価であり、主観的なものであることをお断りしておく)
『青盤』はビートルズのサイケデリアを象徴する「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー」から始まる。
ダビングを重ね複雑な録音過程を経て完成した楽曲だが、音像は鮮明だ。
ジョンのヴォーカルもリアルだし、弦も解像度が高い。
ソードマンデルの美しい響きも印象的だ。
デジタル・リマスター盤では消されていた歓声のなかから始まる「A Day in the life」でも、右チャンネルから現れるジョンのヴォーカルがぞくっとするほど生々しい。
左チャンネルで鳴りつづけるアコースティック・ギターも荒々しいカッティングがよく再現されている。
ちょっと気になったところをあげると、先鋭感を出すためか、やや高域を持ち上げているように聴こえ、たとえばタンバリンの音が神経質に響いたりする部分があったのと、「レディ・マドンナ」で左右に振られているドラムスのうち右chがやや抑えめに聴こえる点だ。
ぼくは『赤盤』『青盤』についてはUK盤もUS盤もオリジナルをもっていないのでマスター・テープがどうだったのかはよくわからない。
念のために2010年デジタル・リマスターの青盤CDと比較してみた。
こちらも傾向としては同じでぼくのイメージとはやや違うのだが、そのイメージがどのヴァージョンから作られているのかはよくわからなかった。
C面になると、ハイ上がりの傾向が強くなって、たとえば「Back in the U.S.S.R.」は、ポールのヴォーカルもピアノも素晴らしいのに、ジェット機のSEや手拍子が耳に鋭く響く。
『ホワイト・アルバム』収録曲はとくにその傾向が強く、ヴォーカルの破擦音も強調されてやや耳障りだ。
『レット・イット・ビー』期の楽曲になるとかなり落ち着くが、それでも「ドント・レット・ミー・ダウン」などはシンバルがかなり歪っぽい。
「ジョンとヨーコのバラード」になると低域がダブつき気味に聞こえる。
この傾向は『アビイ・ロード』収録曲でもつづき、いわゆるドンシャリ系の音になってしまう。
もっとも青盤で『アビイ・ロード』を聴こうとは思わないので、まあどうでもいいのだが(笑)、そういうわけでC面D面の収録曲を聴くのはややつらい。
もともと『赤盤』『青盤』は、海賊盤『アルファ・オメガ』を駆逐するために1973年になってリリースされたもので、マスター・テープもUS盤にはUS独自のものが使われていた(たとえば、「アイ・アム・ザ・ウォルラス」のイントロは4拍だ)。
そう考えると、ステッカーに記された「ORIGINAL MASTER TAPES」自体が、もともと選び抜かれた最高音質のものではなかった可能性もあるのかもしれない。
今年もアナログ盤、CDにハイレゾ・ミュージックなど、気になったものをご紹介していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
さて2015年最初は、やっぱりビートルズかな(笑。
赤盤が届いて4日後に青盤も届いたのだが、東京に行く直前で仕事が忙しく、ゆっくりと聴けたのは年末になってからだった。
お馴染みのフロント・カヴァー。
こちらも(当然のことながら)左肩に貼られたステッカーには
ALL ANALOGUE MASTER FROM ORIGINAL MASTER TAPES
と書いてある。
各面7曲の計28曲で、6分を超える「ヘイ・ジュード」が内周部の6曲めに収められたB面が音質的には気になるところだが、結論からいうとこれは杞憂だった。
(以下、自宅の再生装置で聴いた印象による評価であり、主観的なものであることをお断りしておく)
『青盤』はビートルズのサイケデリアを象徴する「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー」から始まる。
ダビングを重ね複雑な録音過程を経て完成した楽曲だが、音像は鮮明だ。
ジョンのヴォーカルもリアルだし、弦も解像度が高い。
ソードマンデルの美しい響きも印象的だ。
デジタル・リマスター盤では消されていた歓声のなかから始まる「A Day in the life」でも、右チャンネルから現れるジョンのヴォーカルがぞくっとするほど生々しい。
左チャンネルで鳴りつづけるアコースティック・ギターも荒々しいカッティングがよく再現されている。
ちょっと気になったところをあげると、先鋭感を出すためか、やや高域を持ち上げているように聴こえ、たとえばタンバリンの音が神経質に響いたりする部分があったのと、「レディ・マドンナ」で左右に振られているドラムスのうち右chがやや抑えめに聴こえる点だ。
ぼくは『赤盤』『青盤』についてはUK盤もUS盤もオリジナルをもっていないのでマスター・テープがどうだったのかはよくわからない。
念のために2010年デジタル・リマスターの青盤CDと比較してみた。
こちらも傾向としては同じでぼくのイメージとはやや違うのだが、そのイメージがどのヴァージョンから作られているのかはよくわからなかった。
C面になると、ハイ上がりの傾向が強くなって、たとえば「Back in the U.S.S.R.」は、ポールのヴォーカルもピアノも素晴らしいのに、ジェット機のSEや手拍子が耳に鋭く響く。
『ホワイト・アルバム』収録曲はとくにその傾向が強く、ヴォーカルの破擦音も強調されてやや耳障りだ。
『レット・イット・ビー』期の楽曲になるとかなり落ち着くが、それでも「ドント・レット・ミー・ダウン」などはシンバルがかなり歪っぽい。
「ジョンとヨーコのバラード」になると低域がダブつき気味に聞こえる。
この傾向は『アビイ・ロード』収録曲でもつづき、いわゆるドンシャリ系の音になってしまう。
もっとも青盤で『アビイ・ロード』を聴こうとは思わないので、まあどうでもいいのだが(笑)、そういうわけでC面D面の収録曲を聴くのはややつらい。
もともと『赤盤』『青盤』は、海賊盤『アルファ・オメガ』を駆逐するために1973年になってリリースされたもので、マスター・テープもUS盤にはUS独自のものが使われていた(たとえば、「アイ・アム・ザ・ウォルラス」のイントロは4拍だ)。
そう考えると、ステッカーに記された「ORIGINAL MASTER TAPES」自体が、もともと選び抜かれた最高音質のものではなかった可能性もあるのかもしれない。
ラバーソウルもそうだったんですが、マジカルミステリーツアー(US盤)から7曲が選ばれて、どういうわけか青盤を聞いてMMTが聞きたくなって、MMTのLPを聞いてガックリ(笑)という思い出があります。それくらいMMTがサイケデリックな作品ながらすがすがしさに溢れてた印象がありましたから
a day in the lifeのオープニングもそうですが、back in the ussrの最後にdear prudenceの一小節が聞こえるのもなんかLPならではの良さが
初めて聞いたビートルズのLPが赤青盤だったということもあって、オリジナルをあとで聞くとなんというか妙な新鮮味を感じました
by やまちゃん (2015-01-07 21:24)
やまちゃんさん、こんばんは~。
>マジカルミステリーツアー(US盤)から7曲が選ばれて
そうか、そうですね。
『マジカル』もB面はコンピレーションなので、ダブるわけですね。
>MMTのLPを聞いてガックリ(笑)という思い出があります
>それくらいMMTがサイケデリックな作品ながらすがすがしさに溢れてた印象がありましたから
なるほど~。
そういう感じはぼくらのような世代にはわからない感覚で、すごくおもしろいですね。
>初めて聞いたビートルズのLPが赤青盤だったということもあって、オリジナルをあとで聞くと
>なんというか妙な新鮮味を感じました
でしょうね。
Amazonのレビュー見ても赤盤・青盤の曲の流れでビートルズを体験した人がなんと多いことか!
あらためて後追い世代の人たちの赤盤・青盤に対する思いを読んで感慨にふけったりします。
by parlophone (2015-01-07 22:13)