ぼくが選んだ音のいいCD - ロック、ポップス編その2 [MORE MUSIC!]
前回のつづきできょうは「ロック、ポップス編」のパート2。
ではレッツゴー!
◎RICKIE LEE JONES 『浪漫』 (2012年リマスター SHM-CD 紙ジャケ)
2012年にワーナー・ミュージックから出た紙ジャケ・シリーズの1枚で、リマスタリング・エンジニアの記載はないが、オリジナルのレコーディング、ミックス、マスタリングの中心になっているのはリー・ハーシュバーグ。
ぼくのシステムではやや高域がピーキーだが、オリジナル・アナログ盤も同じような傾向だ。
「1963年土曜日の午後」はとてもライヴとは思えない質感の高さだし、「ヤング・ブラッド」のウィリー・ウィークスのベースも強烈だ。
◎CAROLE KING 『ミュージック』 (2007年デジタル・リマスター 紙ジャケ)
2007年にソニー・ミュージックから出た紙ジャケのシリーズの1枚で、マスタリング・エンジニアはヴィック・アネシニ(Vic Anesini)、スーパーヴァイザーとしてボブ・アーウィンの記載がある。
テクスチャー・ジャケットの手触りや猫とくつろぐキャロルのジャケット写真そのままに、アナログ・ライクな柔らかな音が印象的。
なお、現在出ている「レガシー・レコーディング・シリーズ」はBlu-spec CD2仕様で、こちらのほうが音はいいかもしれない。
◎ROLLING STONES 『LET IT BLEED』 (2002年 SACDハイブリッド デジパック 輸入盤国内仕様)
2002年にABKCOから出たSACDハイブリッド・シリーズの1枚で、DSDマスタリングはボブ・ラディック。
1曲めの「ギミ・シェルター」を50曲入りのBlu-rayオーディオ版『GRRR!』と比べてみると、Blu-rayオーディオのほうは太い筆でたっぷりと絵の具を塗った油絵風、SACDのほうは細密なペン画に丹念に色を添えた水彩画風といった趣で、どちらがいいかは好みというしかない。
◎LINDA RONSTADT 『風にさらわれた恋』 (2010年デジタル・リマスタリング 紙ジャケ)
ぼくのもっているオリジナル盤(マトリクスは7E-1072 A-01・SP/7E-1072 B-01・SP)の音があまりよくないせいもあって、初めてCDのほうが音がいいと感じた1枚。
具体的にいうと、威風堂々として凄みさえ感じさせるリンダのヴォーカルはそのままに、解像度が上がって音場の見晴らしがよくなった感じだ。
(ただし今年出たCapitol時代のリンダの紙ジャケはあまり感心しなかった)
2010年の紙ジャケでリマスタリング・エンジニアはフェイセズとおなじIsao Kikuchi。
オリジナルのマスタリング・エンジニアはバーニー・グランドマンだ。
◎STEPHEN STILLS 『スティーヴン・スティルズ/マナサス』 (1995年リマスター音源 紙ジャケ)
オリジナルは手書きの歌詞が印刷されたポスターやスティルスの横顔が印象的なインナーなど、ビートルズの『ホワイト・アルバム』を髣髴させる豪華なゲイトフォールド・カヴァーの2枚組だったが、それを完璧に再現した2013年の紙ジャケ。
音のほうもハードなロックンロールにカントリーとラテン・フレイヴァ―を織り込んだ豪快なサウンドがよく再現されている。
紙ジャケには記載がないが、98年に出たプラケのブックレットには「Digitally remastered from the Original master tapes by Joe Gastwirt at Ocean Vies Digital.」の表記がある。
◎CAT STEVENS 『TEASER AND THE FIRECAT』 (2010年)
アコースティック・ギターの美しい響きが印象的なアルバムは?と聞かれて、まっ先に思い浮かぶのが70年代にA&Mからリリースされたキャット・スティーヴンスの諸作だ。
こちらは2010年にユニバーサル・インターナショナルからリリースされた2枚組の廉価CDだが音はいい。
アルバム・クレジット等はいっさい省略されていて、ほしい人はロンドンのユニバーサル・ミュージックに請求しろと書いてある。
なんでもネットで手に入る時代に、ひょっとしてジャクソン・ブラウンの『レイト・フォー・ザ・スカイ』を真似た?
まさかね(笑。
キャットのCDは以前からスターリング・サウンドのテッド・ジェンセンがマスタリングを務めていたから、このCDもおそらくそうだろう。
◎JAMES TAYLOR 『JT』 (2006年デジタル・リマスタリング 紙ジャケ)
2006年にソニー・ミュージックからリリースされた紙ジャケの1枚で、リマスタリングは名匠ダグ・サックス。
大ヒットした「ハンディ・マン」はもちろん、リンダがハーモニーをつけるカントリー・ナンバー「バーテンダー・ブルーズ」、カーリー・サイモンとの共作というより、もろカーリー色に染まった「テラ・ノヴァ」、ファンキー・ムードいっぱいの「トラフィック・ジャム」みたいな曲がいい仕上がりで、ピーター・アッシャーのプロデュースなのに、デビュー当時を思わせるようなナイーヴでセンシティヴな曲がMORっぽいのがちょっと残念かな。
ジェイムズのギターはいうまでもなく、リー・スクラーとラス・カンケルのリズム・セクションがとにかく小気味よい。
◎JENNIFER WARNES 『FAMOUS BLUE RAINCOAT』 (2007年 20周年記念24KゴールドCD リミテッド・エディション)
ジェニファーのアルバムのなかで『ザ・ハンター』や『ザ・ウェル』と並んで、オーディオ・ファイル御用達として有名な1枚。
こちらはオリジナル盤とはジャケ違いの20周年記念24KゴールドCDで、2007年にIMPEX RECORDSからリリースされている。
とにかくキレがあって胸のすくような高音質盤で、ドラムスの革の張り具合まで見えるようだ。
オリジナルとおなじくこちらもバーニー・グランドマンがマスタリングを担当している。
さて、前回と今回で16タイトル、クラシック、ジャズ、ソウル編も含めると27タイトルのCDおよびSACDをご紹介したが、このなかからBEST OF BESTを1枚だけ選ぶとすれば……。
じゃーん、ジェニファー・ウォーンズの『FAMOUS BLUE RAINCOAT』です。
SACDでもハイレゾでもないCDが(24Kgoldですが)ここまでオリジナル・アナログ盤に肉薄するとは!
もともとのマスター・テープの良し悪しが大きな要因であることはまちがいありませんが、リマスタリング・エンジニアの感性もとても大事なのでしょうね。
ではレッツゴー!
◎RICKIE LEE JONES 『浪漫』 (2012年リマスター SHM-CD 紙ジャケ)
2012年にワーナー・ミュージックから出た紙ジャケ・シリーズの1枚で、リマスタリング・エンジニアの記載はないが、オリジナルのレコーディング、ミックス、マスタリングの中心になっているのはリー・ハーシュバーグ。
ぼくのシステムではやや高域がピーキーだが、オリジナル・アナログ盤も同じような傾向だ。
「1963年土曜日の午後」はとてもライヴとは思えない質感の高さだし、「ヤング・ブラッド」のウィリー・ウィークスのベースも強烈だ。
◎CAROLE KING 『ミュージック』 (2007年デジタル・リマスター 紙ジャケ)
2007年にソニー・ミュージックから出た紙ジャケのシリーズの1枚で、マスタリング・エンジニアはヴィック・アネシニ(Vic Anesini)、スーパーヴァイザーとしてボブ・アーウィンの記載がある。
テクスチャー・ジャケットの手触りや猫とくつろぐキャロルのジャケット写真そのままに、アナログ・ライクな柔らかな音が印象的。
なお、現在出ている「レガシー・レコーディング・シリーズ」はBlu-spec CD2仕様で、こちらのほうが音はいいかもしれない。
◎ROLLING STONES 『LET IT BLEED』 (2002年 SACDハイブリッド デジパック 輸入盤国内仕様)
2002年にABKCOから出たSACDハイブリッド・シリーズの1枚で、DSDマスタリングはボブ・ラディック。
1曲めの「ギミ・シェルター」を50曲入りのBlu-rayオーディオ版『GRRR!』と比べてみると、Blu-rayオーディオのほうは太い筆でたっぷりと絵の具を塗った油絵風、SACDのほうは細密なペン画に丹念に色を添えた水彩画風といった趣で、どちらがいいかは好みというしかない。
◎LINDA RONSTADT 『風にさらわれた恋』 (2010年デジタル・リマスタリング 紙ジャケ)
ぼくのもっているオリジナル盤(マトリクスは7E-1072 A-01・SP/7E-1072 B-01・SP)の音があまりよくないせいもあって、初めてCDのほうが音がいいと感じた1枚。
具体的にいうと、威風堂々として凄みさえ感じさせるリンダのヴォーカルはそのままに、解像度が上がって音場の見晴らしがよくなった感じだ。
(ただし今年出たCapitol時代のリンダの紙ジャケはあまり感心しなかった)
2010年の紙ジャケでリマスタリング・エンジニアはフェイセズとおなじIsao Kikuchi。
オリジナルのマスタリング・エンジニアはバーニー・グランドマンだ。
◎STEPHEN STILLS 『スティーヴン・スティルズ/マナサス』 (1995年リマスター音源 紙ジャケ)
オリジナルは手書きの歌詞が印刷されたポスターやスティルスの横顔が印象的なインナーなど、ビートルズの『ホワイト・アルバム』を髣髴させる豪華なゲイトフォールド・カヴァーの2枚組だったが、それを完璧に再現した2013年の紙ジャケ。
音のほうもハードなロックンロールにカントリーとラテン・フレイヴァ―を織り込んだ豪快なサウンドがよく再現されている。
紙ジャケには記載がないが、98年に出たプラケのブックレットには「Digitally remastered from the Original master tapes by Joe Gastwirt at Ocean Vies Digital.」の表記がある。
◎CAT STEVENS 『TEASER AND THE FIRECAT』 (2010年)
アコースティック・ギターの美しい響きが印象的なアルバムは?と聞かれて、まっ先に思い浮かぶのが70年代にA&Mからリリースされたキャット・スティーヴンスの諸作だ。
こちらは2010年にユニバーサル・インターナショナルからリリースされた2枚組の廉価CDだが音はいい。
アルバム・クレジット等はいっさい省略されていて、ほしい人はロンドンのユニバーサル・ミュージックに請求しろと書いてある。
なんでもネットで手に入る時代に、ひょっとしてジャクソン・ブラウンの『レイト・フォー・ザ・スカイ』を真似た?
まさかね(笑。
キャットのCDは以前からスターリング・サウンドのテッド・ジェンセンがマスタリングを務めていたから、このCDもおそらくそうだろう。
◎JAMES TAYLOR 『JT』 (2006年デジタル・リマスタリング 紙ジャケ)
2006年にソニー・ミュージックからリリースされた紙ジャケの1枚で、リマスタリングは名匠ダグ・サックス。
大ヒットした「ハンディ・マン」はもちろん、リンダがハーモニーをつけるカントリー・ナンバー「バーテンダー・ブルーズ」、カーリー・サイモンとの共作というより、もろカーリー色に染まった「テラ・ノヴァ」、ファンキー・ムードいっぱいの「トラフィック・ジャム」みたいな曲がいい仕上がりで、ピーター・アッシャーのプロデュースなのに、デビュー当時を思わせるようなナイーヴでセンシティヴな曲がMORっぽいのがちょっと残念かな。
ジェイムズのギターはいうまでもなく、リー・スクラーとラス・カンケルのリズム・セクションがとにかく小気味よい。
◎JENNIFER WARNES 『FAMOUS BLUE RAINCOAT』 (2007年 20周年記念24KゴールドCD リミテッド・エディション)
ジェニファーのアルバムのなかで『ザ・ハンター』や『ザ・ウェル』と並んで、オーディオ・ファイル御用達として有名な1枚。
こちらはオリジナル盤とはジャケ違いの20周年記念24KゴールドCDで、2007年にIMPEX RECORDSからリリースされている。
とにかくキレがあって胸のすくような高音質盤で、ドラムスの革の張り具合まで見えるようだ。
オリジナルとおなじくこちらもバーニー・グランドマンがマスタリングを担当している。
さて、前回と今回で16タイトル、クラシック、ジャズ、ソウル編も含めると27タイトルのCDおよびSACDをご紹介したが、このなかからBEST OF BESTを1枚だけ選ぶとすれば……。
じゃーん、ジェニファー・ウォーンズの『FAMOUS BLUE RAINCOAT』です。
SACDでもハイレゾでもないCDが(24Kgoldですが)ここまでオリジナル・アナログ盤に肉薄するとは!
もともとのマスター・テープの良し悪しが大きな要因であることはまちがいありませんが、リマスタリング・エンジニアの感性もとても大事なのでしょうね。
この中で持ってるのは一枚もありませんが
リッキーリージョーンズは名作でいずれ購入する予定です(今さら?)
キャロルキングは名作「つづれおり」くらいですが、なんかあれは世界的なヒットを記録した割には個人的に長く聞ける作品ではなく、以前レンタルで聞いたベスト盤「Her Greatest Hits: Songs of Long Ago」がよく愛聴してました。最近はこれが見つからない
by やまちゃん (2014-12-02 09:33)
やまちゃんさん、こんばんは~。
レスが遅くなってしまい申し訳ありません。
>リッキーリージョーンズは名作でいずれ購入する予定です(今さら?)
いえいえ、名盤に遅い早いはありませんので、ぜひ手元に置いて楽しんでいただきたいと思います。
>ベスト盤「Her Greatest Hits: Songs of Long Ago」がよく愛聴してました
そのタイトルのもとになっている「Song of Long Ago」も『Music』に入ってるんですよね。
『つづれおり』も名曲ぞろいですが、『Music』も表題曲をはじめとして「Brother, Brother」「It's Going to Take Some Time」「Sweet Seasons」など、名作がめじろおしで、ひょっとしたらこちらのほうが聞き飽きないかもしれませんねw
by parlophone (2014-12-05 01:52)
Jenniferのアルバムはすべて良いですが、Famous Blue Raincoatは何度聴いたことやら・・・
全く古さを感じさせない録音ですよね。演奏のレベルも素晴らしいです。
Rickie Leeはファーストも好きですが(当然最初に買ったのがこれ)、セカンドのPiratesが一番の愛聴盤です。
by MORE (2014-12-08 20:37)
MOREさん、こんばんはー。
>全く古さを感じさせない録音ですよね。演奏のレベルも素晴らしいです
同感です。
JenniferもRickie Leeも、いま聴いてもまったく古くない、すばらしい音楽ですね。
>セカンドのPiratesが一番の愛聴盤です
ぼくもセカンド好きです!
オープニング、強靭なピアノのイントロからゆっくり始まって途中ダブル・テンポになるところや、2曲めのちょっと肩の力を抜いたような軽い歌い出しなんかもかっこいいですね。
「The Slow Train to Peking」から「Pirates」への流れも大好きです。
by parlophone (2014-12-10 02:54)
>じゃーん、ジェニファー・ウォーンズの『FAMOUS BLUE RAINCOAT』です。
LP買ってしまいました。前から気になってはいたのですが買っていませんでした。
「ザ・ハンター」も買ってみようかなと思っています。
また良い音のアルバム教えてもらえたら嬉しいです。
by yasu (2014-12-14 11:53)
yasuさん、こんにちは~。
>LP買ってしまいました。前から気になってはいたのですが買っていませんでした。
CDを推薦したのにLPをお買いになるところが流石です!(笑。
>「ザ・ハンター」も買ってみようかなと思っています
『Hunter』はいま出ているLPはジャケットがカラーでIMPEXからですよね。
世間ではむかしのモノクロ・ジャケットが音がいいという評判ですね~。
by parlophone (2014-12-15 13:34)