『ア・ハード・デイズ・ナイト』 Beatles Mono LPを聴く―その3 [BEATLES]
今回も、最初にちょっとジャケットについて見ておきたいと思う。
以前の記事でぼくはオリジナルのモノラルLPを3枚もっている、と書いた。
そのほかに90年代のDMM(旧CDとおなじデジタル・リマスター)盤も1枚ある。
これはビートルズのLPを集め始めたころ、なかなかコンディションのいいUKオリジナル盤にめぐりあえずに、ジャケットを飾るためだけに買ったものだ。
(左からオリジナル、DMM、リマスター盤 ―81年のリイシュー・モノを入れ忘れてしまった^^;)
微妙に色味が違っているのがお分かりだと思う。
まあ個体差もあるのだろうが、このアルバムの青と赤はなかなか再現がむずかしそうだ。
まずオリジナル盤。
文字の色はややオレンジがかって見える。
ヴィニール・コーティング。
つぎに81年のリイシュー盤。
青はほとんど同系色だが、やや薄く、シアンに近い感じだ。
コーティングはヴィニールもニスもない。
「mono」の位置がかなり下にある。
90年代のDMM盤。
青がほとんどサックス・ブルーのような色になっている。
文字の色はかなり赤い。
ニス・コーティングだろうか、やや光沢のある仕上がりだ。
オリジナルにはないラージ「mono」がプリントされている。
今回のリマスター盤。
青も文字の色もオリジナルにかなり近いのだが、残念なことに顔写真の黒が沈まずにグレーっぽくなってしまった。
では裏も見てみよう。
オリジナル盤。
初期にはGarrod製だけではなくErnest製もあった。
ここに載せたのはErnest製のほう。
フリップの形状がやや違っている。
81年のリイシュー・モノ。
折り返しがなくなっている。
DMM盤はAppleのマークやバーコードなども入っている。
4人の画像がやや粗く黒つぶれも多い。
リマスター盤。
全体的に「もうちょっと」の再現性だが、写真のきめ細かさはオリジナルをしのいでいる。
それでは音のインプレッションをお届けしよう。
4トラックのテープ・レコーダー(前作『with the beatles』の制作中に導入された)で録音された初のアルバムで、その素性のよさがこのリマスター盤でもそのまま音に現れていると感じた。
A-1「ア・ハード・デイズ・ナイト」は、あとの曲にくらべると、やや音像が重なり合って不明瞭なところもあり、ボンゴや間奏のピアノなどは聴こえづらい部分もあるが、映画のオープニングを飾るのに相応しいワクワク感はよく出ている。
A-2「I Should Have Known Better」ではジョンのヴォーカルとハーモニカはもちろん、それぞれの楽器がセンターにビシッと定位しながらもきちんと描き分けられ、ビートルズの魅力がはじけるような明快な音に仕上がっている。
A-3「恋におちたら」ではジョンのセクシーなヴォーカルと美しいコーラスに耳を奪われるし、A-4の「すてきなダンス」ではジョンの弾くリッケンバッカー325のリズミカルなカッティング、ポールの手数の多いベース、リンゴのバスドラのキックと、聴きどころはきっちりとおさえられている。
A-5「アンド・アイ・ラヴ・ハー」のガット・ギターやクラベス、A-6「Tell Me Why」のリンゴのドラムスなど、どれもほんとうに聴いていて気持ちがいい。
ヴォーカルの子音がノイズっぽくなるところもあるが、総じて50年前の録音とは思えない高品位な音だ。
と、まあ褒めてきたが、このあとオリジナル盤を聴いてみて、さらに鮮度が高くて迫力のある音にびっくり。
リマスター盤の魅力も一瞬で色あせるほどだ。
ちなみに90年代のデジ・リマ盤も聴いてみたが、創成期のCDのような金属的な刺激の強い音が耳について、すぐに針を上げてしまった。
うーーん、リマスターってほんとうにむずかしいもんですね(←なぜか水野晴郎調…笑)。
以前の記事でぼくはオリジナルのモノラルLPを3枚もっている、と書いた。
そのほかに90年代のDMM(旧CDとおなじデジタル・リマスター)盤も1枚ある。
これはビートルズのLPを集め始めたころ、なかなかコンディションのいいUKオリジナル盤にめぐりあえずに、ジャケットを飾るためだけに買ったものだ。
(左からオリジナル、DMM、リマスター盤 ―81年のリイシュー・モノを入れ忘れてしまった^^;)
微妙に色味が違っているのがお分かりだと思う。
まあ個体差もあるのだろうが、このアルバムの青と赤はなかなか再現がむずかしそうだ。
まずオリジナル盤。
文字の色はややオレンジがかって見える。
ヴィニール・コーティング。
つぎに81年のリイシュー盤。
青はほとんど同系色だが、やや薄く、シアンに近い感じだ。
コーティングはヴィニールもニスもない。
「mono」の位置がかなり下にある。
90年代のDMM盤。
青がほとんどサックス・ブルーのような色になっている。
文字の色はかなり赤い。
ニス・コーティングだろうか、やや光沢のある仕上がりだ。
オリジナルにはないラージ「mono」がプリントされている。
今回のリマスター盤。
青も文字の色もオリジナルにかなり近いのだが、残念なことに顔写真の黒が沈まずにグレーっぽくなってしまった。
では裏も見てみよう。
オリジナル盤。
初期にはGarrod製だけではなくErnest製もあった。
ここに載せたのはErnest製のほう。
フリップの形状がやや違っている。
81年のリイシュー・モノ。
折り返しがなくなっている。
DMM盤はAppleのマークやバーコードなども入っている。
4人の画像がやや粗く黒つぶれも多い。
リマスター盤。
全体的に「もうちょっと」の再現性だが、写真のきめ細かさはオリジナルをしのいでいる。
それでは音のインプレッションをお届けしよう。
4トラックのテープ・レコーダー(前作『with the beatles』の制作中に導入された)で録音された初のアルバムで、その素性のよさがこのリマスター盤でもそのまま音に現れていると感じた。
A-1「ア・ハード・デイズ・ナイト」は、あとの曲にくらべると、やや音像が重なり合って不明瞭なところもあり、ボンゴや間奏のピアノなどは聴こえづらい部分もあるが、映画のオープニングを飾るのに相応しいワクワク感はよく出ている。
A-2「I Should Have Known Better」ではジョンのヴォーカルとハーモニカはもちろん、それぞれの楽器がセンターにビシッと定位しながらもきちんと描き分けられ、ビートルズの魅力がはじけるような明快な音に仕上がっている。
A-3「恋におちたら」ではジョンのセクシーなヴォーカルと美しいコーラスに耳を奪われるし、A-4の「すてきなダンス」ではジョンの弾くリッケンバッカー325のリズミカルなカッティング、ポールの手数の多いベース、リンゴのバスドラのキックと、聴きどころはきっちりとおさえられている。
A-5「アンド・アイ・ラヴ・ハー」のガット・ギターやクラベス、A-6「Tell Me Why」のリンゴのドラムスなど、どれもほんとうに聴いていて気持ちがいい。
ヴォーカルの子音がノイズっぽくなるところもあるが、総じて50年前の録音とは思えない高品位な音だ。
と、まあ褒めてきたが、このあとオリジナル盤を聴いてみて、さらに鮮度が高くて迫力のある音にびっくり。
リマスター盤の魅力も一瞬で色あせるほどだ。
ちなみに90年代のデジ・リマ盤も聴いてみたが、創成期のCDのような金属的な刺激の強い音が耳について、すぐに針を上げてしまった。
うーーん、リマスターってほんとうにむずかしいもんですね(←なぜか水野晴郎調…笑)。
専門的なことになりますが、オリ盤やこれまで各国盤はほぼすべて、写真と黒のロゴはブラック、赤のロゴと紺色のロゴはそれぞれ特色の合計3色のインキを使って印刷していました。ところが今回は、全体の絵柄をオリ盤のジャケからカラーでスキャニングして処理した関係で、全体をブラック+マゼンタ+シアン+イエローの原色インキ4色の掛け合わせで、カラー印刷の要領で印刷しています。モノクロの写真がグレーに浮いて見えるのは、その部分に4色のインキが乗っているからです(8倍くらいのルーペで見るとわかります)。こういうことは、印刷製版をMacで簡単にできるようになってからよくあることです。でも本当のプロなら、きちんとオリジナル通りに3色に分版し直してやるんですけどね。
by 路傍の石 (2014-09-28 22:27)
(追伸)ジャケの裏面はオリジナル通り、ブラックの1色で印刷されています
by 路傍の石 (2014-09-28 22:29)
路傍さん、どうもです。
>、全体をブラック+マゼンタ+シアン+イエローの原色インキ4色の掛け合わせで、
>カラー印刷の要領で印刷しています
>本当のプロなら、きちんとオリジナル通りに3色に分版し直してやるんですけどね
なるほどねー。
どこの世界でも本当のプロが少なくなったという証左ですね。
相変わらず路傍さんのコメントはものすごく勉強になります。
これからもよろしくお願いしますね^^
ところで8倍ぐらいのルーペって、どこに行けば買えますか?
by parlophone (2014-09-29 22:07)
「8倍 ルーペ」で検索してみてください。amazonでも手に入ります。お薦めは手に持って見る大きなものではなく、スタンド式で折りたたみできるタイプが使いやすいです。
by 路傍の石 (2014-09-29 22:53)
路傍さん、ありがとうございます。
さっそくAmazonで注文したいと思います。
どんなものが見えるのか、楽しみです^^
by parlophone (2014-10-02 02:29)