ルーマー『ボーイズ・ドント・クライ』 [フィメイル・ヴォーカル、ガール・ポップ]
諸事情からブログをお休みしたり再開したり、また中断したりとみなさんにはご心配をおかけしてきましたが、そのあいだはほとんどほかの方のブログにお邪魔することもなく、熱心に情報を集めることもしませんでした。
ではそのあいだ何も手に入れなかったのかというと、そんなことはやっぱりなくて(笑、CDやBlu-rayはせっせと買い集めていたのですから、自分の物欲には我ながら厭になります。
さて、そんななかで、比較的みなさんのブログでは取り上げられていないようなものを選んでご紹介する、題して「あれはどうなの?」シリーズ(笑。
今回はその記念すべき?第1回としてルーマーの『ボーイズ・ドント・クライ』を取り上げます。
5月にリリースされたルーマーの2nd アルバム、全曲カヴァーと聞いて「え?」と思った方も多かったのではないでしょうか。
どうもわが国では他人の曲を歌うシンガーは、自作自演のシンガー・ソングライターより低く見られる傾向があるようで、かくいうぼくもその一人(笑。
「なんだよ、尊敬するアーティストはキャロル・キング、ローラ・ニーロ、ジョニ・ミッチェルじゃなかったのかよ?!」と思わずツッコんでしまいました。
デビュー作は文字どおり「満を持して」のリリースだったのだろうけど、それから1年じゃ自作曲はそんなに揃ってないし、そうかといってあまりインターヴァルが空けば人気に陰りが出ないともかぎらない、じゃあ、手っ取り早くカヴァー集で行くか!とアトランティックが考えたかどうか、それはわからないけれど、そんな安易な感じもしないではありませんでした。
国内盤に貼られたステッカーの「ゆっくりと時間が流れてゆく…素晴らしいシンガーだ」というコメントをSuperflyにさせるあたり、ワーナー・ミュージックの販売戦略にも戸惑いがあるようです(勝手な推測です…ごめんなさい)。
さて、取り上げられた曲は全17曲(M-13~16のボーナス・トラックを含むデラックス・エディション、さらに国内盤だけM-17を収録)で、すべて70年代の男性シンガー・ソングライターの曲。
M-1 P.F. SLOAN / P.F. スローン
M-2 IT COULD BE THE FIRST DAY / イット・クッド・ビー・ザ・ファースト・デイ
M-3 BE NICE TO ME / ビー・ナイス・トゥ・ミー
M-4 TRAVELLING BOY / 青春の旅路
M-5 SOULSVILLE / ソウルズヴィル
M-6 THE SAME OLD TEARS ON A NEW BACKGROUND / セイム・オールド・ティアーズ・オン・ア・ニュー・バックグラウンド
M-7 SARA SMILE / サラ・スマイル
M-8 FLYIN' SHOES / フライン・シューズ
M-9 HOME THOUGHTS FROM ABROAD / ホーム・ソウツ・フロム・アブロード
M-10 JUST FOR A MOMENT / ジャスト・フォー・ア・モーメント
M-11 BRAVE AWAKENING / ブレイヴ・アウェイクニング
M-12 WE WILL / ウィ・ウィル
M-13 ANDRE JOHRAY / アンドレ・ジョーレイ*
M-14 SOUL REBEL / ソウル・レベル*
M-15 MY CRICKET / マイ・クリケット*
M-16 A MAN NEEDS A MAID / 男は女が必要*
M-17 I WANNA ROO YOU / アイ・ウォナ・ルー・ユー* [* BONUS TRACK]
バック・カヴァーは1stと同じくほのぼの系
このあたりの楽曲にぜんぜん詳しくないぼくは、1曲めのタイトルを見て
「あれ、P.F.スローンって曲のタイトル? 人の名前じゃなかったっけ?」
などと思ってしまったのですが、解説を読むと、やっぱり人名なのでした。
日本では「孤独の世界」というタイトルでヒットした「From a Distance」で有名だけれど、もともとはバリー・マクガイアでヒットした「明日なき世界」などで知られるソングライターなのだそう。
You Tubeで調べていたらママス&パパスの「夢のカリフォルニア」のギターもP.F.スローンが弾いてるらしいですね。
この曲はかれの復活を待ち望むジム・ウェッブが、その想いをこめて作った歌なのだそうです。
知らなかった~。
アルバムをとおして聴いた印象は、これはこれでりっぱな作品集だなあ、ということ。
ぼくが知っている曲はトッド・ラングレンのM-3、スティーヴン・ビショップのM-6、ホール&オーツの大ヒットM-7、ティム・ハーディンのM-13、そしてニール・ヤングのM-16、国内盤のボートラ、ヴァン・モリソンのM-17ぐらいですが、いや~、みんな素敵な曲です。
「P.F.スローン」やティム・ハーディンの曲を取り上げるあたりにルーマーのこのアルバムに対する想いが表れているような気もしますね。
ブックレットはシングルやアルバムの貴重なジャケ写つき
声質や雰囲気がよく似ているといわれるカーペンターズもカヴァーをたくさん取り上げていて、ロジャー・ニコルズ&ポール・ウィリアムズやリオン・ラッセルあたりが有名ですね。
そのあたりはどうしてもかぶってしまうのか、ルーマーもニコルズ=ウィリアムズのM-4やリオンのM-15を取り上げています。
ただ、ピアニストとしてだけでなくアレンジャー、プロデューサーとしても卓越したセンスをもっていたリチャードは、バラードだけではなく、アップテンポでリズミカルな曲もよくカレンに歌わせました。
そのあたりが、このアルバムには欠けているところで、最初から最後までバラードなのは、やや単調に聴こえてしまうかも知れません。
ただ、歌のうまさはやはり抜群なので、リッチー・ヘヴンスのM-2やタウンズ・ヴァン・ザント(まったく知りません…恥)のM-8の美しさは筆舌に尽くしがたいほどです。
とくにリッチー・ヘヴンスを『ウッドストック』の「フリーダム」に見られるパーカッシヴなギターとパワフルなヴォーカルでしか知らないぼくは、その繊細な楽曲にびっくりしてしまいました。
ニコレット・ラーソンのN.ヤングのカヴァー「溢れる愛」やニコル・ウィリスのトッドのカヴァー「It wouldn't Have Made any Difference」なんかがお好きな方にはおそらく気に入っていただけると思います。
ここではアルバム1曲め、1stシングルにもなった「P.F.スローン」のオフィシャル・ヴィデオをご紹介しておきましょう。
ではそのあいだ何も手に入れなかったのかというと、そんなことはやっぱりなくて(笑、CDやBlu-rayはせっせと買い集めていたのですから、自分の物欲には我ながら厭になります。
さて、そんななかで、比較的みなさんのブログでは取り上げられていないようなものを選んでご紹介する、題して「あれはどうなの?」シリーズ(笑。
今回はその記念すべき?第1回としてルーマーの『ボーイズ・ドント・クライ』を取り上げます。
5月にリリースされたルーマーの2nd アルバム、全曲カヴァーと聞いて「え?」と思った方も多かったのではないでしょうか。
どうもわが国では他人の曲を歌うシンガーは、自作自演のシンガー・ソングライターより低く見られる傾向があるようで、かくいうぼくもその一人(笑。
「なんだよ、尊敬するアーティストはキャロル・キング、ローラ・ニーロ、ジョニ・ミッチェルじゃなかったのかよ?!」と思わずツッコんでしまいました。
デビュー作は文字どおり「満を持して」のリリースだったのだろうけど、それから1年じゃ自作曲はそんなに揃ってないし、そうかといってあまりインターヴァルが空けば人気に陰りが出ないともかぎらない、じゃあ、手っ取り早くカヴァー集で行くか!とアトランティックが考えたかどうか、それはわからないけれど、そんな安易な感じもしないではありませんでした。
国内盤に貼られたステッカーの「ゆっくりと時間が流れてゆく…素晴らしいシンガーだ」というコメントをSuperflyにさせるあたり、ワーナー・ミュージックの販売戦略にも戸惑いがあるようです(勝手な推測です…ごめんなさい)。
さて、取り上げられた曲は全17曲(M-13~16のボーナス・トラックを含むデラックス・エディション、さらに国内盤だけM-17を収録)で、すべて70年代の男性シンガー・ソングライターの曲。
M-1 P.F. SLOAN / P.F. スローン
M-2 IT COULD BE THE FIRST DAY / イット・クッド・ビー・ザ・ファースト・デイ
M-3 BE NICE TO ME / ビー・ナイス・トゥ・ミー
M-4 TRAVELLING BOY / 青春の旅路
M-5 SOULSVILLE / ソウルズヴィル
M-6 THE SAME OLD TEARS ON A NEW BACKGROUND / セイム・オールド・ティアーズ・オン・ア・ニュー・バックグラウンド
M-7 SARA SMILE / サラ・スマイル
M-8 FLYIN' SHOES / フライン・シューズ
M-9 HOME THOUGHTS FROM ABROAD / ホーム・ソウツ・フロム・アブロード
M-10 JUST FOR A MOMENT / ジャスト・フォー・ア・モーメント
M-11 BRAVE AWAKENING / ブレイヴ・アウェイクニング
M-12 WE WILL / ウィ・ウィル
M-13 ANDRE JOHRAY / アンドレ・ジョーレイ*
M-14 SOUL REBEL / ソウル・レベル*
M-15 MY CRICKET / マイ・クリケット*
M-16 A MAN NEEDS A MAID / 男は女が必要*
M-17 I WANNA ROO YOU / アイ・ウォナ・ルー・ユー* [* BONUS TRACK]
バック・カヴァーは1stと同じくほのぼの系
このあたりの楽曲にぜんぜん詳しくないぼくは、1曲めのタイトルを見て
「あれ、P.F.スローンって曲のタイトル? 人の名前じゃなかったっけ?」
などと思ってしまったのですが、解説を読むと、やっぱり人名なのでした。
日本では「孤独の世界」というタイトルでヒットした「From a Distance」で有名だけれど、もともとはバリー・マクガイアでヒットした「明日なき世界」などで知られるソングライターなのだそう。
You Tubeで調べていたらママス&パパスの「夢のカリフォルニア」のギターもP.F.スローンが弾いてるらしいですね。
この曲はかれの復活を待ち望むジム・ウェッブが、その想いをこめて作った歌なのだそうです。
知らなかった~。
アルバムをとおして聴いた印象は、これはこれでりっぱな作品集だなあ、ということ。
ぼくが知っている曲はトッド・ラングレンのM-3、スティーヴン・ビショップのM-6、ホール&オーツの大ヒットM-7、ティム・ハーディンのM-13、そしてニール・ヤングのM-16、国内盤のボートラ、ヴァン・モリソンのM-17ぐらいですが、いや~、みんな素敵な曲です。
「P.F.スローン」やティム・ハーディンの曲を取り上げるあたりにルーマーのこのアルバムに対する想いが表れているような気もしますね。
ブックレットはシングルやアルバムの貴重なジャケ写つき
声質や雰囲気がよく似ているといわれるカーペンターズもカヴァーをたくさん取り上げていて、ロジャー・ニコルズ&ポール・ウィリアムズやリオン・ラッセルあたりが有名ですね。
そのあたりはどうしてもかぶってしまうのか、ルーマーもニコルズ=ウィリアムズのM-4やリオンのM-15を取り上げています。
ただ、ピアニストとしてだけでなくアレンジャー、プロデューサーとしても卓越したセンスをもっていたリチャードは、バラードだけではなく、アップテンポでリズミカルな曲もよくカレンに歌わせました。
そのあたりが、このアルバムには欠けているところで、最初から最後までバラードなのは、やや単調に聴こえてしまうかも知れません。
ただ、歌のうまさはやはり抜群なので、リッチー・ヘヴンスのM-2やタウンズ・ヴァン・ザント(まったく知りません…恥)のM-8の美しさは筆舌に尽くしがたいほどです。
とくにリッチー・ヘヴンスを『ウッドストック』の「フリーダム」に見られるパーカッシヴなギターとパワフルなヴォーカルでしか知らないぼくは、その繊細な楽曲にびっくりしてしまいました。
ニコレット・ラーソンのN.ヤングのカヴァー「溢れる愛」やニコル・ウィリスのトッドのカヴァー「It wouldn't Have Made any Difference」なんかがお好きな方にはおそらく気に入っていただけると思います。
ここではアルバム1曲め、1stシングルにもなった「P.F.スローン」のオフィシャル・ヴィデオをご紹介しておきましょう。
待望のRumer第二作、期待が大き過ぎたのか、ちょっとだけ肩透かしな部分もありましたが、なかなかの選曲でした。
もっとアレンジをほのぼの・ノスタルジアだけで済ませないで、チャレンジして欲しかった・・・という思いは捨て切れません。
P.F. Sloan, Be Nice To Me, Travellin' Boyは大好きな曲だし、彼女にフィットしてますね。
Same Old Tears...に関しては、正直、原曲が好きなだけに、もう少し感情を込めて欲しかったです。
この曲のカヴァーはA Girl Called Eddyが鉄板。何度聴いても泣けてきます。
彼女も2枚目のアルバムが全く出そうで出ないので、イライラするというか、それも超えてしまいました。待つしかないですね・・・
Rumerには期待が大きいだけに、次回作は「お友達プロダクション」から脱却して欲しいです。
by MORE (2012-09-10 14:48)
MOREさん、おはようございます。
ほんとうに待望の第二作、ちょっと肩透かしっぽい感じがありましたよね。
けれどもアルバム自体は悪いできではない。
ただ、
>もっとアレンジをほのぼの・ノスタルジアだけで済ませないで、チャレンジして欲しかった
ていうのはありますよね~。
>Same Old Tears...に関しては、正直、原曲が好きなだけに
ぼくも同感です。
オリジナルをなぞった感じが強くて、もう少し、深みを出してほしかったかなあ。
次回はぜひオリジナルにこだわってさらなる飛躍を期待したいですね。
A Girl Called Eddyについてはまったく知らないので、調べてみます(汗。
by parlophone (2012-09-11 07:28)