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フライング・ブリトウ/グラム・パーソンズのアルバム―part 2 [紙ジャケ]

フライング・ブリトウ・ブラザーズの紙ジャケ・シリーズで、後になって「しまった、あれを買っておくんだった」と後悔したのが『スリープレス・ナイト』だ。
もうどこにもないと思っていたら、ラッキーなことにAmazonのマーケット・プレイスで新品を購入することができたので、ご紹介しておこう。

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このアルバムのオリジナルはグラム・パーソンズが亡くなってから約3年後の1976年5月にA&Mからリリースされている。
1st アルバム『黄金の城』と2nd アルバム『ブリトウ・デラックス』の間の69年11月のスタジオ・レコーディング9曲と、グラムの遺作『グリーヴァス・エンジェル』(1974)のスタジオ・アウトテイク3曲の計12曲からなるコンピレーションだった。
今回の紙ジャケでは69年のセッションから6曲が追加され、『ブリトウ・デラックス』にボーナス・トラックとして収録された2曲(「Sing Me Back」と「I Shall Be Released」)を併せれば、このときのセッションはすべて聴くことができるようになっている。

このアルバムの主眼はあきらかに『グリーヴァス・エンジェル』のアウトテイクの3曲で、いずれもエミルー・ハリスとのデュエットだ。
アナログでいうとA面の最初と最後、そしてB面の最後に収められていて、アルバムのアクセントになっている。
ぼくはグラムのソロを聴いたことがないので、今回のCDで初めてエミルーとのデュオを聴いたのだが、グラムが彼女のことをとても気に入っていたということがよくわかる、非常に息の合った楽曲に仕上がっている。
参加ミュージシャンはグラムとエミルーのほかに、ジェイムズ・バートン(g)、バーニー・レドン(g)、ハーブ・ペダーセン(g,vo)、アル・パーキンス(st-g)、グレン・D・ハーディン(p)、バイロン・バーライン(mand,fiddle)、エモリー・ゴーディ(b)、ロニー・タット(ds)というメンバーだ。

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(バックカヴァー)

いっぽうフライング・ブリトーのスタジオ・セッションのほうは、グラム・パーソンズ(vo,g)、バーニー・レドン(g,banjo,vo)、クリス・ヒルマン(vo,b,mand)、スニーキー・ピート・クレイナウ(st-g)、マイケル・クラーク(ds)というセカンドとおなじメンバーでのレコーディングだ。
ストーンズの「ホンキー・トンク・ウィメン」やクリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァルの「ロダイ」、ビージーズの「ラヴ・サンバディ」といったロック・バンドの意表をつく選曲と、マール・ハガード、バック・オウエンスといったカントリーの大御所のヒット曲や「想い出のグリーン・グラス」といったカントリー・スタンダードを非常にリラックスした雰囲気でカヴァーしている。

紙ジャケはコーティングのない厚紙A式のシングル・スリーヴ。

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(写真とイラストの合成のようなチープな感覚がすごくかっこいい)

国内初盤の帯とオリジナルのA&Mのアド・インナーが復刻されている。

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例によってオリジナル・プレスのレーベルをプリントしたカードも封入されている。

音源はこちらも海外マスターを基にした2009年のDSDリマスターで、SHM-CD仕様だ。

(なお、Backstreetsさんの情報によれば11月22日の時点ではタワレコやユニバーサルのサイトでは「在庫あり」の表示になっていたそうなので、まだ手に入るかもしれません。
US盤のプラケなら1200円程度で買えますが、ボートラは入ってないようなので注意が必要です)

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MORE

このアルバムはグラムの死後にリリースされたこともあり、大した期待もなく買ったんですが、予想外に良かったという記憶があります。
エミルーとグラムのデュエットって、飲んだくれのカントリー・ボーイと野に咲く白百合が歌っているみたいな感じで、そこがいいんですよねー。
仰るとおり、とてもリラックスしたセッションだったと思います。
日曜日の昼下がりに早めのビールなんざ飲みながら聴きたい一枚です。
タイトル・ナンバーのSleepless Nightsは多くのアーティストにカヴァーされていますよね。グラムがどのくらい現代のカントリー・アーティストに愛されているかが判ります。
by MORE (2009-12-06 12:30) 

parlophone

MOREさん、こんばんはー。

>飲んだくれのカントリー・ボーイと野に咲く白百合が歌っているみたい
>日曜日の昼下がりに早めのビールなんざ飲みながら聴きたい一枚です

MOREさん、うまい!!
座布団3枚ぐらいあげたいです。
きょうは日曜日でしたが、なかなか昼下がりからは飲めませんね。
奥さんから何言われるか分からない(笑。
でも気分的にはほんとそんな感じのアルバムです。

>グラムがどのくらい現代のカントリー・アーティストに愛されているかが判ります

ほんと、FBBにしてもソロにしても、当時はほとんど反響もなかったのに、いまだに多くの人を惹きつける魅力があるんですね。
すごいミュージシャンですね~。

by parlophone (2009-12-06 19:18) 

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