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スパイロジャイラのアルバム 『オールド・ブート・ワイン』 [ブリティッシュ・フォーク]

倉敷で買ったもう1枚のCDはスパイロジャイラの2nd アルバム『オールド・ブート・ワイン』だ。
中古で2,180円とけっして安くはない価格だが、定価は3,000円近いし入手困難な紙ジャケなので思わず買ってしまった。

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スパイロジャイラは以前3rd アルバム『ベルズ・ブーツ・アンド・シャンブルズ』(1973)を紹介したことがある。
簡単に来歴をまとめておくと、もともとは1968年にケント大学の学生だったマーティン・コッカーハム(vo,g)がマーク・フランシス(vo,elg,key)と組んだフォーク・デュオが始まりだった。
やがて同じケント大学の学生だったバーバラ・ガスキン(vo)や、ジュリアン・キューザック(vn,p)、スティーヴ・ボリル(b)といったメンバーが集まりバンド形態になる。

1971年、B&Cというレーベルからファースト・アルバム『セント・ラディガンズ』をリリース、一部の熱狂的なファンから熱い支持を受けた。
翌72年にB&C傘下のペガサス・レーベルからリリースされたのが『オールド・ブート・ワイン』だ。
メンバーは上記の5人にフェアポートのデイヴ・マスタックス(ds)、リック・ヴィッダルフ(mand)、アラン・ライン(vc)が参加している。

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(ジャケ裏にはレコーディングに参加したメンバーのポートレイトが載っている)

アルバムはアコギのカッティングが軽快なM-1「Dangerous Dave」で幕を開ける。
バーバラの透明感溢れる歌声とマーティンのアクの強いヴォーカルの交錯が印象的だ。
ジュリアンのピアノとアランのチェロがクラシカルで厳かな雰囲気を感じさせる短いM-2「Van Allen's Belt」なども美しいけれど、緩やかな中間部が幻想的なM-3「Run Away」、アコースティック・ギターをバックにヴァイオリンとチェロが優雅なワルツを奏でるM-4「Grandad」、つづくサード・アルバムへの豊かな予兆を感じさせるM-6「World's Eyes」、バーバラのヴォーカルが幻想的な浮遊感を漂わせるM-8「Disraeli's Problem」、ケルティックな味わいも感じられるM-9「A Canterbury Tale」など、どれも美しいし、短いながらもいくつかのパートが組み合わさって展開する構成をもつ曲が多く、プログレッシヴ・フォーク・ロックとでも呼べるような味わいをもっている。

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紙ジャケはE式シングル・スリーヴで、さらっとした手触りのテクスチャー仕様になっている。
幻想的で美しいジャケットのイラストはピート・ローズ(Pete Rhodes)の手によるものだ。


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ぷーちゃん

スパイロジャイラと言えば、やっぱモーニングダンス
のイメージですね。
話は、全然ずれますが、ぱっとこの記事見た時に
スパイロジャイラのロゴが、”Scorpions”に見えた。
メタルの紹介?大変失礼致しました。
by ぷーちゃん (2009-08-29 13:09) 

parlophone

ぷーちゃんさん、こんにちはー。

>スパイロジャイラと言えば、やっぱモーニングダンス

一般的にはそうですよねー。
しかし英国のフォーク・ロック・グループ、スパイロジャイラもフュージョン・バンド、スパイロジャイラに負けず劣らず素晴らしいバンドです。
もし機会があればぜひ…^^

>スパイロジャイラのロゴが、”Scorpions”に見えた

おお、そういえば同じようなフォントですね~^^
by parlophone (2009-08-29 15:32) 

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