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『レココレ』2009年5月号 [雑誌・書籍・コミック]

表紙のかっこよさに惹かれて(笑)買ってからもう10日ぐらい経つと思うが、まだパラパラと斜め読みぐらいしかできていない。
今月の第一特集はマイルズの『カインド・オヴ・ブルー』で、これはもちろん、50周年記念限定盤の簡易版であるレガシー・エディションのリリースにあわせたものだ。
第二特集はハンブル・パイでこちらはSHM-CD 仕様の紙ジャケのリリースに合わせたもの。

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表紙の写真は『カインド・オヴ・ブルー』のセッションに立ち会ったカメラマン、ドン・ハンスタインのもので、50周年盤の豪華な写真集にも載っている。

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(目次のとなりにデカイ写真があるのだが、すごく薄いのでこちらのフィルムの画像を)

店頭で思わずにんまりしてしまったのが、右肩のこの部分。

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こちらがオリジナルのジャケットだ(画像はUS リミックス盤のもの)。

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COLUMBIA をCOLLECTORS に、LP をRC にしていて可愛い(笑。
こういう遊びごころは紙ジャケに通じるものだと思う。

特集記事のほうは原田和典、佐藤秀樹、大村幸則など、おなじみのジャズ系執筆陣がかかわっているが、おもしろかったのは全曲解説を萩原健太が書いていることだ。
たとえばこんな感じ。

ワン・コーラスは32小節。まずD のドリアン・モードで16小節。次に半音上がってE♭で8小節。で、さらにD ドリアンが8小節。 冒頭、ポール・チェンバースのベースとエヴァンスのピアノが神秘的なプレリュードを聞かせる。(中略)やがてチェンバースがレラシドレミドレ…という必殺のリフへ。それに呼応してまずピアノが、やがて3管のホーンが、下から完全Ⅳ度を四つ積みあげ、その上に長Ⅲ度を乗せたおなじみ"ソー・ホワット・コード"を奏でる。コート・ネーム化するとEm7(11)→Dm7(11)という感じかな。ゴスペルのコール&レスポンスを想起させるいかしたオープニングだ。

一生懸命がんばってる感じは伝わってくるのだが、残念ながら楽曲解説として成功しているとは思えない。
読んでいて「わぁー、聴いてみた~い」という感じにならないのだ。
それにコード進行のしがらみから自由になるために"モード"という手法を選んだのに、その楽曲の解説をコードを使って説明しようとしたら、読んでるほうは混乱するだろう。
音楽をことばで伝えるって、ほんと難しいもんですね。
プロでこうなのだから…^^;

さて、きょういちばん書きたかったことは以下のこと。

編集後記を読んでいて、思わず「えーーっ」と声を出しそうになった。

最後になりましたが、本誌でも多くの原稿を書いて下さっていた津田和久さんが先日、亡くなられました。ご冥福をお祈りしたします。

アメリカのフォーク・ロックやそのルーツ関連の記事をよく書いていた津田さん。
とくにバーズの記事などでお世話になった。
そういえば最近あまりレココレ誌上でもお名前をお見かけすることがなくなっていた。
あらためてこころからご冥福をお祈りいたします。
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tetsupc2

こんばんは!
偶然ですね。。。私もレココレ5月号を買ってアップしたのですが私の場合はハンブル・パイの紙ジャケCDがらみでアップしました。。。
勿論最初は表紙のマイルスを見て思わず買ってしまったのですがその後ハンブル・パイの特集もあることを知りました。
それにしても>LP をRC にしていて
は気付きませんでした、、、σ(^_^;
それと津田和久氏亡くなられたんですか・・・知らなかった。
私は【ボブ・ディランとともに時代を駆けた20世紀のロック名盤300】を買って津田氏を知ったのですがそれでもあまり詳しくはなかったですが
本当に残念です。。。
トラバさせて頂きま~す(^o^)v

by tetsupc2 (2009-04-26 20:47) 

parlophone

tetsupc2さん、こんばんは~。

ブログ拝見しました。
偶然でしたね^^
もう一つ、次回の記事はぼくもハンブル・パイになります。
そのときにトラバしていただくほうがいいかもしれませんね。
もちろん、今回の記事も次回の記事も両方トラバしてもらってもかまわないのですが…。

>私は【ボブ・ディランとともに時代を駆けた20世紀のロック名盤300】を買って
>津田氏を知ったのですが

おお! そうなんですか。
ぼくはその本を知りません。
今度ご紹介いただけませんか。
よろしくお願いします^^
by parlophone (2009-04-26 23:45) 

遮断機さん

レココレ買って帰ると、家に丁度レガシーが届いていてグッドタイミングでした。
どうせなら特集読んでから聴こうと思って読み始めたら・・・・モード難しい・・・ワケガワカラナイ・・・となってしまいました。(汗

スケールで弾かずに音の響きで各々が弾くという、かなり自由度が高い(音が限定されない)というのしか分からなかったっす。

レガシーは聴いてます!
遼さん推薦だけあって、やっぱ良いです!
by 遮断機さん (2009-04-27 11:40) 

parlophone

遮断機さん、どうもです^^

>モード難しい・・・ワケガワカラナイ・・・となってしまいました。(汗

あらあら、そうですか。
モードって全然むずかしくないんですよ。
幻ちゃんはぼくなんかよりよっぽど音楽理論、くわしいのにね^^;
チョー・シロートのぼくがシロートの方にもわかるように書いてみましょうか。

マイルズの修業時代、ボスのパーカーがガレスピーやバド・パウエルと夜な夜なジャム・セッションを繰り広げてたころは、ビ・バップと呼ばれる奏法だったんですよね。
ビ・バップというのはひと言でいうと、コード進行をむちゃくちゃ複雑にして、めまぐるしく変わるコード進行のなかで、どれだけ完璧にコードを操りながらスリリングなソロを組み立てられるかを競うような、聴いてても面白いけど、まず演奏者が面白くてタマンナイ音楽だったわけですね。
初期のころは"ビ・バップ"ということばにも表れているように、飛び跳ねるようなリズムも特徴的だったんですけど、ロリンズの『サキソフォン・コロッサス』あたりになるとアドリブもスムーズですごく洗練されてきて、だんだんハード・バップと呼ばれるようになる。

マイルズは、自分の音楽がマンネリズムに陥る前にそういうコード進行のしがらみから自由になって、もっと旋律を重視、つまり"歌を歌いたかった"んでしょうね。

モード(旋法)っていうとむずかしく聞こえますが、ほとんどスケール(音階)といっしょです(たとえばハ長調の音階はC のイオニアン・モードです)。
で、「ソー・ホワット」だったらD のドリアン・モード(D・E・F・G・A・B・C・D)と半音上げてE♭から始まるドリアン・モード(E♭・F・G♭・A♭・B♭・C・D♭・E♭)にもとづいてシンプルで美しいテーマを作って、あとはそのスケールのなかで自由に旋律を歌わせる、というわけです。

旋律の美しさを強調するためにリズムは穏やかになり、静謐さのなかに抑えたパッションと気品のあふれる作品が出来上がったということでしょうか。
by parlophone (2009-04-27 22:38) 

新妻憲司

はじめまして宮城の新妻と申します。いつも遼さんのホームページ、ブログを参考にさせていただき勉強させていただいております。マイルスとは全然関係ないのですが教えていただきたいことがあり書き込みいたしました。ビートルズの国内盤モノラル82年の細帯、86年の太帯どちらが音質が良いと思われますか?前にプリーズプリーズミーを両方少し視聴したことがあるのですがじっくり聞いたわけではないので全然わかりませんでした。これから集めようと思っているのですが気になって夜も眠れません(笑)個人的感想でよろしいので教えていただけたら幸いです。よろしくお願いします。
by 新妻憲司 (2009-04-28 15:43) 

parlophone

新妻さん、こんばんは!
はじめまして、ようこそいらっしゃいました。
管理人の遼です、よろしくお願いいたします。

さて、お尋ねの件ですが、よく82年の細帯のほうが86年の太帯より音がいいといううわさを聞きますね。
ぼくも気になって聴き比べてみたんですが、ぼくにはその違いがはっきりわかりませんでした。
(正確にいうと、同じような音に聞こえました)
参考にならなくて、申し訳ありません。

なお、偶然ですが、今メイン・サイトの掲示板で『PPM』の話題で盛り上がってます。
国内盤限定mono の話も出てきていますので、よかったら覗いてみてください^^
by parlophone (2009-04-29 00:36) 

tetsupc2

遼さん私もコメントさせてくださいね。
新妻さんmonoシリーズの細帯は1982年に発売、
太帯はもともと1986年にビートルズ来日20周年記念の企画で
発売されたものですのでそれだけを見ればmonoシリーズの初盤は細帯となります、その為4年後に発売された太帯はある意味再発となります、
そのことからマスターなどの劣化などが上げられはじめに出た細帯の方が音は鮮度あるいい音といわれた時期がありました。ですが実際は英国オリジのように初盤と再発程の差は無いようですね。
国内盤では再発ごとにカタログ番号が変わることが多いのですが
この細帯/太帯のカタログ番号は共にEAS-70132~EAS-70138(10タイトル)同じ
であることから基本的には同じものという事になりそうです。
とすれば後は帯デザインの好みのみになります。
ちなみにmonoシリーズは10タイトルありますが比較的高価な金額で取引しているのは【SGT.PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND】【THE BEATLES(WHITE ALBUM)】の2枚です。
この2枚はモノ・ミックスでの違いが分かりやすい為に人気ですよ、、、
細帯/太帯も共に帯無しでしたら比較的安値で購入出来ます。ちなみに帯無しで購入した場合の細帯/太帯の見分け方ですが、確かジャケット裏面の左下に発売年月が書かれているのが太帯が付いていたジャケットだったと思います。( ̄ー#)v

by tetsupc2 (2009-04-29 10:20) 

新妻憲司

遼さんさんご返事ありがとうございます。tetsupc2さんコメントありがとうございます。こういう所に書き込むのは初体験でしたのでご返事がくるのかドキドキものでした(笑)長年の悩みが解決しました、自分の耳が悪くて聞き分けられないのかと思っていましたが多分この二枚は同じ物なのではないでしょうか。ネットで調べると評価が分かれているのは個人の思い込み(細帯は最初に出たから、太帯は帯にマスター使用と書かれているため)なのではないかと思います。評価が分かれる自体同じ物なのではと。簡単に自己紹介させてください自分は宮城県に住んでいる40代でニルヴァーナが最後でロックは死んだと思い(笑)長年新譜は買いませんでした。ですがビートルズのオリジナル、モノの音を聞いて凄い衝撃をうけレコードに帰ってきました。レコードというものはカセットに落として聞いていたのでCDより音が良いとは思っていませんでした。自分のような後追いで聞いたものはビートルズの後期だけとかベスト盤でいいやと思う人が多いと思いますが初期の物はロックしているんですよね。あとベスト盤に入っていない曲のほうが好きだったりします。今狙っている物はホワイトアルバムのモノラル(これだけは一度も聞いたことがありません)ですがオリジナルはもちろん細、太帯のモノもいい値段してますね。まとまりの無い文章ですみません、ビートルズ初心者ですがまた御教示下さい。
by 新妻憲司 (2009-04-29 14:57) 

parlophone

tetsupc2さん、新妻さん、こんばんはー。

tetsupc2さん、丁寧な解説ありがとうございました。

>ニルヴァーナが最後でロックは死んだと思い(笑)長年新譜は買いませんでした

現在30~40代の方でそういう人は多いでしょうね。
ただカートの遺書にあった「錆びるより燃え尽きたい」という言葉を書いたニール・ヤングはその衝撃を乗り越えてロックに戻っていきました。
ニルヴァーナの音楽は今の高校生にも影響を与えつづけています。
そうやってロックという音楽は生きつづけていくんでしょうね。

>ですがビートルズのオリジナル、モノの音を聞いて凄い衝撃をうけレコードに
>帰ってきました

お帰りなさ~い^^

ところで、上にも書いた掲示板でJDさんという方が驚異の聴き比べをなさっています。
初盤と再発盤には音の差があるそうです!
ぜひご覧になってみてください。
by parlophone (2009-04-30 23:20) 

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