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フェアポート・コンヴェンションのアルバム [ブリティッシュ・フォーク]

フェアポート・コンヴェンションのアルバムがSHM-CD 仕様の紙ジャケになって再発された。
ぼくは2003年の初紙ジャケ化のときに『アンハーフブリッキング』と『リージ・アンド・リーウ』、『ハウス・フル』の3枚、2006年に『ライヴ』、2007年に『リージ・アンド・リーウ』のデラックス・エディションを買っているから、今回は最初の2枚だけを購入した。
きょうはその2枚の紙ジャケをご紹介しよう。

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ファースト・アルバム『フェアポート・コンヴェンション』は1968年6月にUK ポリドールからリリースされた。
当時のメンバーは、ジュディ・ダイブル(vo)、イアン・マシューズ(vo)、リチャード・トンプソン(g,mand)、サイモン・ニコル(g,vl)、アシュリー・ハッチングス(b)、マーティン・ランブル(ds)の6人組で、オリジナルのほかジョニ・ミッチェルのカヴァーなどを演奏していて、トラディショナル・ナンバーは演っていない。

ジュディ・ダイブルはこのアルバムのリリース後にフェアポートを脱退してトレイダー・ホーンを結成するわけだ。
彼女がヴォーカルをとった曲のなかには、ときどきハッとさせられるような表現もあるが、いわゆるフェアポートらしさは、まだない。
彼女のヴォーカルについていえば、個人的にはトレイダー・ホーンのアルバムのほうがずっと優れていると思う。

紙ジャケは3枚組の豪華仕様だ(ディスクは1枚)。
紙探さんの掲示板ではなにかと評判の悪いユニバーサル(今回の紙ジャケでは発売・販売は"ユニバーサル・ミュージック合同会社"という表記になっている)だけれど、ぼくは最近の紙ジャケは担当者の情熱が伝わってくるいい復刻だと思っている。

まずはUK オリジナル盤。

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ヴィニール・コーティングの施されたE 式のシングル・ジャケで、闇のなかにぼんやりと浮かび上がるメンバーがかっこいい。

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(こちらはバック・スリーヴ)

2枚めはオランダ・ポリドールからリリースされたデフ・ジャケ仕様だ。
こちらもE 式のシングル・スリーヴで、とても光沢のある美しい仕上げになっているがヴィニール・コーティングはされてないのではないかと思う。 

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UK 盤では裏表に分かれていたメンバーの写真を表に使用し、裏はクレジット関係の記載になっている。
それにしてもいちばん左端のリチャード・トンプソン(だと思う)の画像が切れて5人組のように写っているのはひどい話だ。

紙ジャケの3枚めはUK 再発盤のスリーヴ。
こちらはコーティングのないE 式のシングル・スリーヴで、デザイナーさんには悪いがいかにも廉価盤という感じの安っぽいジャケットだ。

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紙ジャケには日本語解説・歌詞・対訳のほかに16ページの英文カラー・ブックレットとUK オリジナル盤のレーベル・カードがついている。

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レーベル・カードのほうは例によってシリアル・ナンバー入りで、ぼくが購入したものは0009だった。
あー、これがホワイト・アルバムだったら! と訳のわからないため息も出てしまう(笑。

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セカンド・アルバム『ホワット・ウィ・ディド・オン・アワ・ホリデイズ』はファーストから半年後の69年1月にリリースされた。
収録された楽曲はやはりオリジナルにジョニとディランのカヴァーで、トラディショナルは2曲だけ。
それなのにヴォーカルがジュディからサンディ・デニーに替わったということもあって、がぜんフェアポートらしさが出てきてブリティッシュ・フォーク・ロックという雰囲気が漂う。
やっぱりサンディはいいなあ(笑。

紙ジャケは2枚組で、1枚めはオリジナルUK 盤を復刻したもの。
E 式のシングル・スリーヴで、表だけヴィニール・コーティングが施されている。

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この絵は何なんだろう、とずっと思っていたのだが、ブックレットを読むとエセックス大学でライヴを行ったときに楽屋として使われた教室の黒板に書いた落書きなんだそうだ。

ジャケ裏は当時のステージの写真。

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ステージに犬が寝転んでいるのがおもしろい。

このアルバムからアイランド・レーベルになっている。

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もう1枚の紙ジャケはUS 盤仕様。

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コーティングのない厚紙A 式のシングル・スリーヴだ。
ちょっと色あせた感じの寒々とした写真だが、サンディやマーティンが笑っているのでいいポートレイトになっている。
レーベルはA&M だ。

こちらも16ページの英文ブックレットとUK 盤のレーベル・カードがついている。

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ディスクは2003年のデジタル・マスターを使っている。
2nd は悪くないが、1st は録音状態そのものがあんまりよくなかったんだろう、古めかしい音だ。
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コメント 4

へどろん

遼さん、こんばんは〜

いいっすね〜、デフジャケ付き!
自分はファーストからフル・ハウスまで以前の紙ジャケなんで買い直しなんて無理っす。
だから、遼さんの記事で我慢なのです。
ん?所有のセカンドは裏面もコーティングされてますね…

あ、自分、しょぼいブログを始めちゃいました。
気が向いた時にでも、覗いてもらえたら幸いです。
って、たいしたものじゃないですけどね、うふふ♪

しかし、#9…なんかいいっすね、うふ♪
by へどろん (2009-03-31 21:06) 

parlophone

へどろんさん、こんばんは!
ご無沙汰しております。

>ん?所有のセカンドは裏面もコーティングされてますね…

あれー? そうなんですか。
ふつうはコーティング→ノン・コーティングと変化していくと思うんですが、ユニバが基にしたのは2nd プレスだったんでしょうかね。
だとしたら珍しい調査ミスですね(笑。

>しかし、#9…なんかいいっすね、うふ♪

でしょう?
やっぱりフェアポートはだんぜんサンディの時代が人気ですから、1st はあまり人気がないんでしょうね。
でもうれしいです^^

へどろんさんのブログ拝見しましたよ!
相変わらず守備範囲が広いですね~。
ちかぢかぜひコメントさせていただきますね^^
by parlophone (2009-04-01 23:32) 

Backstreets

私は2003年にリマスター盤を購入しました。1stの頃からボブ・ディランやジョニ・ミッチェルの楽曲を取り上げており、さらにはボーナス・トラックとしてレナード・コーエンの「スザンヌ」までをも録音しています。トラッドだけにとらわれず、アメリカのSSWに関心を持って独自の解釈を与えているところが味わい深いものです。エミット・ローズ作の「タイム・ウィル・ショウ・ザ・ワイザー」はファンキーですね。
2ndの「What Days On 」もお約束通りディランとミッチェルの曲がカヴァーされています。ボーナス・トラックにはエヴァリー・ブラザーズの曲も収録。ブルースやカントリーの味付けもありますが、イギリスならではの中世音楽の佇まいも感じ取れます。フォザリンゲイ城で処刑されたメアリー女王の歌はイギリス人ならではのもの。サンディ・デニーの歌声に胸が痛みます。サンディはこの後フォザリンゲイと名付けたグループでも活動しました。
サンディ・デニーは拙ブログでも近いうちに取り上げることができれば良いなと考えております。

by Backstreets (2009-04-09 20:37) 

parlophone

Backstreetsさん、どうもです。
詳しい解説をありがとうございました。
ぼくはジュディ・ダイブルのときとサンディ・デニーになってからの評価があまりにも違いすぎるのでそこが気になっていました。
(ちなみに『フォザリンゲイ』も『トレイダー・ホーン』もお気に入りです)

でも実際に聴いてみると、サンディがフェアポートに対して果たした役割というのは、たんなるヴォーカリストというにとどまらず、フェアポートのブリティッシュ・ロックのなかにおける位置づけまでを変えてしまうものだったんですね。

今回1st を聴いて、そのあたりのことがよくわかりました。
Backstreetsさんの記事、楽しみにしてます^^
by parlophone (2009-04-09 23:35) 

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