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検証 ゼップ・ボックス――Part 1 [ZEPPELIN]

ちょっと時間が空いてしまったけれど、ゼップ・ボックスの紙ジャケについて検証していこう。

ちょっと立ち読みをしていたら、『レココレ』の今月号には和久井光司の検証記事が載っているし、紙探さんのサイトでも本格的な検証が始まると思うので(第1回分はすでに掲載中…こちらから)、あくまでもアマチュアの視点で(←言い訳です…笑)やっていきたいと思う。

最初は『』から『』まで、と思ったのだが、第1回はどうしても画像が多くなるので、今回は『』のみ。
次回から共通部分は画像を省略します。

   58.jpg
   (画像は左から旧盤、今回のターコイズ・ロゴ、おまけのオレンジ・ロゴ)



以前の記事でも書いたようにゼップの紙ジャケは今回で3回めだが、1回めと2回めはオビが違うだけの再プレス同然のものだったから、本格的なリニューアルは今回が初めてということになる。

シリーズを通して前回と大きく違うのは
 UK オリジナル盤のE 式ジャケットを再現した
 国内盤初回帯を復刻した
 いま話題のSHM-CD を採用した

という3点だろう。
なかでも目玉は『』のUK 盤ファースト・プレスを可能なかぎり再現したというターコイズ・ブルー・ロゴと一回り小さなスリーヴということになると思う。

では旧盤の紙ジャケ(97年11月リリース)とくらべていこう。

ゼップの1st アルバムは1968年10月、ロンドンのオリンピック・スタジオでわずか36時間でレコーディングされたという。
プロデュースはジミー・ペイジ、エンジニアはグリン・ジョーンズ。

ペイジはUS アトランティック・レコードと契約を結ぶにあたって、アーティストとしての主導権を握るために完成されたマスター・テープをもって契約に臨んだ。
クリームやヴァニラ・ファッジなどロック系のアーティストが活躍していたATCO レーベルではなく、ジャズやR&B のレーベルとして有名だったATLANTIC レーベルを選んだのもペイジの考えだった。

こうして1st アルバム『レッド・ゼッペリン』はUS アトランティック・レーベルから1969年1月12日にリリースされた。
カタログ・ナンバーは「Atlantic 8216」。

本国イギリスでは約2か月後の3月28日、UK アトランティック・レーベルからリリースされている。
カタログ・ナンバーは588 171

フェンダーのテレキャスターとスプロという小型アンプによって造形された「グッド・タイムズ・バッド・タイムズ」のあの衝撃的なリフによって、まったく新しいロックの最初の幕が切って下ろされたのだった。


   59.jpg

左が厚紙でコーティングのないA 式ジャケの旧盤、右がヴィニール・コーティングされたE 式の新盤だ(以下、画像はすべて左が旧盤)。

   69.jpg
   (A 式とE 式ではこれぐらい紙の厚みがちがっている)

旧盤はオレンジ・ロゴのUS 盤を復刻していると思われる。
左上のLED ZEPPELIN のロゴの上にはスペースがあるが、右下のATLANTIC のロゴの下にはまったくスペースがない。

   60.jpg

新盤はUK 盤ファースト・プレスでもごく初期のターコイズ・ロゴを再現している。
旧盤とは逆で左上のLED ZEPPELIN のロゴの上にはスペースがなく、右下のATLANTIC のロゴの下にはスペースが残っている。

   61.jpg

UK 盤フロント・カヴァーの大きな違いは3つ、コーティング・カヴァー、ターコイズ・ブルー・ロゴ、一番下の部分にグレーの縁取りがあることだ。

   62.jpg

つづいてバック・カヴァーを見てみよう。
新旧でずいぶん色味が違っている。

   63.jpg

旧盤はATLANTIC のマークの下にSTEREO 表記と国内盤カタログ・ナンバーの記載がある。

   64.jpg

新盤は右上にオリジナルのカタログ・ナンバーやステレオ装置での再生等の注意書きがある。

   65.jpg

つぎは下部の違い。
旧紙ジャケはUS 盤のATLANTIC RECORDING CORPORATION の表記と住所やRIAA カーヴに関するコメントが記載されている。

   66.jpg

新紙ジャケはUK 盤にもとづいているのだろう、A Warner Music Group Company の表記になっている。

   67.jpg

オンライン・ミュージック・ショップなどで話題になっていた小ジャケだが、けっこうちがう。

   68.jpg

あ、そうそうUS 盤にはスパインにピンク色のラインがありましたね。

レーベル。
新盤はUK アトランティックのレッド・マルーン・レーベルをイメージしたものになっている。

   70.jpg

インナーもオリジナルUK 盤についていた白いプレーンなペーパー・バッグをイメージしている。

   71.jpg
   (左は旧盤の不織布インナー)

日本語解説は前回と同じだがブックレット式になり、歌詞の対訳が新しくなっている。

   72.jpg

最後に国内初盤の帯について。
当時アトランティックと契約をしていた日本グラモフォンは「Art Rock シリーズ」と題してクリームやジミ・ヘンドリクス、ヴァニラ・ファッジなどを大々的に売り出していたが、"最後の大物"的な扱いで登場したのがゼップだった。
そのときのキャンペーンとして「C・Z (クリーム・ゼッペリン)セール」というのがあったようで、その告知つきの黒い帯が復刻されている。

   77.jpg
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コメント 12

KJ

初めまして。
なかなか自分ではできない検証、
大変ありがたい企画です。
また寄らせていただきます。
by KJ (2008-09-14 01:24) 

parlophone

KJさん、はじめまして。
管理人の遼(parlophone)と申します。

なにかのご参考になればすごくうれしいです。
これからもよろしくお願いいたします。
by parlophone (2008-09-14 02:51) 

bob

こんにちは

こうして並べてみると違いがよく分かりとても参考になります。
ジャケの拘りは素晴らしいですが、
ディスクの中心透明部分がわずかなのと、インナー・スリーヴの再現が見ているだけでも楽しいです。

この仕上がりでしたら音源が変わらずとも…、ちょっと惹かれてしまいました。


by bob (2008-09-14 11:23) 

KJ

私もちょっとだけ検証してみました。
インクの色がイマイチだということに気づきました。
ちょっとガッカリしています(涙)

引き続き、楽しみにしています♪
by KJ (2008-09-14 11:43) 

tetsupc2

遼さんこんばんは!
ZEPP紙ジャケの検証楽しく拝見させて頂きました。
さすが遼さん文書も上手く書かれていて参考になります。私はBOX10タイトルほぼ聴きました・・・最強盤以外ですが。。。
そこで聴き終えた感想として全体的にSHM-CD効果なのか94年リマスター盤より随分と良くなっている感じ?気分?がしてきました、、、難しいですよね人それぞれ好みの音が違いますからね。
今回のCDがバツグンに音が良いといわれる方とそうかな?と言われる方と分からないといわれる方?が当然のごとくいるようで正直私にはわかりませ~ん!!但しアナログ盤との比較では明らかな違いは私は感じました、、、そんなかんなで私も一応ヘタクソな文書でまとめてみました、言葉に不適切な部分がありますが私なりの表現で書いてみましたので何卒ご勘弁して下さい。。。ね!
by tetsupc2 (2008-09-14 16:19) 

parlophone

bobさん、こんにちはー。

>こうして並べてみると違いがよく分かりとても参考になります

ありがとうございます。
買おうかどうしようか迷っている人、
買ったけどまだ開けてない人、
買ったけど開けるつもりはない人
のためにがんばりました(笑。

>ディスクの中心透明部分がわずかなのと、インナー・スリーヴの再現が
>見ているだけでも楽しいです

レーベル面とインナーの復刻も最近のこだわりですよね。
そこいくとEMI Music の紙ジャケはまだまだです…。

>この仕上がりでしたら音源が変わらずとも…

さっきちょっと聴いたんですけれども、音、いいですよ!
by parlophone (2008-09-14 18:34) 

parlophone

KJさん、どうもです。

>私もちょっとだけ検証してみました

おお、KJさんもブログをお持ちだったのですね!
あとでコメントしに伺います。

>インクの色がイマイチだということに気づきました

う~ん、個体差とはいえないくらいのちがいですかね~。

ぼくはUKオリジナル盤は2枚しかもっていないのですが、『聖なる館』はやはりちょっとちがいます。
むずかしいところなんでしょうかねー。
by parlophone (2008-09-14 18:43) 

parlophone

tetsupc2さん、こんばんは~。

>ZEPP紙ジャケの検証楽しく拝見させて頂きました

ありがとうございます^^

>聴き終えた感想として全体的にSHM-CD効果なのか94年リマスター盤より
>随分と良くなっている感じ?気分?がしてきました

ぼくもさきほどちょっと聴いてみたんですが、けっこう音がよくなっていると感じました。

>アナログ盤との比較では明らかな違いは私は感じました

これはもう、はっきりとちがいがありますよね。
デジタルとアナログの音の溝はなかなか埋められないです^^;

あとでブログ拝見しますね♪
by parlophone (2008-09-14 18:47) 

ouichi

遼さん、こんにちは。
いやZEPP盛り上がっていますね。
遼さんの比較検証記事は大好きなので楽しみにしてました。
第一弾ということで、まだまだ続きそうですね。
いや~楽しみ。
僕も2.3枚ぐらいは買おうかなと思っています。

by ouichi (2008-09-14 19:49) 

KJ

また来ちゃいました。

> おお、KJさんもブログをお持ちだったのですね!

最近はゼップに偏ってしまってますが、
もしよろしければお立ち寄りください♪

> う~ん、個体差とはいえないくらいのちがいですかね~。

残念ながら今回もっとも重要なポイントでやっちゃった感じですね。
個人的にはインスルーのジャケだけで十分なんですけど、
ワーナーが一番アピールしてたのは青ロゴだったと思うので・・・。

店頭在庫もまだまだあるし、オンラインショップでも受け付けまくり。
限定5000部というのがどうにも信じられないのですが・・・(^^;
by KJ (2008-09-14 21:08) 

parlophone

ouichiさん、こんばんはー。

>遼さんの比較検証記事は大好きなので楽しみにしてました

ありがとうございます!

>第一弾ということで、まだまだ続きそうですね

1st だけで写真が16枚って、ちょっとやばいですよねー。
もう少しスリムにしないといつ終わるかわかりませんTT

ouichiさんもぜひ1、2枚どうぞ^^
by parlophone (2008-09-14 22:32) 

parlophone

KJさん、どうもです。

>最近はゼップに偏ってしまってますが、
>もしよろしければお立ち寄りください♪

あとでぜひコメントさせていただきます^^

>残念ながら今回もっとも重要なポイントでやっちゃった感じですね

そうかあ。
ずいぶん入念に打ち合わせをしたでしょうに…。
「な~にィ~!? やっちまったな~」(by クールポコ)
って感じでしょうかTT

>限定5000部というのがどうにも信じられないのですが・・・(^^;

やっぱり原油高あたりが生活を直撃して売れないんでしょう。
半年後にワゴン・セールで50% OFF なんていうのだけは見たくないですね。

by parlophone (2008-09-14 22:41) 

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