C.クライバーのベートーヴェン第7番 [MORE MUSIC!]
今回ユニヴァーサル・プレイヤーを買ってSACD が聴ける環境になったときに、まずほしいと思ったのがマイルズの『カインド・オヴ・ブルー』とクライバーの『ベト7』だった。
カルロス・クライバーはぼくがもっとも好きな指揮者だが、なかなか録音をしなかったことでも有名だ。
そんななかでベートーヴェンの交響曲第7番は3種類の音源がオフィシャルとして遺されている。
(上がアムステルダム・コンセルトヘボウとの83年のライヴ、左下は75年のスタジオ録音だ)
今回購入したのは未発表音源の発掘で有名?なORFEO というドイツのレーベルから2006年に出されたハイブリッド盤で、1982年5月にバイエルン国立歌劇場管を指揮したライヴ録音だ。
『のだめ』で一気にポピュラーになったような感もある『ベト7』だけれど、ワーグナーが「舞踏の聖化」と呼んだように、ベートーヴェンの交響曲のなかでは8番と並んでリズムが非常に支配的な曲だ。
とくに第1と第4の両端楽章はハーモニーやメロディよりリズムが楽曲を引っぱっていくような展開が印象的だし、それと対照的に重厚でゆったりとしたテンポの第2楽章も筆舌に尽くしがたいほどの美しさで、初演のときもアンコールで演奏されたほど人気の高いものだったらしい。
クライバーのベト7の特徴はひと言でいえば「疾走するような躍動感」だろう。
とにかく速い!
ぼくが学生のころ買ったオイゲン・ヨッフムがロンドン交響楽団を振ったレコードでは、連続して演奏される第3~第4楽章が20分あるのに、クライバーのものはスタジオ盤で17分弱、ライヴでは16分しかない!
とくに第4楽章の速さは驚異的で、弦と一体化したトランペットやホルンなどがティンパニと一緒に咆哮を上げるクライマックスは、ほとんどオケがついていけてないくらいだ^^;
(角の取れた丸っこいケースがカワイイ^^)
まあだからこそクライバーの死後までリリースされなかったのかもしれないが、テレーゼ・フォン・ブルンスヴィックやアマーリエ・ゼーバルトという恋人と呼んでもさしつかえないほどの親しい女性に囲まれて幸せだったベートーヴェンの心の高鳴りがよく現れているんじゃないだろうか(←いいかげん…)。
音もそんなにいわれるほど悪いものではなくて、とても26年も前のライヴとは思えない。
ぼくの環境では76年のスタジオ録音(CD)よりも楽器の鮮明さはうえだった。
奥行き感というようなものはあまり表現できないようだが、それをこのクラスのユニヴァーサル・プレイヤーに求めるのは酷な要求なんだろうな、きっと(笑。
カルロス・クライバーはぼくがもっとも好きな指揮者だが、なかなか録音をしなかったことでも有名だ。
そんななかでベートーヴェンの交響曲第7番は3種類の音源がオフィシャルとして遺されている。
(上がアムステルダム・コンセルトヘボウとの83年のライヴ、左下は75年のスタジオ録音だ)
今回購入したのは未発表音源の発掘で有名?なORFEO というドイツのレーベルから2006年に出されたハイブリッド盤で、1982年5月にバイエルン国立歌劇場管を指揮したライヴ録音だ。
『のだめ』で一気にポピュラーになったような感もある『ベト7』だけれど、ワーグナーが「舞踏の聖化」と呼んだように、ベートーヴェンの交響曲のなかでは8番と並んでリズムが非常に支配的な曲だ。
とくに第1と第4の両端楽章はハーモニーやメロディよりリズムが楽曲を引っぱっていくような展開が印象的だし、それと対照的に重厚でゆったりとしたテンポの第2楽章も筆舌に尽くしがたいほどの美しさで、初演のときもアンコールで演奏されたほど人気の高いものだったらしい。
クライバーのベト7の特徴はひと言でいえば「疾走するような躍動感」だろう。
とにかく速い!
ぼくが学生のころ買ったオイゲン・ヨッフムがロンドン交響楽団を振ったレコードでは、連続して演奏される第3~第4楽章が20分あるのに、クライバーのものはスタジオ盤で17分弱、ライヴでは16分しかない!
とくに第4楽章の速さは驚異的で、弦と一体化したトランペットやホルンなどがティンパニと一緒に咆哮を上げるクライマックスは、ほとんどオケがついていけてないくらいだ^^;
(角の取れた丸っこいケースがカワイイ^^)
まあだからこそクライバーの死後までリリースされなかったのかもしれないが、テレーゼ・フォン・ブルンスヴィックやアマーリエ・ゼーバルトという恋人と呼んでもさしつかえないほどの親しい女性に囲まれて幸せだったベートーヴェンの心の高鳴りがよく現れているんじゃないだろうか(←いいかげん…)。
音もそんなにいわれるほど悪いものではなくて、とても26年も前のライヴとは思えない。
ぼくの環境では76年のスタジオ録音(CD)よりも楽器の鮮明さはうえだった。
奥行き感というようなものはあまり表現できないようだが、それをこのクラスのユニヴァーサル・プレイヤーに求めるのは酷な要求なんだろうな、きっと(笑。
タグ:SACD カルロス・クライバー
私はカルロスの7番は聴いたことないんですが
オヤジのエーリッヒ・クライバーの7番は愛聴盤です。
なんせアナログの表が5番、裏が7番 ってくらいの
速さです。カルロスはオヤジの書き入れのあるスコアで
振ってる という話もあります。
今まで聴いたことがあるので一番速いと思ったのは
ブルーノ・ワルター/NYフィルのやつです。53年頃だと思いますが。
4楽章なんかオケがまるっきりヤケクソで弾いていて
あっというまにおわります(笑
by ノイ (2008-04-25 12:42)
ノイさん、こんにちは~。
>オヤジのエーリッヒ・クライバーの7番は愛聴盤です
おお、さすがですね!
ぼくにとってエーリッヒは"伝説上の名指揮者"ってだけで、実際に音を聴いたことはありません。
しかもフルトヴェングラーやトスカニーニほどには「聴いてみたい」という気持ちもありませんでした。
でもノイさんの一言で興味が出てきましたよ(笑。
ぼくは速い解釈ってあんまり好きじゃないんですよね。
なのに、カルロスのだけはなぜか惹かれてしまうんです。
>カルロスはオヤジの書き入れのあるスコアで振ってる という話もあります
へええ! そうなんですか!
たしかカルロスは父の反対で正式な音楽教育を受けず、20歳のころ独自に音楽の勉強を始めて、3、4年後にはもう指揮者としてデビューしちゃうんですよね。
それでもやっぱり父っつあんの影響は大きいのか…。
おもしろいお話ありがとうございました^^
あ、ワルターも大好きなんですがベト7は聴いたことがありません。
こちらも興味を惹かれますね~。
by parlophone (2008-04-26 13:17)
はじめまして。
ORFEOのライヴはまだ聴いてないので、ぜひ聴きたいと思っています。
ベートーヴェンの7番は高校生のころから好きで、当時は、クライバーのグラモフォン盤(LP)を繰り返し聴いていました。そして来日公演(86年?)も聴きに行きましたが、そのときの印象は、思ったほど速くはないんだな、というもので、LPを聴き直して、速いとかんじるけれど、それは速さそのものだけではないと思ったものでした...第4楽章の話です。
わたしが聴いた中では、ブリュッヘン/18世紀オーケストラが速かったように思います。
by toru (2009-05-09 17:11)
toruさん、こんばんは。
はじめまして、管理人の遼と申します。
今後ともよろしくお願いいたします。
>ORFEOのライヴはまだ聴いてないので、ぜひ聴きたいと思っています
ぜひ聴いてくださいね、癖になりますから(笑。
>LPを聴き直して、速いとかんじるけれど、それは速さそのものだけではない
>と思ったものでした
なるほど、おっしゃるとおりかもしれません。
微妙なテンポの揺れなどから疾走感が生まれたり、いろいろな要素が絡み合って速いと感じるのかもしれませんね。
>ブリュッヘン/18世紀オーケストラ
ぼくはモーツァルトしか聴いたことがありませんね~。
機会があったらぜひ聴いてみたいです^^
by parlophone (2009-05-10 01:18)