ビル・エヴァンス 『トリオ '64』 [JAZZの愛聴盤]
ビル・エヴァンスが盟友ともいうべきスコット・ラファロを自動車事故でなくしたのは1961年7月6日のことだった。
それからしばらくはレコーディングもライヴも考えられないほどの傷心の日々をエヴァンスは送ったようだ。
活動を再開したあとはクインテットでレコーディングしたりしていたが、やがてVerve レーベルに移籍して再び精力的にアルバムをリリースするようになる。
きょうご紹介する『トリオ '64』は1963年12月13日の録音で、ドラムスは以前と同じポール・モチアン、ベースはゲイリー・ピーコックが務めている。
ぼくはピーコックのベースが大好きで、80年代にECM レーベルにキース・ジャレット(p)、ジャック・ディジョネット(ds)と吹き込んだ「TALES OF ANOTHER」なんかも愛聴盤だった(いまは手元にレコードがないので、そのうちCD を手に入れたらご紹介しましょう)。
ここでのピーコックはラファロほどの流麗さには欠けるがじゅうぶんかれの代役を果たしているといえるだろう。
従来のリズム・キープとしてのベースではなく、素早いパッセージを繰り出しながら、よく歌い、エヴァンスのフレーズに示唆を与えるとともにほどよい緊張感のなかでお互いのアドリブを高めてゆく役割を果たしている。
アルバムの冒頭に置かれた「Little Lulu」がとくに素敵だ。
どうやらTV アニメの主題歌らしいのだが、その愛らしいテーマがビルにぴったりだ。
ほかにも12月のレコーディングだったからだろうか「サンタが街にやってくる」なども取り上げており、これらのいわゆるノヴェルティ・テューンを弾くエヴァンスはいかにも楽しげで活き活きとしている。
レコードでいえばB面に当たるM-6「For Heaven's Sake」、M-7「Dancing in the Dark」あたりのエヴァンスもじつに美しく、随所にかれらしい卓越したハーモニーのセンスと、繊細で抒情性に満ちた幻想的ともいえるフレーズを聴くことができる。
"TRIO 64" BILL EVANS
Verve V6-8576
それからしばらくはレコーディングもライヴも考えられないほどの傷心の日々をエヴァンスは送ったようだ。
活動を再開したあとはクインテットでレコーディングしたりしていたが、やがてVerve レーベルに移籍して再び精力的にアルバムをリリースするようになる。
きょうご紹介する『トリオ '64』は1963年12月13日の録音で、ドラムスは以前と同じポール・モチアン、ベースはゲイリー・ピーコックが務めている。
ぼくはピーコックのベースが大好きで、80年代にECM レーベルにキース・ジャレット(p)、ジャック・ディジョネット(ds)と吹き込んだ「TALES OF ANOTHER」なんかも愛聴盤だった(いまは手元にレコードがないので、そのうちCD を手に入れたらご紹介しましょう)。
ここでのピーコックはラファロほどの流麗さには欠けるがじゅうぶんかれの代役を果たしているといえるだろう。
従来のリズム・キープとしてのベースではなく、素早いパッセージを繰り出しながら、よく歌い、エヴァンスのフレーズに示唆を与えるとともにほどよい緊張感のなかでお互いのアドリブを高めてゆく役割を果たしている。
アルバムの冒頭に置かれた「Little Lulu」がとくに素敵だ。
どうやらTV アニメの主題歌らしいのだが、その愛らしいテーマがビルにぴったりだ。
ほかにも12月のレコーディングだったからだろうか「サンタが街にやってくる」なども取り上げており、これらのいわゆるノヴェルティ・テューンを弾くエヴァンスはいかにも楽しげで活き活きとしている。
レコードでいえばB面に当たるM-6「For Heaven's Sake」、M-7「Dancing in the Dark」あたりのエヴァンスもじつに美しく、随所にかれらしい卓越したハーモニーのセンスと、繊細で抒情性に満ちた幻想的ともいえるフレーズを聴くことができる。
"TRIO 64" BILL EVANS
Verve V6-8576
こんばんは
エバンスがピーコックと吹き込んだのはこの一枚だけなんでしょうかね。
ふたりのインタープレイはかなり良い感じでしたね。
と言うのも、紙ジャケで所有していたのですが、処分済みで…。
少なくとも僕は後のエディ・ゴメスより気に入っていました。
ラファロの陰に隠れがちですが、もっと注目されてしかるべき作品だと思っています。
スタンダーズ・トリオがあれだけ絶賛されたのに…。
演目が少し地味なんでしょうかねぇ。
by bob (2008-03-24 01:54)
bobさん、こんばんはー。
>エバンスがピーコックと吹き込んだのはこの一枚だけなんでしょうかね
どうでしたっけ?
いま手元にエヴァンスのディスコグラフィーがないのではっきりとはいえませんが、そうかも知れませんね。
ぼくはエディ・ゴメスも好きなんですが、やっぱりピーコックですね♪
>ラファロの陰に隠れがちですが、もっと注目されてしかるべき作品だと思っています
ですよね!
「Little Lulu」がもう少しみなさんに聴かれるようになれば、このアルバムも人気は出るんじゃないかと思うんですけどね^^
>演目が少し地味なんでしょうかねぇ
それはたしかにあるかもしれませんね~。
by parlophone (2008-03-25 00:06)
遼さん、こんばんわ。
おおっ、エヴァンスの「トリオ64」とは!
これ、エヴァンスの諸作の中では、あまり人気のないレコードかもしれませんね。その理由は・・・おそらく、ゲイリー・ピーコックのベースでしょう。
僕も1曲目のlittle luluを聴いて、エヴァンスよりもピーコックのベースソロにぶっ飛びました。普通はその曲のコード進行(和音)に「合う音」を意識して曲の流れが判るように弾くものなんですが・・・ピーコックの「歌い方」は、ほとんど「フリージャズ」みたいなベースソロだったんです。
少なくとも「普通のベースソロ」ではないように聞こえます。もちろんエヴァンスは、ちゃんと(少なめな音で)伴奏してますが(笑)
これは・・・「普通のピアノトリオ」の音を期待して聴いた方は「あれ?」という感じだったと思います。
この頃のピーコック・・・アルバート・アイラーとも凄い演奏をしてますし、出てくるサウンドは、かなりアヴァンギャルドですが、ピーコックにはいつも「唄」がありますよね。たまにFMからキース・ジャレットが流れると・・・僕は、キースを聴かずに、いつもピーコックを聴いてます(笑)
by bassclef (2008-03-25 22:30)
bassclefさん、こんばんは~。
ベーシストbassclefさんだったら、きっとこのアルバムのピーコック、お好きじゃないかと思ってました^^
>ピーコックの「歌い方」は、ほとんど「フリージャズ」みたいなベースソロだったんです
たしかにおっしゃるとおりですね。
録音された63年というのは、もうフリージャズもじゅうぶんに市民権を得ていたと思いますが、ビル・エヴァンスのトリオにこれほど「革新的」なベースが起用されるとはみんな思ってなかったかも^^;
>出てくるサウンドは、かなりアヴァンギャルドですが、ピーコックにはいつも
>「唄」がありますよね
ぼくがピーコックが好きなのもおそらくそのあたりじゃないかと思うんです。
アヴァンギャルドなサウンドと歌心。
まさにbassclefさんのコメントのとおりですね!
>僕は、キースを聴かずに、いつもピーコックを聴いてます(笑)
あらら (@@
お気持ちはじゅうぶんわかります^^;
by parlophone (2008-03-26 00:16)