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フレディ・キング 『ライヴ・イン・ヨーロッパ』 [Blu-ray & DVDコレクション]

きょうは先日のジョン・メイオールの紙ジャケからの流れで、フレディ・キングのDVD をご紹介しよう。

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フレディはブルーズの世界ではB.B.キング、アルバート・キングと並んで3大キングと呼ばれることが多い。
3人の中ではもっとも若く、1934年テキサス州生まれ。
マディ・ウォーターズを筆頭とするシカゴ・ブルーズの影響を受けて50年代にはすでにレコーディングを経験し、1960年の「愛の経験 Have You Ever Loved A Woman」、翌61年の「ハイダ・ウェイ Hide Away」のヒットで一躍有名になった。
1976年、心不全のために42歳の若さで亡くなっている。

ぼくらの世代の人たちはだいたいそうだと思うが、フレディのことを知ったのは白人のブルーズ・ロック・ギタリストを通してだ。
クラプトンがブルーズ・ブレイカーズ時代にカヴァーした「ハイダ・ウェイ」や、同じくブルーズ・ブレイカーズ時代にピーター・グリーンがカヴァーした「Stumble」など、インストゥルメンタルが多いのもかれの特徴で、60年代英国ギター・キッズのヒーローだったのだろう。
ヴォーカルものでは「愛の経験」や「I'm Tore Down」なども有名だし、ジェフ・ベックは第2期ベック・グループで「Going Down」をカヴァーしている。

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フレディのヴィデオ作品というとなんといっても『The!!!Beat 1966』というTV 番組を収録したものが有名だが、きょうご紹介する『ライヴ・イン・ヨーロッパ』は1973年から74年にかけて、スイスのモントルー・ジャズ・フェスティヴァルやスウェーデンのストックホルムでのライヴを収めたもの。

残念ながらギター・インストゥルメンタルは収められていないが、ピアノとオルガン、ベース、ドラムスを従えたクインテット(またはセクステット)で、フィンガー・ピックをはめたブッ太い指でスクイーズをキメながら汗も飛び散らんばかりのエモーショナルなステージを見せてくれる。

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   (エモーショナルなヴォーカルと…)

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   (中山康樹ふうにいえば「ギターは顔で弾け!」といわんばかりのアクション^^)

ギターはジャケット写真を見てクラプトンが手にしたというレスポールではなくて、ES-355というシン・ライン・モデル。
4個のヴォリュームとトーンのノブのほかにヴァリトーン・スイッチというつまみがついているのが特徴で、より幅広い音質の選択ができるという。

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   (ギターのコードのうえに見える大きなつまみがヴァリトーンだ)

ギブソンのハムバッカー特有のやや高域の落ちたトーンと、太くナチュラル・オーヴァードライヴされたギター・サウンドは、そのままブルーズ・ロック・ギターのお手本といっても過言ではないほどのものだ。

2ヴァージョン収められた「愛の経験」や「Blues Band Shuffle」などもヴァリエーションが楽しめるし、B.B.のカヴァー「Ghetto Woman」では、本人にそっくりのギターも弾いて見せて、B.B.にたいする敬愛のようすが伝わってくる
(ちなみにB.B.の愛器"ルシール"ももとはES-355だった)。

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   (こちらはアーム付のデラックス・ヴァイヴローラがついたこげ茶色の355)

それにしても映像で見るフレディはまたいちだんと魅力的で、ほんとうに夭折が惜しまれる。

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コメント 2

bob

こんにちは

深遠な黒人ブルースの世界にはハマると怖いので
なるべく近づかないようにしています(笑)。

3大キングのうちでも多分B.B.キング以外はあまり聴いた記憶はありません。

それにしても音が聞こえてきそうな画ですねぇ。
とくに「ギターを顔で弾いている」画はインパクト大です!
それと、さすが遼さん、ギターの解説が楽しめますねぇ♪
by bob (2008-03-13 17:36) 

parlophone

bobさん、どうもです。

>深遠な黒人ブルースの世界にはハマると怖い

なぜかジャズ・ファンとブルーズ・ファンって日本ではカブらないような気がします。
でもたしかにハマると怖いですね(笑。
ぼくもなるべくハマらないように、ディープな世界の上澄みだけをすくって味わってます(爆。

>とくに「ギターを顔で弾いている」画はインパクト大です!

でしょ?
いちばんインパクトありそうなやつを探しました^^

>ギターの解説が楽しめますねぇ♪

ありがとうございます。
ミスチルのDVDでもかれらの魅力を語らないでギターのことばかり書いてしまいました。
我ながらしようがないなあ…(笑。
by parlophone (2008-03-13 23:50) 

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