ニューポート・フォーク・フェスティヴァル 1963-1965 ボブ・ディラン [Blu-ray & DVDコレクション]
またまたすごいヴィデオが登場した。
Sony Music から12月5日にリリースされた『ニューポート・フォーク・フェスティヴァル 1963-1965』という、ボブ・ディランの同フェスティヴァルでのステージを集大成したものだ。
ディランは1963年の第3回から1965年の第5回まで、3年連続してニューポート・フォーク・フェスティヴァルに参加している。
それらの映像の一部はマーティン・スコセッシ監督の『ノー・ディレクション・ホーム』で使われて、ぼくなんかもその映像を見てぶっ飛んだわけだが、ドキュメンタリー・フィルムという作品の性格上、関係者のコメントがかぶさったり、一部分が使われたりして、まるごと聴けるものは案外少なかった。
今回はすべて完奏である。
まるごとである。
ディランって音源も映像もあっと驚くようなものがつぎつぎに出てくる。
すごいなあ。
(このころのバエズってほんとうに清楚で知的で美しい…^^)
同フェスティヴァルのスターだったジョーン・バエズのゲストというかたちで参加した63年のディランは、「風に吹かれて」や「しがない歩兵」を歌う新しい時代の旗手であり、ピート・シーガーに代表される公民権運動や反戦にシンパシーをもつ"進歩的な"フォーク・シンガーのひとりだった。
(ディランの歌にじっと耳を傾けるドク・ワトスンの姿も印象的だ)
64年になると、ディランは公民権運動や反戦活動からは半歩身を引いた形になったが、歌う姿からはオーラを感じることができる。
新しいフォーク界のプリンスという感じだ。
そして伝説の65年。
DVD ではアコースティックのステージを終えたディランが、アル・クーパー(key)やマイク・ブルームフィールド(g)とリハーサルをする姿も見ることができる。
やがて暗いステージにストラトキャスターを抱えたディランが現れると、「マギーズ・ファーム」と「ライク・ア・ローリング・ストーン」を歌う。
いや~、このステージの完全版をこうやって見れるなんて思わなかった。
映画『ノー・ディレクション・ホーム』では「1/3はブーイングだった」というマリア・マルダーのコメントや、「斧で音声ケーブルを切断するつもりだった」というピート・シーガーらのコメントが印象深かったが、たしかに曲間のブーイングはすごい。
ただ、映画と比べると音のミックスがちがうので印象もかなり変わってくる。
『ノー・ディレクション・ホーム』では演奏と同じくらい聴衆のざわめきがオンになっていて、エレクトリック・ディランがいかに65年当時の人々に動揺を与えたかが感じられるようなミックスになっていた。
今回のDVD は演奏がラウドにミックスされていて、たとえばディランの弾く神経質そうなギターの音もクリアーに聞こえる。
同時にブルームフィールドのギターやサム・レイのドラムもかなりの音量で、かんじんのディランの歌がよく聞えなかった、という当時の批評もなるほどと思わせるミックスになっている。
以前読んだ本には、「聴衆のブーイングに堪えかねたディランは、アコースティック・ギターを抱えて再びステージに上がり、涙ながらに『ミスター・タンブリンマン』を演奏した」みたいなことが書いてあったが、真実はどうであったのか、その瞬間をとらえた映像がここにはある。
「ライク・ア・ローリング・ストーン」のほうはシングルがリリースされた直後(なんとわずか5日後!)のステージになるわけで、ライヴで演奏されるのはもちろん初めて。
この曲がやがて全米第1位に輝く大ヒットになるなんて、まだだれも知らないわけだ。
(ディスクは6アイズではなく4アイズ? 20ページのカラー・ブックレットがつく)
それにしても、先日のジミ・ヘンドリクスの『モンタレー』といい、この65年の『ニューポート』といい、伝説のステージを目の当たりにすることができるのだから、すごい時代になったものだ。
こんにちは
コレも是非観てみたいです。
音源もそうですが、映像関係の発掘、復刻もすごい勢いですね!
購入を検討している間に次々と新しいマテリアルが…
>すごい時代になったものだ。
同感ですが、贅沢な時代でもあるような気がします。
自分のサイフが追いつかない悩みがどんどん募ります…(笑)。
by bob (2007-12-13 08:40)
つられて私もアマゾンにオーダーしました。
米盤で安いのがあったので・・・(新品で送料込み2,025円!)
No Direction Homeで見られた映像だけでも凄かったんですが、
あの一部始終が見られるとは・・・(長生きして良かった)
ディランの映像物の中にはガッカリするものも多々あるのですが、
レヴューを読んでもこれは充実しているようなので期待しています。
なんたって20代前半のディランはカッコイイっす!
(その後もそれなりにカッコイイですけどね)
by MORE (2007-12-13 09:08)
bobさん、どうもです。
>コレも是非観てみたいです
ぜひ観てください。
65年ももちろんですけど、63年や64年もゾクゾクするぐらいかっこいいですよぉ!
>贅沢な時代でもあるような気がします
いや、ほんと贅沢な時代ですね。
きのうは67年のモンタレーに行ってジミのステージを見、きょうは65年のニューポートに行ってディランを見るなんて、20年前ならタイム・マシーン作るしか叶わないような夢ですよね♪
by parlophone (2007-12-13 22:32)
MOREさん、どうもです。
>つられて私もアマゾンにオーダーしました
はい、毎度ありィ~。
ちゃんとRECOMMENDのコーナーからアクセスしましたか?
(って冗談ですよ^^)
それにしても2,025円は安いなあ。
リージョン1?
ぼくはリスニングが苦手なので日本盤しか買えませんけど(笑。
>レヴューを読んでもこれは充実しているようなので期待しています
はい、「レヴュー」なんて偉そうなものじゃありませんが、内容は絶対にご期待に沿えると思います。
MOREさんのレヴューもお待ちしていますね^^
by parlophone (2007-12-13 22:37)
遼さん、こんばんは。
ディラン物は次から次へとお宝音源、映像が出てきますね。
ブートなどで既出のものもあるとおもいますが
やはり、公式盤となるとライナー含め楽しみが倍増ですね。
”生きる伝説”まだ現役というのも嬉しいところ。
この頃、当たり前ですが若いですね。
美青年でしたね。
by ouichi (2007-12-13 23:37)
ouichiさん、どもで~す^^
>ディラン物は次から次へとお宝音源、映像が出てきますね
ほんとにねえ。
え゛~~、こんなものがほんとに遺ってるのっ?
というようなものが次々に出てきますから、びっくりです。
>この頃、当たり前ですが若いですね。美青年でしたね
若くて美しくて才気煥発でオーラがあってカリスマ的で…。
すごい人でしたねー。
by parlophone (2007-12-14 00:38)
遼さん、こんばんは!
今年もディラン関連の作品は色々と出ましたが、最後にこんなスゴイ映像が控えていたとは。
これまでも音や映像の一部はバラバラに収録されていて不便だったのが、コレである程度モヤモヤは解消されました。
今度はローリング・サンダー・レヴューの映像がオフィシャルのクオリティでドバッと出てくれたら・・・、なんて夢のようなことを考えちゃいますね(笑)。
ワタシもDVDの記事をアップしたので、TBさせて頂きました。
by lonehawk (2007-12-16 22:57)
lonehawkさん、どうもです。
>最後にこんなスゴイ映像が控えていたとは
いや~、ほんとに驚きましたね。
63年から65年という、ディランのファンにとっては垂涎のフィルムがほぼ完璧な形で残っているのですから、たまりませんね。
>ローリング・サンダー・レヴューの映像がオフィシャルのクオリティで
>ドバッと出てくれたら・・・
これも夢のようですね!
でもディランならほんとあるかも…^^
by parlophone (2007-12-16 23:37)
こんばんは。
これ、リリースされるのは知ってたんですけど、発売日気にしてなくて(笑)
遼さんの記事読んで、ヤバッ、忘れてたって焦りました^^;
さっき1クリックしてきました(笑)
早く観たいです。
最近、「ディラン・アイコン」キャンペーンというのをSONYが展開してるようで、ディランのお宝音源、お宝映像はしばらく期待できるかと楽しみにしている僕です^^
相変らず遅刻魔ですみません^^;
by DEBDYLAN (2007-12-19 00:32)
DEBDYLANさん、いつもありがとうございます。
>遼さんの記事読んで、ヤバッ、忘れてたって焦りました^^;
>さっき1クリックしてきました(笑)
おありがとうございますTT(←うれし泣き)
>「ディラン・アイコン」キャンペーンというのをSONYが展開してる
何か月か前に突然サイトができたときはびっくりしましたね^^
でもほんと、これからも目が離せませんね。
by parlophone (2007-12-19 22:20)