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フェアポート・コンヴェンション 『リージ & リーフ』 デラックス・エディション [ブリティッシュ・フォーク]

今回は10月24日にリリースされたフェアポート・コンヴェンション 『リージ & リーフ』のDX エディションをご紹介しよう。
すでに9月にtetsupc2 さんのブログ「MUSIC LIFE -Chapter Two-で紹介済みだけれど、ぼくが購入したのは日本語解説付の直輸入盤国内仕様で、定価3,600円というやつだ。

   

以前書いたようにぼくは『アンハーフブリッキング』のほうが好きなんだけれど、『リージ & リーフ』がフェアポートの代表作であり、ブリティッシュ・フォーク・ロック史に燦然と輝く傑作であることには異論がないから、DX エディションの登場は大歓迎だ。

Disc 2 の10曲のうち、
M-1Sir Patrick Spens - Sandy Denny Vocal Version」と
M-8Quiet Joys of Brotherhood - take 1
は2003年の紙ジャケ『リージ・アンド・リーフ』のボートラとして、
M-3The Ballad of Easy Rider
は同じく紙ジャケ『アンハーフブリッキング』のボートラとしてすでにもっているので、今回ぼくが初めて聴いたのはそれ以外の7曲だ。

そのなかには
M-4Tam Lin
M-5Medley: The Lark in the Morning / Rakish Paddy / Foxhunter's Jig / Toss the Feathers
M-6Sir Patrick Spens
M-7Reynardine
という4曲のBBC セッションからの曲が収められているのがうれしい。

ただ、国内盤の解説書に苦言を呈しておくと、これらDisc 2 の収録曲に対してなんのコメントもないのはどういうわけだろう。
24ページの国内盤ブックレットは、英文ブックレットの日本語訳と、歌詞・対訳がついているが、この英文のライナーが簡単な略歴と『リージ & リーフ』リリース時のちょっとしたエピソードを載せただけのものなのだ。

   

M-9 M-10 には「Lady Is a Tramp」と「In Other Words (Fly Me to the Moon)」というジャズのスタンダードをピアノの伴奏で歌ったもの(弾き語り?)が収録されているのだが、これがなんなのか、ピアノを弾いているのがだれなのか、そういうこともさっぱりわからない。

こんな毒にも薬にもならないようなつまらないライナーを読むために2か月以上の月日(UK 盤のリリースは8月13日)と600円近い金額を費やしたのかと思うと情けなくなる。

パッケージは例によって4つ折のデジパックで、なかは『リージ & リーフ』のレコーディングに使われたハンプシャー州にある邸宅の写真と地図があしらわれている。

   

20ページのカラー・ブックレットがついていて、レコーディング時のスナップなど、収められた写真は2003年の紙ジャケについていたものとそんなに変わらないけれども、英国版『ROLLING STONE』誌創刊号に載ったフェアポート再開の記事はすごく珍しいような気がする。

   
   (朝食を食べるサンディー、お茶目です^^)

ちょっと気になったのは、デラックス・エディション盤のジャケットとブックレットの表紙。

   
   (上がDX 盤、下が紙ジャケ)

国内盤紙ジャケと比べると、ずいぶん印刷が粗いのだ。

   

光沢のあるしっかりした紙質で高級感はあるのだけれど、この印刷にはちょっとがっかりだ。

CD のレーベルも比べてみた。

   

左が紙ジャケ、右がDX 盤。
少しデザインと色味がちがっている。

Disc 2 は貴重な音源であるにもかかわらず音質はよい。
BBC セッションも良好だ。

さてDisc 1 はどうだろう。
DX 盤にはとくに記載がないので、おそらく紙ジャケと同じ2002年のデジタル・リマスタリングがソースとして使われたのだろう。
素材は同じでも、スタンパーはそれぞれの国で作っているはずだから、音には微妙な違いがあるかもしれない。
そう思って紙ジャケ盤と比較してみた。

紙ジャケCD は日本製、DX 盤はパッケージにはMade in EU とあるが、CD そのものはドイツ製である。

国内盤はマトリクスがUICY-9321 1R V となっている。
そのほかにIFPI 4011 という記号が刻印されている。

DX 盤はマトリクスが06007 530 111-2 01 *51911854 で、Made in Germany by EDC とある。
EDC というのがプレス工場だろうか。

結論を述べると、両者の違いはわからなかった(笑。
どちらかというとDX 盤のほうが、やや音が鮮明なような気がする。
でもあくまでも「気がする」レベルである。
「気のせい」といわれればそうかもしれない。

ま、国内盤はボートラが2曲入っているので、ふだん聴くならDX 盤かな^^


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コメント 10

DEBDYLAN

ご無沙汰してます。

このアルバム、僕は紙ジャケCD入手に失敗しまして、このDXエディションのリリースは密かに喜んでいました。

アルバム自体も未聴なんです(^^ゞ

早く聴きたいな♪
by DEBDYLAN (2007-11-18 21:05) 

tetsupc2

こんばんは!
私は今風邪?ぎみで調子がイマイチなんです・・・
日常の仕事がデスクワークなので体力不足なのか?年とるにつれてすぐに風邪をひく体質になってきました(やばいです・・・)
やはり買われましたね・・・
私も国内盤も考えたのですが、600円の金額差がどうしても邪魔して手が出ませんでしたのでUK盤にしました・・・(笑)
他のものならたかが600円!でもなぜか?CDになるとその600円が大きいと感じてしまう器の小さいとつくづく思う私です(泣;)
さて内容は今回は私もDISC2が目当てで購入したみたいなものです。
私の場合は『アンハーフブリッキング』もいいのですがこちらの『リージ・アンド・リーフ』の方が好みです・・・ため息が出そうになるくらいのサンディーの歌声は惚れ惚れします。ところで今私のマイブームは(少し古い言葉!)UKフォークと日本のニューロックにはまっています。UKフォークはチューダーロッジ、メロウ・キャンドル、スパイロジャイラを毎日ipodで聴いております。日本のニューロックは最近聴きだしたのであまり詳しくはないですが日本も70年代は音楽の大きな転機があったようでこのころの日本ロックは英国・米国ロックに追いつこうと色んな素晴らしいアーティストが出ていたのを最近改めて知りました・・・第一弾は既にご紹介している『フライドエッグ』ですが今後UKフォークも含めてご紹介していけたらと思っています。
by tetsupc2 (2007-11-18 21:26) 

parlophone

DEBDYLAN さん、こんばんは~。

>アルバム自体も未聴なんです(^^ゞ

本文にも書きましたが、ブリティッシュ・フォーク史上の大名盤ですね♪
エレクトリック・トラッドという新しいジャンルを切り拓いた傑作です。
お楽しみに~^^
by parlophone (2007-11-18 22:12) 

parlophone

tetsupc2 さん、こんばんは~。

前にもブログで体調が万全でないとおっしゃってましたね。
大丈夫ですか?
ご自愛くださいね。

>私も国内盤も考えたのですが、600円の金額差がどうしても邪魔して
>手が出ませんでした

国内盤の利点というとライナーぐらいですから、今回は輸入盤で大正解ですよ。
2か月も待ったのにがっかりです(笑。

>今私のマイブームは(少し古い言葉!)UKフォークと日本のニューロック

いいですね~。
日本のニューロックのほうはあまりわかりませんが、UKフォークはぼくも大好きです。

tetsupc2 さんのコアな記事、楽しみにしてま~す^^
by parlophone (2007-11-18 22:18) 

MASA

UKフォークとカンタベリー系にはどうも触手が伸びない私です^^。
当時よっぽどのマニアしか聴いておらず、一般的には無視されていたジャンルですが、それを当時から誰もが聴いていた名盤だったように持ち上げるメディアのあり方にウソ臭いものを感じてあんまり聴く気が起こらないんです。偏見ですかね?(笑)

そんな私でもこのアルバムは興味があるのですが、未だに聴いたことありません(汗)。
これを機会に余裕があれば買ってみようかな、と思います^^。
by MASA (2007-11-18 23:20) 

parlophone

MASAさん、どうもです。

>当時よっぽどのマニアしか聴いておらず、一般的には無視されていたジャンル

はあ~、そうだったんですか…。
相変わらずそのあたりの事情については疎くて(爆。

ぼくもフェアポートやマシュー・サザン・コンフォートあたりの名前なら聞いたことはあったんですが、じっさいに大好きになったのはこの10年ぐらいでしょうかね~。
サンディ・デニーだけは『ZEPP Ⅳ』で昔から有名でしたから、そっちのほうから入った人も多いかもしれませんね。

でも、『アンハーフブリッキング』と『リージ&リーフ』は名盤ですから、聴いて絶対に損はしませんよ。
ってゆ~か、聴かないほうが絶対に損です。
ローラ・ニーロやジョニ・ミッチェルと同じぐらい「素敵」です。
(傾向はまったく違いますが…^^)
by parlophone (2007-11-19 00:04) 

MORE

>当時よっぽどのマニアしか聴いておらず、一般的には無視されていたジャン>ルですが、それを当時から誰もが聴いていた名盤だったように持ち上げる>メディアのあり方にウソ臭いものを感じてあんまり聴く気が起こらないんです。>偏見ですかね?(笑)

そうでもないんじゃないかと思いますよ。
あの当時は誰もブリティッシュ・フォークなんて聴いてませんでした。
私もペンタングルしか聴いてなかったし、友人に一人だけフェアポートの
ファンがいましたが、彼は非常に稀有な存在でした。
かく言う私もフェアポート系は最近になってサンディー・デニーを再評価し
てから聴き始めました。
R.トンプスンもギター・ワークは時々ハッとするような鋭いソロを聞かせて
くれるんですが、彼の声はいまひとつ好きになれません…
まあ、あまり周りの雑音に惑わされないで御自分の耳と感性でジャッジされるのが一番ですよ。
フェアポートと言えば最近出た(?)BBCセッション2枚組はサンディーの強靭だけど繊細なヴォーカルが楽しめてお薦めです。
Who Knows Where The Time Goes?は名曲中の名曲ですね。
by MORE (2007-11-19 09:30) 

parlophone

MOREさん、どうもです。

>最近出た(?)BBCセッション2枚組

えー、そんなん出てましたっけ?
4枚組なら知ってますけど、値段が値段なもんで未聴です^^;

でも演奏力も歌唱力も抜群ですから、ぜひ聴いてみたいですね。
by parlophone (2007-11-19 20:52) 

MORE

>えー、そんなん出てましたっけ?
>4枚組なら知ってますけど、値段が値段なもんで未聴です^^;

Oooops!
そうでした、4枚組でした・・・^^;
なんというか一発録り(だと思いますが)の緊張感というか
「あうん」の呼吸って演奏に鋭さと良い意味でのルーズな感覚が
織り合わさってフェアポートの当時のバンドサウンドが楽しめます。
イギリスってBBCがちゃんとアーカイヴ化しているところが流石
というか歴史を重んじるお国柄を示していますね。
BowieのBBC物も良かったですしね。
あ、それからKinksも…
by MORE (2007-11-20 08:51) 

parlophone

>なんというか一発録り(だと思いますが)の緊張感というか
>「あうん」の呼吸って演奏に鋭さと良い意味でのルーズな感覚が織り合わさって

これってBBCセッションの特徴ですよね^^
MOREさんの表現、さすがです!
CREAMみたいにギターを重ねたりしたのもありますが、ほとんどは一発録りで、スタジオとは違った一面が現れますよね~。

ぼくはBowie もKinks も未聴ですが、クリーム、ゼップ、フリー、バッドフィンガーあたりは大好きです。
by parlophone (2007-11-20 23:15) 

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