SSブログ

キャロル・キングのアルバム――その2 [シンガー・ソングライター]

ハロウィンの紙ジャケ・シリーズ?、きょうはキャロル・キングの第2弾のなかからザ・シティの『夢語り NOW THAT EVERYTHING'S BEEN SAID』と『喜びにつゝまれて Wrap Around Joy』をご紹介しよう。

  

『夢語り』はキャロル・キングがシンガー・ソングライターとしてソロ活動を始める前に、ゆいいつ活動したバンド、ザ・シティのただ1枚のアルバムだ。
その後長く活動をともにしてゆくダニー・クーチ(g)とチャールズ・ラーキー(b)が正式のメンバーで、ゲスト・ドラマーはなんとジム・ゴードン。

今回はじめて聴いたけれど、じつにいいアルバムだ。
もともとジェリー・ゴフィンとのコンビで数々のヒット作を書いてきたキャロルがバンド活動をおこなうようになった背景には、ゴフィンとの破局、チャールズとの新しい生活という個人的な理由よりも、歌手と職業作家の組み合わせによる幸福な時代の終焉というもっと大きな理由があった。
そういう意味では、キャロルにとってバンド活動そのものが試行錯誤のひとつだったのかも知れず、歌手というにはやや不器用なキャロルがメイン・ヴォーカリストというのは、バンドとしては弱点だったかもしれない。
いずれにしてもオード・レーベルのCBSからA&Mへの移籍に伴って『夢語り』は廃盤になってしまい、幻のアルバムとなってしまった。
音作りの点でもヴォーカルとコーラスが左右に分かれたり、ピアノが右から左にゆっくりとパンして行ったり、やや古さを感じさせる。
しかしモーズ・アリスンのM-9My Sweet Home」以外はすべてキャロルがソング・ライターとしてかかわっており、楽曲はいずれもすばらしい出来だ。
解説を読むと、M-1「スノウ・クイーン」はロジャー・ニコルズ&スモール・サークル・オヴ・フレンズとアソシエイションが、M-2「ワズント・ボーン・トゥ・フォロウ」はザ・バーズが、M-3「夢語り」はスプリングが、M-5「夢なき男」はモンキーズが、M-11「ザット・オールド・スウィート・ロール(ハイ・デ・ホー)」はダスティ・スプリングフィールドと、ブラッド・スウェット&ティアーズが、それぞれカヴァーしているというからすごい。

    

紙ジャケはコーティングのない厚紙のA式で、シングル・スリーヴ。
8ページのブックレットとインナー・バッグのミニチュアがついている。
このインナーには『チープ・スリルズ』や『ブラッド・スウェット&ティアーズ』、『オグデンズ・ナット・ゴーン・フレイク』、『スーパー・セッション』、あるいは『イーライと13番目の懺悔』やビギンの『ザ・ミレニアム』など、当時のキラ星のような名盤のジャケットが載っているが、今回画像には珍しいポスターの広告のほうを載せている。
レーベルは黄色いODE レーベルだ。

ただし、音は古めかしい。
マスタリングも99年というから8年も前のものだ。

74年の『喜びにつゝまれて Wrap Around Joy』は押しも押されもせぬ大名盤。
ぼくの大好きなM-1「ナイチンゲール」、M-3「ジャズマン」など、こちらも名曲ぞろいだ。

    

紙ジャケはコーティングのないE式のシングル・スリーヴ。
歌詞が印刷されたしっかりした造りのインナーがミニチュアで復刻されている。

2007年の最新デジタル・リマスターで、こちらは音も申し分ない。


nice!(1)  コメント(10)  トラックバック(3) 
共通テーマ:音楽

nice! 1

コメント 10

MASA

あ、もう出たんだ、忘れてました。
今度「WRAP AROUND JOY」買ってきます。

そう言えば、CITYのカウンター・フィット盤をこないだ探したのですが、行方不明で出て来ませんでした(泣)。
by MASA (2007-11-02 20:42) 

ouichi

「喜びにつヽまれて」惹かれますね~。
買います、これ。名盤ってコトバに弱いんですよ。
開放的な音ですよね。キャロルキングって。
なんだか大学の軽音楽サークルのような
スレてない感じがするんですよ。
仲間とのコミュニケーションのために音楽をしている感じ。
とても個人的な感じ方ですが。
週末に買おう♪
by ouichi (2007-11-02 22:10) 

parlophone

MASAさん、どうもです。

もう出たんですよ~。
1か月なんてあっという間ですね。
最近時間が経つのが早くていやになっちゃいます^^;

>CITYのカウンター・フィット盤をこないだ探したのですが、
>行方不明で出て来ませんでした(泣)。

あ~、残念ですね。
ぼくも「あのレコードどこ行っちゃったんだろう?」というのが4枚や5枚はあります(笑。
by parlophone (2007-11-03 19:31) 

parlophone

ouichiさん、どうもです。

>開放的な音ですよね。キャロルキングって

そういわれてみればほんとそうですね^^。
『つづれおり』なんかもちょっと重い曲はあるんですが、それをあまり感じませんね。
『喜びにつヽまれて』でも、ドラッグを扱った深刻な歌があるんですが、曲を聴いているだけでは気づかずに通り過ぎてしまいそうです。

>なんだか大学の軽音楽サークルのようなスレてない感じがするんですよ

60年代から数々のヒットを飛ばしているのに、歌い方なんでしょうかねえ^^

>週末に買おう♪

ちなみにボートラのゴフィン&キングのデモ・ヴァージョンもいい感じですよ^^
by parlophone (2007-11-03 19:41) 

lonehawk

遼さん、こんばんは!
TBありがとうございました。
こちらからもTBさせて頂きますね。

『喜びにつつまれて』は今回はじめて聴いたのですが、実にイイ作品ですね。
「ナイチンゲール」と「ジャズマン」だけはベスト盤で耳にしていましたけど、他の曲やボートラのデモなど聴きどころも多くて、かなり楽しめました。
来日&紙ジャケ化のおかげで、キャロルの音楽に触れる機会が増えて良かったです。
by lonehawk (2007-11-06 01:13) 

parlophone

lonehawkさん、コメント&トラバありがとうございました。

>来日&紙ジャケ化のおかげで、キャロルの音楽に触れる機会が増えて良かったです

ほんとですね~。
久しぶりに彼女のアルバムをつづけて何枚か聴いて、すごく幸せな気持ちになりました^^

そういえば今朝のめざましTVにもチラッと出てたみたいですね。
60年代から活躍してるわけですからさすがに老けてましたけど、あの歌声は健在なんでしょうね♪
by parlophone (2007-11-07 00:44) 

大介(東京都)

またまたこんばんは〜〜。

新橋のブルース・バーでもキャロルは人気あります(笑)もうジャンルを超えたお方、嫌いなんて方居ないんじゃあないかなと思います。
単独公演で小さい箱のライヴだったら行くのに〜(スティーリー・ダン級の¥23,000でも行くかも!全買い2回ばかりやめれば可能です)

今日もビクターからリリースされた世界初CD化のタイトル2枚買っちゃいました〜〜。

追伸
やっぱりとんこつラーメンは空港で食べるより地下鉄で博多か天神へ行って食べた方がよろしいでしょうか?関係ないお話ですみません(笑)
by 大介(東京都) (2007-11-08 23:41) 

parlophone

またまたどうもです^^

>新橋のブルース・バーでもキャロルは人気あります(笑)

え~~、そうなんですか。
ぢゃあ、吾妻さんなんかもじつはキャロキンのファンなんでしょうか(笑。

>今日もビクターからリリースされた世界初CD化のタイトル2枚買っちゃいました〜〜

お、何をお買いになりましたか!?
ぼくも『PEARLS』、『LIVING ROOM LIVE』あたりは気になってるんですけどね…。

>やっぱりとんこつラーメンは空港で食べるより地下鉄で博多か天神へ行って食べた方が

空港では食べたことないので断言はできませんが(笑)、博多の元祖長浜ラーメンや、天神の一蘭、TVチャンピオンでおなじみの一風堂あたりは有名ですね。
でもぼくから言わせると、とんこつラーメンはやはり久留米です。
大介さんもどこかでお書きになっていたと思うのですが、久留米はとんこつ発祥の地といわれていますからね。
おすすめは大龍ラーメンと大砲ラーメンです。
久留米石橋美術館で坂本繁二郎や青木繁の油絵を見て、そのあとラーメン、もうサイコーですよ!
by parlophone (2007-11-09 00:28) 

chitlin

遼さん、こんばんは!
トラックバックさせていただきます。

The City、何にせよアメリカ本国では廃盤状態にあるってのは解せないことです。日本の音楽ファンが殊更、溺愛しているだけでもないと思うんですけれどね。

>『喜びにつヽまれて Wrap Around Joy』は押しも押されもせぬ大名盤
ほかの皆さんにとっても同様のようですね。うー、手配せねば。
by chitlin (2007-11-09 01:42) 

parlophone

chitlinさん、コメント&トラバありがとうございます。

>The City、何にせよアメリカ本国では廃盤状態にあるってのは解せないことです

そうだったんですか!
アメリカの人たちの好みってむずかしいですね。

『喜びにつゝまれて』、ぜひ聴いてくださいね^^
by parlophone (2007-11-09 22:44) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 3

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。